第61話 対決!スクラップサーペント
お久しぶりでございます!ようやく戻ってこれました!久しぶりに書いたので若干不安ではありますが、投降しました。楽しんでいただければ幸いです。
さて?モニカ達に武器を配って、さぁ!行こうか。と思っていたのに…そうはいきませんでした…。リィサやレナリアさんにユリーナさんが自分達は?と言ってきたのだ。
流石にモニカ達に渡しておいてリィサ達に渡さないのはマズイと思い、ある程度見繕う事にした。リィサには片手剣にラウンドシールド、レナリアさんには長杖、ユリーナさんには短弓だ。ただ、渡したのは良いのだがリィサはともかくとしてレナリアさんとユリーナさんは何というか…持っているだけだったりする。
何故この二人がただ持っているだけなのか?皆を鑑定してみたのだが…ハッキリ言って俺が武器を渡して適正通りだったのが、ルティアとウィリルだけだったのだ。それ以外の人は…俺が作ってない武器に適正を持っていたので、このダンジョンを出た後に侯爵の家の修繕・改善を済ませてからにしようと思っている。正直作業が追いつかないのだ。【創造】を使えば早いのだが、それをすると何故か高品質の物ばかりが出来てしまい、持っているだけで要らない注目を集めそうだったからだ。なら必要としない時は預かれば良いのでは?とも思ったが、うっかり口を滑らせてしまいそうな人物が2人程がかなりうっかりさんで、色々ポロポロ喋るのだ。そんな人達がいるので迂闊に高品質な武器を渡したりした日には、何処から持ってきた?と聞かれたらアッサリ喋ってしまわないか心配なのだ。という訳でしばらくの間は【創造】製の武器は見送る方針だ。
武器の配分に関する説明を終えた所で、現在は何処に居るか?と言えばセラとシファが斥候した際に見つけた行き止まりの場所に来ている。
「確かに行き止まりだね。で、この扉ってどうやっても開かなかったの、セラ?」
「えぇ押しても引いてもって感じね。風の魔法で思いっきり押しもしたし手前に引くような感じでもやってみたけど無理だったの。」
「引くって言うのは手前に…何だよね?」
「そうよ?引くって言ったら普通は手前にじゃないの?」
引き戸になってるって事は無いのかな?ちょっと試してみよう。
「少し気になる事があるから試してみるね。よっと!フッ!ゥゥゥゥッ!―っはぁぁぁぁ~駄目だ~もしかしたら引き戸になってるかと思ったけど、違ったみたいだ。って事は…本当に開かないのか~。」
「だから色々試したって言ったじゃない、そのやり方は試さなかったけど他の方法で隙間すら開かなかったんだから無理があるんじゃない?」
「ま、まぁ何があるかわからないしね?試すぐらいは良いかなってね?」
「……まぁ良いわよ。で、どうするの?まだ何か試してみる?」
じゃあ最後にちょっとだけ…。わからない事があるなら鑑定をしよう!と鑑定をしてみると…あぁ初めから鑑定したら良かったんだね!
魔錠門
登録された魔力により施錠や解錠、開閉をする事ができる門。
登録された魔力以外には一切の反応を示さないので施錠や解錠をしたい場合は登録された魔力を使うか登録された魔力を込めた魔道具などを持ってくる必要がある。
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【備考】
現在のこの扉の魔力の登録者は3階層にいる【瓦礫大蛇】のものなので、扉を開くには【瓦礫大蛇】の魔力が必要。
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あ~なるほどね…開かない訳だよ。まさかこんな物があったなんて…。これって結構な技術だよね?こんな物があるならなんで今までしっかりと調べてこなかったんだろうか?それとも調べた上でよくわからなかったのだろうか?まぁ今は別にどうでも良いか!今の段階で開ける事ができないのなら後回しにして先にもう一箇所の部屋に居たっていう大蛇を倒しに行くかな。
「ちょっとユーラ?移動しないの?まだ何か確認する事があるわけ?」
「ん?あぁいや…移動しようか。」
「もしかして何かわかったのかしら?」
「…いや特に何も無いよ?ほんの少しだけ気になったから見てただけだよ。このままここにいてもしょうがないから次に行こうか?」
「ふ~ん、変なユーラくん。じゃ!行こうか!」
アブね~今はまだ鑑定の出来る事は黙っておきたいんだよな。色々問題ばかり起きると対処するのが大変だからねぇ。どうせならもう少し落ち着いてから皆には教える事にしよう。
セラとシファが戦闘になり大蛇がいるという部屋に案内してもらう事に…。セラは自分が倒すだけの力があると言っていただけあって余裕の表情をしているのだが、こちら側のモニカ…はまだ良いとしてもシェイラ達の表情が若干こわばっているのがなんとも…このまま進んでも大丈夫なのだろうか?
