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第75話 侯爵家の改築相談会

久しぶりにものづくりの話が書けそうです。どれくらいの話数を取るかは作者の気分次第ですが…。

 時間は経って今は借りている部屋の中、流石に1人ずつ部屋を充てがってもらうのは気が引けたので、俺は1人で一部屋を(強制的に)、リィサ、レナリアさん、ユリーナさんの3人で一部屋、モニカと戦乙女ヴァルキリオンを合わせた6人は大部屋を一部屋だ。ちなみにセラとシファそれとセルスは部屋にいるよりも自然のある場所が落ち着くとの事で近くの森で寝るそうだ。

 俺はそれは流石に危険なのでは?と思ったので、せめて近くに居たほうが良いんじゃないかと思い侯爵家の庭に簡易な小屋を設置させてもらおうと思ったのだが、ただ自然がある場所にいたいというだけではなく、セルスに気を使ったようだった。今はまだ人が多くいる場所にいるのが辛い、との事だった。



 その事で俺はもっと彼女に気を使うべきだと思わされた。そうだよな…そう簡単に人にされた酷い事を忘れる事なんて出来ないよな…。うん、セルスもそうだけどもっと皆にも気を配れる男にならないとな!



 そう思いたった俺は早速行動を起こそうとセルス達3名がいる森に一緒に向かおうとした。もちろん一緒に寝ようと思っての事だ。決してカミラさんから逃げようとした訳ではない。…訳ではない。

 だが、俺の思惑はリィサ達のみならず俺が気を使いたいと思っていたセラやセルスにも止められた。今一緒にいるべきは自分達ではなくカミラさんである、と。それは何故なのか?と聞いた所、自分達の様な人外の者達を囲うには、それなりの家だったり権力者の保護が必要だと言われた。権力者は既に王族であるレナリアさんや貴族のユリーナさん、同じく貴族のマシイナ伯爵などの後ろ盾を手に入れた様なものだ。

 それでも必要なの?と聞くと、ただ一言「多いに越した事はない」と言われた…それはどうなんだろうと思いはしたが、まぁわからないでもない事もないので素直に頷き今は侯爵家に居る、と言う訳だ。



 しかし、まぁ…それは別に良いんだよ、うん。だが、俺が気を張り詰めすぎなのかは知らないが、部屋の外から…こう、ね?なんと言えばいいのか、悶々とした気配を感じるのだ。それも俺が怪しいと思ってる1人だけではなく、複数の気配を感じるのだ。

 これはやはり計画された事だったのか?ほぼ確実に扉の向こうにはヤツラが待ち構えているだろう、何を言っているのかわからないと思うので説明すると、俺は休む前に風呂に入りたかった。何故かって?今までは【生活魔法】のクリーンでなんとか凌いできたが、それももう我慢の限界だった所にお風呂場があるという情報だ、今まで何処にも風呂が無かったのにも関わらず侯爵家には風呂があるというではないか!まだ風呂場に行ってはいないので、大きさなどはわからないがそれでも少人数なら一度に入れるだろう。なので、男は俺1人(ゴリラ侯爵は絶賛ハッスル中らしい)だから1人で入ろうと思っているが…待ち伏せしてるっぽいんだよなぁ。お風呂ぐらい1人でゆっくり入りたいのに…。久しぶりのお風呂だから尚更だ。



 かと言ってあまり時間を掛けてもいられないので、俺は魔法を使う事にした。【全ての地図】で風呂場の場所を確認!そして【転移無法】で移動するのだ!意地でも1人でゆっくりしてやるぜ…フッフッフ。いざ!風呂場へ!



 風呂場へと辿り着くと既に準備を終えていたようで、湯気が立ち込めていた。どうやら脱衣所を飛ばしていきなり風呂場の中へと飛んできてしまったようだ。それにしても湯気がすごいな、少しくらい換気しないと呼吸が出来ないぞ?

