閑話 姉妹集結!
今日は休みが取れたので久しぶりに閑話を書いてみました。
お母さんに捕まり家に連行されると、家では少しオコな和津梛が待っていた。あ~完全に忘れていたなぁ。お母さんどうにか和津梛を宥めてくれないかなぁ。
「姉さん?私言いましたよね?静梛姉さんが帰ってくるまで待っていましょうと。言いましたよね?」
「はい…言いましたね。で、でもさぁ、ホラそこは仕方ないじゃん、ね?」
「仕方ないじゃありません!このバカ姉さん!ただ抜け出すだけならまだしも2階の窓からロープを伝って降りていくとか…本当に何を考えているのですか!何かあったらどうする気ですか!」
「いやそれは、大丈夫だって!何度も試したし落ちないように気を付けていたんだからさ?」
「何があるかわからないのが、今の世の中ですよ?絶対になんて言い切る自信があるんですか?」
「それは…まぁ何となく?行けるかなぁって。」
「へぇ…姉さんは何となくであの高さからロープ一本で降りていったんですか?そうですか…。」
あっ…これ、まさかヤバいやつじゃあ…。
「私が……どれだけ…心配したと…思ってるんですか?グズ…何度も何度も…駄目だって言ったのに…どうして…分かってくれないんですか?…姉さんは…そんなに…私が嫌いなんですか?…グスっ…そんなに嫌なら…言って下さい…私…もう…言いませんから…姉さんが…いやにゃら…いいましぇんからぁ!…うぅ…。」
「あ~らら、葉津梛が和津梛を泣かせちゃったわねぇ。よ~しよし、和津梛は悪くないわよぉ。勝手な事ばかりしてる葉津梛が悪いんだからねぇ。もう泣かないのよぉ。」
アレは…何というかズルいよ。あんな風にさめざめと泣かれると、言い返す事もできない。…駄目だ…アレを見せられてしまったら、もう次の手を打とうなんて考えられないよ…。あ~もぅ!お母さんだけならまだしも静那にまで抑えられてしまうなんて…トホホ。
「ようやく諦めたわね?さっきまでどうにかして逃げ出そうとしていたでしょ?もしかして気づかれてないとでも思ったの?甘いわね!所詮はまだまだ小娘ね!」
「うぐぐ!後少しだったのにぃ~。もう…ゆう君の手掛かりが遠いなぁ…はぁ。」
「あら?そんな事ないと思うわよ?意外ともう近くまで来てるんじゃないかしら?」
「それってどういう事?何か知ってるの?お母さん。」
「まぁ待ちなさいな、そろそろ聞こえてくる頃かしら?よぉ~く耳を澄ませて御覧なさい?」
「うぅん?耳を済ませるって―………、あれ?この声って聞き覚えがあるような?ってもしかして静姉!」
「あら?静梛だけかしら?もう一度よぉ~く聞いてみなさい。」
「……この声って!まさか!」
私が気づくのほぼ同時に玄関の引き戸が開け放たれて威勢のいい声が家の中に響き渡った。
「たっだいまぁ~我が家の人気者・神楽坂千梛が今帰ったぞぉーー!」
「はぁ…うるさい、千梛。少し声の音量を下げて。あなたの隣に居ると五月蠅すぎるのよ。母さん、ただいま、和泉梛戻りました。」
「相変わらず元気ね?千梛。お帰りなさい。和泉梛もお帰りなさい。二人共見知らぬ土地での勉強はどうだった?」
「色々と為になった。これからの自分に活かせそう。これからは頑張って家の事業を盛り上げ行く所存。」
「アタシも色々いい勉強になったぜ!それで連枝は何処だ?色々話してぇ事があるんだよ!」
「二人共少し落ち着いて頂戴?お母様、遅くなりましたが神楽坂静梛ここに帰りました。何時ぞやは大変な迷惑をお掛けしました事をお詫び申し上げます。」
「あなたも相変わらずね静梛?もう少し砕けて話して頂戴?あまり堅苦しいのは苦手だって知っているでしょ?」
「如何に家族と言えども謝罪は丁寧にしっかりとするべきかと思いまして…それでは少し口調を和らげさせてもらいます。うぅん…ただいま、お母さん。今までろくな連絡も出来ないでごめんね?」
「良いのよ…あなたは悪くないのだから気にしないでも。あれはあの男が悪いのだから。それに…相応の報いは受けて貰ったからね、これからは安心して生活できるわよ。」
「流石ですね…お母さんは。私もまだまだですね。」
「あなたが今の私と同じ事ができる必要は無いわよ?今は私の子供として甘んじておきなさい。いずれ自分の為にやらないといけなくなるはずでしょうからね。」
「はぁ~相変わらず母ちゃんは静姉と話していると意味がわからねぇよなぁ。そう思うだろ?葉津梛。」
「そうだよねぇ、たまに何言ってるのかわからない時があるよぉ~。」
「(ボソ)…バカが二人…。」
