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第36話 新たなトラブルの予感

うまく書けていればいいですが、いつも読んで下さりありがとうございます。

 さぁメシだ!と意気込み馬車を隠さなければいけない事を忘れて戻ってきてしまった。今更ながらに気づいてしまった!ヤバい、どうしよう……。今更帰れとも言えないしなぁ。仕方ない、腹をくくろう。まずは、リィサ達に連絡をしよう。



『リィサ聞こえるかな?今馬車の下にいるんだけどさぁ、急いで戻ってきたから盗賊に捕まって居た人達をそのまま連れてきちゃったんだよね、そのまま中に入れても大丈夫だと思う?』


『ちょっと待って…何故いきなり人を連れてきたの?盗賊に捕まっていたって何?そこから説明してもらえるかしら?』



 俺は事の成り行きをリィサに説明する事にした。そして説明を終えた後にリィサが言った言葉は俺にとっては以外な言葉だった。



『連れてきても大丈夫よ、ユーラ。ただ連れてくるにしてもちゃんと説明をしてからその人達を中に入れてね?レナリアさんとユリーナは特に問題ないそうだから、こちらの事は気にしないでいいわよ。』



 何か妙に物分りがいいな…てっきり勝手に連れてきたらダメだ!ぐらいは言われると思っていたのだが、そうはならないようだ。俺としては助かったのだが、本当に良いのだろうか?



『ユーラ一応言っておくとね、私達は皆あなたに助けられた人なのよ?それなのにあなたのする行動に意見する様な事は言わないわよ。だからこれからも安心して自分の思ったように行動してちょうだいね。』


『わかった、ありがとうリィサ。レナリアさんとユリーナさんにもお礼を言っておいてくれるかな?』


『えぇ伝えておくわね…それと何だけどねユーラ?少しお願いがあるのよ、聞いてくれるかしら?』


『あぁいいよ、何かな?』


『その…ね言いにくいんだけど…私達お腹が空いたの…だから何か食べさせてくれないかしら?流石に朝に食べてから何も口にしてないから…ちょっとね…。』


『ごめんね忘れてて、今から馬車に戻るからそれから急いで準備するよ。』


『ゴメンねユーラ…勝手な事ばかり言って…。』


『好きな人に頼られるのは嫌じゃないから気にしないでいいよ。じゃあさっそく乗り込むからね。』



 リィサと話終えた俺は待っていた5人に振り返ると5人は怪しむような目つきで俺を見ていた。何だろうか?俺何かしたかね?



「ねぇ確かキャンプ地に連れて行ってくれるって事じゃなかったかしら?それらしきものが見当たらないのだけど?」


「まさか!私達を騙したのか!」


「それ以上くだらん事言ったら本当にこの森に置き去りにするぞ、それでもいいなら続きをどうぞ。」



 俺がそう言うと5人は急に黙った、流石に置き去りにすると言われると困るようだ。余計な勘ぐりなんてしなければいいのに、まったく…。



 俺は馬車を地上から楽に乗り込めるの高さまで降ろしてから、幻影魔法を一時的に解除した。そうすると目の前に突然馬車が現れる訳なのだが、その状況に慌てる5人は、俺に何か言いたそうにしていたが、黙る事を選択したようだ。うむそれでいいのよ?お腹空いてるからね、急いで全員分を準備しなきゃね。



「ほら念願の拠点のお披露目だ、俺が嘘をついてないって分かって満足かな?納得言ったなら乗り込んでくれ、魔物に見つかったら面倒だから早く上に上げておきたいんだよ。」



 馬車に先に乗り込んだ俺は彼女たちに手を差し出した。だが、誰も手を取ろうとしない…触れるのが嫌なのだろうか、それならそれで別に構わないんだが…当たり前だと思って手を差し出したから何か引っ込めるのも恥ずかしいな。そう思って居たら、金髪巨乳さんが手を取った。



「助かるよ、少し不安だっただけで君を疑いたい訳じゃないんだ。だから、お世話にならせてもらうよ。」



 彼女を切掛に残りの人達が馬車に入るために俺の手を取り中に入って行く。全員が馬車に入ったのを確認してから、俺も中に入り馬車に再度幻影魔法を掛けてから元の位置まで上昇していく、この高さなら簡単に魔物から襲撃される事もないだろう。



 中に入るとリィサ達と助けた5人が立ち尽くしていた。なんだどうしたんだ?早速喧嘩でも始めたのだろうか?



