表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/186

第70話 またも企む?

ちょい少なめ?です。

 セルスの視線に性的な危険を感じた俺はその場を何とか誤魔化すべくこのダンジョンからの脱出を提案したが、部屋の中の探索をまだ完全に終えてない事を理由にここで1泊していく事になった。

 探索だけなら直ぐに済むと強行しようとしたのだが、あの手この手で俺の行動を阻んできた。間違いない…彼女達はナニかしらを企んでいる。…セルス…かな?さっきモニカが強力な戦力ゲット~とか言ってたしな。



 彼女達はどうあっても俺にどうにかして勝ちたいみたいだな。手を抜く?無理だね。ハジメだした俺は基本猛獣と何ら変わらんからね。きっとごく自然に彼女達をグデングデンにしてしまうだろう。もうしょうがないな…セルスの加入に関しての説得は諦めよう。俺がどんなに様子を見ようとか、いずれは…みたいに言っても言いくるめられるに決まってるのだ。最近の彼女達は団結力が高いのでまとまって俺を納得させようとするだろうし。



 そこはもう良いとして、だ。今彼女達は夕飯の準備中…自分達に任せろとの事なので、暇を持て余した俺は例の部屋を一人で探索する事にした。あまり時間を掛けるのもどうかと思うし、しておきたい事もある。一つは遺体の片付けだ。セルスを酷い目にあわせた奴らなので、ほっといてもいいとは思うのだが、それにしても小さな遺体がそのままになっているのは正直可哀想だと思った。理由はどうあれ俺は見ててあまりいい気分ではなかったので、セルスの見ていない今の内に…という訳だ。



 今からするのは埋葬ではなく浄化だ。光魔法に浄化作用のある魔法があるので、それでサクッと遺体ごと浄化しようという魂胆だ。そうすれば遺体をいちいち埋葬せずともすむ…らしい。何故らしいなのか?それはおじいちゃんからアンデッドやスケルトンに始まり既に亡くなった人もまるごと浄化できると聞いていたからだ。まだ、使った事がないからという訳だね。



 取り敢えずはササッとやっていきましょう。



「光魔法【清魂浄化】どうか安らかに…。今度は悪い事はしないでくれよ?」



 遺体の一つ一つが綺麗に輝く光の粒になって空に向かって消えていく。ちなみにだがこうやって遺体や不浄の魂をしっかりと浄化するのはこの世界にとっても良い事らしいので、これで少しでもおじいちゃん達の力になれれば良いなという思惑もあったりする。俺をこの世界に呼んでくれた恩を未だに返す事も出来てないしね。俺にできる事は少しでも良いからやっておきたい。



 さ~てお次は探索の方か。そこそこ広めの部屋だが大した時間は掛からないだろう。この部屋元々倉庫だったのでは無いかと思っている。避難に関しては偶々かあくまでも非常時に限定されるのでは?と俺は推測している。そして、肝心の保管してある物資に関してなのだが…食料はもちろんないが、何かしらの材料などはかなりある。鉱石、宝石、貨幣、武器・防具、アクセサリーなどなど色々ある。



 かなりの量があったので細かい確認は後でする事にして、今はマイバッグに収納しておこう。取り立てて何か珍しい物は無いようだし後でも十分だろう。



 遺体を浄化し物資を片っ端からマイバッグに放り込んだ部屋は完全にすっからかんである。残ったのはせいぜいがゴミぐらいだ。さて、もう用はないと部屋を出ようとして、何となく出て行く間際に部屋を振り返ってみると……ん~?部屋の奥…ちょうど遺体がまとめてあった場所の壁に違和感を感じた。それがどうにも気になり【全ての地図】で確認すると…隠し部屋があるみたいだ。



 おぉ~何か冒険者っぽいな!隠された部屋に何があるんだろう?中に何があるのか知りたくなかったので、素早くスキルをオフにして自身の目で確認する事にした。



 隠し部屋の前までくると…う~ん、一見すると全くわからない。当たり前か、隠す事が出来なければ隠し部屋の意味がないもんな。しかし、この隠し部屋を開ける為のスイッチなり何かが何処かにありそうだけど…何処だろう。今だにリィサ達は食事の準備中のようだ。声が掛からないので、調べる時間くらいはあるだろう。



 気を取り直して隠し部屋を開く為のスイッチなりを探してみよう!で、あっちをこそこそ、こっちをこそこそとしていると意外と簡単に見つけた。隠し部屋の側に荷棚があったのだが、そこの荷棚を取り外して見ると普通に開いた…簡単に開きすぎだろ…。誰でも開けられるんじゃないか?まぁいいか、これ以上は気にせずに中に入る事にした。



 中はかなり暗いが狭いのだけはすぐにわかった。暗くても見えるが、一応明るくしておこうと指先に魔力を集中した瞬間、部屋が明るくなった。仕組みはわからないが、部屋に入って魔力を使用すると魔力に反応して灯りが灯るようになっているみたいだ。ダンジョンの壁に埋まっていたのと同様の物がこの部屋にもついていた。



 明るくなった部屋を見渡すと…大した大きさはなく、せいぜいが1坪程度だ。そこの床になんとまたしても棺桶が……セルスが入っていた物に比べるとかなり安っぽい木製の棺桶だ。よく映画などで見るドラキュラが入ってそうな形をしている。開けたいような開けたくないような微妙な所ではあるが、ここまで来ればもう開き直ってしまおう。遺体が入っているようなら浄化すればいいし、セルスみたいな人がいるのなら…まぁ…その時は皆に相談して?決めよう!



