第23話 嬉しい評価と後ろ盾ゲットだぜ!
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さぁ完成したドアを取り付けていきますよ!下準備は整っているので、さっさと取り付けに取り掛かる。既にドア側に丁番を取り付けてあるので、それを元の位置になるように付ける事にした。ただ使うのは釘ではなくネジを打つ事にした。しかもただのネジではなく融合式のネジだ。ドアはネジを一度締めたらもう外れないと思っている人も結構いるが、実はそうでもない。開けたり閉めたりを繰り返してると徐々に緩んでいき、最悪の場合はネジが馬鹿になり、使えなくなる。ネジが使えなくなるだけならいいのだが、ネジを止めていた場所まで緩々になる事がある。そうなってしまうと修繕するのがとても面倒になるのだ。だから俺はこの異世界に来た事で向こうでは実現できなかった事をしようと思っている。
ネジは実は木製なのだ。ただの木製ではないが一見すると木のネジにしか見えない。だがこの釘打ち込むとその場所に根を張るように食い込んでいき、ガッチリと離れなくなる。しかもドアを介して魔力の供給を受ける事になるので、耐久度が下手な金属よりも高くなるのだ。その上固定された後は丁番をうまくカバーして余計なものが目に付きづらくなるようにしたのだ。こうすればネジの緩みを気にならなくなるし、丁番をうまく隠せるので見せたい所だけが見せれるようになる。一石二鳥になるのだ!とここまで説明してきた訳だが、初の試みなのでちょっとだけ不安です。説明をしてる間に取り付けは終わって居るのだが、周りの反応が悪い。どうしたんだろう?もしかして、派手すぎて趣味が悪いとか思ってたりするのだろうか?だとしたら俺は飛んだ思い上がりヤロウになってしまう。
批判でもなんでもいいから誰か何か言ってくれ!
「ねぇ、ユーラ?この扉は何かしら?一体どこでこんな高価な物を買ってきたの?これ2枚もあるけど一体1枚いくらなのかしら?私が一生掛かっても買えそうに無いのだけど…。」
「本当ですよ、ユーラさん!この様に高価な扉私初めて見ました!王の謁見の間に入る扉ですら、これからしたら、ゴミですよ!ゴミ!一体どこの職人さんが作られたのでしょうか?是非教えて下さい!」
高価な扉って。やだなぁ~それほどでもないよ~へへへ。やばいめっちゃ嬉しい!そ、そんなに高価に見えるのかな?出来も結構良かったりする?もっと感想を言ってもいいのよ?それとレナリアさん?自分が住んでる城の謁見の間の扉をゴミ扱いはしないほうがいいのでは?周りがめっちゃ気にしてますよ?
「そ、そのユーラ殿、私はこの様な立派な扉を付けて貰えるほど高い地位に居るわけでは無いので流石にこの仕事に対する対価を準備できるかわからないのですが…何を支払えばよろしいのでしょうか?」
来た!その言葉を待っていましたよ、伯爵!では、せっかくなので報酬の交渉に入ろう。覚悟してね、伯爵様?クケケケ。
「そうですね…もともと泊めてくれたお礼のつもりなので、報酬はお金や物は必要ありません。でも伯爵がどうしてもと言うなら俺が欲しいのはマシイナ伯爵、あなたの後ろ盾ですよ。確か伯爵は俺に言いましたね?貴族の後ろ盾が必要になる、と。であるならば、それなら手始めにあなたの後ろ盾をいただきたいのですよ、マシイナ伯爵。どうでしょうか。」
「ッ!私の後ろ盾か……これはまたしてやられましたな。まさか昨日言った一言でここまで考えていたとは恐れ入りますね。ですが私の後ろ盾などたかがしれてますよ。それでもいいですか?」
「えぇいいですよ。何も無いよりは1人でも後ろに貴族がいるとわかれば、簡単には手を出されないでしょう?それに、もしかしたら伯爵にとっても良い事が起きるかもしれませんよ?」
「私に良い事ですか…何でしょうね、まだ何も起きてないのに鳥肌が立ちましたよ。やはりユーラ殿あなたは恐ろしい方だ。絶対に敵に回したくないですね、わかりました。どこまで力になれるかはわかりませんが、私の出来る限りの力をお貸しする事をお約束致しましょう。」
「良い答えが聞けて良かったですよ、マシイナ伯爵。それと勝手ではあるのですが、何か形になるものが貰えたら嬉しいのですが、何か無いですか?」
俺がそういうと何かを考えてるようで小さな声で「彼なら悪用はしないだろう、渡してもよさそうだな…」って言ってるのが聞こえてきた。何かくれるようだ、何だろう。
「セルディオ、すまんが私の書斎に行って『アレ』を取ってきてくれないか?ユーラ殿に渡して置きたいのだ。」
「なっ!よろしいのですか、旦那様?アレは余程の事が無い限り手渡さぬよう王に進言されて賜われたものではありませんでしたか?」
「いいのだよ、第一アレは信頼出来る者に渡すべきものなのだ。いつまでも保管していては意味がないだろう?だから、私が信頼できるユーラ殿に渡すのだ。」
なになに?何をくれるの?僕楽しみだな~。自分で何か形になるものをくれと言ったが、大した物じゃなければ速攻で返そう。大した時間を待つ事なくセルディオさんが戻ってきた。その手には何やら30㎝ほどの縦長の箱を持っている、箱の中身はなんだろな♪
「では、ユーラ殿これをどうぞ受け取って欲しい。」
そう言われて受け取ろうと手を伸ばすと、伯爵が急に手を引っ込めた。えっ何?今更やらんとかいうのだろうか?それなら別の物を要求しますが?