「何だとてめぇ和泉梛!アタシはこれでもお前より年上だぞ!ちゃんと敬う心構えをもてや!」
「たった一つ違いで偉そうに…敬ってほしければ、相応の態度を心がけろ…野蛮人め。」
「なにおぅ!黙っていればつけあがりやがって!やんのかこらぁ!」
「全然黙ってないし…あと相変わらず力に物を言わせているし…もしかして…ゴリラなの?」
「だぁれがゴリラか!ほんとに口の減らない野郎だな!」
「私は野郎ではない…後間違ったごめんねゴリ子姉さん、そんなに怒らないで?」
「誰がゴリ子か!いい加減我慢の限界だぞ!」
「二人共?いい加減にしなさい?お母さんの前ですよ?せっかく私達姉妹が全員揃ったというのに、何という体たらくでしょうか。」
「だって静姉!それは和泉梛がだなぁ…。」
「私のせいにするな!このゴリ子…。」
「まだ…続ける気ですか?同じ事を何度も言わせないで下さいね?和泉梛、千梛?お互いに何か言う事はありませんか?」
「えぇ?だって元はと言えば和泉梛が!」
「私は本当の事を言ったまで、特に言うことは…。」
「…………(ニコニコ)」
「………(冷や汗)」
『ご、ごめんなさい。』
「私に謝ってもしょうがないでしょう?お互いに謝りなさいな。」
「ご、ごめん和泉梛、悪かったよ。言い過ぎた。」
「私もごめんなさい。口が悪かったです。」
「これで解決ね?でも次こんな事したら…わかっていますね?」
『コクコク!』
「お母さんごめんなさい、私の妹達が帰って早々ご迷惑をお掛けしました。」
「別にこれくらいなら気にしないわよ?こんな騒がしいのはあなた達が無事に帰ってきた何よりの証拠だしね。」
「あ!やっぱりそう思うよな?母ちゃん!」
「………千梛?」
「(バカ…。)」
「ご、ごめんなさい。」
「私同じ様におバカ扱いされたのに、放置された…。」
「また葉津梛姉さんは余計な事を…。」
「さて!ここでいつまでも漫才をしていてもしょうがないでしょう。ゆっくりして…と言いたい所なのだけど…葉津梛と和津梛以外の3人には話す事があります。」
「お母さん私は和津梛達から大凡の話を聞いておりますので…。」
「あらそう?まぁついでだからそのまま一緒に聞いて頂戴。」
「わかりました拝聴します。」
「お!何だ何だ?何かあったのか?」
「それを今からお母さんが話すのです、しばらく静かにして聞いておきなさいね千梛?」
「うーい、わかったよ。」
「これから話す事は少し信じがたい事ですが…実際に起こった事です。余計な相づちは打たずにまずは一通り話を聞いて頂戴ね?わかった?」
お母さんの真剣な眼差しに全員が気を引き締めていた表情をしている。こうなるとうちの姉達はかなり真面目モードになり心強い存在になる。先程の馬鹿騒ぎが嘘のようだ。
「では、お話します。事の始まりは………。」
母さんはゆう君が現場で転落事故を起こして入院した後に私と和津梛が見た現象を説明した後に5個の水晶の事までを話していった。途中何度か私と和津梛で補足をしたが、概ね間違いのない説明になっていた。
そして話は続き5個の水晶の内3個は私達が持っている事も説明した時だった。千梛姉と和泉姉が私達がよく知っている物を取り出した。そう…残りの2個の水晶を。
「これって優良のやつの物だったのか?なら私のカバンに間違って紛れ込んだのかよ?」
「はぁ…話聞いてた?優がいなくなってからって言ってたでしょ?方法までは知らないけどこれはなんらかの形で私達の元に来たんだよ。」
「何らかの方法って?もしかしてオカルト的なやつなのか!そうなのか!」
「……わからない、どうやってなのか。科学的に説明できない。私と千梛は海外にいた。しかも二人共別の場所に…それなのに二人に似たようなタイミングでこの水晶が届いた。そもそも私が居た場所は関係者以外の立ち入りは禁止されていた場所……誰かが届け物があるからといって簡単に入れるような場所じゃなかった。だから余計に不思議…どうやって私にこれを届けたのか。まったくわからない。」
「おいおいやめろよぉ~。オカルトは嫌いなんだよ、知ってるだろ?いつものように科学的に説明してくれよぉ~。」
「頼られるのは嫌いじゃないけど…今回のは流石に無理。どうあっても説明ができない。この水晶私が貴重品を入れておいた金庫の中に入ってた。金庫に入れた時は確かに財布とネックレスしか入れなかった、それなのに取り出す時にはいつの間にか一緒に置かれていた。」
「だ、誰かが、そう!金庫を管理している人が鍵を開けて中に放り込んだんだよ、きっと!」