 仕方が無いので俺が換気をしようと窓らしき場所まで移動して開け放つとゆっくりとではあるが、湯気が晴れてきた。これでゆっくりとお湯につかれるな!と思って浴槽があるだろう場所を見ると……ん?気の所為か?誰か入ってる?そんな馬鹿な!他の皆は俺の部屋の前にいたはず…それなのに【転移無法】を使ってまで移動してきた俺より早く移動できるはずはない!では、今この浴槽につかっているのは誰なのか?徐々に湯気が晴れその人物がいる場所を見ると……カミラさんだった!うっそ!マジで!まさかこれは罠なのか!?



 しかし…あれ?よく見てみると…気を失ってる!ヤバい!急いで浴槽から出さないと!俺は裸のままのカミラさんをお姫様抱っこで風呂場から連れ出した。誰か呼ばないとマズイな…着替えも頼まないといけないし、それにしても何でのぼせるまで入っていたんだ?まぁそれは後で良いとして今はカミラさんを休ませて熱を下げないと!



『皆!急いで風呂場に来てくれ!カミラさんがのぼせて気を失っているから手を貸してくれ!』


『あれ?ユーラくん部屋に居たんじゃないの?どうしてお風呂場にいるの?』


『後で説明するから今は早く来てくれ!イルディオさんにお願いして着替えを準備してもらってくれ!俺はカミラさんを介抱しておくから!』


『わかったわ、急いでくるから後はお願いねユーラ。あと何で1人でお風呂場にいるのか、後でちゃんと聞かせてね?』


『………ウス。』



 後でどうなるのかを考えるとため息がでるが、仕方ない。それは後で考えよう、うん。今はカミラさんを介抱するのが優先だ。カミラさんを見るとのぼせているせいか顔が赤くなっており、目を閉じたまま息苦しそうにしている。まずは、冷やさないといけないな……うん?待てよ…【快復魔法】でいけるんじゃね?無理ならすぐに冷やすとして、試してもいいだろう。よし…。



「【快復魔法】ライトヒール!………カミラさん?大丈夫ですか?しっかりして下さい!」



 赤くなっていた顔がほんのりピンク色になり先程までハァ、ハァとした荒い呼吸からはだいぶ落ち着いたはずだけど目を覚ます様子がない。寝ているのか、今も気を失っているのか…とりあえず服を着せたいんだけど…どうしてもお胸様に目がいってしまう、さっきも揺すった時にプルプルと揺れていたしね…男の子だからねどうしても気にはなるのよ?



 だが今は非常事態、そんな色ボケをかまして何かあっては大変だ。今俺にできる事は…とりあえず体くらいは拭いておくか?見なければ大丈夫だよな?よし…拭いておこう。



 無事カミラさんの裸を見る事なく拭き終えた…が!感触はバッチリ手に残っている。だが、ここで欲望に流されてしまう訳にはいかない。そろそろリィサ達が来るだろう、後は彼女達に任せて俺は部屋に戻るとしよう。もう今日はお風呂は諦めよう…あぁお風呂入りたかったなぁ…。



 何事もなく朝を迎えた、結局あの後リィサ達が部屋を訪れて詳細を説明してくれた。どうやら部屋から俺が出たらそのまま風呂場に連行し、そのままお風呂で二人っきりに…という作戦だったようなのだが、予定外な事に俺が部屋から中々出てこなかったので、風呂場で待っていたカミラさんはのぼせてしまった…という訳だ。



 カミラさんの事はリィサ達に任せておいて俺は侯爵に改築の件で話をする事にした。下手に今のカミラさんに関わると恥ずかしい思いをさせそう、という配慮からだ。



 作業内容を侯爵と話し合う為に探す事にしたが…下手に部屋を訪れて今も…みたいな事になっても嫌なので、イルディオさんに確認してもらう事にした。



「おや?どうされましたか?ユーラ様、何か御用でしょうか?」


「あぁ…イルディオさん、ちょうど良かった侯爵はどこにいますか?屋敷の改築の件で話があるんですか…もし都合が良ければ話をしたいと伝えて貰えませんか?」


「旦那様にですか?それに屋敷の改築ですか…私は何も聞いておりませんが…また、黙って決めたのですか…困ったお方ですな、本当に。はぁ…。しばしお待ち戴けますか?今、確認して参りますので。」


