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第171話 作業後には……

 足元に魔力を集中して地面を均すこと3~4時間ほど経過しただろうか?あまりにも集中しすぎたせいで時間の感覚が曖昧になっている。実際はどれくらい経過したんだろう?


 時間は気になりつつもあと少しで予定していた範囲の均しが終わりそうなので気合を入れつつ再度集中する事で地面を均す工程を終わらせる事ができた。


 集中しすぎていたせいで肩に入っていた力を抜く。今更気付いたが本来は力を抜いて行わなければいけない魔力の集中に不必要な力を込めていたようだ。道理で進みが悪い訳だ、無駄な力が入っていなければもう少し早く終わっていた上にここまで疲労することもなかっただろう。どうやらしっかりと『やらなければいけない』という思いが要らぬ力を入れていた原因かもしれない。しっかりとやらなければいけないのは間違い無いが思い込みすぎて無駄に力を入れすぎないよう注意しておこう。せっかくの今までの助けてもらったお礼のチャンスなのだ。しっかりと活かしたい。


「優良くん、今日の作業はここまでにしては如何でしょうか?もうかなりの時間作業なされていますよ」


「そうだよ~優く~ん。あまり無理しても駄目なんだよ?メッ!」


 静梛さんには嗜められてしまった。そしてそれに追従する葉津梛ちゃん……このお調子者めっ!社を建て終えたら覚悟しておくがいい!と心の中で呟いておく。


 ブルブルと背筋を震わせて首を傾げて「??」となっている葉津梛ちゃんは置いておき静梛さんの元へと。


「途中から時間の感覚がなくなっていたので気づきませんでしたが、結構時間経ってますか?」


 という俺の問に対して上着のポケットからシンプルながらも高そうな感じの懐中時計を取り出して確認したあとに頷いて答えてくれた。


「5時間強、と言ったところでしょうか?作業時間としては一般的といえる範囲なのかもしれませんが、事この魔力を使うという行為は異常なまでの集中力と体力を使うので体感としてはそれ以上の疲労感があるのではないですか?」


「確かにそうですね。今まで感じた事のない疲れを感じます」


 今言ったようにこれまで感じた事のない疲労感を覚えていた。地上にいた時でさえ膨大な魔力を行使しても大した疲れを感じる事はなかった。にも関わらず今感じている疲れはかなりのものであり、それこそお腹を満たした直後にはすぐに寝落ちしてしまうのでは?と思うほどには疲れている。


「そうでしょうね。あちらで皆さんが食事と簡単ではありますがお風呂を用意してあります。今日はここまでにしてはどうですか優良くん」


「ですね。そうしましょうか。無理しても良いことはなさそうですし」


「そうそう!休みは大事だよっ!はーい!優くんご休憩はいりまーすっ!」


 ……言い方よ。もう少し言葉を選ぶか言い方を考えてほしい。どうしても卑猥な感じに受け取ってしまう……これは俺が汚れているからなのだろうか?


 益体もないことを考えながら静梛さんと葉津梛ちゃんを連れて皆の元へと。早速食事の準備がされてあるシートの上に座り、本日の成果を皆へと話す。とはいえ目の前で行われていたわけだから報告も何もあったものではないのだけれど……まぁあれだよ、様式美ってやつ?


 ほのぼのとした食事を終えると今度はお風呂へと。食事も嬉しかったのだが、実はちょっとだけお風呂のほうが楽しみだったりしている。


 どんなものだろうと思って連れて来られた場所には直径2mくらいの円形をしたお風呂があった。おそらく地面をどうにかして掘って、その縁周りを手頃な石で形取りそこに魔法でお湯を注いだ?といったところだと思う。いまだに温かそうな湯気を放ちそこに存在していた。


「お、おぉ……これは、シンプルなtheお風呂って感じだ。露店風呂感が溢れて素晴らしいね」


 俺のそばにはおそらくこのお風呂の製作に関わっただろうユリーナ、シェイラ、モモリス、ニーナ、和津梛ちゃん、千梛さんが感想待ちをしていたらしく俺の評価を受けて嬉しそうな表情を見せてハイタッチをしたりガッツポーズなどそれぞれで喜びを表現していた。……滅多な事を言わないでよかった。


「じゃ、じゃあ早速浸からせてもらうね。え~とそれじゃあ……あ~こういうの聞くのはどうかと思うんだけど、服はどこで脱げば?」


 という俺の言葉に一部を除いて製作に関わっただろう面子の皆はしまった!という表情を見せた。だが、この一部……いやもう名前を言わせてもらおうニーナと千梛さんだけはハッキリと言った。


『脱げばいいじゃん。ここで!』


 まさかである。もしやではあるが、この二人作っている最中に脱衣所が必要なことに気づいていた可能性が浮上した。おそらく気づいていた上で尚の事こう思ったのではないだろうか?


『色々見てるし見られてるから別に必要ないよな?』と……。


 そして案の定二人から決定的な言葉が発せられた。


「今まで隅から隅まで見られてされてきたんだし、今更隠す必要ってあるか?」


「そうだぞ、優!男が女々しい事言うなって!ほらっ!湯が冷める前に全部脱いでさっさと入ろうぜ!」


 俺が気にし過ぎなのか?だが、他の面子は顔を赤くして困惑している。うん、おそらくあっちが正しい表情だな。この二人はアレだ、あけすけにし過ぎだ。ってちょっと待て!今そのまま聞き流すところだった……入ろうぜって言ったよな?


「え~……千梛さん?今入ろうぜって言いました?」


「?、言ったよ?それがどうかしたか?」


「いや!さすがに一緒はマズイでしょ!ほら前にここ来る時に言ったでしょ?ここではそういう事はナシにしましょうって!言いましたよね!」


 その言葉を聞いてなお千梛さんは引かなかった。


「しなきゃ良いじゃん。ただお風呂に入るだけだって!幾ら神様で一緒にお風呂入ったくらいで『罰当たりだ!』とか言ったりしないって!気にし過ぎ気にし過ぎ!ほらっ!早く入るぞ」


「そうだそうだ!ただ風呂に入るだけだって!大丈夫大丈夫!」


 そして俺を含む皆の前で平然と服を脱いで風呂に入る二人を見て俺は思った。……コイツラ無敵か?と、恐れ知らずな二人を見ていて何となくそんな考えをしていた自分が馬鹿らしくなり、結局俺もその場で服を脱ぎ去り風呂に入った。その際に少しばかり視線を集めた様な気がするが……まぁいいだろう。ほんの少し熱めな湯に浸かり疲れが溶けゆく感じがしてとろけつつあった俺は全てを気にしないことにした……アレ?これって俺ももしかして無敵側になってるんだろうか?というささやかな疑問すらもお湯に溶かしていった。




ついつい作業内容以外も書いてしまうww。

でもまぁ作業だけ書いてもつまらないかもしれないじゃないですか。アレですよ。ちょっとしたツマみたいな感じで添えてます。……割合は考えないといけないかもですが。

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