その説明に対して和泉姉は首を横に振って否定した。
「あそこの金庫は合鍵なんて無いよ、指紋認証システムで開閉するタイプだったから。登録者も私だけなのをちゃんと確認したから間違いない。私以外誰もあの金庫を開けるのはできなかった。」
「じゃあ、やっぱり……。」
「納得はいかないけど…説明ができないから…。」
「うぎゃぁぁ!優良の幽霊だぁぁあ!きっと私が昔に散々からかったから化けて出てきたんだぁ!」
「ちょっと千梛姉!ゆう君は死んでないよ!勝手に化けて出さないでよ!」
「それって絶対か!絶対に死んでないって言えるのか?絶対何だな?」
「それは…わからないけど…でも!あの水晶がゆう君が生きてる手掛かりになるはずだもん!」
「はず、じゃ駄目だろ?絶対じゃないと化けて出てくる可能性もあるじゃねぇか!」
よくわからない言い合いを始めた私と千梛姉を母さんが止めに入る。
「そこまでにしておきなさい千梛?少しは葉津梛の事も考えて発言しなさい?些か言葉が過ぎるわよ?」
「あ…その葉津梛悪かった。少し動揺しちまっただけだから気にしないでくれ。」
「お母さん?葉津梛姉さんだけじゃなく私もお忘れなく。」
「あぁごめんなさい、そうね…和津梛もよね。それにしてもうちの娘を二人も惚れさせておいて居なくなるとか…罪な男の子ね、優良君は…。」
「お母さん?優良くんを想っているのは何も葉津梛と和津梛だけではありませんよ?不肖な身ですが、私も優良君の事を想っている一人です。」
「あら?それは以外ね?静梛まで優良君の事を?だとしたら…。」
ここまでは私と和津梛も静姉本人から聞いていたからわかっていたが、ここで千梛姉と和泉姉まで爆弾発言をしてきた。
「あれ、そうなのか?私も優良のやつは好きだぜ?いつか結婚したいと思っていたしな!」
「私も優の事は好き…他の男が言い寄るのは腹が立つけど、優は別…ずっと一緒にいてもいい。」
「な、何を言うの?千梛姉、和泉姉?冗談だよね?」
「そ、そうですよ葉津梛姉さんだけでも手に余る人なのに、静梛姉さんに千梛姉さん、それに和泉梛姉さんまで加わってしまったら私に勝ち目が無いじゃないですか!」
「あららぁ…という事は何?優良君はうちの娘全員につばをつけていたの?これは…重罪ね。許されざる行為だわ…。」
私の気のせいだろうか?母さんの背後にマンガで見た事のある鬼神が見えるんだけど…ってそれどころじゃないよ!母さんを止めないとゆう君が見つかるのと同時に母さんに抹殺されちゃうよ!
「ち、違うよ母さん!ゆう君にはまだつばは付けられてないよ!…付けてほしかったけど。と、とにかくゆう君は何も悪くないよ!私が一方的に想っているだけだから!」
「そうですよお母さん!私達が想っているだけですから!…つばは付けて欲しかったですが。」
「そう…優はまだ私達につばはつけてない。いずれはそれ以上のものをつけてもらうつもりだけど…。」
「確かにまだ手は出されてないよなぁ。色々頑張ってみたんだけどなぁ。」
「そうですね…手は出されていませんね。私の胸に顔を埋めてきた事はありますが…。」
『何ですと!!』
「ま、まぁ良いわ、わかったから。私の早とちりだったみたいね。まさか自分の娘達が一人の男を巡って争っているとは思わなかったけど…それはそれとしてあなた達のちゃんとした意思を聞きたいわね。誤魔化さずにはっきりと教えて頂戴。誤魔化したりしたら…私が全力で妨害するわよ?」
やる…この母親なら絶対にやる!どんな手段を用いても確実に阻止しにくるだろう。ここは照れて誤魔化すなんての無しだ!ちょっと恥ずかしいけど…私の本音をしっかりと伝える場面だ!
「さぁ聞かせて?あなた達の答えは?」
私達5人はお互いに目線を交わし合って頷いた。誤魔化しなんて無しの本気の答えだ!
「私達は…ゆう君の事が…。」
「優良さんの事が…。」
「優良の事が…。」
「私は優の事が…。」
「私は優良君の事が…。」
『大好きです!!』
その時だった。
逆召喚陣の5つのコアが揃っているのを確認しました。
コアの発動条件を満たしました。発動待機中。
逆召喚の為のエネルギーの充填を確認しました。発動待機中。
相手側の召喚待ちです。条件が整い次第逆召喚を発動します。
召喚者名・エラー表記できません。
コンピューターが喋るような無機質な声が聞こえたような気がした。
ちょっと怪しいかな?と思う箇所がいくつかあったので、違和感を感じるようなら変更します。




