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第37話 うまくいかない事もある

今回から少しだけ書き方を変えてみました。見るとわかると思いますが、視点変更の部分です。楽しく読んで頂ければ嬉しいです。

 さて、至福の時間であるお食事タイムを終えた俺はこの5人にどう説明をしようかと考えていたのだが、いまいち何も思いつく事は無かった。いや~もう何をどう説明すればいいのか見当もつきません。どうしよう?



「…さて不躾ではあるのだが……まず聞かせて頂きたいのはユーラ殿あなたは何者なのだろうか?私達が手こずった盗賊を無傷で制した上に、この様な聞いた事も見た事もない乗り物を持ち更にはこの国の第一王女であるレナリア様とその…恋人関係にあるとあまりにも規格外過ぎてあなたをどう判断してよいのかわからない程だ。差し支えなければ是非とも教えていただきたい。」



 やっぱりそれを聞いてくるよなぁ、俺が逆の立場でも絶対に聞きたくなるよ。でも簡単に教えて良いものか…う~ん適当に誤魔化すか?でもなぁ納得しそうに無いんだよな。…彼女達には悪いが、ちょっとよろしくない方法を取らせてもらおう。



「俺が何者か教えて欲しいって事だけど…却下だ。アンタらに教える事は何もないよ。悪いがそれを教えるだけのメリットが何も無いからね。それにアンタらがそれを知ってどうするんだ?何か理由があるならまだしもただ知りたいからっていう理由なら余計に教える訳にはいかないな。」


「う!それは…そうなのだが…そうだ!この国の第一王女様が捕まって脅されてるのかもしれないじゃないか?だから私達には一国民としてそれを聞いて対処する必要があると思うんだ。」


「…それ本気で言ってる?そうだな…もし俺がレナリアさんを捕まえて脅してるとしようか…だと「ユーラさんはそんな人ではありません!」…仮にそうだとしよう。それならアンタらがレナリアさんを連れて帰るか?それな…「絶対に嫌です!私は帰りませんよ!」…レナリアさん落ち着いてくれないか?あくまでも仮の話だから…。」


「でも助けて貰っておきながらユーラさんを悪者扱いするなんてあまりにも非道すぎます!それになんて勝手な言い分ですか!礼を言うならまだしもそのような事を言うなんて。」



 憤慨するレナリアさんを見て縮こまる様になってしまったな、あ~ややこしくなってきた。あまりこういうのは得意ではないんだよな。自由に楽しく馬鹿やってるほうが好きなのに…どうしてこうなった?早いとこ事態の解決をしないとより面倒になりそうだ。



「まぁあまりこちらの関係に首を突っ込まないでくれ。そっちに迷惑を掛ける訳でもないだろうしな。それよりもだ、アンタらはなんで盗賊に捕まった上にあんな姿になっていたんだ?」


「「「「「うっ!そ、それは…」」」」」



 ハモるほどに都合が悪いのだろうか?しかし気になるのはしょうがない。自己紹介では彼女達は自身の事をAランク冒険者と言ってたからだ。Aランク冒険者って結構上のランクではないのだろうか?それなのにあんな盗賊に捕まるとか…まさかこの世界のAランク冒険者って弱かったりするのだろうか?



「で結局どうしてなんだ?」


「…あなたはレナリア様との関係を聞くなと言った…なら私達の事も探らないのがお互い様だと思う…。」


「そ、そうだな!確かにそうだぞ!そっちが話してないのだから、こちらも話す必要はないと思うぞ!」


「そうか…話す必要は無いか…それならしょうがないな。」


 俺がそう言うと彼女達はどこかホッとしたような表情になっていた。何かを隠したいのだろうがそうはイカンよ?



「分かってもらえて何よりだよ、ハハハ…。」


「あぁ仕方ないな。盗賊に捕まっていたアンタらを助けて、尚且置いて行かないでくれと言ったアンタらをここまで連れてきて食事と休憩場所に浴室と衣服を貸して上げたが、それはアンタらにとっても取るに足らない事なんだな…いや~それならしょうがないな~。」


「うぐぅ~それは…確かに色々助かってはいるが…そのだな?私達にも言いたくない事もあるわけで…。」


「いや、いいんだよ?言いたくないなら言わないでも。だけど無料ただで何もかもしてもらうのはおかしいだろ?という訳でここから出ていってもらおうかな?」


「な!それはいくら何でも非道い仕打ちではないだろうか?そうだ!お金を払おう!普通の宿に一泊するよりも多く払うからそれで勘弁してもらえないだろうか?どうかこのとおりだ!」



 そう言って彼女は頭を下げて来た…のだが、周りの4人は話に置いていかれたかのようにポカーンとしている。オイオイ…リーダーにだけ話を任せているがいいのかね、君等は?



