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第157話 もっと早く言って欲しかった!!

 おじいちゃんから改めて正式な依頼を受けた。依頼内容は勿論『社の建て直し』だ。さて、それなら準備をと思いマイバッグの中身を確認してみたのだが……どうもいまいちピン!とこない素材ばかりだった。これぞ!という物がない。


「う~ん、これは……どうしよう?完成形のイメージからだいぶ離れたものばかりだから使いづらいなぁ。最低ライン……いや今回は妥協したくないな、俺のイメージを超えるものを作りたい」


 どこで材料を集めるべきか?どうせなら神界に相応しいものを揃えたいが……これは動き出す前に世界の地理を確認して何処でどういう素材が集められるかを調べたほうが良さそうだ。



 


 この世界における素材の採取箇所をいろんな伝手を使って調べてみたのだが……。


「どうにも良い物が見つからない。品質は悪くないし素材としては一級品と言えるとは思うんだけど……じゃあこれが神界のおじいちゃん達の家に相応しいかと問われると……ナシ、なんだよなぁ」


 さて、どうしよう?俺はなんなら自身のスキルさえ使用してこの世界の素材を調べてみたのだが、結果は残念な事に。


「むむむ……まさか家を建てるとか以前の問題に材料の手配で躓くとは。パーティーメンバーには既に確認済みだし、かと言ってこれ以上の情報源は無いに等しい。あぁ~行き詰まってしまったぁ」


 どうしたのものかと思考を巡らせるもどうにもならない。


「これ以上ここで悩んでいても仕方がない。少しばかり気晴らしに散歩でもしてくるか」


 散歩に行こうかと外へと出るとそこへしばらく見かけなかった悪戯猫のプランが寄ってきた。


『にゃぁ~』


「おっ!お前久しぶりだなぁ~。しばらく見かけなかったけど、何処に行ってたんだ?ん~?」


『にゃお~』


「ん?ほうほう。そうかそうか!いろんな人にイタズラして楽しかった?そうかそう……いやいや!お前人様に迷惑掛けちゃだめだろ?えっ?何?ふむふむ……なるほど悪いやつ限定でイタズラしてやったと?そうかそうか、それはまた……楽しそうだな!良かったじゃないか!」


『にゃにゃお?にゃにゃう!』


「何?またしばらく遊びに行きたいけど行ってもいいかって?う~ん、俺もしかしたらそのうち遠出するかも知れないけどいいのか?」


『にゃう、にゃうっ!にゃおっ!』


「そうかぁ~まぁお前も好きな事したいかぁ~。……うん、わかった。行っていいぞ?ちょっと寂しい気もするけど……俺も自分の仕事が終わったら会いに来るからな?」


『にゃお~ん!』


 またねっ!と鳴き声をあげて走り去っていくプラン。楽しそうに去っていく姿は初めて会った時よりもイキイキとしているように見えた。


「楽しそうに行っちゃうなぁ……あぁ~使役解除してあげれば良かったかな?離れててもできそうだけどこういうのは確実にするのは目の前でするのがいいよな?うん、次の機会にしよう」


 なんて口に出したものの実際は今のが別れだと寂しいからだったりする……というわけでプランに関してはここまでにしておこう。散歩の続きといくか。


 これと言った特徴のない道をブラブラと歩く。何かキッカケになるものが無いかと周囲を見渡すと妙な落ち着きを感じた。ここ最近というか昔からそうだが余裕が無かった。だから今感じるこの長閑のどかな風景は奇妙な落ち着きをもたらせてくれた。


「不思議な感じだ。今までだって全く休めてなかったわけではないのに……今感じるこの安らぎは今まで感じた事のないものだ」


「安らぎ……安らぎかぁ~。ん?安らぎ……安らげる場所、天国?じゃなくて……」


 何かこう出てきそうだけど……出てきそうで出てこない!スッキリしない感じが……う~ん。


「だめだぁ~。こういう時は諦めて自然に出てくるのを待っているほうがいいな」


 切り替えて進めていこうと思っていると不意に声が聞こえてきた。


『スマヌ優良よ。色々と思考している最中のようだが、伝え忘れていた事あった』


「えーっと?伝え忘れていた事?何かな?」


『うむ、社に使う素材のことだ。素材は神界の領域にある場所で採取したものを使ってほしい。下界のものも悪くないが神界の領域で取れる素材のほうが良い。という事で後は頼むぞ?』


「うん、わかったよ。ありがとうおじいちゃん」


『気にするでない。ではな』


 助かる……凄い助かる情報だ。だけど敢えて言わせてほしい。


「それ忘れちゃダメなやつだよ!おじいちゃん!!」





内容を詰めては書き直してを繰り返していると、自然に文字数が減っていく。詰め過ぎたかもしれない。加減が難しいなぁ。

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