第67話 扉の鍵は?
今回は祝日の御蔭で少し早めに書けました。
以前の行き止まりにあった扉を開けようとなった訳ですが?鍵を探さないといけないよね?という事で魔物や罠に注意しながらここ3階層をくまなく探したのだが、全くソレらしいものを見つける事が出来ないでいた。俺のスキルである【全ての地図】を使って見たが、3階層にあるのは確かなのだが、見つからないのだ。今俺は周囲の状況を確かめるべく宙に浮いた状態でありそうな場所を探っている所だった。地図には自分がいる辺りにあるみたいなのだが……見つからないんだよなぁ。一体何処にあるのだろうか?
探しても全然見つからないので、一度下りて皆と話をしてみよう。あまり時間が掛かるようなら一度街に戻った後にもう一度探しに来た方が良いのかもしれない。そろそろ皆疲労も溜まってきているはずだ。しっかりとしたベッドで寝たいもんね?まぁ…出そうと思えば出せるし避難も出来るが、あの空間はちょっと落ち着かないらしい。(俺はまったく気にしないのだが…。)
という訳で?ただいま作戦会議中です。一度街に戻るか?それともそのまま探索を続行するか?と話をしていたのだが…これまた予想外な事に満場一致で探索を続行との事。セルスはここの現状が気になるから街に行きたいというかと思っていたのだが、本人に聞いた所…。
「私もちょっと心構えをしておきたいので、すぐでなくても問題ないですよ?それに開けられない扉というのは私も気になりますので、そこを開けてからでも街に行くのは問題ありませんよ。」
との事なので、探索を優先する事にした。のだが…今がどれくらいの時間なのかは知らないが、かなり腹が減ったのでマイバッグから作り置きしておいた料理をだして皆で食べる事にした。俺が作った物なので、若干大味になってはいるが保存食よりは遥かにマシだった。保存食の味を知っているメンバーのリィサ、モニカ、戦乙女達は揃ってこう言った。
『アレは食べ物として認めたくない!!』
だった。それに興味を示して俺は一つシェイラに言って食べさせて貰ったのだが…うん…なんかね?まずクサい。何が入っているのかは知らないが臭いが獣クサイんだよ。次に固い、味がしない、無駄にデカイ。と最悪としか言いようがなかった。この保存食、どうやら保存だけを考えて作ってあるので味などは二の次三の次らしい。だから本当の意味で保存食として持ち歩いてはいるのだが、出来れば食べたくない事この上ない代物らしい。俺も食ってから思ったがコレを食べるくらいなら現地調達できるのならその方が望ましいと思えたよ。
さて?脱線してしまったが、食事を終えたので探索を再開。俺は念の為もう一度とばかりに【全ての地図】を使いながら細かい場所を特定しようと歩き回って見る事にした。他の皆は魔物が居ない事を確認し終えてあるので単独行動を取って探している。ちなみにセルスとレナリアさんだけはセルスがまだ本調子か微妙な所なので休憩を続行している。本人は平気だと言っていたが、さっきまでは仮死とはいえ体の機能がほぼ停止に近い状態だったのだ。何かあってからでは遅いので、レナリアさん監視の元休むように言ってある。
チラッと二人を見ると穏やかな空気の中会話を楽しんでいるようだ。あの二人なんか空気というか雰囲気というのか似てるんだよなぁ。喋り方しかり物腰しかり何というか真面目な中にほんわり感があると言えば良いのだろうか?そんな感じなので意気投合している。そもそもセルス自体がなんかサキュバスらしくないとでも言えば良いのだろうか?俺のサキュバスのイメージは男と見れば限界まで絞りとって衰弱死させるイメージだったのだが…セルスは完全に真逆に見える。もしあれが演技なのだとしたらとんだ役者なのだと思う。そこまでされたら流石に俺では見抜けないよ。
二人を見ながら歩いていたのがまずかったのか、俺は建物にぶつかってしまい思いっきり顔面を強打してしまった。イッタイなぁ、もう。と?俺は展開していた地図に違和感を覚えた。あれ?確かさっき見た時は部屋の鍵があるだろうと思わしき場所はさっきまで俺が浮いていた辺りだったはずだ。それが今見てみるとそこからかなり離れた今俺がぶつかったばかりの建物の辺りを示している。
ここで俺はある考えに至った。もしかしてあの扉の鍵って俺が持ってるんじゃね?と。その考えに至った瞬間俺は自分のポケットや手頃な感じで持っていた小さなカバンを見てみたが、それらしい物を見つける事が出来なかった。あれ?おかしい…ならばと思い今度はマイバッグの中に先程聖棺から回収したアイテムを一覧表記にして確認してみたが…それらしい物を持ってはいなかった。
俺は今一度何が鍵になるかを思い返してみる事にした。確か扉を鑑定した時にこう説明があったはずだ。
魔錠門
登録された魔力により施錠や解錠、開閉をする事ができる門。