「誠意を感じませんね…これだけの恩恵をユーラさんに受けておきながらお金を払う事で逃れようとは…昨今のAランク冒険者は礼儀を知らない者に成り下がってしまったようですね…残念です。」


「レナリア様!決してその様な事はっ!その申し訳ありません!そ、そのお耳汚しにならなければ話させていただきます!」


「へぇ、そうか…言質は取ったぞ。じゃあ早速話してもらおうかな?」


「なぁ!はぁぁ…仕方ない…分かったよ。ただ1つだけお願いがあるんだがいいか?」


「内容にもよるが…なんだ?」


「今から話す事を誰にも口外しないでくれ、その…だな?私達もAランク冒険者としての体裁があるんだ。だからそれだけをお願いしたい。」


「あぁいいぞ、早速だが話してくれ。」


「うぅ…分かった、本当に頼むぞ?」



 それからようやく話し始めたのだが如何せん途中で恥ずかしがったり突っかえたりしたので要約すると、事の始まりは俺達が今から向かう侯爵の納める街で依頼を受けた事から始まったようだ。

 その依頼が今俺達が居る森に異変が起きており、魔物が急に数を減らしてしまったのだそうだ。その原因を確認するべく彼女達戦乙女ヴァルキリオンは依頼を受けてその原因を探っている最中に魔法使いのルティアと回復役ヒーラーのモモリスが盗賊の罠に嵌ってしまい身動きを取れなくなった所に盗賊が現れ2人を人質に取られて降参を促されて木に吊るされてしまい服を切り裂かれたりしていよいよ犯されてしまうと思った所に俺が来たんだそうだ。



「あ~確かにそんな事を言いふらされてはたまらんだろうな。やっぱり依頼が受けきれなくなったりするのか?」


「いや依頼そのものは受けきれるのだが、かなり信用を失うだろうな。依頼を失敗したのと何も変わらない訳だからな…。」


「なるほどね…どうしてあの状況になっていたから気にはなっていたが、それが分かってすっきりしたよ。Aランク冒険者だと言っていたのになんであんな弱っちぃ奴らに捕まっていたのかが不思議だったからな…。」


「その…それでだな?今日一晩だけでいいからここに泊めてもらう訳にはいかないだろうか?今から装備もなく街まで戻るのはあまりにも危険だからな…できればお願いしたいのだが…どうだろうか?」


「私達もお願いしたいわ。さっきはいろいろ言ってしまったのだけど少し警戒心もあったの。だからあんな事言っちゃったんだけど、その…お願いします!」


「私からもお願いするわ。私とルティアが3人の足を引っ張ったせいでこんな事になったのに、そこを強行軍で街に無理やり戻ろうとすれば今度こそ誰かが命を落としかねないの。だからお願いします!」


「その…私もお願いするぞ!その敬語ってやつがうまくできないから…どう言えば良いのかわからないけど、もしアンタが私達をここに泊めてくれるって言うなら…その…アンタの…夜伽をしてもいいぞ!だからお願いします!」


「私も…私も3人の足を引っ張ったから責任を取りたい…だから泊めてほしいです。私もあなたの夜伽の相手をしても…いい。あんな臭い奴らにされるぐらいならあなたみたいな人に初めてをもらって欲しい…だからお願いします…。」



 それぞれの言葉でお願いをしてくる5人組なのだが…そんな事をリィサ達の前で言われて…「なら俺の相手をしてもらうぞ!ヒャッハー!」とはならない訳で……。だって今後ろを振り返ってリィサ達を見ると凄い目つきで彼女達を見ていたんだぞ?レナリアさんなんか目をむき出さんばかりの目つきで見ていたし、リィサとユリーナさんは無表情になっていくんだぞ?怖くて「OK!」とは到底言えないのだ。しかし…その怖ささえなければ…実に豊富な人材ですよね?声に出しては言えないが…興味はありますよ?言えないけど…。



