第6話 おじいちゃんとおばあちゃんができました
見てくれる人がいるって嬉しい事ですね。これからも自分の出来る限り頑張ります。
どうしようかと考えた所で、何もしなければ何も起きない訳で…とりあえず回りの木でも切ってみるか?でも、何を作るのか?どれくらいの大きさで?どれくらい材料が必要なのか?それを決めなきゃいけないんだけど、よく考えたら俺ってそういうのやったこと無いんだよね。どうしよう?
いつもは、大樹さんや連枝さんに指示を出してもらってたからな~。何気に自分で一からやるのは初めてだな。まぁいっか!どうせ失敗しても誰にも怒られないし。
「さて、本当にどうしようかな?まずは、樹木の伐採だとしてとりあえず【道具】をだすか~。確か斧があったはずだけど、よしあった!これで、伐採を試してみるか。」
さっそく樹木に斧を入れてみると、―ズバッっと直径にして30㎝はあろうかという木の真ん中あたりまで斧が入った。この斧切れ味凄いな!手元が狂ったらとんでもないことになりそうだ。
―――1時間程たっただろうか?ずっと木を伐採していたのだが、気付いたらとんでもない量になっていた。
そろそろ製材して、組立していかなきゃな。とりあえず必要なのは、角材と板かな?
加工してみて、足りなきゃ追加すればいいか。よし、加工していこう!
道具のおかげで加工は割とすんなりと終えた。やはり普通ではない道具だなと、加工をしてて思った。加工も済んだのだが、ここである事に気付いた、乾燥させないといけないと。
だが、よく見てみるとなぜか乾燥が充分にされてる気がするのだ。
普通はそんな事はありえないのだが、まだ製材を終えてない木を見てみるとすでに乾燥された状態なのだ。
不思議に思い他の伐採済みの木を確認してみたが、全部乾いてるのだ。この樹木が異世界特有で元からそうなのか。それとも【道具】のおかげなのか?まぁ理由はわからないが別段困ることは無いのでとりあえず組立を優先することにした。
組立を始めてしばらくたったのだが…大変な事になっている。
大変だとは言っても失敗したと言う訳ではなく、単純に大きく作りすぎたのだ。
平屋の一軒家みたいな大きさだ。ここまで、大きな小屋…家?を建てるつもりは無かったのに…。
本当にただひたすら切って削って柱を建てて屋根を上げてと、様々な工程を夢中になってやっていただけだったのだが…どうしてこうなった?
この小屋?本当に自分が建てたのだろうか?はっきり言って向こうで工務店に勤めている時でも、ここまでの作業をやった事は一度も無い。それなのに、奥行が約10m幅が6m程高さは4m程もあるこの小屋を俺はどうやって建てたんだろうか?本当に疑問である。
なれるまでは皆の補佐をして技術を学べ、という状況だった。それなのに、今のこの状況はあまりに不自然過ぎて正直気持ち悪い。自分にここまでの技術があるとは思えないからだ。
道具のおかげなのだろうか?作業効率アップとかあったし、その恩恵だというならわからんでもないんだが…。まぁいいか。とりあえず、避難だ。また、いつ魔物が来るかわからんし。考えてわかるなら苦労はしない。気にしないのが一番だ。
当たり前だが、小屋の中は何も無い。仕切りを入れる?必要だろうか1人なのに。なんだろう1人って思った瞬間寂しくなってきた。割と人間不信がちなのにこの感情はなんなのだろうか。
よくわからんな。ん~考えると余計に気になるから今は余計な事を考えるのをやめよう。
気が滅入るだけだね。
「そういえばこの小屋の強度ってどうなんだろう?小屋を建ててる間もあの牙の鋭いウサギは何度も来ていたが、持ってる斧で真っ二つにしてやったんだが、それ以外の例えば熊の魔物とかいたりしたら壊されたりしないだろうかと心配になるな。」
「まぁそれに答えてくれる人はいないけどね。はぁ~…また考えてしまった。駄目だなぁ本当に。そうだ、そういえばまだここに来て何も食べてないな。何か食べてお腹いっぱいになればきっと変な考えもしなくなるに違いない。よし、そうと決まれば食べるものを探してこよう!」
待てよ?探すとなると森の中だよな?…あの牙の鋭いウサギ…あー面倒くさい!とりあえずキラーラビットと呼んでおこう。キラーラビットと戦う事になりそうだ。嫌だなぁ、行きたくない。
でも行かなきゃ食料が手に入らないし、ん~どうしようかね?あれ?そう言えば今まで倒したキラーラビットをどうにかして食えないかな?試してみるか?とりあえず取りに行ってこよう。
先程倒したキラーラビットを回収しようと外に出てきたのはいいんだが、目の錯覚でなければあれは…熊…だよな。さっき俺が倒したキラーラビットを貪っておる…。流石に熊は倒せないな…。
無理ですね、ハイ逃げましょう。気付かれない内に、小屋に戻ろう。
―パキッ!
