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第39話 お宝ザックザク!だけど…

思ったとおりに書き上がるととてもいいですね。今回は調子よく書く事が出来ました。

「そんぐらいならちゃんと渡すから気にしないでいいよ。じゃあ行くか!それとレナリアさんとユリーナさんは留守番よろしくね。なるべく早く帰るつもりだけど、遅くなるようなら先にご飯食べててもいいからね。」


「はい…お力になれず申し訳ありません。護身程度ならばなんとかなるのですが…多すぎる魔物に対処出来る程強くはありませんので…ユーラさん達の帰りをお待ちしております。気をつけて行ってきて下さいね?」


「そうですよ~ユーラさんはもう一人の体ではないんですから~無事に帰ってきてくださいね~。ご飯は私が作っておきますので~お腹を空かせて帰ってきても大丈夫ですよ~。」



 ユリーナさん…それは夫婦の会話みたいなのでやめていただきたい。今はまだ待って欲しい、そういう言葉を聞くと妙にドキッとさせられるので心臓に悪い。



「じゃ、じゃあユリーナさんの作ってくれるご飯を楽しみにしておきますね?あ、そうそう一応俺達が出た後は高い位置に止めておきますから間違っても馬車から出ようとしないで下さいね?万が一の為の準備はしてありますが、もしもがありますから気をつけてくださいね。」



 2人に行ってきますと告げてから降ろした馬車を元の位置より少し高めに上げておいた。いくら何でもあの高さに手を出せる魔物はいないだろう。空を飛ぶ程度の魔物が放つ魔法程度ではあの馬車に傷をつける事すらできないので問題はないはずだ。



「さて、出発しようか!とりあえずどこに向かおうか?まずはアンタらが捕まっていた場所に行ってみるか?」


「うっ!そ、それもいい案なのだが、できれば私達が襲撃を受けた場所に行かないか?もしかしたらまだ私達の武器が落ちているかもしれないんだ。」


「う~んまぁいいかな。じゃあそこから行こうかな、俺達はどこかまではわからないからアンタらが案内してくれよ?」


「任せてくれ!では私達は斥候を担当させてもらおう。皆行くぞ!」



 金髪巨乳さんの合図で先頭を歩いていく5人なのだが、魔物が出たらどうするのだろうか?何か考えがあるのか?それとも装備が無いのを忘れてるのか?流石にそれは無いか…もし忘れてたりしたらとんだお馬鹿さんだが…しかし悲しいかな、どうやら金髪巨乳さんはそのお馬鹿さんだったようだ。



「ちょっとシェイラ!装備も無いのに斥候に出てどうするのよ!魔物が出ても対処出来ないでしょ?彼等と一緒に行動しないと危ないわよ!」



 その言葉にえ?って顔をしてこちらを見てくる金髪巨乳さん。いや、こっちを見られても困るんだけど…てっきり自信があって先頭を歩いているのかと思ったのだが。まさかとは思うがこの人天然なんじゃないよな?



「はぁ…まったくいつも言ってるでしょうに。シェイラはもう少し落ち着いて行動してって皆に言われてるでしょ?それなのにどうしてまた自分から先頭に行くの?本当に困った子ね…あなたは。」


「い、今そんな事言わなくてもいいじゃないか!ユーラ殿が聞いてるのだぞ?恥ずかしいじゃないか!」


「あら?聞いてるのはユーラさんだけじゃなくてリィサさんも聞いてるのに、気になるのはユーラさんだけなのかしら?」


「な、な、なんて事を言うんだ!違うぞ、違うんだ!そ、そのただ男性の前で恥ずかしい思いをするのが気になっただけで、ユーラ殿がどうとかではないのだ!」


「あら非道いわね、ユーラさんはどうでもいいのかしら?自分から話題に持ち上げて起きながら非道い仕打ちをするわね。ねぇ皆そう思わないかしら?」



 何やら妙な事になり始めたのだが、そういう事は後でやってほしいな。遊ぶな、とは言わないが今の俺はトレジャーハンターの気分なのだ。早くお宝を見つけて現代日本では決して体験する事は無かったであろうお宝を見つけたぞ!という気分に浸りたいのだ。そして願わくば実りのあるお宝があればと思っている。何かいい物があればいいけど、とりあえず彼女達を相手にしてるといつまで掛かるか分からないので放置しておこう。気づいたら勝手に追ってくるだろう。