 覚悟を決めて棺桶を開くと中に入っていたのは、かなり薄い金色に光るガラス玉?と薄い銀色に光るガラス玉?だった。大きさはう~んビー玉を一回り大きくしたぐらいで直径が2㎝ぐらいだ。棺桶の大きさにしては入っていたのはこの2つだけだった。肩透かし感がすごいよ…若干気合も入れたというのに…。



 流石にこれ以上は何も無いようなので、棺桶はマイバッグに放り込み(なんとなく?)ビー玉?を手で弄びながら皆のもとへ戻る事にした。



 倉庫?から出ると辺りはいい匂いが漂っている。ちょうどいいタイミングだったかな?そう思いながら皆のもとに近づくと、俺がいる事に気づいたリィサが近寄ってきた。



「ユーラちょうど良かったわ、今呼びに行こうと思っていたのよ。それでどこに行っていたの?」


「ん~?あぁ、あの部屋…倉庫だったみたいでね?色々と使えそうな物があったから、それを回収していたんだよ。で、これが回収した物の一つだね。」


「これは…なに?宝石なのかしら?」


「あ~まだ鑑定してなかったな。ちょっと調べてみるよ。」



 早速鑑定してみようと思ったその時だった。モニカとシェイラ達がいきなり大声をあげた。



『あぁ!ユーラ(くん)(殿)(さん)!!それって!!』



 急に大声をあげられたのでびっくりして落としそうになってしまった。何なんだ?



「ユーラくん…それってどこで手に入れたの?いつ?どこで?どうやって?ねぇ?教えて?早く!」


「待て待てモニカ!その言い方怖いからやめてくれ!病んでる人を相手にしてるみたいで怖いんだよ!」


「僕は病んでないよ!それよりも本当にどこで手に入れたの?それ?」


「さっきそこの部屋でだよ。荷棚に置かれていた物を回収した後に、一箇所気になる場所があったからそこを調べていたら隠し部屋があったんだよ。で、スイッチを探してそこを開く事ができたから中に入ってみたら木製の棺桶があって、それを開けてみたらコレが入ってたんだ。それで?コレがどうかしたのか?」



 まさか隠し部屋の棺桶に入っていた物を「私の物だ!」とか、言わないよね?



「それはね?宝玉って呼ばれているんだ。確か3種類あるらしいんだ。銅色、銀色、金色ってね?使い方はわからないけど、それを正規の手順で開放するとすっごいお宝を手に入れる事ができるって聞いた事があるんだ。見た事はないけど…間違いないと思うよ?」


「へぇ~そうなのか、凄いもの何だな、コレ。」


「凄いなんて物じゃないよ!僕ら冒険者からしてみればヨダレものの代物なんだよ!反応が軽すぎるよ!」



 そんな事を言われても、ねぇ?こちとらこの世界にきてまだ一ヶ月足らずなのだ。凄い物なんだ!って言われてもしっくりこない。まだまだ馴れてない事もあるんだよ。勘弁しておくれ。



「まぁなんだよ、今はコレの事は置いといて。ご飯できたの?お腹空いたなぁ。」


「ちょっとユーラくん!?まだ話はおわっ…ムグムグゥゥゥゥ!」


「はいはい師匠そこまでにしておきましょうね?ここはユーラさんの言う通りご飯にしましょうよ?ね!(後にアレが控えてる事ですし。)」


「むぅ…しょうがないね。でも、後で色々調べさせてもらうからね?」


「あ~分かった分かった!だから早くご飯にしよう、いい加減腹が減って仕方ないんだ。」


「後で覚悟しておくんだね!今日は負けないんだからね!」


「何の事だ?この後何か予定してたっけ?」



 あれ?俺何か忘れてたか?身に覚えがないんだが…?



「気にしないでいいわよ?どうせいつものモニカの強がりでしょ?それよりもご飯にしましょう?今回のはセルスも手伝ってくれたのよ。」


「そうなのか?セルスって料理できるの?」


「出来ますよ、小さな頃からちゃんと習ってきましたから。サキュバスっていろんな事が出来ないといけない所がありますから…。」



 何か思う所があるんだろうなぁ。あまり触れないでおくか。……と流したのがまずかった。俺はこの時もっとセルスの事を注意深く見ておくべきだった。俺に見えないようにニヤリと笑っているセルスを!

今回は執筆時間を中々取れずに時間が掛かってしまいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