―ってやってしまったー!漫画みたいな展開になってしまった!という事は…もしかして…
グゥオオオオオッー!
やっぱり気付かれてたーー!マジでアレは無理だ!熊なんてそもそも初めて見たんだぞ。
一般人にどうにか出来るわけ無いだろ!早く小屋にダッシュだ!
急げーもうちょいだー!―バタンッ!はーっ間に合った~危なかった~。
ドゴンッ!ドン!ドドン!
うぉおお!怖ぇええええ!めっちゃ叩いてるーー!この小屋壊れたりしないよな?自分で建てておいてなんだが、熊に殴られても平気かどうかなんてわからんぞ!頼む!壊れないでくれ~。
それからしばらくして叩く音は止んだのだが、なんかまだ外に居るような気がする。何故かわからんがはっきり居るとわかるのだ。まるで、出てくるのを待っているかのようだ。
せめて窓があれば外の様子を確認できたんだが…何故この小屋を作っていた俺は窓を作らなかったのだ。くぅ~怖いけど確認してみるか?でも、映画とかでよく見るみたいに外に確認しに出ていきなり死角からグサッ!といかれたらどうしよう~。う~怖い、本当に怖い~。
よ、よし!お、俺も男だ。行ってみようじゃないか!よし!行くぞ!
ドン!ドン!ドン!
「うぉおおおお!びっ、びっくりしたー!不意打ちかよ~。中が見えてるんじゃないよな?余計に出たくなくなったぞ。とりあえず待とう、下手に出て殺されたらたまったもんじゃない。」
ひたすら待つことにした。どうやらこの小屋そう簡単には壊れないようだ。持ってる道具で簡単に加工できたから、結構柔らかい部類にはいるかと思ったんだが…そうだ!自分で確認してみよう、これでもいろんな木材に携わる機会を与えてもらっていたから、ある程度の強度はわかるはずだ。
まずは、素手で確認してみよう、コンコン―なかなか硬いな、なんかこの木ステンレスの塊を叩いてる様な感じだ。もの凄く硬いな。こんなに硬かったのか?斧で切った時には大分柔らかい感じがしたんだが、やはり道具のおかげだったのだろう。そういえば、ポケットに十徳ナイフを持っていたのを思い出した。まだ、ポケットに残っているだろうか?探ってみたらあったよ。良かったこれで試せるな。
よし、さっそくナイフの部分で刺してみよう。―カキンッ!カラカラって刺さらねぇ!というか反動でこっちの手が痛い。なんつー硬さだ。これなら強度は安心だな!
「それにしても今更ではあるけど、あのドアって俺がちゃんと作ったのか?精巧すぎるんじゃね?
丁番とかどうやって作ったんだよ、俺。」
う~んなんかいろいろとわからんことが多すぎる、もう一回ステータスを確認すべきかもしれない。
とりあえず見てみるかな?
「よし!もう一度確認しよう。ステータスオープン」
ん?こ、これはもしかしてこのスキルが関係してるのか?そうでもなきゃ俺が単独この小屋を建てられるとは思えない。
とりあえず確認することがいっぱいだな。それにしても、こんなにいろんなスキルがあるのに一切といってもいいぐらいに戦闘系のスキルがないな。
唯一あるといったら身体強化ぐらいじゃなかろうか?
職人としてやって行く分には問題ないが、身を護る手段が少なすぎるんじゃないか?
せめて、もう少しなにかあっても良かったんじゃないかと思うんだが、それは甘えかな?
他にめぼしいものがないか見てみるか~。ん?これは…なんだ?
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新石 優良
【性別】男性
【年齢】18歳
【種族】人族
【職業】建築職人見習い
【称号】不遇の職人 女神の被害者 ???
【レベル】5
【HP】370/370
【MP】210/210
【魔法】生活魔法 LV.1(灯火、飲水、微風、)
想像魔法 LV.-(???)