「はい…お願いします。」



 確認を取る為に離れていくイルディオさん、この人もだいぶ苦労してるんだな…なんか兄弟揃って苦労人とか…俺からは頑張ってくれとしか言えないな。



 しばらくしてイルディオさんと共に侯爵が来てくれた。これでようやく改築の話ができる、どういう感じにしていくか…どうせなら思いっきりやってみたいけど…流石に多少の報酬はほしいけど…図々しいか?そこも要相談だな。



「おぉ!ユーラ殿!いよいよワシの屋敷にもマシイナのとこの様な扉を作ってくれるのか?待ちに待ったぞ!早速お願いしよう。」


「侯爵様待って下さい、その前に俺の話を聞いてもらえませんか?」


「話だと?他にも何か話す事があるのか?」


「えぇ、そうなんです。侯爵様は今の自分の屋敷をどう思いますか?屋敷の作りや見た目など…色々あると思いますが、どうですか?満足していますか?」


「ふぅむ…そうだな…最近はあちこちが傷み始めていてな、偶に何処からか隙間風が吹く事もある…今は簡単に直されてはおるが、雨漏りした事もある。今の屋敷の現状に満足してるかと言えば不満が多いな。思い出があるという点で言えば愛着もあるが、貴族としてはいつまでもこのままではイカンとは思ってはおったが…それがどうしたというのだ?」


「もしよければですが、俺に屋敷の改築をさせて貰えませんか?」


「何!?それはつまり屋敷の入口の扉だけでなく、屋敷全体の改築をしたいという事か?」


「そうです、正直俺が見た限りでも危険だと思える箇所が2~3箇所はありました。何かある前に改築をするべきだと思って相談をしたかったんです。」


「それはありがたい!…だが、問題もあるな。もし改築をするとなるとそこかしこで大きな音を立てたりホコリもたつだろう。ここは僻地ではあるが、偶には来客もあるのだ。現に今も名は教えられぬが貴族の来客があってな…今も我が屋敷に宿泊しておるのだよ。流石にその客に迷惑を掛ける訳にはイカンのでな。ふむ…どうしたものか。」



 宿泊客が居たのか…どうしようか?流石に客がいるのにガンガン音を立てたりするのは気が引ける。

どれくらいの期間滞在するのだろうか?まずそこを聞いてみよう。



「侯爵様そのお客さんはどれくらいの期間屋敷に滞在するのでしょうか?もし、そこまで長居しないのであればお客さんが帰ってからでも構いませんよ?」


「いや、それだとかなり待つ事になる早くても一ヶ月は待つ事になるかもしれん。そうなれば今度はユーラ殿に迷惑を掛けてしまう。ユーラ殿は王都にも向かうのであろう?ならばあまり時間を取らせる訳にはいかないだろう。…ふむ、どうするか。」



 一応俺が王都に向かう事を覚えていたのか、それと俺に気を使ってくれているのは正直ありがたい。意外と無茶ぶりもしてこないので、ストレスにもならない。あくまでも今の段階では…だけどね。



 それはともかくとして!何か方法を考えないといけないのだが…どうしようかなぁ。う~ん、どうしても作業をするのに音を立てずにするのは難しい。魔法を使えばいけそうな気はするけど、そうするとかなり厳し目に条件を設定しておかないといけなくなる。



 あれ?待てよ…そうか!俺にはアレがあったじゃないか!そう【クラフトルーム】が!これでいけるはずだ!早速計画を立てねば!!

常日頃からこの作品を読んで下さる皆様ありがとうございます。そんな皆様のおかげでPV数が10万を超えました!まだ、評価やブックマークの件数も以前の倍になっておりました。本当にありがとうございます!これからも何卒よろしくお願いします。最近忙しさもあり以前の様に投稿する回数は減りましたが、時間を作っては投稿を続けていきますよ~。

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