「ユーラ殿これを受け取ればあなたはもう後戻りは出来ない。完全に貴族の世界に足を踏み入れる事になる。そうなれば嫌でもあなたに対して妨害や嫌がらせ、最悪暗殺などもあり得るだろう。それでもなおこれを受け取りますか?」
それを聞いた俺は思った。貴族は確かに厄介だ、先の豚貴族しかりきっとあいつよりも地位が上のやつにも横暴なやつがいる可能性がある。だがそれでも困難を承知の上で先に進まなきゃいけないのだ。俺にはリィサだけじゃなく第一王女のレナリアさんもいる。きっとそれに関して絡んでくるやつは必ずいるはずだ。そのためにも権力者の後ろ盾は必要になってくるだろう。だから俺は…。
「貰って良いんですよね?じゃあ貰いますねっと。おぉ結構な重さがありますね?もしかして短剣か何かが入ってるんですか?開けてみよーっと。」
軽い感じで受け取った俺は箱の中身を確認するべく蓋を開けてみた。すると中に入っていたのは装飾が施された短剣だった…のだが、なんて言えば良いのだろう…装飾が微妙だ…。表情には出てないはずだが、俺の内心は残念な気持ちが漂っていた。なんと表現すればいいのだろうか。あくまでも俺的に表現するのだが、例えば玩具があったとしよう。最近は大人向けに精巧に素材にもこだわりデザインも細かく作ってあるものがあるこれを仮に職人レベルだとする。で子供向けの玩具が見習いレベルだとしよう。今ここにある短剣なのだが、その子供向けの玩具のデザインをパクって雑な技量で作った粗悪品に見えるのだ。それはもう非道いの一言だ。まず短剣の鞘に宝石が散りばめられているのだが、散りばめている感じがまず非道い宝石同士が変にくっついていたり、そうかと思えば隙間が空きすぎていたりと見た目にあまりいいとは思えない。また宝石自体も1個あたりが欠けていたり、綺麗に磨かれてないので鈍い光を放っていてもったいない。更にその鞘だが金属製なのだが、継ぎ目がやばい。くっついている箇所もあれば1ミリぐらいの隙間が空いてる場所もあるのだ。短剣本体は…評価に値しない。握り手の部分の装飾もそうだが柄の部分の宝石が鞘と同様に欠けたりしている。そんな物を貰った俺の感想?聞きたいですか?専門職でない俺ですらこれだけの感想がでるのだハッキリ言って4級品がいいとこですよ。
俺が短剣を持ったまま何も言わないので周りにいる人達はどうやら俺が悩んでいるように見えるようだ。違うんだ、単純に出来が悪い作品を見て呆けていただけだよ。王が下賜した物の割には大した事ないよ、うん。まさかとは思うがこれがこの世界の最高峰とか言わないよね?だとしたらこの世界の技術ってどれだけ低いのさ!いくら何でもそれはないよね?俺がまだこの広い世界を知らないだけだよね?だがそう思っていた俺にとんでもない爆弾が投下された。
「ユーラ殿その短剣はこの世界に置いて有名な鍛冶師と彫金師によって作られた物で、この国にもたったの3本しか無いものです。私の先代がこの領地で発生した魔物による大災害を収めた時に、王より賜ったものなのです。王からは我ら伯爵家が信頼に出来る者になら譲っても構わないと言われたものなのですよ。ですので、ユーラ殿にこれを受け取る覚悟があるのであれば受け取っていただきたい。」
うわぁ残念!世界レベルでこれだった!それなら俺の技術なんてどうなるのさ?リィサとレナリアさんにあげようと思っていたのなんて、俺が日本に居た時の記憶を頼りにかなり良いものを作れたと思っているのに、そんな物を見せたりしたら俺が世界レベルになりかねないぞ!段階を経て目立つならしょうが無いと割り切るが、いきなり世界レベルに躍り出たくない。2人に上げる時は誰も見てない所で渡そう。そして、見せびらかさないように注意しておこう。おっといけないいつまでも黙ったままだと伯爵に不審がられるな、適当に返事を返しておこう。
「受け取らせて貰いますよ、マシイナ伯爵。それと妨害や嫌がらせ、ましてや暗殺なんかしようと俺に近寄るような輩は……。」
そこまで言って俺は威圧に魔力を込めて周囲に一気に放つ。周囲にいる全員が俺を見て震えだす。そう全員がだ。いっけねぇや!最初からずっと屋敷の影に隠れるように俺達を見ていたゴリニテ侯爵にも威圧がいっちゃったぜ!ゴメンね?視界に居なかったから加減できなかったよ。ちなみに全員とは言ってもリィサとレナリアさんはちゃんと除外した、それぐらいなら今の俺なら余裕でできるようになった。そうそう続きの言葉を教えて上げなきゃ!
