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第62話 風の精霊はすごいんです!

なんとか書き上げました!楽しんでいただければ何よりです。

 逃げると思っていたスクラップサーペントはどうやら聖杯が目的だったようで、その中身である聖水を飲もうとしてるようだった。あ!面倒な事になる予感がするな。そうわかっていてそのまま思い通りにさせるのも嫌なので妨害する事にした。



「悪いがお前の思い通りにはさせてやる訳にはいかないんで邪魔させてもらおうかな?飛んでけ!」



 スクラップサーペントの直ぐ側に転移無法で移動するのと同時に腹の部分を思いっきり蹴飛ばして聖杯から距離を取った。俺が蹴った事によりかなりのダメージを受けたはずなので、後は皆の経験値になってもらおう。



「これ以上ウロウロされたら迷惑なんで固定する!土魔法【ワイヤーバインド】!そのまま地面に這いつくばってろ!【ロックパイル】!」



 なにげに新魔法を使ってみた【ワイヤーバインド】は地中に含まれている鉄を精製してワイヤーを一瞬で精製してそれを魔力で補強してそれでスクラップサーペントをぐるぐる巻にしてある。だけど、それだけでは動き回る可能性があるのでワイヤーの各所に岩で作ったパイルを地面に打ち込んで固定してみた。実験的要素がかなり強いのだが、このぐらいの大物にも効くのかを確認してみたかったのでちょうどいい機会に思えて試してみたのだ。

 試す前は、あの巨体からなる力で無理やり動き出すんじゃないかと思っていたのだが、かなり効果が高いようでスクラップサーペントは逃げ出す事ができなくなったようだ。これなら今の内に皆でやれば俺がやらなくても倒せるかもしれない。



「皆!今の内に攻撃だ!」



 俺が出した合図でモニカをはじめとしてシェイラ達、少し離れた場所で待機していたリィサ達も一気に攻撃を仕掛けにいった。

 金属を斬りつける音が響き渡る、キンッ!とした音やギリギリ!と聞こえてくる。意外なのがレナリアさんとユリーナさんだ。あの二人はまるで踊りを踊るように切りつけている。武器の在庫状況の都合上二人共ショートソードで戦っているが、慣れているのかそれとも元々の才能なのかはわからないが、かなりいい動きをしている。この世界の人達は元々の素養が良いのかもしれない。

 皆で揃ってボコボコにしているが、あの巨体に止めを差しきれてない。俺はニーナあたりがやってくれるかと思っていたのだが、大きさゆえかはたまたあの金属を思わせる肌のせいなのかどうも決定打に至れないようだ。このままでは幾ら固定してるとはいえ何かの拍子に束縛から逃れて反撃の憂き目にあう可能性も考えられるので、ここらで止めていこうか。



 先程からあの戦いに参加せずに俺の側で待機してる二人にいってもらおう。彼女達にも出番を与えないと不公平だしね?



「セラ、シファと一緒にあの大蛇に止めを差してきてくれないかな?いつまで拘束できるかわからないからこれ以上暴れだす前に頼めるかな。」


「そうね…私が見てる分にも見ててあまりいい気はしないから、倒すなら早めに止めを差して上げるべきだと思う。一応聞いておくけどユーラは参加しなくても良いのね?」


「あぁ、俺は参加しないよ。ここはセラとシファがどれくらいの事が出来るのかを見せてくれないか?」


「シファにまかせてユーラ!シファはね?つよいんだよ!」



 気合を入れるように両手を上げているシファはとても可愛らしいなぁ。幼稚園児が遊ぶ時のように見えて実に微笑ましい。今からする事を考えると幼稚園児らしくは無いけど…。



「じゃあ行ってくるわねユーラ。シファ行くわよ!着いてきなさい、私達風の精霊の力を見せるわよ!」



 シファとセラが二人でスクラップサーペントに向かって飛んでいく。どういう攻撃を仕掛けるのだろうか?今後の為に色々と参考にさせてもらおう。って、ヤバい!幾ら皆が魔法で強化されて安全とはいえセラ達がどれだけの攻撃をするかわからない以上どうなるかわからない。皆に退避するように言わないと!