そのまま進み続けた通路の先が妙に明るくなっているが…もしかして大蛇が居るという部屋なのかな?気をつけながら進むとしよう。
大蛇が居ると思われる部屋にたどり着くとかなり大きな部屋にたどり着いたのだが…部屋というよりはどちらかというと大きな会場と言ったほうが良さそうな場所だった。地下にこれだけの広大な空間があるなんてな…地上に居る時からは思いもしなかったな。
で、件の大蛇はというと…まぁアレだ、部屋に入った瞬間には目に入っていた。セラが報告した通りにこの部屋自体がまるで遺跡のような感じになっていた。もうかなり昔と言っても良いのではないのだろうか?ハッキリ言ってもうボロボロである。もしかしたらこの大蛇のせいもあるかもしれないが、見た感じ風化してる様な箇所も見られる事から大蛇だけが原因ではなさそうだ。そして、大蛇だが……何かトグロを巻いてジッとこちらを見ているんだよなぁ。あの大蛇どう見ても俺達に気づいている……たまに舌をチロチロしてる。一番の特徴はその胴体というか全身だろうか?まるで金属を磨いて艶出しした様な見た目になっている。
こう…なんて言えば良いのだろうか?自分が今まで見た物で例えるなら綺麗に磨き上げたステンレスパイプの様な光り方をしている。ツヤッツヤに光ってるよ…。気になるのでこいつは鑑定するべきだろう。というわけで…。
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スクラップサーペント
【LV】 38
【HP】30400
【MP】―
【種族】蛇型鉱物種・希少
【魔法】―
【スキル】溶酸・鉱石喰らい・締め付け・噛み付き
【状態】異常成長・狂乱
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【備考】異常成長について
遺跡内に置かれている聖杯の中身である聖水を飲んだ普通の蛇だったもの。
一度や二度程度ならば飲んでも問題は無かったのだが、3年近く掛けて何度も飲んで来たので、本来では有り得ない成長をした。なお鉱物特化になったのはたまたま近くにあった鉱物を飲み込んだ直後に聖水を飲んだ為、特殊な進化をした結果。必ずしもこの様な成長をする訳ではない。いろんな結果が重なった偶然の産物。
【備考2】狂乱について
異常成長する最中において聖杯に近寄る魔物を片っ端から喰らってしまった為、色々な要素を取り込み過ぎた為に起きた症状。元に戻す事は出来ない為、討伐する事でしか解決する方法はない。
【弱点】
両目の間のピット器官
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HP高いなぁ…今までの魔物で一番高いな。しかも見た感じ硬そうなんだよな。やっぱりああいう敵には斬撃よりも打撃系が効くのかな?それに、速さとかはどうなんだろうか?それが気になって再度鑑定してるけど表示されないんだよねぇ。俺の想像力が足りないのか。それとも、元々そういう仕様なのか?まぁ、今回はまぁ良いとしても後からおじいちゃんに聞いておこう、情報はあるにこした事は無いしね。
「ねぇ皆?ああいう敵に会った事はあるのかな?」
「私達は初めて見る魔物だぞ?ユーラ殿…あのような魔物一体どうやって戦えば良いのだ。」
「…魔法でなんとかなる?それなら試してみたいかも…。」
「ユーラから貰ったこの斧があればなんとかなるんじゃねぇか?せっかくだから試してみてぇしな!」
「なんとかなるのかな?すこーし無理が無いかな?でしょ?ユーラくん。」
「あたしも師匠の言う通りだと思う。この双剣じゃ…うぅん仮に片手剣だったとしても無理かも…あの魔物ってもしかして金属なんじゃないの?だとしたら斬りつける事自体が無理じゃない?」
「私の弓も論外ね…弓の性能は良いとは思うけど、アレに当てて刺さるかと言えば…無理だと思うわ。」
モニカやシェイラ達は無理という意見と試してみたいという意見が出たが…リィサ達はどう考えてるのかな?と思いチラッと見てみたのだが…3人共首を振っているね、まぁそうだろうね。どうするか…魔法でも試してみるか?