「俺の視界から消えてなくなるかもしれませんね?いや、元から存在してなかった事になるかも?それだけの覚悟があるなら別に構わないですよ。」
俺のその言葉に引きつった表情になる伯爵。だってしょうが無いよね。何かされない限りもしくは人として見て許されない行為をしてない限り俺からは何もしないが、今言ったとおり人として許されない行為を目撃したり、俺に対して敵対行為または俺の大切な人達に手を出したりするようであればその限りではない。そんな奴は百害あって一利なしこの世から消えていただこう。だが安心してほしい殺人鬼になる気もないし快楽殺人に目覚める気もない。俺はちょっと女性に対してだらしない様な気がする平穏を求めるただの一般人だから。
「わ、わかった。す…すまない…が…それ…をおさ…めて…くれな…い…だろうか。つら…くて…いきが……。」
やっべ!威圧解除するの忘れてた。早く解除しないと大変な事になる。おっと!だけどここは慌てず如何にも冷静を装っておこう。
「これでいいですか伯爵?あなたの周りから馬鹿な事をする者が現れなければいいですね?ではこれは頂いておきますね。それと報酬ももらっておきながら今更ですが、気に入っていただけましたか?」
平然とドアの評価を聞き出してきた俺を周囲にいる人達は、恐れた目で見てくる。まるで「今の今で正気か、コイツ!」と言わんばかりだ。でもしょうが無いよね、初めて売り出す作品なのだから気になるのだよ。
「…ゴホ、ゴホン!そ、それなら文句のつけようもないですね。こんな立派な物を正面に作っていただいて私もとても嬉しいですよ。実に立派な扉ですね。盗まれないか心配ですよ!ハッハッハ!」
あ、盗難が気になります?それならしっかりと俺が付与した機能を説明しておかないとね!
では伯爵に…かくかくしかじか………これでわかってくれたかな?
「え~と?来客が来たら音が鳴る?悪人が来ると警報がなる?ですか。…ユーラ殿この扉はもしかして魔道具と呼ばれる物ではないですか?だとしたらこれは国宝級のアイテムになるのですが…。」
なんで国宝級?ただの防犯ベルとチャイムじゃん。だってチャイムだってドアノッカーの代わりみたいなものだし、防犯ベルなんて見張りの兵士が見つけた!って言うのと変わらないんじゃない?そんなに大げさにしなくてもいいと思うんだけど。
「ユーラ殿どうやら疑問に思っているようだから教えるのだが、普通の貴族はこのような魔道具に触れる機会などないのだ。王族やかろうじて公爵の地位にいるものが所持する事はあっても、私のような下から数えた方が良いような地位のものが持つようなものでは無いのだよ。これは見つかれば国に譲り渡さなければいけないな…はぁ。」
ありゃ?そうなのか。てっきり魔道具ぐらい普通に店売りしてるものかと思っていたんだがなぁ。でも大丈夫!これを国が受け取っても使えないのだよ。何故ならこれは伯爵家専用と言っても過言では無いのだから!それをちゃんと説明しておこうかな?
