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第82話 只今作業中!侯爵家を設置しよう!

長らくお待たせしました。

 リィサ達を伴って外に出ると既にかなりの人数が集まっていた。もしかして俺達が最後だったかな?確認するべくイルディオさんを探そうと思い周囲を見渡しても見当たらない、やはりまだ屋敷の中に居るのかな?そんな風にキョロキョロしてる俺を見たリィサが近寄ってきた。



「そんなにキョロキョロしてどうしたのユーラ?誰かを探してるのかしら?」


「あぁ、そうなんだけど・・イルディオさんは何処かに居るのかと思ってね?周囲を見ても見当たらないから、もしかするとまだ屋敷の中にいるのかもしれないな。」


「イルディオさん・・あぁ、あの執事の方ね?そうね?私も特に見掛けなかったし、まだ屋敷の中かもしれないわね?私が呼んでくる?」


「いや、大丈夫焦らせるのも悪いから待つ事にするよ。あの人は優秀だしね?それに気づいたら背後にいる様な人だから、俺が用があると思ったら来てくれそうな気がするし。」


「何それ?いくらなんでもただ思っただけで来てくれる訳ないじゃない。用があるなら横着せずにちゃんと声を掛けるべきだわ。」


「いやいや!本当何だって!イルディオさんって用があるんですって思うだけで来るんだよ。それこそ何処かでこっそり聞いてるんじゃないかって思うくらい何だから。」


「馬鹿言ってないでちゃんと・・・・。」


「ん?どうしたのリィサ?そんなボケッとした顔して?後ろに誰かいr・・・・どわぁ!な、なんで後ろに居るんですか!イルディオさん!」



 そう、リィサが急に黙ってしまったのは俺の背後に音も立てずにいつの間にかイルディオさんが立っていたからだった。この人は・・・絶対わざとだよな?くそぉ~警戒しつつ話していたはずなのにまた隙を突かれた気分だ。



「いえ、ユーラ様が私に用があるのでは無いかと思いまして。あぁ、それと屋敷内の者は既に全員外に出ておりますので、そちらの報告も御座いましたな。不躾では御座いますが他にも何か用は御座いますかな?ユーラ様。」



 ぐぬぬ、おのれイルディオさんめ!俺が何かを言う前に完璧な仕事をこなしやがった。これじゃあ何かを言いたくても言えやしない。



「い、いえ、ありがとうございます。それなら問題無く作業に移れそうです。後は俺に任せて成り行きを見守っていてください。」


「おぉ、そうで御座いますか。それなら私は旦那様とそのお客様のそばに控えさせていただきましょう。では、私めはこれで。」



 くぅぅぅ~完璧執事めぇ!卒なく何でもこなしやがる。悪い事では無いが、悔しいので一泡吹かせてやりたい気分だ。今からやる作業で度肝を抜かせてやれたらいいんだけど、おそらくそう簡単にはいかないだろうな。

 さてと!今から作業に入る訳だが・・ここで気を抜くとせっかくの今までの作業を台無しにしかねない。気を引き締めていこうか!

 では、まず始める前にここにいる全員に注意を促しておこう。作業範囲内に入ってきて怪我をされたりしてはたまらんからな。



「えぇっと、此処に居る皆さんにお願いがあります。今からこの屋敷の改築(?)工事に掛かりますが、決して作業範囲内に入らないでください!怪我をしたり下手をすると死亡事故になる危険があります!絶対に入らないでください!良いですか?」



 俺の問いかけに皆一様に返事をしてくれた、これなら大丈夫だろう。あと念の為屋敷の中に誰も残っていないかを【すべての地図】を使って確認しておこう。もしかしたら存在感が薄くて気づかれてない人がいないとも限らないしな。



 屋敷の隅々まで確認をしてみたが、どうやら居残りさんはいないようだ。これで安心して作業に打ち込める。まず、すべき事は今の屋敷を完全撤去する事だ。先程侯爵にもう一度本当に屋敷を片付けても良いですか?と確認した所「全く問題無い!」と力強い言葉をもらったので大丈夫だろう。と言う訳で、早速この屋敷を丸ごとマイバッグに放り込む事にした。ん?処分しないのかって?もしかしたら侯爵の気が変わってやっぱり返して?と言われる可能性も考慮してしばらくは保管しておく事にしたのだ。ほら、思い出の屋敷でもあるだろうしね?

 何はともあれ、まずは屋敷を片付けましょうかね。



「さてさて、ではいきます!マイバッグ発動!屋敷を収納だ!」



 俺の掛け声と同時に目の前の空間が歪み、その歪みに屋敷が一瞬で吸い込まれて屋敷があった場所は何も残らない更地になった。その光景を見ていた人達は全員が唖然とした表情をしている。お!イルディオさんまで唖然としているぞ。よし!勝ったな(?)イルディオさんには驚かされてばかりだったから、その表情を見た俺としては気分がいい。さて、作業を続けるか。



 屋敷があった場所を見ると多少土間が凸凹している、流石にこのままでは建物の傾きの原因になるので【土魔法】で一度綺麗に地面を均し、【重力魔法】で地面を圧縮していき土台とする為に丁寧に真っ平らになる様に心がける。凹んだ部分には追加で準備してある土で埋めていく、手を抜いていい工程では無いのでしっかりと固めていく。

 よし!これなら大丈夫だな!次は俺が作り上げた屋敷を設置していく。これで更に驚いてくれるかな?皆の反応が楽しみだ!



「土台はこれで良いな、次は屋敷を置くぞ。マイバッグから~ドーン!」



 ドーン!とは言っても落としている訳じゃない、ただの勢いで言ってみただけだ。やってる作業内容はゆっくりと慎重に固めた土台の上に設置していく。突如空間から新しい屋敷が現れた事で、皆の反応がまたしても唖然としている。そうそう!その表情が見たかったんだよ!

