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第77話 侯爵家の新築工事

本格的に建築していきます、皆様にうまく伝わってくれると良いのですが。

 イルディオさんに伝えるべき事は伝えたので、さっそく下準備に取り掛かる。屋敷で出来る事はし終えたので、ダンジョンの3階層に転移した。



 瞬時に風景が切り替わり既に懐かしさすら感じる場所に思える。そんなに経ってないのにな、それだけ濃厚な時間を過ごしたとも言えるかも。

 念の為と思い周囲を索敵してみるが、魔物はいないようだ。どうやら魔物がここにいたのはスクラップサーペントが居座っていたからなのだろう。それに、唯一の入り口とも言える場所を閉じてあるしそう簡単には入ってこれないだろう。



 安全な状態である事も確認出来たので、準備に取り掛かる。まずは【クラフトルーム】を展開して中に入り侯爵家の屋敷よりも大きい空間へと拡張していく。この空間拡張は少し前におじいちゃんが馬車内部を拡張したのを見ていずれやってみようと思い、何度か練習して会得したものだ。

 さてと次は【スクロールメモリー】に取り込んだ侯爵家の全体図を【トランスファー】で何もない空間に転写していく。すると、そこに半透明になった侯爵家の全体図を展開する事ができた。初めて試してみたが、中々いい感じにできていると思う。



 そこから少しずつどういった構造にしていくかの編集をしていく。柱、階段、部屋、ロビーなどの位置を無駄が無いように動かしていく。俺も設計までは習っていないが、それでも改築をしている時などには設計図を見たりしていたので動線を考えた配置には少しばかり覚えがある。おそらく失敗もするかもしれないが、その都度模様替え?をした侯爵家を実物化して使用感を試せないかと考えて出来ないかな?と考えて試してみた所…出来ました。実物化を考えて【トランスファー】を創った訳では無いが、気づいたら仕様が変わっていたのだ。

 俺が無意識に何かしたかな?とも考えたが、どちらかというと例の声の人あたりが何かをしたのではないかと思っている。だってあまりにも俺に都合が良すぎるんだもん。



 よくよく思い出してみると俺ってこの世界に来てからはかなり俺に都合良く物事が進んでいると思うのだ。もちろん自分の力ではなくおじいちゃんやおばあちゃんに支えられての事だ、後一応はメリセレーネ様もだな。だが、それを上回るであろうあの謎の存在だ。俺が精神的に追い詰められていた時も声を掛けてきてくれたが…一体何者なんだろう?俺の味方っぽいではあるんだけど…それを含めておじいちゃんには色々相談したい事があったんだけど、今だに連絡が取れないんだよなぁ。本当にどうしたんだろうか?



 わからない事にいつまでも気をまわしてもしょうがない、今はやるべき事をこなしていくとしよう。

まずは、そうだな。材料の準備をしようか、木材に石材、あとは金属材と。今はこんな所かね?あとは追々必要に応じてって事で。一番の材料はやはり石材が中心だろう、木材だとどうしても火事の心配があるからどうしても気が進まない。石材であれば火事や大雨の時も心配はいらないし耐久性に関してもバッチリだろう。石材の色合いとしてはシックな落ち着いた色合いの物を採用しようと考えている。曲がりなりにも侯爵という立場の者がみすぼらしい家を構えるのはどうかと思うしね。



 だからといってキンキラキンにするのは俺が嫌だ、俺からしてみればそれはただの悪趣味な家だ。絶対に認めない!とまぁ、エキサイトするのはここまでにしておいて作業を続けよう。

 準備するものは決めたが今度はどう材料を加工していくかだな、柱なんかは基本は円柱にしていこう。その方が西洋っぽいしね?あまり四角柱とかだと…うん、俺的にはこれじゃない感があるから、ここらへんは色々試して違和感がなければその都度考えるという事にして基本は円柱だな!



 お次は床材だな、基本石材だが場所によっては木材を使用してもいいかも?と考えている、たとえば寝室とかは木材でもいいかなと。寝室ではできるだけ温かみをもたせた作りにしていきたい。石材だと寒々しさを感じそうだからだ。暖かくするのは魔法で簡単にできるだろうが、見た目はそうもいかないだろうし、絨毯を敷いてみれば?とも思うが、それだけでは見た目的なぬくもり感は得られない様な気がしている。かと言ってわざわざ魔法を使うのはなんか違う気がしてね?それなら初めから見た目を良くすればいい。まぁこの件に関しても問題があるようなら後で見直す事はいくらでも出来る。無理して今決める必要は無い、床材に関してはこの方針でいくとしよう。



 次は~何だっけ?あ!そうそう!壁材だな。壁材も同様に石材を主に用いるつもりだ。だが、壁材も場所によりけりで木材を使用する。これに関しても理由は床材と一緒だな。今の段階でも変更はない。よし!次にいこう。



 今度は天井材に関してだけど…これはちょっと迷っている。天井に関しては多少こだわりを持ちたい、あと天井に潜める様な構造を作るのは避けたい。異世界のイメージ的に、天井裏=暗殺者が潜んでいる。をイメージしてしまったからだ。仮に構造的に潜める様な構造にしたとしても何かしらの対処をしておきたい。自分の所為で知り合った人が酷い目にあうのは避けたい。

 そういえば魔の森で手に入れたあの木材、まだあったかな?あれってあの熊の魔物に殴られても簡単には壊れなかったよな?あれで色々試してみるか?模様なんかも入れれば結構いい感じの天井材が作れるかもしれない。試してみる価値はありそうだ。



 大まかな方向性は決まったな!後は材料の加工をしてサンプルを作ってみよう。それを侯爵に見せてみて反応を見てみるか。反応が良ければそれで良し!もし、イマイチな様子であれば侯爵に意見を聞いてみて取り入れて見ればいいだろう。



 まずは柱のサンプルから作ってみようか、柱に関しては家を支える重要な物だ。出来る限り丈夫な物を使わなくてはいけない。そこで俺が選んだ素材はこちらです、ドーン!