登録された魔力以外には一切の反応を示さないので施錠や解錠をしたい場合は登録された魔力を使うか登録された魔力を込めた魔道具などを持ってくる必要がある。
――――――――――――――――――――
【備考】
現在のこの扉の魔力の登録者は3階層にいる【瓦礫大蛇】のものなので、扉を開くには【瓦礫大蛇】の魔力が必要。
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確かこうだったはずだ。合ってるよね?でも、それなら何でスクラップサーペントの死体に反応しないんだ?まだかすかにではあるがスクラップサーペントの死体には魔力反応が残ってはいる。それなのに地図を見る分には反応はスクラップサーペントとに反応してるというよりは俺が居る位置に反応している気がする。俺が何かしらのアイテムを回収したからそれに反応してると思ったのだが…一覧表記を見る分にはそれらしい物は無いのは確認済みだ。それとも実際に出して確認してみたほうが良いのだろうか?う~んわからんね。仕方ないな…面倒ではあるが、ここに来て拾った物を全部出してみて確認してみよう。
あれからこのダンジョンに来て入手した物を全て出してみた。どれが反応するのかわからないのであっちこっちに置いてみて確認してみたのだが…地図を見ると魔力反応はやはり俺と一緒に移動してきた。ますますわからなくなってきた。アイテムをもう一度全部回収した後に忘れずにスクラップサーペントの死体も回収しておく。こうなりゃもう一度あの扉の前に移動して確認するしかないかも。
一応皆に声を掛けてから移動しよう、勝手にいなくなって騒ぎになっても困るしな。
「え~と近くに誰か……お!いたいた。モモリスちょっと良いか?今あの扉に関してもう一度調べて来たいと思ってるんだけど、いきなりいなくなって騒ぎになっても困るからさ?皆に俺が少しここを離れて2階層の扉を調べに行ってくるって伝えておいてくれないかな?」
「それなら皆一緒に移動した方が良くないかしら?どうせここにいてもする事ないし、2階層の扉を調べてみて開く事が出来ないようならそのまま街に戻るっていうのはどう?」
「そうだな…それがいいかもしれないな。よし!じゃあ皆に集まって貰って今の事を伝えようか。おぉ~い皆!集まってくれ!」
俺の呼びかけに応えて皆が集まってきた。先程モモリスと話した事を伝えるとそれでいいという返答をもらえた。念の為にセルスにももう大丈夫か?と聞くと大丈夫という返事をもらえたので、まずは2階層に移動してみた。
2階層の扉の前につくと先程とは違い扉の様子がおかしい、かすかにではあるが光っているのがわかる。不用意に近づいて罠だった場合がマズイので、近づく前に鑑定をする事にした。
魔錠門
登録された魔力により施錠や解錠、開閉をする事ができる門。
登録された魔力以外には一切の反応を示さないので施錠や解錠をしたい場合は登録された魔力を使うか登録された魔力を込めた魔道具などを持ってくる必要がある。
――――――――――――――――――――
【備考】
現在のこの扉の魔力の登録者は3階層にいる【瓦礫大蛇】のものなので、扉を開くには【瓦礫大蛇】の魔力が必要。
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【備考2】備考1に変更あり
3階層にいたスクラップサーペントを風の大精霊セラと風の精霊シファが退治した為に聖杯所持者が変更された。現在の聖杯所持者は新石優良。
扉を開くには新石優良の魔力が必要。なお所持者変更の際に介入現象が起きた為、今後所持者の変更は行われる事はない。
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何でこうなった!?倒したのは俺じゃないよね?セラとシファなのに何で俺?もしかして、セラと俺が契約したからなの?それに所持者変更の際の介入現象って何?誰が介入したの?ツッコミどころが満載なんですけど!?
「どうかしたの?ユーラ。」
「え~と…いろいろあったけど俺がいればここの扉開くみたいだね。何でか知らんけど…。」
「…いつから?」
「セラとシファがスクラップサーペントに止めを差した時?」
「何で疑問系なのですか?ユーラさん。」
「俺もよくわからない内に勝手に決められていたからかな…。」
『…………。』
「………。」
「取り敢えず入れるなら入ろうよユーラくん。中に何が入ってるのか気になるでしょ?」
「そうだな…そうしようか?いつまでもここに立っていてもしょうがないしね。じゃあ中に入ろうかな。」
考えてばかりいてもどうにもならなそうなので、扉を開いて中に入る事にしたのだが、俺達は中に入って見たものは、目を覆いたくなるような光景だった。
今回の様に早めに書き上げる事ができた場合は直ぐに投稿していきたいと思います。