「皆!今からセラとシファが大蛇に止めを差す為に大技を使うかもしれないから、今すぐ俺の所まで戻って来てくれ!」



 わかった!、今戻る!と皆が返事をしてすぐに戻ってきた。動きが早えぇなぁ!アニメとかで見る残像が残るみたいな感じで見えてるぞ!アニメの動きを実際に見れるなんて…感動だな!



「ふぅ…ユーラ…セラとシファが止めを差してくるって言ってたけど…大丈夫なの?皆でやった方が良かったんじゃないの?」


「いや~俺達に力を見て欲しいみたいだからね?セラとシファにも出番を作らないといけないかと思ったんだよ。折角だから皆でセラとシファの活躍を見てみないか?」


「ウム!そうだな!是非ともセラ殿とシファの戦いを見せてもらおうじゃないか!もしかしたら何か参考に出来るかもしれないしな!」


「…私もシファの活躍をみたい。きっとカワイイに違いない…フフ。」


「それはちょっと違うんじゃないかな?ルティアちゃん?」


「まぁ良いじゃないですか師匠、私達もここで見守っていましょう。精霊の戦いというのも初めてみるものですし、良いのではないでしょうか?」


「ふぅ~んそんなものかなぁ?まぁ良いか!じゃあ皆退避したみたいだしユーラくんセラちゃんとシファちゃんに合図を出してあげて?」


「あいよ~。おぉ~いセラ~シファ~こっちは皆下がったからもう倒してもいいぞ~。」



 そう声を掛けるとセラが両手を上げて○を作って頷いているので、そのまま見ている事にした。さて?セラとシファはどうやってあの大蛇を倒すのだろうか?俺にも参考になるかもしれないから、しっかりと見ておくか。




 ◇




 さぁ!ここで私の契約者であるユーラに私が役に立つって事を伝えて起きたいところね。初めにあんな事を言われた時はショックだったけど、周りにいる皆の御蔭で私はユーラと契約する事ができた。でも、それじゃあユーラに私の事を認めて貰った訳じゃないし、ちゃんとユーラ自身の意思で私と契約して良かったと思って欲しい。だから、私は力を示す機会を求めてあの大蛇と戦わせてほしいと言ったけど、ユーラには遠回しに断られてしまった。が~ん…。

 でも、まったく駄目って訳じゃないみたい、皆で一通り攻撃したらもしかしたら私達にも機会がまわってくるかもしれない。



 シェイラ達の攻撃が続いているけど…大丈夫かしら?意外と彼女達が強いわね…そのまま倒してしまわないよね?私とシファの出番が無くなってしまうんじゃ?それにシェイラ達だけじゃなくリィサ達もかなりやるわね。…気持ちだけが逸る、あぁ私達の機会を奪わないで!!そのままだと本当に倒してしまいそうだ。と、ここでユーラに呼ばれてようやく私達の出番がきた!ユーラが拘束してる大蛇に止めを差すだけのお仕事だけど、気を抜いてはやらないわ。相手の生命に止めを差すんだもの、私が持ちうる力を使ってしっかりとやらせてもらう。



「シファやるわよ、こっちにいらっしゃい!」


「おぉ!シファやるよ~がんばるよー!」


「えぇその意気よ、私達風の精霊の力をユーラに見せて上げましょう!」


「ゆーらに?シファはねぇ…るてぃあにみせたい!シファががんばってるすがたをみてほしい!」


「そうね…じゃあシファはルティアに、私はユーラにそれでいい?」


「あい!それでいいよ!」


「そう、じゃあやるわよ……ふぅー風よ集え、我らの手に宿りてその力を示せ!いくわよシファ!【大風の螺旋槍】!あの大蛇の頭を貫きなさい!」



 風がうず巻いていき、大きな槍を形成して大蛇を貫く為にその姿を変えていく…そして風がその姿を大きな槍に姿を変えたのを確認した後に、これを一気に…放つ!

