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第60話 ただの鉄製なんですけど?

新年明けましておめでとうございます!今年一年もよろしくお願いします。

この投降が新年一回目になりますね?何故疑問系かと言えば予約投降だから不安なだけですね。

 モニカに武器を作ってくれないか?と頼まれたものの材料はどうしよう?そもそもこの洞窟には鉱石を採掘しに訪れたのに、その材料をいきなり使ってしまうのはなぁ…。今俺が作り置きで持ってるやつじゃ駄目かな?ちょっと提案させてもらおう。



「モニカさっきの武器の件で話があるんだけど、今大丈夫かな?」


「武器の事?あ~もしかして無理だったりする?無理ならしょうがないからなるべく壊れないように気を付けて戦う様にはするけど…。」


「いや、違うよ。もしよければなんだけど俺が持っている予備の武器を使うのはどうかな?流石に今は材料の鉱石が少なすぎてさ。侯爵の家で使う分を考えると全然足りないんだよね。だから、今回は俺の予備を使ってもらえないかな?」


「ユーラくんの予備って言ってたけど、それを私達に渡していいの?」


「あぁ、それなら問題ないよ。自分の分はちゃんと別で持ってるから。それにいざとなれば魔法で対処すればいいしね。だから俺の事は気にしないでいいよ。」


「…え?ユーラくん魔法使えるの?シェイラちゃんから聞いたのは、素手の格闘戦が得意って聞いたんだけど…どっちがユーラくんのスタイルなの?」


「スタイルって言われても…俺は出来る事をしてるだけって言うのと…その場に合わせて一番良さそうな戦い方をしてるだけだから、専門的な事を言われてもなぁ。」


「……呆れた、よくそんなんで今まで生き残れたね?ちゃんと自分のスタイルを確立しないと駄目だよ?」



 スタイルって言われてもな…鑑定して知っているのは【職業】があるって事ぐらいだ。モニカの言うスタイルというのは、どういう事なんだろうか?ただ単に【型】みたいな事を言っているのだろうか?それなら…まぁ思い当たるというか、モニカの言っていた格闘術をメインにしてみたいんだよね。

 前に刀…大太刀だったか?を使ってみたが、いまいちピンとこなかったが、素手で闘ってみると意外とやりやすかったのだ。もしも、何かしらの【型】を目指すなら格闘術をメインにサブで魔法を使うスタイルが良いかも?取り敢えず試しながら決めればいいか…。



「あ~それはある程度考えてるから。それよりも武器なんだけどこれでどうかな?」



 俺は【マイバッグ】から片手剣・双剣・長杖・短弓・斧・長剣などの様々な武器を取り出してモニカの前に並べてみた。その光景を見ていたモニカは唖然としていた。あ、ちなみに全て鉄製です。自分の腕に自信があった訳でもないし、街についたらちゃんとしたものを買おうと思って自分でスキルだよりになんとな~く作った物なので、できたら仮の物として使ってもらおう。何かあった時に大変だからね…。



「あまり上等な物ではないと思うから、ダンジョンから出たらちゃんとした物を買い直してね?あぁこの武器は好きなものを使っていいよ?あと返さないでいいから。」



 モニカ達は俺が出した武器を手に取らずにただ眺めている。やっぱり本職に比べて作りが雑すぎるのかな?俺が見たのはもしかしたらあの街…トライフルに限ったものであり、この世界にはもっと腕の立つ職人がいるのかもしれないな。でも、今俺が持っているのはこれだけなので納得はいかないかもしれないけど、我慢して使って欲しい。



「あ~その~だな?見てくれが悪い上に作りが雑かもしれないけど、ダンジョンを出るまでは我慢して使ってくれないかな?これ以上は流石に持ってないんだ、ごめんね?」



 中々武器を手に取らないモニカ達に我慢して使って欲しい事を伝えたら、何故かモニカ達が慌て始めた。



「ち、違うよ!ユーラくん!作りが悪いなんてとんでもないよ!これ、本当にユーラくんが作ったの?何処かのダンジョンの宝箱から手に入れたとかじゃなくて?」


「いや、俺が作ったよ。色々気になるかもしれないけど、取り敢えずそのまま使ってもらえるかな?ダンジョン出るまでの間だからさ?もしこの武器で戦うのが不安なら俺が前に出て戦うから一応装備しておいてよ。」


