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第28話 優秀なのは執事?それともセルディオさん?

毎度の報告です。PV数が8000を超えておりました!ありがとうございます。見て下さる方々がいるおかげでモチベーションを保てています。本当にありがとうございます!この調子で目指せ50話です。あくまでも今の所はですが。

 買い物に行く為にまず案内する人を探そうと思ったのだが、必要ありませんでした。どうやらユリーナさんが案内してくれるそうです。なんでもこの街に来て3年近く住んでいたのでこの街の地理には大分詳しいそうだ。それなら早速行こうとまずはリィサの求める武器屋に行く事になり来てみたのだが…。



「どうだ!俺が作った武器はすげぇだろ!俺はこの街一番の鍛冶師だからな!気にあったのが絶対にあるから買っていけよ!ハッハッハ!」



 まず…声が大きいのでうるさい、威張り散らして鬱陶しい。そして威張ってる割に武器が大した事がない。まさかとは思っていたのだが武器屋の職人ですら大したやつがいないとは…これはどうしたらいいんだろう?まずリィサが求めたのは以外な事にショートソードを欲しがった。俺はてっきり暗部にいたから短剣を欲しがると思っていたのだが、リィサ曰く「そもそも暗部だからといって皆が皆隠れたりしてる訳じゃないの。私はどちらかというと変装をして冒険者や騎士団に混ざって行動する事が多かったの。だから、短剣なんかはどちらかというと苦手な分野なの」と言われた。俺は暗部だから任務の時は短剣を持ち歩き、天井に隠れたり音もなく対象の敷地に侵入していくものだと思いこんでいた。だからそう言われた時になるほど!と思ったのだ。



 少し脱線してしまったが、とにかくここの武器が非道いせいで逃避がてら説明させてもらったが、現実を見ようか、さて目の前にショートソードが3本ある。一本は銅製のショートソードなのだがこの銅製のショートソード実は刃が出てないのだ。切る事ができそうにない叩き潰す事はできそうだが…。次に2本目は鉄製のショートソードだ。これは刃は出ているのだが歪んでいるのだ。少しならまだいいのだが、このショートソード…半分以上鞘に収まってないのだ。いくらなんでもこれはない。こんな物を腰に下げていたら収まっていない部分で怪我をしそうだ。人混みなんか歩いた日には、関係ない人まで怪我をさせそうだ。そして最後に3本目のものなのだが…これはどう言えば良いのか…何故鍛冶師なのに木剣を作ったのか?意味がわからない上にこの木剣何が非道いってその形なのだ。これなら下手な素人が作ったほうがマシなんじゃないかと思う程だ。これは論外だ。



「え~と、リィサ?どれか買いたいものがあるかな?使うのはリィサだからリィサが欲しいと思うなら買うと良いよ。」


「そうね……残念だけど、次の機会にしようかしら?今は持ち合わせの武器でどうにかしようと思うわ。」


「そうか分かったよ。と言うわけだから店主さん、今回はやめとくよ。また次の機会に来させてもらうよ。それじゃあ…。」



 無難な言葉を掛けて立ち去ろうとしたが、店主が止めに入ってきた。



「おいおいせっかく来たのに何も買わずに行くのか?礼儀を知らない奴らだな!いいか?よく聞けよ、お前ら!この俺が売ってやるって言ってんだよ、余計な事をごちゃごちゃ言わないで買えば良いんだよ!分かったか、このド素人共が!」



 はぁどうしてこうも面倒くさいやつばかりにからまれるのか…何でこの街はこんなにろくでもないヤツが多いんだろう。仕方ないな、マシイナ伯爵の街で余計なトラブルを起こすのも何だし、安そうな木剣だけでも買っていこうかな。



「じゃあこの木剣ください。いくらですか?」



 そう尋ねた俺に店主はニヤッと笑うとふざけた金額を提示してきた。



「あ~それね~その木剣はとても高価な木材で作ったからなぁ。そうだな銀貨5枚って所だな。どうだ安いだろ?ほら売ってやるから早く金を出せ!」



 これが銀貨5枚?これに5万円の価値があるって?はぁ?バカにしてんのか!こんな物銀貨5枚で買うぐらいなら道端に落ちてる枝のほうがまだマシだよ。



「ユーラ行きましょう、こんな木の枝に銀貨5枚も出すなんて馬鹿らしいわよ。こんな店に来るんじゃなかったわ。さぁ行きましょう。」


「そうですねコレに銀貨5枚は流石にどうかと思いますよ?ユーラさん。」


「私も~そう思います~。コレが銀貨5枚で売れるなら宿の裏庭に似たような形の枝が沢山落ちてるのでそれを使えばいいですよ~。」



 以外に女性陣が辛辣な言葉を投げてくるな。でもしょうが無い俺だってこんな木剣?に銀貨5枚は出したくない。ユリーナさんが言うように銀貨5枚も出してコレを買うぐらいなら枝を拾って持ったほうがまだマシだよ。と言う訳で撤収~。