「何、どうしたの?早速喧嘩でも始めてるの?」


「違うわユーラ、ただ彼女達に挨拶をと思ってね。いきなり座りだすのも変かな?と思って立っているだけよ。」


「そうですね、片方は立っていて片方が座ったままというのはよろしくないと思ったからですよ。」


「ですね~やっぱり挨拶はしっかりしないといけませんよね~。」



 どうやら単純に挨拶をする為だけに立っていたようだ。だが、こちらの5人組は何やらひたいに汗をかいているのだが…どうしたんだ?



「お~いどうしたんだ?アンタら。何でそんなに汗をかいてるんだ?この馬車の中はそんなに暑くは無いはずだが…もしかして暑いのか?それならもう少しだけなら温度を調整してもいいぞ。」



 俺の言葉に反応する様に5人は俺の方に向いたかと思えば近寄ってきて俺の耳に小声で話しかけてきた。



「(これは一体どういう状況なのだろうか、教えて貰えないだろうか?もしかしなくてもあちらにおられるのは第一王女のレナリア様では無いだろうか?私の気の所為か?)」


「なんで小声なんだよ?そのとおりだよ。あっちにいるのはレナリアさんで合ってるよ。だからどうしたんだ?」


「ちょっと!せっかくこっちが小声で聞いたのに普通通りに話すのよ!少しはこっちにも気を配ってくれても良いんじゃない?」


「だが断る!いちいち俺にピヨピヨ言ってないで本人と話せばいいじゃないか。レナリアさ~んコイツラがレナリアさんと話がしたいってさ。話し相手になって上げてよ。」


「ちょー!本当に待って恐れ多いにも程があるわ、あなた本当に何を言っているの?それに王女様に対してレナリアさんって!不敬罪に問われるわよ?」


「あ~レナリアさんなら大丈夫だよ。だからさっきから言ってるだろ?話すなら本人と話せって。

じゃあレナリアさん後を頼むね。俺は夕食の準備をしてくるから。」



 俺がそう言うと3人は理解したのか5人組に近寄っていくのだが、逆に5人組は俺の方に移動してきてしまった。何でだよ!



「おい!こっちに来てどうすんだよ、あっちでレナリアさん達と話をしてろって言ったろ?何?聞こえなかったのか?」


「い、いやそうではない!ただ世話になっているのだから、食事の準備ぐらいは手伝おうと思っただけだよ、うん!」



 金髪巨乳さんに同意するかのように全員でうなずく5人組。……邪魔だな、俺が納得できそうなメシを作れそうにはとても見えない。なので却下だ。



「ダメだ!お前らじゃ俺が満足するようなメシを作れるとは到底思えない。だから却下だ。大人しくレナリアさん達と座って待ってろ!あと入ってきたばっかりの奴が俺の使う台所に立とうなんて100年早い!出直してこい。」


「な!こ、これでもクエスト中は自分達で作ってる上に周りの冒険者からはとても上手だね!て言われてるんだぞ!」


「ふ~んねぇ~、どうせあれだろナイフ捌きが上手とかそんなオチだろ?悪いけどオチを期待してメシがまずかったら食材が無駄になるだろ?だからダメだ。予定どおり座って待ってろ、どうせすぐに出来るから。」



 俺にへこまされた5人組は集まって何かを言っている、どうせ何故バレたんだ!みたいな事を言ってるに違いない。



「(何故バレたんだ!彼は私達の行動を見てたとでも言うのか?今日初めて会うはずなのにどうしてだ!)」


「(多分戦闘は出来ても食事を作るのはできそうにないな~と当てずっぽうでは無いかと思いますよ?)」


「(当たってるだけに悔しいわね、でも出来ないのは本当だからしょうがないわね。)」


「(そうね…仕方ないわね。レナリア様達とお話をしておきましょう。所詮私達は彼に助けられた身だからここであまり我儘を言うのは得策ではないわ。ここは大人しく従っておきましょう。)」