硬剛石こうごうせき

ただひたすらに硬い石で金属で言う鉄に匹敵する特性を持つ。石材としてあまりにも硬い為加工が難しく普通の職人では加工がまともにできない為、見向きされなくなってしまい割と簡単に手に入る物になっている。



 コイツを使います!俺自身もこの素材がどれだけの物なのかを試すために魔法を使わず加工をしようとメリセレーネ様に貰った道具で加工してみようと試した所…普通に出来ました。ひたすらに硬いと言われてる石材を簡単に加工できる道具…今まで魔法ばかりを使っていた所為で日の目を見る機会が少なかったが、今回を機に使っていこうと思った。今までごめんよメリセレーネ様。



 加工に関しては道具があるので問題ないが、問題は素材のサイズだ。採掘で手に入れた物の為に小さい物もあれば大きな物もある。だが、それではイカンので思い切って【スキル】にあった錬金術を使う事にした。これもまた久しぶりのお披露目である、最近は使う機会が減っていたからなぁ。とそれは良いとして、バラバラのサイズの硬剛石を一箇所に集めて…くっつける!(一般的に)硬いと言われてる硬剛石がまるで粘土の様に一つの塊になっていく、だけどちょっと待てよ?そのまま一つのただの塊になってしまっては結局また別の加工が必要になるんじゃないか?

 それならいっその事柱の形状にしてしまえば後の仕上げが楽になるんじゃないか?そう思い形状を俺がこうしたいと頭の中にある円柱型をイメージして再度錬金術を行使する。すると…何という事でしょう!いきなり完成品の様な仕上がりの柱が出来てしまったではないですか!



 しかしここで俺はある事に気がついてしまった!…これ道具いらねぇんじゃね?と。せっかくメリセレーネ様から貰った道具の出番か!と思っていたのに、結局使わない事になりそうだ。ま、まぁまだわからないよな?ここから!ここからかもしれないからな!よし、よし!今は道具の事は考えないようにしておこう。何か知らんが罪悪感が半端ない。



 それにしても完成した柱を見上げると…中々いい仕上がりだな。ただ…一つ難点があるとすればそのサイズかな?どう見ても直径が1mあるぞコレ。長さに至っては50mはある、確かに材料を山積みして錬金術を掛けたが、ここまでのサイズになるとは…。だが大丈夫!硬剛石はまだまだ豊富にある、それこそ文字通り山ほどに…サクサクと採掘出来るのが楽しくて馬鹿みたいに取っていたからだ。休む事も忘れて3日間寝る事も食べる事も忘れて採掘してたからな。今考えればアホにも程があるが…まぁでも、アレだよ?夢中になれる事があるって良い事だと思わないかい?



 横道に逸れ過ぎるとまた無駄に時間を食ってしまう、今日は早めに帰る約束だしな。とりあえず柱のサンプルは…まぁ、これでいいだろ。長さに関しては1mぐらいに切っておけば問題はないはずだ。

 さて、次は床材にしようか。床材にはダンジョンから帰る途中で手に入れた【木目石】を使おうと思う、この木目石は切る角度によってその名の通り木目の様に、また別の角度から切るとマーブル模様になるので床材に使えばさぞかし綺麗な見た目になるだろう。これは想像するだけでも完成が楽しみになる物だ。



 早速木目石を集めてまずは適切なサイズに錬金術を使用してひとまとめの塊にしていく。採掘した時に説明を省いたがこれもかなりの量を手に入れている。とは言っても辛うじて床材の分を確保出来るかどうかと言った所だ。

 塊をいくつか錬金した所で、適切な厚みになるようにカットしていく。一枚あたりにあまり厚みをもたせると床全体の分が足りなくなってしまうので、ある程度薄くする必要があるが、薄くし過ぎて割れても困る。どうするのが最適だろうか?としばらく悩んであるアイデアが浮かんだ。

 マシイナ伯爵の扉にも施した付与魔法を床材一枚ごとに掛けてはどうだろうか?もし掛けるとしたら…【不壊ふえ】って所かな?付与魔法の不壊は文字通りの意味で壊れない、だ。あの侯爵は歩き方すら豪快だからな…そのままだと絶対割れるに決まってる。まずは一枚だけ製作してみよう。厚みは5ミリ程度で試してみようおそらく問題はないはずだ。5ミリの厚みを心がけて錬金を使用すると…見た目が綺麗なライトブラウンとミルキーホワイトのマーブル模様の床材が完成した。ウッシ!バッチリだ!これは良いぞ~。

きっと気に入ってくれるに違いない。木材を使用した床材に関してはちょっと保留、壁材と一緒に作るとしよう。とりあえず床材はこれで良いな、次に取り掛かるとしよう。



 今度は壁材だが、まずは石材から着手しよう。そうだな…柱と同じ硬剛石を使っても良いけど、何か変化が欲しいな。木目石は床材で丁度の量だろうし、そうなると壁材に使う為の物が硬剛石しか無い事になる。どうしたものかなぁ、何処かに探しに行くか?どうやら少し行き詰まってしまったようだ。何か使える石材を探しに行かないと…。俺は休憩がてら【クラフトルーム】の外へと出る事にした。まさかそこであまりにも簡単に目的の物を見つける事ができるとは知らずに。


あまり細かくなりすぎないように端折れる所は端折っていきます。

クドくなるのもどうかと思いまして^^;

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