「と言う訳ですので、これは買わない事にしました。と言うかここでは何も買いません。それじゃあ皆行こうか。じゃあさよ~なら~。」



 別れの言葉を告げて出ていこうとした俺達に顔を真っ赤にした店主が片手に剣を持ち怒鳴りながら俺達の前に立ちはだかった。いいのかな?そんな事しても…一切の責任を取らないぞ?



「何のつもりでしょうか?まさかとは思いますが、そんな物を持って見送る気では無いですよね?」


「黙れ小僧!黙って金を出して買えば穏便に済ませてやったものを…俺を怒らせたからにはただじゃおかねぇぞ!お前をぶっ殺して有り金を全部頂いた後に、女どもは全員この俺が犯してやるぜ!」



 は?今コイツなんて言った?彼女達を犯す?フフ…そうか…そんなに痛い目にあいたいのか…。そうかそうか…。



「へへっ!ビビって声も出せねぇか?今更怖気づいても遅いぜ!俺は元Bランク冒険者だ、怪我をして一戦を退いてもお前みてぇなひ弱なやつは余裕でぶっ殺せるぜ?せいぜい後悔して死ねや!」



 くだらん自己紹介と同時に斬りかかってきたので、それをで受け止める。



「はぁ?何でだ?どうやって受け止めたんだ?俺の全力だぞ!元Bランク冒険者の俺の全力だぞ!なんでこんなひ弱な野郎に止められるんだ!クソッ!離しやがれ小僧!」



 は~いはいはい、よくあるパターンですよ~。よく見ててね?この掴んだナマクラな剣を握力で砕きま~す。ホイ!―バキッバキバキ!キーン!ハイ!どうでしょう!見事に砕いて見せました~。



「ヒッ!す、素手で剣を折っただと?な、なんでだ!俺の渾身の自信作だったんだぞ!それなのに。」



「それはね、その剣がナマクラだからだよ。きっと鍛冶師に向いてないんだね!さっさとやめちゃいなよ!きっとその方が街の人の為にもなるよ。さてと帰りますか~。雑魚の相手はしたくないからね。」



 煽るだけ煽って火に薪をくべるタイプです。こういう奴はこう言えば自分の実力を理解せずに向かってくるだろう。現に今このおっさんの顔が真っ赤になってるからね。きっと向かってきてくれるよ、その時はステキなプレゼントをくれてやろう…恐怖と言うプレゼントをな。



「この…クソガキがーー!調子に乗るんじゃねぇぞ!俺は元Bランクだぞ、その俺がテメェみてぇなヒョロいガキに負ける訳がねぇんだ!さっきのマグレで調子に乗りやがって、くたばれ!」



 如何にもチンピラテイストな感じを漂わせて向かってくるお馬鹿さん、面白いぐらいに挑発に乗ったね!これできっと正当防衛だ。悪いヤツをやっつけてやる~。



「これでもくらいやがれ、クソガキッ!」



 似たような事を何度も言いながら向かってくるんだけど動きが遅い。いつになったら来るの?蝿が止まるぜ?このセリフめっちゃ言いたい。なんか良いよね?でもちょっとだけ恥ずかしいからやめておこうかな?でも言ってみたい!俺が迷ってる間におっさんの拳がようやく迫ってきた、まぁ躱しますけどね。そしてここで!



「遅せぇよ、おっさん。拳に蝿が止まるぜ?殴りたいならもっと速く打ち込めよ。」



 そこからの~カウンターでお腹に手の平を当てて…発勁もどきをドーン!と一発。すると…。



 ―ズンッ!―――ドサッ!