「(そうだぜ!オレはアイツが作るっていうメシが楽しみだから、むしろ楽しみだぜ~。)」


「お腹すいた……。」


 さて、いい加減落ち着いてくれたかな?これ以上ほざくようなら追い出してる所だな。よし、メシを作ってこよう。



「では皆さんそろそろ落ち着いたようなので、お互いに自己紹介といきませんか?提案したのは私達なのでこちらから名乗らせていただきますね?もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが私の名はレナリア・プリムス・フォルティシアです。王都では第一王女と呼ばれる地位におります。よろしくお願いしますね。」


「では次に私が紹介させてもらいますね~。私の名はユリーナ・セッテ・フォースターです~。」


「私の名前はリィサよ、気にせずリィサと呼んで頂戴。」


「いろいろ聞きたい事はあるのですが、こちらも自己紹介を先にさせてもらいます。私の名前はシェイラ、Aランク冒険者でこの5人でパーティーを組んでおります。パーティーの名前は戦乙女ヴァルキリオンと名乗っています。よろしくお願いします。」


「次は私ですね、私はモモリスといいます。このパーティーで回復役を担当しております。どうぞよろしくお願いします。」


「次は私ね、私はウィリルっていいます。パーティーでは前衛を担当してます。よろしくお願いしますね。」


「…私はルティア…魔法使いやってる…よろしく…。」


「オイオイ覇気がねぇな~ルティア~もちっとビシっと挨拶しろよ!っといけねぇ先に挨拶しねぇとな、ううぅん!私はニーナっていうんだ。ウィリルと一緒で前に出て戦ってるぜ!よろしく頼むぜ!」


「ルティアとニーナ!相手は王女様もいらっしゃるのよ!ちゃんとした挨拶をしなさい!不敬ですよ!」


「「えぇ~…。」」


「コラ!何がえぇ~よ!だらしない真似をしないでしっかりしなさい!」


「(またモモリスの教育が始まったよ~、やれやれだな。)」


「(…モモリスは一番年上だからしょうがない…年寄はすぐに説教をしたがる…だからしょうがない…。)」


「聞こえてるわよ?誰が年寄りですって!あなた達と1~2歳しか変わらないわよ!」


「1~2歳は大きな差…少なくとも私より1年は年寄り…。」


「へぇ……いい度胸ね、ルティアとニーナそんなに死にたいのかしら?」


「ちょっと待てよ!私は年寄りなんて言ってないだろ!」


「…同罪よ、覚悟しなさい!って何で止めるのよ!ウィリル!この2人は許されない事を言ったのよ!お仕置きが必要だわ!」


「わかったけど、今はやめておきなさい!ここは自分達のクランハウスじゃないのよ?人様に厄介になってるんだから騒ぐのはやめておきなさい。」


「…!失礼しました、お騒がせして申し訳ありません!」


「「すいませんでした!!」」


「凄い方達ですね、一気に場が明るくなりましたね。フフ…人が大勢居ると楽しいですね?」


「そうね…少し騒がしい気もするけどね。」


「えぇ~楽しいですよ~。このまま一緒に着いてきてくれたら良いのに~。」


「ダメよ?冒険者は縛られるのを嫌う人達ばかりだからね…きっと彼女達もそうだと思うわよ?」


「アハハ…そのとおりですね、一箇所に留まる事はあまりしないですね。唯一の例外がクランハウスになりますけど…。クランハウスにしても持ちたくて持ったというよりは、ギルドに連絡する為にどうしても必要だからと言われて仕方なく購入しただけなんですよね。なので年に一回戻るかどうかと言った感じですね。」


「そうね…そのクランハウスにしてもあまり有効活用できてるとは言い難いですしね…持ち運び出来るとかならもっと使い道があると思うけど…。」


「…だから言った、必要ないって…さっさと売ればいい。あんな家…。」


「そうは言うがなギルドマスターにしても頼れるのが私達しかいないと言ってたからな…出来るなら手を貸してやりたいじゃないか。」


「違う…あれは私達を厭らしい目で見てた…ただの変態…だから私はアイツが嫌い…。」


「それは…まぁアレだ、そういう事もあるかもしれんがな。だが私達が冒険者になったばかりの時にはかなり世話になっただろう?だからその時の恩返しだと思えばどうという事もないだろう。」


