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第160話 素材確保をしよう!

 さて、お仕事の時間です。

おじいちゃん達からは和装建築での依頼を承った。しかし!俺は設計は云うほど得意ではない。今までの修繕や改築はどちらかというと元のモデルになる物があったので、それを多少デザインやら配置を変更する形で行ったので実現できたのだ。


 ゼロから始めるとなるとどうしてもある程度でも設計を行わないといけないだろう。俺はさすがにそこまでは習得してはいない……ので、早速ではあるが得意な方にお願いしようと思う。


「静梛さん、よろしくお願いします!」


「あら?……フフフ。ええ、こちらこそよろしくお願いしますね優良くん(末永く)」


「ん?今何か小さい声で言いませんでしたか?」


「いえいえ、そこは気になさらないでよろしいですよ。それよりも優良くんがここまで早く私に声を掛けてきたという事は、もしかしなくても設計ですか?」


「はい、そうですね。設計はまた習う前だったので……以前に依頼されて行っていた仕事も設計に関しては行き当たりばったりな感じでしたので……けど今回はそうもいかないので、設計をできる静梛さんにお願いしようかと思いまして」


「確かに私は設計は得意な方ですね。ですが今回は設計図は必要ないと私は考えます」


 なんと常日頃から事前に物事を計画して行動している静梛さんとは思えない発言だ。何か理由でもあるのだろうか?


「どういう事が聞いても?」


「えぇ勿論です。とはいってもそう難しい事ではありませんが……今回の件に関してはおそらく優良くんがその時その時で思うように発想力を活かしていくのが理想だと考えています」


「えぇ……?やって出来ないことはなさそうだけど、なかなか厳しいこと言いますね静梛さん」


「厳しい、ですか?今の優良くんなら然程むずかしいことではないと思いますが……そうですね、まぁおかしな箇所があればその時々で指摘させていただきますので、まずは試してみるというのはどうでしょ?意外と難しい事ではないかと思いますよ?」


「そうでしょうか?……まぁそうですね。やる前から否定するよりはやってみてもいいかもしれません。わかりました、まずは試して見るとします。でも……そうですね、それだと今の段階で静梛さんにはお願いすることはないか……じゃあ静梛さんにはあとで色々とお願いすることにします」


「あら?次に何をするかも決まっているのですか?」


「えぇ次は社を建てるための材料を見繕いにこの周辺を散策してみようかと思いまして。使う材料を見れば作りたい物のアイデアが思い浮かぶかもしれないので」


「それは良い事ですね。それで同行者は誰を?」


 その瞬間、周囲の女性陣から凄まじい視線が寄せられるのに気づいた。ウォッ!……凄いプレッシャーを感じるんですけど?中には殺し屋並みの視線を向けてきてる人がいる気がする。ど、どうしよう?人選をミスったら大変な事になりそうな気がしてならないのだけど?ど、どうするのが正解なんだ!


「そ、そうですねぇ。えっと……」


 言いながら目の前の静梛さんに視線を送るとニコリとして柔らかい笑みを浮かべている。よく見るとその背後には残りの姉妹たちがいる。視線を向けられた事で静梛さん同様ニッコリと微笑みを向けていた。


「じゃ、じゃあその静……」


 静那さん達と行こう、と言いかけた瞬間別の二方向から強烈な視線を感じた視線の先を見やるとリィサ率いるユリーナさんとレナリアさん達。もう一方を見るとモニカ率いる戦乙女達がジッと穴が開くのではと思いたくなるほどの視線を向けていた。……怖い(ブルブル)。


「え~と、それならそうだな。じゃあリィサ達と……」


 するとリィサ達からは和やかな雰囲気と優しい視線が送られてきたものの、今度は静那さん達から微笑みを浮かべたままの突き刺さるほどの視線、変わらず穴が開くほどの強烈な視線を向け続けるモニカ御一行。


「ハハッ……ならモニカ……」


 パァッと光るような笑顔で見てくるモニカ達、そして周囲が冷え込んでいるのではと錯覚するほどの微笑みを浮かべたまま視線を向けてくる静那さん達。名指しを受けたのに速攻で相手を変えられたリィサ達の怒りを含んだ微笑み……超怖い。本当にどうすればいいのかと悩んでいると、ある意味で本当の神の助言を受けた。


『フフフ、優良ちゃん。そうやって片方だけを選ばずに全員で行ってらっしゃいな。そうね気軽にお散歩がてらになんてどうかしらね』


 それだ!と声に出そうになった。よくよく考えればそうだった。誰かだけを選ばずに全員を連れて行けばいいのになんで俺は誰か達だけを選ぼうとしたんだろう?全員を連れて行けば後腐れもないというのに。と、言うわけで。


「うん、そうだね。皆で行こうか!人数が多ければそれだけアイデアも生まれやすいかもしれないし!うん、そうしよう」


 そう提案した事により俺を中心として発生していた謎の圧力フィールドは解除された。お互いに視線を向けて和やかな雰囲気に変わってくれた。はぁ……身から出た錆とはいえこうも緊張感の発生する事態になるとは思いもしなかった。次からはもっとうまくバランスを取るように心がけることにしよう……正直生きた心地がしなかった。




 気分一新!皆が同行することになった素材確保のお散歩は賑やかになった。今俺はこの集団の先頭を歩いている。勿論ただ歩いているわけではなく、何か使えそうな物がないかと常時鑑定のスキルを発動させながら歩いている。気になった素材は適宜回収しているが、今のところは目立った素材には出会えていなかった。


 現在地は平原の様な場所……だと思う。神の座す場所にあう表現として適切かどうかは知らないがそう見えるのでそう言っているだけなんだけど。ここからおよそ10kmくらいの場所に森?の様な場所が見えている。なぜ森?なのかと言えばそこに見える木々がどうにも白や白金、白銀に光って見えているからだ……あれを森と呼んでいいのか疑問を感じるが故の森?なのだ。


「えぇっと皆とりあえずここらへんではあまり目立った素材は取れそうにないから、あの森?に行こうかと思うんだけど、体力はまだ大丈夫かな?」


『大丈夫で~す』


 と、元気な返事があるのは良いんだけどね?ボソっと「これくらいでへたり込んでいたらユーラさんの相手は務まりませんよね?」とか「これくらいならユーラさんの序盤と言ったところですからね」とか言うのはやめてください。恥ずかしすぎるから!!そんな和やかな雰囲気を伴いながら森へと向かうのだった。




一応この話しから終わりに向けて書いています。ただ無理やり終わらせるのではなくしっかりと落ち着いた?終わりにしようと思い頑張っております。

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