 私とシファの手から離れた風の槍が鋭い渦巻を形成しながら大蛇の額に向かって飛んでいく!狙い能わず風の槍は大蛇の額を貫通し地面を抉っていき、かなり深く地面を抉り続けた後に風の槍はその姿を霧散させた。それと同時に大蛇はピクピクしたまま、それ以上の動きをしなくなった。これで私とシファの力を見てもらえたかしら?もしかしたらその実力を褒めて貰えるかも?そうして思いを馳せながらユーラを見てみたら……唖然としていた。あ、あれ?おかしいなぁ?ここは『よくやったね!セラもシファも凄いよ!力も凄いし、セラは戦ってる姿も格好良かった上にシファはとってもカワイイね!惚れてしまいそうだよ!』って言ってくれる所じゃないの?……もしかして私達…やり過ぎたの?な、何か喋ってくれないかしら…なんだか不安になるのだけど。




 ◆



 いやぁ…これは流石に驚いたな。セラがスクラップサーペントの弱点を突いて倒したのもそうだが、一番はスクラップサーペントを倒す時に使った魔法だな。なんっつー威力だよ!俺もやろうと思えば出来るかもしれないが、単純に戦略級の魔法何じゃないのか?大群相手に使うような代物っぽいけど…風の精霊ってかなり凄いんだなぁ…改めてセラとシファの存在の凄さを実感したよ。っと、いつまでも呆けてないで頑張ってくれた二人に労いの言葉を掛けてあげないと。



「おぉ~い!セラ~シファ~お疲れ様~こっちに戻って来て~。」



 二人に声を掛けて上げるとシファが両手を上げてバンザイみたいにして喜んでいる。セラもなんとなく照れくさそうにこちらを見ながら宙を浮きながらこちらに向かってゆっくり進んできていた。



「る~てぃ~あ~!シファがんばったよ~。ほめて~。」



 一瞬俺の所に向かってるのかと思って両手を広げていたのに、俺を素通りしてルティアの元に行ってしまったシファ………めっちゃ!恥ずかしい!!この広げた両手をどうすれば良いんだ!!



 あまりの恥ずかしさからこの両手を下ろそうと思い掛けた所で、正面から軽い衝撃を受けた。なんだ?と思い見てみるとセラが俺に抱きついていた…俺は自分の恥ずかしさをごまかすようにセラを抱きしめた。



「セ、セラッ!す、凄かったよ!あんな事ができるなんて流石風の大精霊だね!思わず見とれていたよ!」


「そ、そう?それなら良かった。私達がどれだけ出来るのか知っておいて欲しかったからちょうど良かったし、ね?」



 俺は恥ずかしさを誤魔化す為にぎこちなく、セラは俺が恥ずかしさを誤魔化そうとしてるのを知ってそれをフォローしようとしてうまくいかずにぎこちなくなり、微妙な空気になってしまった。ヤバい!セラまで俺の被弾を受けた!誰か!ヘルプ!この空気を取り払ってくれ!

 そんな俺の願いが通じたのかこの空気を取り払ってくれる人物が来てくれた!



「ゆ~ら~!シファがんばったよ~!シファすごい?シファえらい?」


「あ、あぁ!シファも凄かったよ!頑張ったねシファ。」



 この空気を消し去ってくれたシファを抱きとめた後感謝の意味を込めて頭を撫でて上げたら、にへらぁ~と笑顔を見せてくれた。あぁなんて癒やされる笑顔なんだろうか…さっきまでの恥ずかしさが見事に霧散してくれた。シファに感謝だなぁ。



「うへへぇ~ゆーらのなでなできもちぃぃね!うにゅぅ~…。」


「ん?そうなのか?ならもう少し撫でようかな?シファが頑張ってくれたからご褒美だよ。」



 柔らかい髪質の頭をゆっくり撫でて上げる、触ってる俺自身も手の平が気持ちいい。な~でな~でぐりぐりと撫で回して上げるとキャッキャと笑いながら喜んでいる。あぁ…癒やされますなぁ。シファと契約したのは俺では無いが、契約してくれたルティアはグッジョブだな。

 撫でるのを気に入ってしばらく撫で回していたらさっきまで騒いでいたシファがいつの間にか静かになっていたので、その顔を見てみると……どうやら眠ってしまったようだ。なんともまぁ可愛らしい寝顔だな…っていうか精霊って眠るんだな。初めて知ったよ。