 だが、しかし!作ったのはこれだけではない!そう、あのゴリラゴーレム像も含めて屋敷が完成したと言えるだろう。



 新たにマイバッグからゴリラゴーr・・長いな。うん、略してしまおう。ゴリラゴーレム、ゴーリラ?うぅん違うな、ゴーリム?うんこれが良いな!よし、ゴーリム像を取り出して設置する。ただ設置しては面白くないので、せっかくだしパフォーマンスを兼ねてゴーリムに歩いて指定の位置で立ち止まる様に命令をだした。



 ドスン!ドスン!と重い足音を響かせながら玄関前の指定位置に立ち止まり、デフォルト設定にしてあるドラミングをしようする体勢で停止した。どうよ!中々上出来じゃないだろうか?自信満々で背後に控える皆に振り返ると・・あれ?皆どうしたの?なんでそんなに冷や汗をかいてるの?そんな俺の疑問に答えるかの様に皆が一斉に叫んだ。



『ぞ、像が動いたーーーーー!』



 うぉ!び、びっくりしたぁ!何だよ急に大声出したりして、そんなに驚く事か?俺がそんな事を思いつつ皆を見ていると、侯爵を筆頭に皆に詰め寄られた。



「ゆ、ユーラ殿!あ、あれは一体何だ?何なのだ!何故、動いたんだ!教えてくれ!何故だ!」



 ガクガクと俺の肩を捕まえて前後に揺さぶるゴリラ侯爵、や~め~ろ~気持ち悪くなるだろぉ~。



「ちょっと、その前に揺さぶるのを止めてください侯爵様~。は、吐きそうです。」



 それでも尚も揺さぶる侯爵をそろそろぶっ飛ばそうかと考えていたら、そばにいたイルディオさんが再起動してゴリラ侯爵を止めてくれた。ふぅ~助かった、あと何秒もしない内に吐く所だった。しかし、疑問は解消されてないのでイルディオさんが手を離すとまたすぐにでも掴みかかってきそうだ。そうなる前に説明をしておく事にしよう。



「まずは落ち着いてくださいよ侯爵様、先程の様にされると説明してくてもできないですから。」



 そこまで言われてようやく落ち着いたゴリラ侯爵、やれやれ困った人だよ。



「それでちゃんと教えてくれるんだろうな?一体何故あの銅像は動いたのだ?あとあの屋敷は何処から出したのかも教えてくれ。」



 はいはい、ちゃんと教えますよ~。どうせ屋敷の説明もしないといけないだろうしね?まずは、屋敷をどうしたか?から説明しますか。



「まずですが、屋敷を何処から出したか?いつの間に作ったのかを説明します。何処から出したのかは俺がアイテムボックスを持っているからですね。で次に・・『ちょっと待った!』・・えぇ?何ですか?次の説明をしようとしたのにぃ~。」


「いや、本当に少し待ってくれユーラ殿!この・・前のよりも大きくなった屋敷をアイテムボックスから出した?それはいくら何でも可怪しいだろう?普通アイテムボックスとはどんなに大きくても人よりも大きいサイズの物を入れる事は出来ないはずだ。それに容量もだ、あれだけの屋敷なら重さもかなりの物だはずだ。どう考えてもワシ等が今まで聞いたアイテムボックスの容量を明らかに超えている、一体どうなっているのだ?」


「いやぁ・・まぁあれですよ、ちょっと特殊なアイテムボックスってだけですよ。あまり深くは聞かないでいただけると嬉しいですね。」


「しかしだな・・。」



 尚も俺に言い寄るゴリラ侯爵だが、そばに居たダンディな中年男性に止められた。



「なに、良いではないかゴリニテ侯爵よ。此処までして屋敷を作り変えた御仁を困らせるものではないぞ?お主とて知られたくない事くらいあるだろう?」


「それは・・むぅ、仕方ないですな。あなたにそこまで言われてはこれ以上は聞く事も憚られる。ユーラ殿すまなかったな、この通りだ。」



 ダンディさんに言われて頭を下げるゴリラ侯爵・・へぇこのダンディさん凄いな、あれだけ傍若無人に振る舞っていたゴリラ侯爵をここまで手懐けるなんて、よく調・・信頼されてるんだなぁ。



「別に問題ないですよ?それより屋敷の説明に移っても良いですか?」


「すまないな、頼むユーラ殿。」



 ダンディさんの事は気になるが、今は屋敷の説明に集中しよう。終わった後も気になるようなら、その時に本人に聞くなりなんなりすれば良いだろう。



「分かりました、屋敷ですが実は侯爵様に材料を集めてから作りたいとは言ってましたが、実はその時には既に材料は揃ってましてね?後は作っていくだけだったんですが、屋敷で騒がしくせずにするにはここでは出来なかったので【叫びの洞窟】で製作していたんですよ。製作期間は侯爵様に説明していた材料集めの為の期間である10日の間に製作しました。いやぁ、かなりギリギリでしたがうまく仕上げる事が出来て良かったですよ。」


「と、10日?たった10日でこれだけの・・前の倍の大きさはあろうかという屋敷を作り上げたというのか?・・・・・き、規格外・・だな。」


「いえいえ、とんでもないですよ。俺なんて本当の職人に比べればまだまだ半人前ですからね。」



 優良の発言に対して、この場にいるすべての人達が思った・・そんな事が出来る人なんて普通いない、と。自分のしてる事に全く自覚がない優良だった。

すいません!1週間を目安にしてましたが、時間を作れませんでした。お待ちしていた皆さん申し訳ないです。これからまたすぐに執筆してきます。

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