そうだ!その前にセラとシファにも一応聞いておいた方が良いかな?でもなぁ確かセラは出来るって言ってたし…聞く必要は無いんだけど…2人共目をキラキラさせながら俺を見ているからなぁ…聞かない訳にはいかないだろう。取り敢えずフリという事で…。
「セラ達はどうかな?もしあの魔物を倒してって言ったら出来る?」
「私は出来るのだけど…シファは…無理だと思うわ。今の所使える魔法の種類が少ないから、応用を利かせられないのよ。力はあるんだけどね?まぁ、もしやれと言うなら私なら出来るわ。」
「そうか…ありがとう、後は皆の意見を合わせてからどうするかを決めようか。」
「それもそうね、まぁ私の実力を見て欲しい気持ちはあるんだけどね?…しょうがないわね…うん、しょうがない…。」
……きっと自分に任せて貰えると思ったんだろうなぁ。今も俺をチラチラ見てるし…俺は多分余裕でいけると思うんだけどね?多分一撃ですわ。でも、何かあった時に俺だけ強くてもしょうがないからなぁ。皆にもある程度…う~ん、そうだなぁ…LV50ぐらいは達成して欲しいな!そうすれば何かあっても大丈夫そうだし!
一応考えて見たのだが、まずは全員が一撃ずつ試してみて攻撃が通じないようならセラにお願いしよう。そうすれば不公平にはならない…はず。あまり考えてばかりでもしょうがないので皆に今の考えを説明してみた所それで良いと言ってくれたので試す事にした。
「ねぇユーラ少し良いかしら?シェイラ達やモニカはなんとか立ち回れるかもしれないけど、流石に私達3人は無理よ?試すのは構わないのだけど…そのままというのはちょっと、どうにかできないかしら?」
「それは大丈夫だよ、ちゃんと考えてあるからね。全員がダメージを受けないようにしっかりと魔法で補助するから。」
「それは私達でも大丈夫なの?私は多少レナリアやユリーナよりも戦闘の経験があるとは言ってもほとんどが対人戦が主だったのよ。あんな魔物の相手なんてした事もなければ見た事も無いのよ?」
「大丈夫!任せてくれ!かすり傷1つ付けさせないから。」
「そう?ユーラがそこまで言ってくれるなら信じるわね?じゃあ…どのタイミングで始めるの?」
「ちょーっと待ってね?今から魔法使うから…【物理攻撃完全無効】と【特殊攻撃完全無効】っとこんなもんかな?じゃあ、これでいってみようか!」
皆に魔法を掛けてぜっっっったい!に傷つけられないようにした所で突撃の合図を出したつもりだったけど…分かりづらかった?
「ねぇユーラくん?なんか私達の体が虹色に光ってるんだけど…コレ何をしたの?」
「わわわっ!何々!何が起きてるの?コレなんなのユーラどの~!」
……何故か混乱を招いてしまった…。ちゃんと事前に魔法を掛けるよって言ったのに…アレ?もしかしてどのような魔法を掛けるか言わなかったのが、まずかったのかな?
「ごめん皆!ちゃんとどんな魔法を掛けるかを言ってなかったね。今皆に掛かってる魔法は物理攻撃を完全に無効にする魔法と特殊な攻撃…えっとね?例えば…その魔物だけが使う特定の攻撃を無効に出来るんだよ。ただし!制限時間があって時間は15分間だけ、効果が切れたらもう一度掛け直さないといけないんだよ。だから、できれば効果が切れる前に攻撃をしに行こう!」
魔法の効果を説明したので、もう一度攻撃の合図を出したが中々行ってくれない…。やっぱり怖いのかな?どうしよう…俺がサッと行って攻撃したほうが良いのかな?