 どうしようか?と俺が悩んでいるとリィサが俺に近寄ってきて耳元に話しかけてきた。



「(ユーラ迷ってるみたいだからここは私達に任せてくれないかしら?決して悪いようにはしないわ。だから少しだけ彼女達と話をさせて欲しいのだけど…いいかしら?)」



 他の2人を見ると首を縦に振って頷いている…まぁこの3人なら悪い事にはならないかな?任せても大丈夫だろう。俺を裏切るような事をするとは思えないしな。



「(分かった、なら頼むよ。それで俺はどうすればいいかな?流石に部屋わけはまだしてないから、どうしても状況が見えてしまうけど…。)」


「(任せてくれるなら大丈夫よ。それに聞かれても何も問題ないわ。ちょっとだけユーラが気まずい思いをするかもしれないけどね。)」



 何をすると言うのだろうか?まぁ任せると言ったのだ。ソファーにでも座って待つとするか。



「(わかった、なら俺は座って待つ事にするよ。じゃあ頼んだよリィサ。)」


「(えぇ任せて頂戴、きっとユーラの期待を裏切らないと約束するわ。)」



 何故か意味深に聞こえたのだが、疑りすぎだろうか?まぁいいか、任せると言ったのだ待つとしよう。



「じゃあ5人共少しあっちの方に行って話をしましょうか?私達から説明したい事があるから…。」



 俺から少し離れた場所で話をしているのにも関わらず時折「あの人が!」とか「神の使徒様ですか!」とか「嫌いじゃないの!」やら「このタイミングを逃したらもう次はないかも…」と言った言葉が聞こえてくるわざとか!と言いたくなる程にハッキリ聞こえてくる。最終的には「「「「「お嫁さんもいいかも…」」」」」ってハモリが聞こえてきた。これはどう考えてもリィサ達の夜の戦力を確保しようとしてるのではないだろうか?嬉しい!ではない。

 確かに俺は今の3人を相手にしてもまだまだ余裕があるのだが、一気に5人も増えたら勝てるかはわからない。それを見越しての戦力補充なのだろうか?でもなぁ、あまりいたずらに増やすのもどうかと思う。



 俺は確かにスケベだ。エロ助だ。そこに間違いはないのだが、いくら何でも誰でもいいわけじゃないのだ。せめて自分が好意を持ってればまだいいほうだが。ただ守ってもらいたいからとか将来が安泰しそうだからとかいう理由だけならお断りだ。理想を言えば俺も好きで相手も好きというのが一番嬉しい展開だ。



 しかし俺がこう考えているにも関わらず向こうでは当初の予定であるこの馬車に泊めるか泊めないか?の話し合いではなく、如何に俺が凄いのかという話になっている。あの3人は話術に関するスキルでも持っているのだろうか?段々と5人が言いくるめられてる気がする…。



 リィサ達はあの5人に何を教えているのだろうか?5人が話の途中俺の方を時折見てくるのだが、1人残らず目が潤んでいるのだ。泣いてるとかではなく何か…こう…発情してる?様な気がするのだ。おかしいな?俺はまだスキルを発動してないし、無意識下で発動してる様子もない。それなのに何故なのだ。まさかあの3人が何かしてる?こういう時に鑑定スキルがあれば確認できるのだが、相変わらずおじいちゃんからは何の連絡もない…。やはりリィサ達に任せたのはまずかっただろうか?今更になって心配になってきた。



 あぁ…やばいなぁ…俺の悪い癖が出てきた…お腹がいっぱいになったせいで…ねむ…く…なって…きた…リィサたちに…まかせて…いるのに…俺だけ…寝てしまったら…zzz~。





「ユーラ話は終わったわよ…あら?もしかして寝てるのかしら?あぁ寝てるわね。…しょうがないか、いつも頑張ってるからね、今日の所はゆっくり疲れを癒やしてね。お休みユーラ…。」



 ユーラが寝てしまったので今回の作戦は見送りね…でも近い内に必ず実行しましょう。ユーラの周りに女性を増やす事については創造神のおばあさまに許可を頂いているから問題はないはず。もし、何か問題があれば私達に対して何かしらの連絡があるはずだわ。今の所何も無いから大丈夫だと思いましょう。