「リィサ先に行こうか?彼女達はそのままにしておこう、放って置いても気付いたら勝手に追ってくるだろう。」


「わかったわ、行きましょうかユーラ。」



 俺とリィサは彼女達を放置して先に進む事にした。いくらなんでも相手にしてられんよ、気を抜きすぎだ。



 俺とリィサは森の中を歩いていく、とりあえずは彼女達5人が捕まり木に吊るされていた場所に行ってみよう。彼女達は襲撃場所に向かいたかったみたいだが、勝手にコントを始めた彼女達には付き合ってられないので、俺が知る場所を優先する事にした、何か手がかりになるものが見つかるかもしれないしね。



 歩く事10分ようやく目的の場所に着いたのだが、昨日彼女達を救い出した状態から何も変わった様子は見受けられないようだ。昨日は日が沈みかけてたいのもあって見落としたりしたものがあるかもしれないと思い来てみたのだが、どうやら肩透かしを食らったようだ。特に気になる物は見受けれないな。しかし…彼女達はここで防具を剥がされたと言っていたので、誰かしらの防具が落ちていてもおかしくはないはずだ。それなのに何一つ、留め金の1つすら見かけないという事は盗賊達が自身の住処に持ち帰ったのではないだろうか?そうでもなければ皆目検討もつかない。



 盗賊の住処がどこかにあるはずだが、闇雲に探しても見つかるとは思えない。やはりここはスキルに頼るべきだろう、そもそもそんな限定的なスキルが存在するのだろうか?創ればあるだろうがわざわざ創るのも何か違う気がするのだが見つかるのが早いに越した事はないだろう。だがその前にリィサに何か気になる事はないか聞いてみよう。元暗部だし隠し通路的なものに詳しいかもしれない。



「リィサは何か気付いたりした事はない?こう隠し通路だとか秘密の入り口とかさ。少しでも気になる事があったら教えてほしいんだけど。」



 正直俺はあまり期待せずにリィサに尋ねたのだが予想に反してリィサは思い当たる物を見つけたようだ。



「うん…少し気になるものを見つけたわよ。あの木を見てユーラ、何か気にならない?」


「あの木?あの正面に立っている大木の事かな?」


「そうあの大木妙な感じがしない?特に根本の方が…地面から隆起した根の部分なんだけどね、あの大木だけ不自然に揃っているとは思わない?」



 リィサに言われて大木の根の部分をよく見てみると確かに不自然だった。普通なら根の部分は太さや長さがバラバラになっているものだ。なのに目の前に立っている大木の根は全てが均一で不自然な程に揃っていた。どう考えても人の手が入ってるとしか思えない。どう見てもこれが当たりだろう。



 リィサと2人で大木を調べた結果大木のウロの部分にスイッチのようなものがあったので、それを押してみたら見事に扉が開いた。盗賊の住処のくせにとても綺麗に作られている。それとも誰が見てもばれないようにする為に綺麗に作ったのだろうか?おそらく後者だと思う。



 扉を開くとすぐ目の前に下り階段があり、螺旋階段のようになっているみたいだ。ここを下りていけば盗賊の住処にたどり着けるのだろう。俺とリィサは階段を下りていこうとしたら、数人の足音が聞こえてきた。一瞬住処にいた盗賊が外から戻ってきたのか?と思ったがどうやら違うようだ。それなら?と思い確認してみると俺が忘れかけていた戦乙女ヴァルキリオンの5人だった。内心焦っていたので、彼女達を見て落ち着いたの同時に少しだけイラッとした。俺を焦らせた事に関しては後程返させてもらおう。



 面倒ではあるが仕方ないので合流する事にした。彼女達は息を切らせて中腰の状態になっている。散々、金髪巨乳シェイラさんをからかった後に周りを見渡してみると俺とリィサがいない事にかなり時間が経ってから気付いたらしく、呼べど叫べど返事がないので軽くパニックになったらしい。ようやく紫髪爆乳モモリスさんが落ち着きもしかして先に進んだのでは無いか?という話になり行きそうな場所を検討した結果、話にも出ていた自分達が盗賊に捕まった場所に行く事に決めて全速力で駆けつけてきたそうだ。