「えっと…皆無理そうなら俺が行ってこようか?無理する事ないよ?」
『違う!そうじゃない!!』
「うぉ!び、びっくりした…何?ならどうしたの?俺はてっきり皆は俺が言ったから無理して敵に向かおうとしてるのとばっかり思ったんだけど…違うの?」
「ユーラ…私達は敵に立ち向かうのが嫌な訳じゃなくて、ユーラが掛けた魔法の効果に驚いてるだけなのよ…正直に言ってね?呆れたわ。物理攻撃を無効?それだけじゃなくて魔物が使う特殊な攻撃も無効?一体何をどうしたらそんなイカれた効果の魔法を使えるようになれるの?」
「イカれたって…そこまで言わなくても良いじゃないか…。」
「あ!ごめんなさいユーラ、口が悪かったわ。ただそれだけ驚いたのよ。って!そう言えばユーラはこの魔法の効果が15分しか無いって言わなかった?それなら、効果が切れる前に行かないと!」
「大丈夫、落ち着いてリィサ。効果が切れたらまた掛け直せばいいだけだから。それよりも焦らないでしっかり攻撃してみて。さぁ、今度こそ攻撃してみよう。」
「ならあたしが一番のりで行かせてもらうわ!」
「あぁ!卑怯だぞ!ウィリルー!私も行かせてもらうぞ、ユーラ殿!」
合図の後に飛び出したのはウィリルとシェイラだ。ウィリルは身軽な格好なので素早いのはわかるのだが、意外にシェイラも早い。長剣を担ぎ上げたまま走っていった。やるなぁ。
「双剣の試しには十分ね!くらいなさい!ハァッ!―キシュ!―キシュ!―って凄!ナニコレ!すごい切れ味だわ!ってアブな!あたしはここで離脱するわ!シェイラ頑張ってね!」
ギアァァァァァ!
ウィリルが繰り出した双剣による2連撃は金属の様な表皮をしたスクラップサーペントを綺麗に切りつけていた。流石だな!Aランク冒険者と言われるだけあるみたいだ。そして、その後に続くようにシェイラが近づいていたが、スクラップサーペントもこちらの存在を既に認識しているので対抗しようとシェイラに向き口を大きく開けて攻撃態勢をとり仕掛けてきた。
「そんな単純にまっすぐ向かってきた程度でやられるものか!ハァァ!その牙…私が貰った!―ガギギギギ!キィーン―私もコレで離脱だ!次は誰だ!今の内だぞ!」
グギャァァァァァ!
思ったよりもシェイラ達が強いのでびっくりしている。レベルで言えば明らかにスクラップサーペントの方が上なのによくあそこまで立ち回れるなぁ。何か秘訣があるのだろうか?このままもしかしたらシェイラ達だけで勝てるかも?と思っていたが、スクラップサーペントは反撃をしてきた。
シャアァァァァァ!
鎌首をもたげた後に何をするのかと思い様子を伺っていると、大きく開けた口から液体を吐き出してきた。それに気づいたシェイラ達は素早く避けてうまく躱していた。と、シェイラ達が避けた後の場所を見てみると岩だらけの地面が溶けていた。もしかしてあれが鑑定した時に見た溶酸というスキルか…中々エグい攻撃だな。まぁ、それでもダメージを受ける事は無いけどね。おっと?更に何かの攻撃を仕掛けてこようとしてるみたいだけど…シェイラ達は気づいてるかな?
あれだけの大きな体でありながらも遺跡の間を縫うようにかなりの速度で移動していくスクラップサーペントを一定の距離を保ちながら追いかけるシェイラ達だが、さっきの一撃を見るによっぽど相手が立ち止まらない限り仕留める事は難しそうだけど…どうするつもりなのかな?と思い見ていたら今度はルティアが魔法で援護をしてきた。
「穿て【ウィンドボール】!」
上手い事スクラップサーペントの移動先を読んだルティアの魔法が綺麗に胴体に当たった瞬間ギリギリ!と金属が削れる様な音が響き渡ると同時にスクラップサーペントの叫び声が響き渡った。
ギィィィィイッ!
流石に移動速度が速すぎてニーナは参加できていないか…ここらへんは得意、不得意があるからしょうがないのかもしれないな。それにしても今だに致命傷と言える程の一撃がないな。見た感じこの部屋が広すぎて追いかけるのだけでも大変そうだ。そろそろ止めをさすべきかな?と思うのが少し遅かったようで、スクラップサーペントはただ逃げていたのではなく目的があったようだ。聖杯という目的が…。
実はですね…私事ではあるのですが、私情においてかなり面倒なトラブルが発生してしまいその対処にかなりの時間が掛かりそうです。これからは投降のタイミングが不定期になるかと思われますが、これからもお付き合いいただければ幸いです。小説を書いてるのは割と楽しいので終わりまではしっかりと書いていきたいと思っております。