「さて、気合を入れていたのだけどユーラは疲れてしまったのか、もう既に寝てしまっているわ。だから今日の所は私達も寝てしまいましょうか。あなた達の話の通りなら侯爵様の街に戻るまでは徒歩で2週間で馬車なら1週間ぐらいという事だけど…その間にチャンスはあるでしょう。あなた達5人にもう一度確認させてもらうけど…本当に良いのね?一応言っておくけどユーラは一度自分のものにしたら絶対に手放さないわよ、本当にその覚悟はあるのね?」


「…実はその事なのだが…いいだろうか?すこし相談があるのだが…。」


「何?やっぱり怖くなった?別にいいのよ、無理してするような事じゃないから。それと追い出したりするような事もしないから安心していいわよ。ユーラには私達からしっかりと言っておくから、街の近くまではしっかりと連れて行ってあげるから。」


「そうですね…無理をする必要はありません。ユーラさんの寵愛を安売りする気はありませんからね。あなた方が心からユーラさんとしてもいいと思わない限りはやめておいたほうが良いでしょう。」


「私もそう思います~。仲間が増えると嬉しいですが~だからと言って誰でも言いわけではないので~。」



 そう言われた5人はホッと落ち着くのと同時にそれぞれがいたたまれない気持ちになった。いろいろと助けて貰って起きながら、恩返しもせずにのほほんとしているのはAランク冒険者がどうこうではなく人としてそれで良いのか?と。



「その…だなするのが嫌というわけではないのだ、ただ私達が冒険者になったのはある目的を果たしたいからなんだ…。もし彼に抱かれて女性として満足してしまうとその目的を果たせなくなってしまいそうで…その…怖いんだ…。」



 シェイラのその発言を聞いて他の4人が俯いてしまう…。どうやらその目的とやらは5人にとってとても重要な事のようだ。それならしょうがない。今回彼女達の加入に関しては見送るべきでしょう。

 この話は…あまり長くしてもしょうがないでしょうね…終わりにして今日の所は寝てしまいましょう。



「あなた達の事に関してはわかったわ。それならこの話は無かった事にしましょう。ユーラには何も言ってないし、問題ないわ。あなた達も気にしないでいいわよ。さて、この話はここまでにしましょう。ユーラも寝ているし、私達も寝ましょうか。」



 私がそう言うと5人は何かを言いたそうにしながらも、結局何を言って良いのかわからなかったのだろう。何も言わずに寝るためのスペースへと移動していった。これに関しては私達がこれ以上何も言う事はない。彼女達は自分の道を持っている、ならばそれを止めてまで私達の考えに賛同する必要は無いだろう。それにきっとユーラなら彼女達が何も差し出す物が無いと言っても別に構わないと言う筈だ。普通に街まで送って「それじゃ!」と言いそうだ。

 まぁ何にしても大丈夫だとは思う、最悪ユーラが渋るようなら私達3人でサービスして上げれば喜んでくれるだろう。ユーラの口癖ではないがあまり面倒事には関わり合いになりたくない。彼女達のあの雰囲気はどうにも面倒な気配を感じるのだ。暗部に居る時によく見た思い詰めた表情だったから……。そういう人間には関わらないほうがいい、ほぼ間違いなく良くない事に巻き込まれるだろう。ただどんなに私がやめた方がいいとは思っていても、ユーラが気にしないのであればまぁその限りでは無いだろうけど…。



 考え事はここまでにしておきましょうか…レナリアさんとユリーナはいつの間にかユーラに添い寝をするようにして寝ている。しまった!考え事をしすぎてどうやら出遅れてしまったようだ。5人組の方は別な場所で固まって寝てるようだ。起きているのは私だけらしい、本当なら私もユーラに添い寝をしてあげたいが……いや添い寝をしたいのだが、仕方ないか…今回は2人に譲る事にしよう。私は別の機会にユーラを独占しようかしら。……やっぱりやめておこうかしら、確実に朝まで私一人を愛し続けそうだものね。嬉しいけど私の体が持たなそうだ。



 色々考えてはみたが結局の所ユーラがどう判断するかはわからない。明日の朝にでも彼女達の決意を話してみよう。そしてユーラがどう判断したとしても私達3人はそれがおかしな事でなければ、その意見を支持してユーラに着いていけばいい。これから先どうなるかはわからないけどユーラならきっと何とかしてくれる気がするから…。


そろそろ戦闘シーンも書いていきたいです。あまりうまく表現できているかわかりませんが、書いてる間はかなり楽しいです。

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