 眠ってしまったシファを抱いたままセラにもう一度お礼を言う。



「セラもありがとうね、風の精霊の凄さがわかって良かったよ。調子良いようだけどセラと契約して良かったよ。これからも俺達の力になってくれると嬉しいよ。」


「あの時の事はもう気にしないで、ユーラ。あまり掘り返してばかりなのもどうかと思うから。それよりも…シファがこうやって人前で寝てしまうなんて珍しいわね。」


「ん~そうなの?単に疲れたから寝ている訳じゃないの?」


「幾ら疲れているとは言っても私達精霊は空気中に漂う魔力を取り込めば疲れなんてあって無いようなものなのよ?だからね、そうやってユーラに抱かれて寝ているシファが珍しいの。普通なら契約者であってもこんな風にはならないものなのに…。」



 あぁ…だとしたらアレだわ…俺のスキルにあったやつだな。えっとなんて言ったっけな?え~と確か…アレだ、リゾート地の謳い文句みたいな名前のやつ【安らぎの癒やしをあなたに】だったか?間違いなくアレのせいだろ?今チラっとシファの【状態】を確認してみたが、やはり安眠がついている。

 原因が自分だとわかったのは良いのだが、それを今セラに教えたりしたら好奇心から自分も!とか言ってきそうなので、知らないフリをしておこう。黙ってればわからないだろうし。



「まぁ…何はともあれお疲れ様、取り敢えず周囲を探っても敵の反応は無いみたいだし、シファはそのまま俺が抱っこしておくから、この周辺を探ってみないか?」


「…何か腑に落ちないけど、まぁいいわ。後でちゃんと話を聞かせてもらうから。じゃ!何か無いか探しに行ってみるわ。」



 上空から周囲を探る為に空を飛んでいったセラ。う~ん、これは後で色々聞かれそうだな。その時は、どうにか誤魔化してしまおう!喋ったりしたら間違いなく全員が撫でてくれと言うに決まってる。そんな事になったりしたら、またあの我慢を強いられる時間を過ごさねばならなくなる。あれはあれで良いのかもしれないが、人数的に限度があると思う。女性特有の柔らかさだったりいい匂いだったり温もりだったりと正常な男子としてはそれはもう我慢できない!という状況なのだよ。なので、俺の為にもばれない内は黙っていよう。べ、別に悪い事してる訳じゃないから、だ、大丈夫だよ!



「ユーラくん?どうしたの?…何かあった?」


「うぉ!ってモニカか…なんでも無いよ?何で急に?」


「さっきからユーラくん見てたら表情がやたらコロコロ変わるから何かあったのかな?って思ったんだけど…それで?何かあったの?」


「…これといって特には。」


「これまた怪しい答えをありがとう、それじゃあ何かありますって言ってる様なものだけど…隠したいならまぁ良いかな?でも、それならもっとうまく表情に出さないようにしないと駄目だよ?おそらくだけどユーラくん以外の皆がユーラくんの様子が可怪しいと思ってるよ?」


「うっそ!マジで?」


「…その時折出てくる訳のわからない言葉が何を差してるのかはわからないけど…取り敢えず私達が可怪しいと思ってるのは本当だよ?まったく…あんまり皆に心配掛けたら駄目だよ?」


「…気をつけます、ハイ。」


「ん、よろしい!じゃあ私も何か掘り出し物が無いか探しに行ってくるね!」



 そうか…俺ってそんなにわかりやすい顔をしてたのか…。うまく隠してたつもりだったんだけどなぁ。俺がわかりやすいのか、それとも女性陣が鋭いだけなのか?どちらにしろ隠し事はうまくいかなそうだ。

 さぁ!気分を切り替えて俺もお宝を発見しに行こうかな?でも闇雲にこれだけの広さを探してもそう簡単には見つからないだろうし…お宝発見レーダーみたいの創れないかな?試してみよう。



一日の執筆時間が全然足りない!新作も考えてたのに~ネタはあるのに書く時間が取れません。それでも!頑張って書いていきますよ!投降する期間は以前よりもあくとは思いますが、あまり空きすぎないように投降していきたいと思っております。

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