第7話 おじいちゃんに魔法を教わろう
いろいろ読みやすいように試行錯誤してます。読みやすければ良いのですが。
まずは、ステータスの確認をもう一度だな。なんか自重はしないって事だけど、正直イメージが湧かないな。あんまり、詳しいわけでもないし、それに向こうに居た時でも、ラノベって自分が面白いって思う作品しか読まなかったしな。流石にいろんな人の小説を読めるほど、暇も無かったしな。
あぁ~なんかあのブラックな会社に居たのを思い出すと憂鬱になるな、せっかく大樹さんに救ってもらえたんだ、あんな会社の事を考えるのはやめておこう。
よし!まずはステータスだ、出来ないことや考えてもしょうがない事をいつまでも巡らせてもどうしようもないしな。
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新石 優良
【性別】男性
【年齢】18歳
【種族】人族
【職業】建築職人見習い
【称号】不遇の職人 女神の被害者 創造神の孫 創造神の恩恵 ??? ???
【レベル】5(50)
【HP】12400/12400
【MP】27800/27800
【魔法】
生活魔法 LV.-(灯火、飲水、微風、)
創造魔法 LV.-(金属生成・???)
四大魔法 LV.-(火・水・風・土)
属性魔法 LV.-(オリジナルを作ると楽しいかも?)
【スキル】
建築術 LV.MAX(木材・金属・石材加工、木材組立・石材積上、自動作業)
錬金術 LV.MAX(金属精製、石材精製、薬・霊薬製造)
素材取寄 LV.MAX(使用、目視した事のある素材の取寄が可能)
身体強化 LV.MAX(強化率100%+MAXボーナス50%)
マイバッグ LV.-(お買い物に便利・容量無限)
職人の目利き LV.-(技術は目で見て盗め!)
全属性適正 LV.-(あらゆる属性を使える様にしたから色々考えてみてね)
武の心得 LV.-(男なら拳で戦うのも悪くない?全武器適正)
魔の心得 LV.-(魔法は異世界の定番!威力UP・使用MP半減)
経験値取得率100倍(頑張って成長してね!)
魔法の建築道具(自身が望む姿・形になる道具・サイズ変更可能・重量変更可能)
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ナニコレ?どうなってんの?いくらなんでもおかしいだろ!!よくラノベにあるチートだよ!
過ぎた力は身を滅ぼすというが、まさにそれだな。こんな力を持っているのが怖いわ。
気をつければいい?そんな風に割り切れれば向こうの世界でも、もっと楽に生きられただろう。
正直言って怖いのだが、困った事にワクワクしてる自分もいるわけで…。
実際こんな世界だし割り切らないと生き残るのも大変そうだ。牙の鋭いウサギやら人を見た瞬間襲ってくる熊?もいるしな。下手をしたらもっとすごいのもいるかもしれない。
いや多分いるな、いない訳がない。俺が知らないだけで絶対にいる。この世界は油断したら即命取りになりそうだ、いや絶対になる!だから、これは必要な力だと思っておこう。なんかここに来てからこんな考えばっかだな。なんか本能的になってきてる気がする。
それと今更ながらに気付いたんだが…歳が18になってる…なんで?思えばこの世界に来てから体のダルさとか節々の痛みがなくなってるんだよな~。なんで若返ったの?意味がわからない上になんの説明も無いし…サービス?う~ん、もういいやわかんねぇ。損はしてないしね。きっと人生をやり直してって言ってるんだね!