「2人とも非道いではないか!何故私達を置いていったのだ?私達はてっきり2人が生き残りの盗賊に捕まったのではないかと思って急いで来てみれば、イチャイチャしてるではないか!卑怯だぞ!」


「…どこをどう見ればイチャイチャしてるように見えるんだ?どう見ても何かを探してるようにしか見えないはずなんだが…それともアンタらには俺達が大木の前でやらかしてるようにでも見えたというのか?もしそうなら医者に掛かる事をお薦めするよ。」


「よくわからない視点ね、斬新だわ…。」


「待って頂戴それは些か失礼だわ!シェイラは妄想たくましいからそう見えたかもしれないけど、私達は2人が何かを探してるんだろうとちゃんと分かっていたわ!」


「…そうとしか見えなかった、逆にシェイラにどう見えていたのか聞きたいぐらい…。」


「オレも何かを探してるように見えたぜ?いくら何でもあれがイチャイチャしてるようには見えねぇよ。」


「と他の4人は言ってるわけだが、そこの所どう思う?妄想たくましいお姉さん?」



 俺とリィサどころか他の4人にも否定され顔を真赤にしている金髪巨乳さん。真面目そうに見えたのに意外と妄想力がパないんだね?まぁ悪い事だ!言うつもりは無いが、俺達をそのフィールドに巻き込まないでくれ。妄想は計画的に。



「ち、違うんだ!そうじゃないんだ、そういう風に言いたかった訳じゃないんだ!」


「ハイハイ分かった分かった。それよりも盗賊の住処の入り口らしきものを見つけたから、早速行こうと思うがアンタらはどうする?一緒に来るか?」



 一瞬ためらったようだが金髪巨乳さんを除く4人は意見が一致したらしく頷きあっている。どうやら決まったようだな。



「えぇ一緒にお願いできるかしら?私達もここへ来る道中襲われた場所を確認しに行ったのだけど、武器は一切無かったわ。おそらくだけど私達が落とした後に盗賊に回収されたんじゃないかって思ってるわ。だからもしかしたらここにあるかもしれないの。」


「分かった。なら早速行こうと思うんだが…アレはどうするんだ?置いてくのか?何やら一人だけ顔を真赤にして蹲ってるが…。」


「……少しだけ時間をくれるかしら?ちょっと気合を入れてくるわ。」



 そう言って金髪巨乳さんの傍に行き思いっきりグーで殴りつけた!殴られた事によりようやく現状復帰したようだ。随分と過激な人だな。そして紫髪爆乳さんに殴られたにも関わらず平然としてる彼女もなかなかにタフだな。



 起き上がり集まってきたのでまとまって階段を下りていく事にした、階段を下りた先にはかなり広いスペースがありそこら中に人が住んでいた後が残っていた。もしやまだ盗賊が潜んでいるのか?そう思い【気配感知】を使い索敵をしてみるが反応はない。どうやらただの名残であって昨日捕らえたので全員のようだ。問題はなさそうなので安心して宝探しを続行する事にした。





 宝探しをする事わずか30分弱といった所だろうか?全ての部屋を覗いてみて見つけたお宝はかなりの量があった。思った通りというべきだろうか、彼女達の装備は全て盗賊達が持ち運んでいたようだ。それを見つけた彼女達は俺との約束どおり装備を身に着けて、宝探しを続行したようだ。

 そして見つけたお宝を一番広いスペースに集めて見ると様々な種類があった。武器・防具。アクセサリー・回復薬類・お金・特殊な物では透明な箱型の容器にに入った白銀色のコインのような物があった。あまりにも多いお宝に俺はウキウキした気分で1つ残らずマイバッグに詰め込んでいった。俺がマイバッグに詰めてこんでいくのを見ていた5人は口を揃えて「「「「「アイテムボックス!」」」」」と叫んでいたが、無視を決め込んでぶち込んでいった。これでしばらくは資金難に陥る事はないだろう。これからも美味しい食事にありつけるだろう、ありがたや~ありがたや~。



 俺が何を気にするでもなくお宝を詰め込んでいくのを見て5人は羨ましそうに俺を見ていたが、約束は約束だ。すまんが何一つくれてやる気はないぞ。装備が戻ってきただけマシだと思って下がって欲しいものだが…大丈夫かね?