「大丈夫ですよ伯爵。たとえ国がこれを譲れと言ってきてもこれはここにいるマシイナ伯爵家専用になっているので、俺の許可なしに外す事はおろか破壊する事も出来ないですからね!」
「どういう事だろうか、外せない上に壊せないのかこの扉は?」
「正確に言うなら【俺の許可なしに外せない壊せない】ですね。ちなみにですが屋敷の他の部分を壊して持ち去ろうとしても無理ですよ。このドア自体の隠れた機能として結界を構築するというのがありましてね?その機能のおかげで伯爵の屋敷は強固な砦となっています。もしよかったら兵士達に頼んで試してみたらどうです?絶対に壊れないと思いますよ」
「わかった悪いが試させてもらおう。もしそれが本当なら屋敷を民の避難所にも使えるからな。おい誰か!誰でもいい、この扉と建物に攻撃してみろ!」
そう言われて前に出てきたのが、なんとゴリr…ゴリニテ侯爵だった。なんで?
「マシイナよ、すまんが儂にやらせて貰えないか?是非とも試してみたい。もしそれが本当なら王城にも取り付けて欲しいのだ。ユーラ殿と言ったな、儂が試して構わないか」
そう言って背負っていた大剣を肩に担いでいる…なんかあの大剣剣身の部分は綺麗に磨かれてるけど握り手の部分が少し赤黒くなってないか?まさか…もう豚貴族達を……俺が気にする事じゃないな。とりあえず返事しとこ。
「別に構わないですよ。誰がやろうと壊れないし傷も入らないんじゃないですか?頑張って下さいね。」
俺の言葉を挑発と受け取ったのかコメカミに青筋がたっている。冗談抜きで挑発したつもりはない。ただ俺自身も結構な自信作なので出来るものならやってみろって思っただけで……あ、これ挑発してるわ。きっと俺のドヤ顔にキレたのかもしれないね。でもしょうが無いよね!これみよがしに大剣を肩に担いでるんだからさ。
「後悔するでないぞ!ウォホ―――――!くらえぃ我が一撃!」
―ガイィィィン――
金属同士を強く打ち付けあったような音が周囲に響いた。うるっせぇ!このクソゴリラが!少しは考えてやれや!見た目だけじゃなくて頭の中身もゴリラかテメェは!
少し苛立ちながらも様子を見ていたらゴリニ…ゴリラ侯爵の表情が驚愕に染まっている。どうしたのか聞こうと近寄ろうしたら聞き慣れない音が聞こえてきた。まるでガラスが砕ける様な音だ。まさかと思いつつ打ち付けられた部分を見て見たが、結果は俺がしていた悪い予想とは違っていたようだ。何故ならゴリラ侯爵の足元に彼が打ち付けた大剣が砕けて散乱していたからだった。その上ドアを見ていみると全く傷の一つも付けられてはいなかった。どうやらこの勝負俺の勝ちのようだ。やったー!ゴリラ侯爵ザマァ!ねぇねぇ、今どんな気持ち?ねぇねぇ?教えてよ。
そんな事を考えていたからか、ゴリラ侯爵の表情が変わっている事に気付かなかった俺は伯爵に「これで安全を確認出来たでしょう?」と言おうと伯爵近寄るためにゴリラ侯爵の側を何気なく通り過ぎようとした、だがその瞬間俺はゴリラ侯爵に捕まり抱きつかれてしまった!
「すごい、凄いぞ!ユーラ殿!素晴らしいぞ、お主は凄い人物だ!是非とも我が屋敷と王城にも同じ物を作ってはくれまいか!このとおりだ、頼む!報酬はしっかり出させてもらう、だから頼む!」
そう言いながらゴリラ侯爵は俺をサバ折りの如く抱きしめてくる。レベルが高い為痛みは無いが暑苦しい事この上ない。ってかいい加減離してくれ!いつまで抱きしめてるつもりだよ!キモいわ、お前はホモか!いい加減ぶっ飛ばしてやろうか?と思っていたら、俺の2人の恋人達が止めに入ってくれた。
「ゴリニテ侯爵そろそろ離れてはどうですか?いつまでもそうしてるのはユーラさんに迷惑ですよ?」
「えぇ早く離れて下さい。ユーラは私のなんですから。」
その言葉にピクッと反応するレナリアさん。何か小声でリィサに「私達のじゃないんですか?」と言う言葉にリィサが「今ここでそんな事言ったら大変な事になるでしょ?」とか言っている。2人がそう言い合ってるのは見てて嬉しい気持ちになるのだが、でもね?そろそろ助けて…。
残念ですが、今日の投稿でストックが尽きました…。ですが!出来る限りは頑張って連続投稿を続けてみます。