「カッ!ハッ―ぐぅおおぇぇぇぇぇ…。」



 きちゃないな~もう!吐くんじゃないよ、まったく…食べ物を粗末にしたら駄目だって親に教わらなかったかね?何はともあれこれで邪魔者は居なくなった。あとは面倒だが、マシイナ伯爵に通報しておこうかな?でも伯爵の屋敷まで行くの面倒だな…。そうだ!ちょっと試してみよう、ここでセルディオさん呼んだら来るかな?面白いと思うんだが、リィサとレナリアさんに聞いてみよう!



「ねぇねぇリィサとレナリアさんにさ、聞きたい事があるんだよ。」


「ん、何ユーラ?」


「何でしょうか?」


「あのさ一応この事をマシイナ伯爵に伝えておこうかと思ってるんだけど、呼びに行くのは面倒じゃん?だからさ、ものは試しにここでセルディオさんを呼んでみたら来ないかな?」


「ユーラ…いくら何でもここまで離れていたら無理よ…。屋敷付近ならまだしも街の中とはいえ結構離れてるのよ、いくら何でも無理よ。」


「私もそう思いますよユーラさん。セルディオさんが気付く事が出来たのは屋敷の中で周囲に目を光らせていたからだと思います。いくら何でもここからじゃ聞こえないと思いますよ。」


「じゃあ試してみましょうか?セ~ルディ~オさ~んここに来て下さ~い。……まぁ来るわけないわな。さて冗談はさておき伯爵を呼びに行きましょうか?」



 流石に冗談が過ぎたと思い直して、武器屋を出ていこうとしたら奇跡が起きた!



「おや?こちらでしたか。何やら呼ばれた様な気が致しましたので、来てみたのですがこれはどういった状況で御座いましょう?よければお聞かせ願えませんでしょうか?」



 あれ?セルディオさんもしかして怒ってる?冗談でも俺がこんな場所に呼んだりしたからかな?でも

本当に来るとは思わなかったんだよ…ちゃんと謝っておこうかな。



「すいませんセルディオさん、わざわざ呼んだりしてまさか本当に来るとは思ってなかったので…。」


「それはどういう意味でしょうか、ユーラ様?」



 俺はどういう経緯でこうなったかを説明したのだが、説明の最中からセルディオさんが武器屋の店主を見る目が冷たいものになっていった。



「なるほど…そういう事でしたか。わかりました…ユーラ様この場は私におまかせしては頂けないでしょうか?問題なく私が解決してみせましょう。決してユーラ様に迷惑をお掛けしない事をここにお約束致します。」


「セルディオさんがそこまで言ってくれるなら大丈夫ですね。それならお願いしてもいいですか?」


「はい問題ありませんので、おまかせ頂ければと…。」


「ではお願いしますね。…それとセルディオさん少し聞いてもいいですか?」


「はい何で御座いましょうか?」


「呼ばれる前はどこにいたんですか?」


「…屋敷におりましたが…それがどうされましたか?」


「え?屋敷からここまで結構距離がありますよね?俺が呼んだのが聞こえたんですか?」


「…私は執事ですから呼ばれれば参りますよ。」



 いやいやいや流石にそれはおかしいだろ!呼ばれたら来るってどんだけだよ!やっぱり何かスキルを持ってるんじゃないのか?そうじゃなきゃおかしいよ。何気なくセルディオさんを見ると、ニッコリと微笑むだけでそれ以上何も言う気は無いようだ。恐るべしセルディオさん。



「執事なら当然ですよ?ユーラ様。」



 ちょっと待て!何で心の中で思ってた事に返事を返したの?怖い、怖いよセルディオさん。



「何の事でしょうか、セルディオさん?」

「いえどうぞお気になさらず、何でも御座いませんよ?さぁ皆様ここは私におまかせ下さい。皆様はどうぞお買い物の続きを楽しんでいらして下さい。」


「そうですね…わかりました。じゃあ後をお願いしますね、セルディオさん。」



 セルディオさんに後をお願いして、武器屋を出たと同時に中からドスン!と鈍い音が聞こえてきた。セルディオさんなら大丈夫そうなのだが、少し心配になったので確認しようと思い武器屋のドアを開けようとしたらちょうど中からセルディオさんが出てきて一言。