ある程度の今の状況はわかった…あとの問題は外にいる熊だな、アイツをどうにかしないといつまでもここに籠もっているわけにはいかない。ヤツを倒そう!いける、きっとイケるよ!…多分。
「う~怖いんだが、行くしかないな。よし、行こうか。」
そうしてドアに手を掛けた瞬間だった。何か気配の様なものを感じた。不思議な感覚だった。
確かにそこに何かがいると感じるのだ、どうしてだろうか?今までこんな気配なんてものは感じた事は無かったのに…。ステータスのスキルにもそれらしいものは無かったはずだ。いや待てよ、確か【武の心得】とかいうスキルがあったはず、もしかしてそれかもしれない。
それなら少しはやりようがあるかも?気配はドアから右側に3mぐらいの位置にいる。それなら、急いでドアを開けて一旦距離を稼ごう、それから熊と対峙してみよう。あとは、なるようになるだろういつまでもこの中に引きこもっていたら、ずっと出ていけそうにないからな。ここは、神様達を信じていってみるか。
「まずは、ドアを開けて―今だ!とりあえず真っ直ぐ駆け抜ける!」
走り出した俺を例の熊が追っかけてきているようだ。やはり気配を感じる事ができる、後ろから追いかけてきてるのがよく分かる。適度な距離を稼ぎつつ奴の状況を伺う。
「うわ~めっちゃよだれ垂らしてる~。完全に獲物として見られてるなこりゃ。絶対にやられたくね~、逆に食ったろか。熊肉ってうまいのかな?ちょっと楽しみだ」
俺は立ち止まり熊の正面に立つ、それと同時に熊も俺の10m手前で立ち止まった。追いかけてくる時は、4本足だったが今は2本足で立っている。日本にいる時、よくニュースなどで熊は2本足で立つと3~4mほどでも大分大きい部類だと言っているのを見たことがあるが、コイツはどう見ても6m近くあるその証拠にこの熊は俺が建てた小屋よりも高い。なかなかの圧迫感がある。
そんな大物の熊を相手にしようとしてるはずなのに、俺は恐怖よりもなぜかものすごいドキドキしている。走ったから?今まで見たことのない熊をあろう事か素手で相手に戦おうとしてるから?…違うなこの感覚はどちらかというなら楽しい事を順番待ちしてる時のあの感覚に近いんだ。
「フフ…ヤバイな素で変な笑いが出てくるな…頭がおかしくなったかな?まぁ今はどうでもいいか、まずはコイツを沈めるのが先だな…ふぅ、さてどうしようかな?」
熊はよだれを垂らしながら俺の様子を伺っている。どうやらすぐには襲ってこないようだが、いつまで待てるかはわからんな。「待て」が出来るほど我慢強くはなさそうだしね。さて、コイツの仕留め方だが、やってみたい方法があるんだよな~。いろんなアニメ・漫画・ライトノベルでよく見た事があり、妙に憧れたもんだ。そうその方法とは「腹パン」である。
試したい…すっごく試してみたい!今の俺のチートなステータスならきっと出来るはずだ、いや出来るに決まってるんだ。だから、俺は決行するのだ腹パンを!!
「よ~しさっそく行くぜ、全力で叩き込んでやる。この俺の腹パンを!!行くぜ」
そのセリフと共に俺は駆け出す為に全力で地面を蹴った。その瞬間、地面が爆ぜたと同時に次の瞬間には、熊の目の前にいた。俺は、拳を強く握りしめヤツの腹に叩き込む!
―グボォッ―ドパンッ!
聞き慣れない、いや聞いた事のない音が周囲に響き渡った。俺は、拳を握ったまま自身の上を見上げて見たら―空が見えた。
比喩などではなく、本当に空が見えるのだ。俺は一瞬自分が熊を殴れずに通り過ぎってしまったのかと思ったが、そうではなかった。熊の腹に大きな穴が空いていたのだ。そして、その熊は立ったまま死んでいた。どうやら、威力がありすぎて腹をぶち抜いてしまったようだ。
熊はさっきまでの威勢が嘘のように静まりそのまま倒れ込んだ。流石に異世界の熊とはいえ腹に穴が空いては生きてはいられないようだ。俺は、倒れた熊を見てつい叫んでしまった。
「何だこれ!何だよこの威力!馬鹿じゃねーの!人間の仕業じゃねーよこんなの!違う、違うんだよ。俺が思ってたのは、思いっきり腹を殴ったらちょっと大げさにへこんでボグッてなって熊が白目で倒れるぐらいだったんだよ。こんなスプラッタな状況じゃないんだよ!」
はっきり言って予想外という以外にない、こんなに凄いのか…今までの自分と比べたら全くの別人とも言える程の違いだ。異世界やばいな、というかステータスが凄いのか。
「それにしてもこれどうしようか?食べれるかな?流石に大分お腹が空いてきたしな~。なんとか食えないかな。でも、どうやって食べれるようにすればいいんだ?学生時分にイノシシは解体したことあるけどあんな感じでいいのかな?とりあえず皮から剥いでみるか。」
まずは、皮を剥いでみる事にしたのだが、何で剥ごうかな?十徳ナイフは流石に無理があるんだよな。あの時は確か解体用のナイフでやったけど、今そんなもの持ってないし…あ、そうだ魔法の建築道具ってあったけど、それ使えないかな?自分が望む形になるって事だし、試してみるか。
「皮剥ぎに使えそうなナイフ出てこい!って、おぉ~で、出てきたのはいいけどこれでかくねぇ!