「その~少しいいだろうか?もしよければなのだが…。」



 やはり言ってきたか…これだけあれば少しぐらいは。と思うのが人間というものだろう。欲深いのは人の性だもんな。まぁ人に言えた義理ではないが、流石にコレばかりは譲れないな。彼女達はAランク冒険者というだけあって現在かなり質のいい装備を着込んでいる。おそらくかなりの値打ち物だろう。いくら師匠に買って貰ったとは言え維持費は必要なはずだ。つまりそれだけの金を持っているという事だ。

 だが俺はどうだろうか?今の俺はこの世界の平民が着るような服装だけで防具類は一切着込んでいない、ただ邪魔だからというのが一番の理由だが、ひとえに持ち金をあまり使いたくないのだ。



 この世界に来た当初と違い俺にはリィサとレナリアさんそれにユリーナさんもいる。そんな彼女達と一緒に過ごすために是非とも家が欲しい出来れば一軒家がいい。そうなればかなりの金額が掛かるだろう事は間違いない。それなら必要の無いものはあまり買わずにどうしても必要不可欠なものだけを買いそれ以外は自粛するのが望ましいはずだ。今回手に入れたお宝もその資金に当てたいのでなるべくなら彼女達には大人しくしていてほしいのだが…どうやら何人かはお宝の一部を欲しているようだ。



「少しだけでいいので譲ってもらうわけにはいかないだろうか?私達も少しでいいから成果が欲しいのだが…駄目だろうか?」



 そう言ってきたのは金髪巨乳さんだ。やっぱりな…だから迷ったんだよな。でもちゃんと約束は守って欲しいんだが…。どうするべきかな?と考えていたのだが、それを止める人がいた。



「シェイラ!ここへ来る前に約束をしたでしょう?装備以外の物に関しては諦めると…その約束を反故にするつもりなの?」


「それは…そうなのだが…しかしだな?…」


「しかしじゃないの!Aランク冒険者にもなって約束の1つも守れないのは恥よ?それを分かってて言っているの?それを理解したなら下がりなさい!私達が支払う報酬も無しにこの人達にどれだけ世話になっていると思っているの?恥を知りなさい!」


「……すまん。」


「私に謝ってどうするの?謝る相手は私じゃないでしょ?」


「その…ユーラ殿勝手な事ばかり言って申し訳ない!もう言わないから許して欲しい!本当にすまない!」



 うわぁ…お宝を手に入れた直後のテンションが一気に下がってしまった…。原因の1つに俺が関係してるとは言えこの状態は興ざめですわ~。



「まぁ…いいよ。それよりも目的の物は手に入れたし、さっさと帰ろうかな?あぁそうそうここをこのまま放置して置いたら、また別の盗賊に使われかねないから俺が片付けておく。だからアンタらは帰って良いぞ?装備が手に入ったなら自分達だけでも帰れるだろ?」


「え?そ、その街の近くまで送ってくれるという話じゃ…。」


「ん?装備が戻ったら自力で帰るって話じゃなかったっけ?う~ん…まぁ別に送る分には構わないか…じゃあ馬車まで戻るか。」


「………ユーラいいの?何か気になる事があるならハッキリと言ったほうが良いんじゃないの?」


「じゃあ彼女達に伝える前にリィサ聞いてもらおうかな?」


「えぇ是非聞かせて頂戴。」



 俺は彼女達に少し待つように伝えると離れた場所でリィサ話す事にした、この際だから俺が持つ疑問をリィサに聞いて貰って問題を解消しておこう。大した事じゃないと言われそうだが、そうしないといつまでもモヤモヤしそうなのだ。そう決めた俺はリィサに少しずつ話してみる事にした。



拠点を持つのはまだまだ先の話ですが、今から匂わせておきました。いつになるかはまだ決まってませんがね。

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