「大丈夫で御座います、お気になさらずにお買い物へ行かれて下さい。」


「本当に大丈夫ですか?何か凄い音がしましたが…。」


「えぇ何も問題はありませんよ。きっと気の所為でしょう。」


「でも…。「気の所為でしょう、ユーラ様。」あ、ハイわかりました。」


「これ以上女性をお待たせするのは関心致しません、後を私に任せて行かれて下さい。」


「じゃあ今度こそお願いします。それじゃあ行きますね。」



 そう言って何となく入り口が開いたままの武器屋の中を見てみるとそこにはへこんだ地面とそこに白目を向いて倒れている店主の姿があった。まさかセルディオさん…ふとセルディオさん見ると視線があったのだが、ただにこやかに笑うだけで何も言わなかった。…見なかった事にしよう。そう思いこの場を立ち去る事にした。



「セルディオさんって凄いんだな、まさか屋敷に居るのに聞こえていたとか普通は有り得ないよな。この場合執事が凄いのか、セルディオさんが凄いのかどっちなんだろうな。」


「ユーラさん流石にそれは執事がではなく、セルディオさんが凄いのだと思います。ここではない場所で見た執事はここまで凄くはありませんでしたよ。セルディオさんの気配りはとても素晴らしいものです。」


「そうですね~あの方が凄いんだと思います~。私も~あの様な執事は見た事無いですから~。」


「あら?その言い方だと違う執事は見た事があるのかしら?」


「ん~そう言えばそうだな。その言い方だと他の執事を見た事があるような言い方だな。どこかで見た事があるんですか、ユリーナさん?」


「え?えぇ~と~それはですね~あのですね~、ほらあれですよ~どこの街だったか忘れたんですけど~そこで~通りすがりの~貴族様が~連れて歩いていたんですよ~。」



 何か怪しいな。何かを隠してるような気がしないでも無いが、それを今追求しても意味はなさそうだな。宿の部屋に戻ってから聞いてみよう。



「じゃあ買い物の続きをしようか。次はどこに行くんだっけ?」


「えっと次は私の買い物です。私が欲しいのはこの街の特産品です。何か良いものがないかを探してみたいです。」



 特産品か~何か良い物があればいいな。まずは適当に探して見るかな。と思っていたのだが、ユリーナさんから残念な結果を聞かされた。


「え~とレナリアさん?残念ですが~この街に~特産品と呼ばれるような物は~ありませんよ~。」


「え!そうなんですか?でもこんなに大きな街なのに特産品が何も無いんですか?」


「はい~そうなんです~そもそも~この街は~防衛が~主な理由で~あるらしいので~特産品のような~観光を目的にしたような物が~存在しないんですよ~。」


「そうなんですか……それならしょうが無いですね。なら私は諦めます。次はユリーナさんの用事ですよね、そちらに行きましょう。」


「何か~すいません。でも本当に~大した物が~ないんですよ~。」


「いえ良いんです。必ず欲しいと言う訳では無いので、大丈夫ですよ?だから気にせずに次に行きましょう。」


「わかりました~では私の買い物に行きましょう~。でも~私の買い物は~すぐ済みますよ~。」



 そんなに早く済むならチャージラビットの丸焼きをすぐにでも食べれそうだな。あぁ楽しみだ。それならさっさと済ませて早いとこ宿に戻ろう。



 それとユリーナさんの買い物の結論を言いましょう。買い物時間約1分でした。その過程はというと…店に入る→商品をカゴに放り込む→従業員を呼び支払い→店を出る、以上です。ユリーナさんの動き早っ!なんというかあのゆる~い喋りに反して動きに無駄がない。その上宿の店員をしていたからか計算するのも買い物をした店の店員よりも早かった。人って本当に一部の行動を見ただけでは判断できないな。ユリーナさんの特異な一面を見た気がしたよ。何はともあれこれで宿に戻れるな、今の時間であれば確実に夕食の時間だろう。さぁ宿に戻って丸焼きだー!とその時の俺は食べる事しか考えてなかったが、この時俺を除いた女性陣がとある企みをしてる事には全く気づかなかったのだ。


今更ながらではありますが!本当に今更ではありますが!誤字脱字がありましたら、教えて頂ければ有り難いです。ただあまり辛辣な言葉は控えていただけると幸いです。すぐに対応できないとは思いますが、少しずつでも良くできればと思っています。

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― 新着の感想 ―
[一言] スキル持ちや元々何かをしてた影響ならともかく何もしてないのにそんな芸当できたら本物の化物よな(笑)
2019/12/06 13:48 退会済み
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