「…………。」



 あれ?本当にどうしたんだ?そんなに嫌なのか?とっても悪いという程では無いと思っていたけど…Aランク冒険者ともなるとかなり質のいい武器を使っているのだろうか?やはり俺の腕はまだまだなのだろうか?…。別に鍛冶師を目指している訳ではないが、せめて予備の武器ぐらいは作れる様になりたいな。



 そう言えば…遅れて説明させてもらうのだが、【鍛冶】のスキルを持っていると工房などの設備が無くても簡易的に作る事が可能なのだ。製作品に関しては【鍛冶】スキルのレベルに依存するが、レベル1でもそれなりの片手剣などを作る事が出来るのだ。本当にスキルって便利だね!…それにしてもモニカ達の反応が悪い…どうしようか?どうしても無理そうならコレ片付けようかなぁ。



「あーモニカ…そんなに考えるほどなら、無理して使わなくてもいいよ?無理して使って怪我したら意味ないからね。さっきも言ったように俺が前に出て戦う事にするよ。じゃあ、コレは全部片付けるね?」


「ちょ、ちょっと待って!その、違うの、違うんだよユーラくん!武器の出来が悪いんじゃなくて武器の質が良すぎるんだよ!だから、驚いていたんであって使いたくないとかじゃないから!!」


「そ、そうだぞ、ユーラ殿!まるでダンジョンの宝箱から出てきたかのような品質の良さだからな。今までは街売りの武器と言えば作りが雑であったり、無駄に装飾過多になったものばかりだったからな…。まさか、ダンジョン産以外の武器でここまでの品質の物に巡り会えるとは思わなかったから驚いていたんだ。だから、ユーラ殿さえ問題なければ是非とも使わせてほしいのだ。」


「…うん、この杖も凄い。木製の杖は今まで何度も見てきたけど、これはそのどれとも違う…とっても軽い上に使いやすそう…私これ使わせてもらう。」


「それなら私はコレを使わせてもらおうかしら?この弓なんか使いやすそうだし…。」


「ならオレはこの斧を使わせてもらうぜ?何か今持ってるのより強そうな感じだしな!コレを振るうのが楽しみだぜ!」


「では私はこの長剣を…うむ!実に良い感じだ。こう…手に馴染むとでも言えば良いのだろうか?凄く使いやすそうだ。」


「あたしは…そうねコレにしようかしら?」



 ウィリルが手にしたのは片手剣だった…何かを忘れているようなって!そうだった!ウィリルの事でモニカに相談しようと思っていたのに、【声】の騒動で忘れてた!今だったら大丈夫かな?モニカ…に言うのもいいけど、直接言ってみようかな?