よく映画で見るようなサバイバルナイフみてーだ。」
なんかアレだな、普段こんなもの持ったこと無いから妙に興奮するな~こうなんていうんだろうか、
ワクワクするというかなんだろうな無駄にテンションが上がる。おっと興奮してる場合じゃないな。早く解体しなくちゃ、よし!作業開始だ。
作業を開始して30分程たって解体を終えた。なんでこんなに早いのか?、このナイフ異様に切れ味が凄い。実は解体の手順は猪を解体した時の事を思い出してなんとなくやってはいたんだが、なんとなくでやっていても素早く出来たと思う。猪を解体した時は4時間程掛かったからだ。何が厄介だって脂がナイフにつくと切れ味が悪くなる。いちいち布に脂を拭き取りながらやっていたのだ。解体の仕方を知っていれば良かったがあいにくとそんな人は周りに居なかった。ただ猪を友人に貰ってきたからと親戚が持ってきたのだ。
何はともあれ解体を終えたから、必要なものだけを置いておく事にしてそれ以外は処分だ。
よくラノベや漫画では焼却処分してるからそのほうがいいんだろうか?でも、これって燃えるのか?
だって生モノだぜ?めっちゃ水分含んでるじゃん。猪の時は、普通に廃棄処分してもらったからな。どうしよう?魔法…いってみる?イケるかな?試すだけ試してみようかな。
え~と確か四大魔法ってやつに火の魔法があったはずだけど、どう使えば良いんだろう?魔法名みたいなのを唱えればいいのか?やってみようか。なんかちょっと恥ずかしい気がする。周りに誰もいないよな?よし!やろう。
「じゃあなんとなく言ってみるか?『ファイア』………なんも出ねぇ。う~誰も見てないってわかってるけど恥ずかしい!」
どうする?もうわかんないから穴掘って埋めとくかな?1mも掘って埋めれば簡単に取り出せないだろうしな、埋めるか。
『優良君、聞こえるかね。儂じゃおじいちゃんじゃよ~』
「っ!ど、何処だ!何処に居るんだ。今のって創造神様の声に聞こえたけど…誰もいない?でも、確かに聞こえたような、気のせいか?それとも、疲れてるから幻聴でも聞こえたのかな。」
『幻聴ではないぞい、目の前にいるのではなく直接頭の中に語りかけておるようなもんじゃよ~』
「あ~やっぱり気のせいじゃなかったのか。でも、どうしたんですか?」
『いやのぅ優良君が魔法を使おうとしてるのを見てたのじゃが、もしかしたら使い方を知らんのではないかと思うてのぅ、せっかくじゃし使い方を簡単に教えておこうかと思っての。で、どうじゃな。使い方を学んどくかのぅ、それとも、自力で学ぶか。どうするかね?』
「じゃあせっかくなんでお願いします。ここにいたら、いつまた襲われるかわからないんで。
身を護る手段はいくらあってもいいので教えてほしいです。」
そういう事で創造神様に魔法を教わることになったのだが、はっきり言えばそんなに時間がかからなかったその理由が…。
『そんなに難しい事はないぞ、魔法に必要なものはイメージじゃ。火魔法を使いたいなら燃え盛る火を思い浮かべる、水魔法を使いたいなら川のせせらぎの様な水をという具合にのぅ。あまり余計な事を考えずに単純に思い浮かべるだけ、それだけでいいんじゃ。』
「え!それだけですか?もっとこう呪文を詠唱したりとかしなくてもいいんですか?」
『いや、正直魔法を使おうと思えばイメージだけで発動できるし、魔法名を唱えるだけでもできる、あとやりたいなら呪文を詠唱してもよい。ただ、どちらでやっても威力に変わりはないんじゃ。ただ、詠唱に関しては余計な言葉で変なイメージが付きやすいからあまり勧めんがのぅ。』
ん~それならイメージだけでやってみるか?それなりに昔はいろんな想像をしてきたから、想像力はかなり豊かだという自負はあるつもりだ。さっそく、目を閉じて集中しながら火をイメージしてやってみよう。ん~とりあえず火の玉をイメージしてからそれを放り投げる感じで~それから~…。
『ゆ、優良君、優良君!目の前、目を開けて前を見るんじゃ!このままじゃ危ないぞ!』
そう言われて目を開けてみると目の前に巨大な火の玉が浮いていた、直径にして2mぐらいだろうか?デカッ!なんじゃこりゃ!これ俺が出したのか?すげぇなぁ~。これで俺も魔法使いか~やったね!