【スキル】木工術 LV.3(木材加工、木材組立)
金工術 LV.2(金属加工、金属組立)
石工術、LV.1(石材加工、石材積上)
錬金術 LV.1(金属精製、石材精製)
伐採術 LV.4(樹木伐採効率化アップ、草刈効率化アップ)
採掘術 LV.1(石材・鉱石・土砂採掘効率化アップ)
身体強化 LV.2(強化率20%)
マイバッグ LV.―(容量無限)
経験値取得率2倍
【道具】魔法のハンマー LV.2(破壊不可・作業効率10%アップ)
魔法のノコギリ LV.2(破壊不可・作業効率10%アップ・木材・石材・金属対応)
魔法のノミ LV.2(破壊不可・作業効率10%アップ・木材・石材・金属対応)
魔法の鉋 LV.2(破壊不可・切削加工10%アップ・木材・石材・金属対応)
魔法の差し金 LV.2(破壊不可・作業精度10%アップ)
魔法の墨さし LV.2(破壊不可・墨継ぎ足し不要)
魔法の巻き尺 LV.1(破壊不可・300m計測可能)
魔法のツルハシ LV.1(破壊不可・掘削範囲10㎝・掘削深度10㎝)
魔法の斧 LV.2(破壊不可・伐採速度10%アップ)
魔法の鎌 LV.1【破壊不可・草刈速度10%アップ)
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【優良君へ】落ち着いたらこれを読んでほしい byおじいちゃん神&おばあちゃん神より
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優良君これを見てる君へぜひともお願いがあるんじゃ出来れば叶えてほしいと思っておる、願いというのは、儂等の住む神殿を建て直して欲しいという事じゃ。
勝手な願いだというのは重々承知の上で厚かましくもお願いをしたい。自分でなくても、と思っておるじゃろう、だがな儂等が見た限りこの世界の住人では君が本来持ちうる技術には到底及ばないのじゃよ。また、儂等の神域に立ち入るには彼らでは、【格】が足りなくて立ち入った瞬間に廃人になる可能性が非常に高いのじゃ。この世界は、年数こそ三千年近く経ってるが文明の発展はものすごく遅いんじゃよ。これだけの年数でようやく君の住む地球の中世ぐらいなんじゃ
。
そのせいなのかこの世界に生きるものは【神格】を得るに至るものが未だにおらんのじゃ。本来なら、少なくとも五十ぐらいの見習いの神が居るもんだが、この世界は遅々としておる。
儂等も一応は、神殿の限界である100年を目処に待とうかとも思ったが、今回メルが勘違いでとはいえ君をこの世界に招き入れた事で状況が変わったのじゃ。
君には、高い【格】がある。それは、100年も待つ必要が無いほどじゃ。儂等の後押しがあればおそらく2~3年もあれば技術も【格】も充分だと思うておる。よって儂等【創造神】はお主に加減を無視した加護を与えようと思っておる。
何よりこちらの手違いで召喚したのに、厳しい状況に置くのは向こうの神にも悪い事だからじゃ。
言わば自身の【子】を送り出したようなものなのに、儂等の都合で君を辛い境遇に置くのは許されないことなのじゃ。
だから、君が貰いすぎてると思うぐらいの加護を与えるが、どうか受け取ってほしい。
言い方は悪いが、これは保証だと思ってほしい。君を死なせずに如何にこの世界を生きていけるようにするかが儂等の義務になるのだ。こんな勝手なことを言って本当に申し訳ない、せめて君がこの世界を嫌いにならずに生きて行けるように手を尽くさせてほしい。
そして、その上で君が儂等の神殿を建て直してもいいと思えたなら、また連絡をさせてもらいたい。まずは、この世界トレワールに馴れてほしい。儂等もしっかりと見守っているから。
それとこれも勝手な言い分ではあるが、是非とも儂等の事はおじいちゃん、おばあちゃんだと思ってくれて構わんぞ!儂等も君を孫の様に見守らせてもらうからのぅ。
おじいちゃんとおばあちゃんより
追伸 この手紙を読み終えた時点でステータスが変化してると思うので確認してね。
byおばあちゃん
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―ってなんじゃこりゃ!?どういう事なんだよ。この俺に期待してるよ?みたいに言ってるけどマジかよ。あまり過度な期待はしないで欲しいんだけどなぁ。まぁいいか、あまり考えすぎたらハゲるか胃に穴が開いてしまいそうだ。それに、おじいちゃんにおばあちゃんか。もしかして俺が考えてたのを聞いていたからそう言ってるのかな?どっちにしろ贔屓にしてくれるならありがたい事だ。
あとはステータスの確認か。なんか自重しないって書いてあったけど、いいのかな?。あの熊に対抗出来る力があるなら、嬉しいんだが。まさか自分の人生でこんな立ち回りをすることになるなんてな。人生って本当に何が起きるかわからないものだな。こんな異世界に来てしまうぐらいだし、無事に生きていくためにも確認するか。はぁ~。俺ってどこにいてもトラブル体質なのかな?
タグにハーレムをふっておいてヒロインの1人も出てませんが、今書きためてるほうでは出てきますのでご安心を。前置きが長すぎるかな?