「えっと…その、ウィリル?もしよければ何だけどさ?この双剣を使ってみない?ウィリルならこれ使えそうだなぁと思うんだけど…どうかな?」


「え?双剣?って無理無理!あたしそんなに器用じゃないもの。下手に使い慣れない得物振り回したりしたら怪我をしかねないわ。」


「あー…ものは試しって言うじゃないか。実戦で使うのが無理なら今ここで試しに使ってみない?それなら問題ないでしょ?」


「それはそうなんだけど…どうしてそこまで双剣を使わせたいの?何か理由があるとか?」


「あぁ、えっとね?ウィリルって器用な感じがしたからさ?もしかしたら双剣の方がうまく立ち回れるんじゃないかと思ってね。だからだよ?」


「何か変ね?何か隠し事してない?」


「そそ、そんな事ないよ?ど、どうしても嫌なら無理にとは言わないからさ。」


「試すだけなら良いんじゃないの?ウィリルちゃん。何か面白い事が起きるかもしれないじゃん。」


「武器で面白いって何ですか?あまり変な事を言わないでください師匠。」


「まぁまぁいいじゃんいいじゃん、やってみて駄目なら元の武器に戻せばいいだけじゃんか。やってみても良いんじゃない?」


「はぁ…わかりました。けど、ユーラ?悪いけど無理だと思ったら元の武器に戻すけど…それでもいい?」


「そこは大丈夫だよ。あくまでもウィリルならいけそうだなぁと思ったからだからさ?あまり難しく考えないで使ってみてよ。」


「わかったわ、それじゃあちょっとだけ。」



 俺とモニカに勧められた事で試してみる事にしてくれたようだ。でも鑑定したとおりなら…。



 双剣を装備して舞を舞うように双剣を振り回しているウィリル。本当に初めてなのか?まるで熟練の双剣使いの様に見えるんだが?これが才能というやつなのだろうか?凄いなぁ…。舞?を終えたウィリルが納得の言っていないような顔つきで俺の所に向かってくるのだが…凄い何か言いたそうだなぁ。



「ねぇユーラ…これってどういう事なの?何で今まで双剣なんてものを使った事ないあたしがこんなに双剣を使えているの?もしかしてこの双剣って何か特殊な効果でもあるの?」



 そっちにいったか…どうして自分の実力だとは思わないのだろうか?長年染み付いた思い込みのせいでそう考えているのだろうか?そんな事ないんだけどなぁ。



「その双剣はただの鉄製の双剣だよ?なんの効果もない武器だからね?単純にウィリルが双剣を使うだけの才能があっただけだよ。」


「でも…あたしは昔からずっと片手剣で来てるから…その…今更違う武器を使うのは…ちょっと…。」



 何でチラチラとモニカを見ているのだろうか?何かあるのかな?



「ウィリルちゃんもしかしてだけど…昔に私が片手剣を使った方がいいよって言ったからそうしようとしてるの?そんなの駄目だよ?私には何を使わせて良いのかわからないから、取り敢えず基本的な片手剣を勧めたけど、他の武器に才能があるのならソレを使ったほうが断然良いに決まってるじゃん!」


「でも…師匠、あたしは…。」


「駄目だよ、ウィリルちゃん。せっかく今よりも強くなれるかもしれないんだから、そっちの方が良いに決まってるでしょ?さ!ソレを使って頑張るんだよ?ウィリルちゃん!」


「え~と…モニカ本当に良いのか?せっかく片手剣の基本を教えて上げたんだろう?俺のあくまでももしよければ程度だからさ?戦闘のプロがその方が良いと言うなら俺は無理して使う必要はないと思うんだけど…。」


「何言ってるのユーラくん!変にこだわって強くなれるかもしれない機会を見逃すなんて勿体ない事をするなんて駄目に決まってるでしょ?さぁ、ウィリルちゃん!昔の事に捕らわれる様な事なんてしないで双剣で頑張ってみてよ。弟子が強くなるなら私はそっちの方が嬉しいよ!」


「わかりました師匠。何処まで出来るかわかりませんが、まずは試してみます、それでも駄目なら元の武器に戻しても構いませんよね?」


「うん!それはウィリルちゃんの自由だよ!でも、できれば双剣で頑張ってみてよ。なんかさっきの見てたら凄く似合っていたからさ、多分大丈夫だと思うんだ。」



 良かった…どうやらうまくいったみたいだ。変な言い争いにならずに済んで本当に良かったよ。本当なら鑑定できる事を教えた方が良いとは思うんだけど、これはもう少しおじいちゃん当たりに相談してから打ち明ける事にしよう。

 まぁまずはこの洞窟の攻略&鉱石の採取かな?あまり時間を掛けすぎない様に進めていこう。



前書きでは書きませんでしたが、次の投降は8日以降になると思います。しばらくネット環境のない場所に行かねばなりませんので、投降ができなくなります。また、戻ってきたら続きを投降させて頂きます。楽しみにして頂いてる方々は本当に申し訳ありません!ですが、なるべく早く投降出来るようにしたい思ってますので、次回からもよろしくお願いします。

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