『優良君!しっかりするのじゃ、これは現実じゃ早くそれを放るか消すかするんじゃ~』
「あ、ハイ!と、飛んでけー」
―ボッボォオオオォォォー……ドォオオオン
あーこれはまた何というか、凄いな~。いや~火の玉って燃えてるだけじゃなくて、物にあたると爆発するんだね。知らなかったよ。それにしても凄いな~。目の前の森が火事みたいに燃えてるよ。
『こりゃ優良君!ボサッとせんと火を消すんじゃ、森がなくなってしまうぞ。せっかく建てた小屋も燃えてしまうぞ!』
「は、ハイ!すいません!今すぐやります!え~とみ、水、水は~ココらへんに川ってあったかなぁ~ってきたばかりだから何処にあるかわからないよ~」
『落ち着くんじゃ優良君、水魔法を使えば大丈夫じゃ。さっき教えたように魔法を使うんじゃ』
そ、そうだよ。魔法があったのを忘れてた、完全にパニックを起こしていたな。よし、イメージだ。ここは、広範囲に降るもの凄い大雨をイメージして~今だ!
「この火事を鎮火しろーー!」
俺は大雨をイメージをすると、今度は急激な大雨が降り始めた。これならしっかりと鎮火することが出来そうだ。出来そうなんだが、これってちゃんと止むよね?
『お~流石じゃのぅ優良君これなら火もしっかり消えるじゃろうて、良かったわいウムウム……ん?優良君、もうそろそろいいんじゃないかの?これ以上は必要なかろうて収めてくれるかの?』
「え~と、どうやって止めるんですか、これ?よくわからないんですけど、勝手に収まってくれたりはしないんですかね?」
俺がそう問いかけると創造神様は慌てて説明してくれた。
『優良君この雨を止むようにイメージするのじゃ、さすれば止むぞ。』
そう言われた俺は、雨が止むイメージをしてみた。そうすると、雨はすぐに止んだが、周囲の状況はとんでもない事になっていた。
水浸し程度ならまだいいのだが、目の前に幅2~3mくらいの川が出来ていた。それが、見える範囲でずっと向こうまで続いているのだ。降り続けていたのはたった1分弱ぐらいだったのに、どうしてこんな大規模な事になったんだ。驚愕である。
『ふむ?疑問に思っておるようじゃな、だがさして難しいことではない。ここまでの規模になったのは優良君の魔力が普通の魔法使いの基準を大幅に超えているからじゃよ。』
マジか!でも、俺ってまだLV5だったはずなのにな~。まだそんなに高LVでもないのにどうしてなんだ?この世界の基準じゃなかったの?
『すまんのぅ、優良君。儂等の説明が足りなかったようじゃ、実はのステータスを見ればわかるはずじゃが優良君のLVのそばに別の数字があるはずじゃ。その数字はこの世界の人間であればそれぐらいのLV相当だという比較なんじゃよ。』
え~とつまり俺はLV5でありながらこの世界の人のLV50相当の人と同等という事か?とんでもないな。どんだけ強いんだよ!もしかして、このままLV上がっていったらこの世界の最強になるんじゃないのか?
『まさにその通りじゃよ。儂等は優良君には死んでほしくないからのぅ。はっきり言ってデタラメな力を与えてある。それこそちーとと言うヤツじゃな!フォフォフォ。』
いや、神様がそんな一人の人間に過剰な力を与えてもいいんですかね?この力になれてきた時に、いきなり力を返してもらう!みたいになると正直めっちゃ怖いんですが…。
『大丈夫じゃよ。優良君がよっぽど悪い人間にならない限りはのぅ。例えば、罪のない人達を殺して回るとか、殺戮の限りを尽くすとかのぅ。そうでなければ大丈夫じゃ。それとは逆に盗賊を殺したり、悪事を働き無辜の民を甚振る悪い貴族などはいくら殺そうが一向に構わんよ。殺すことを躊躇う事で優良君が死んでしまうよりも、そんな連中よりは優良君のほうがずっと大事じゃからの。』
うわ~神様から悪人なら殺害OKいただきました。これが俗にいう殺しのライセンスってやつですね。なんと命の軽い世界なんだ。
『とりあえずじゃ、優良君。魔法のコツはわかったはずじゃ。この調子で他の魔法も使ってみてはどうかね?ついでに創造魔法でこの世界にない属性も作ってみたらどうじゃ?』
ん~そうだな。教わる事ができる間にいろいろ教わりながら頑張ってみるかね。それにしても創造神様がいなかったらどうなってたのか。女神様はろくに教えてくれなかったからな。
創造神様に感謝して頑張ってみるか!
ここから少しずつチートな部分を出して行きますよ!自分なりのですがね。