「それならとっくに返し終わってるはず…アイツはその御蔭でCランク冒険者から抜擢されてギルドマスターになった…だからそれで十分、…それ以上は過剰なお礼になる。」


「まぁ確かになぁ。そもそもがCランク冒険者から抜擢される事自体が異例だからなぁ。そろそろ私達も自由になってもいいんじゃないか?ルティアの言い分もあると思うしな、しっかりと考えたほうが良いと思うぞ?シェイラ。」


「わかった…よく考えておこう。でもこの話は後だ今はレナリア様方に世話になってる身だ。せめて何か手伝いができないかを聞いてみよう。」



 どうやら何か出来る事は無いか尋ねようとしてるようだが、無駄だ。何もする事など無い。と言うかさせる気が欠片もない。手伝おうと申し出ても正直邪魔なだけだ。大人しくしていてほしいものだ。



「レナリア様何かお手伝いさせて頂けませんか?助けて貰えただけでなく、この森からも脱出させて頂けるそうでそれなのに何もせずにただ待っているのはどうかと思いまして…ですから何かお手伝いをと思いまして。何かありませんでしょうか?」



 あ~邪魔になりそうだ、ここはレナリアさんの所でインターセプトしよう。



『レナリアさんソイツらがここに来たら邪魔になるから、そこにとどめておいてね。リィサとユリーナさんもよろしく!』


『わかりました、ユーラさんに近づけないようにしますね!』



 ようし!これで邪魔者は来ないな…。後もう少しで完成だしね、さてさて早く作って食べよう。かなりお腹空いたしね!



「特にする事はありませんよ。なのでここで大人しく待っていましょう。もう少しでユーラさんがお食事を運んできてくれますから待っていましょう。」


「え~と…そのですね…少し聞きづらいのですが、お聞きしてもよろしいでしょうかレナリア様。」


「私に答えられる事でしたら構いませんよ?」


「無理なら答えなくても問題ありませんので…それでは、あの男性なのですが…その…レナリア様の従者か護衛の方なのですか?先程からずっと下働きのような事をなさっていますが…。」



 また面倒臭い事を聞いてきたな?レナリアさんなら問題ないとは思うが…一応釘をさしておこう。万が一にもここで「恋人です!」なんて言ってみろ。またいらぬ問題を抱える事になる。ただでさえユリーナさんの問題も解決してないんだ、これ以上問題を抱えたくなど無いから、さっさと注意しておこう。と思っていたのにどうやら遅すぎたようだ。



「あぁユーラさんは私の恋人ですよ。気づきませんでしたか?それにあちらにいる2人もユーラさんの恋人ですよ。」



 Oh~マジデスカ?あっさりと喋りおった。口が固い人だと思っていたのだが、俺の気の所為だったようだ。はぁ~あの5人にはしっかりと口止めしておかないとな…。



「なぁ!こ、恋人ですか!?そ、そのレナリア様は第一王女ですよね?それなのに冒険者を恋人にしてもよろしいのですか?」


「えぇ問題ありませんよ、王からは自由にしてよい。と言われておりますので何ら問題はありませんよ?フフフ。」



 あぁもぉ!そんな嬉しそうな顔されたら注意なんかできる訳ないじゃないか!くぅぅ~…はぁ仕方ない、何か起きても俺が頑張ればいいか…さてメシの準備も出来たし、向こうに運んで食べてから問題に対処しますかね?



「おぉ~いリィサとユリーナさん、少し手を貸してくれないか?食事を運ぶのを手伝ってほしいんだ。」


「わかったわ、すぐ手伝うわね。」


「は~いおまかせですよ~。」



 そうして2人に準備を手伝ってもらいながら、あれこれと考え事を進めていく。食べ終わったらまずはこの5人組をどうするか話合わないといけないな。それから、恋人云々をうまく隠すように話さないといけないな。メシを食べながらゆっくり考えよう。まずは、この5人組からだな。さて、どうしてくれようか?



出したいキャラが多いというのも困りものですね。どこで出していこうか、考えてる最中です。

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