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第145話 嫌な予感がする……様な?

 さて話を聞いていなかった事に軽く説教を受けたあとに囚われ?の公爵家族を探し出す使命をレナリアさんから受けた俺は一人王城建設予定地から離れ王都全域に探知を実行した。


「いつから攫われたのかわからんけど、果たしてまだ王都にいるのかな?今の所探知には掛からないけど……う~ん」


 隅から隅まで探知を張り巡らせていくと何やら引っかかりを感じた。何やらぼやけるような気配だ。もしかして隠蔽の様なものでも使われてるのかな?その違和感を感じた場所に対して更に強く探知を掛けてみると……。


「当たり、だな。ここからだとそう遠くはないな、面倒な展開になる前に行くとしますか」


 よくある物語のように相手が警戒して拠点を移す前に人質奪還作戦を決行しよう。地図のにマーカーをしてそこに転移ですぐに移動をした。


「ほい到着っと。どれどれ……拠点の周囲にいる幾つかの人影は見張りかな?仕留めるか?でも騒がれたら面倒だし、もしかしたら俺の知らない魔道具とか伝達手段が無いとも限らないし……素早く確保が最善かな」


 方針は決めたので行動開始だ。拠点周辺には見張りらしき人影が10人ほどいる、できたらコイツラを一斉に無力化したいが何が最適だろうかと思案すること数秒で決めた。


「うしっ!なんとかいけそうな感じだ。それじゃあ早速【瞬間冷凍フラッシュフリーズ】!」


 目標の人影を一斉に無力化できたようだ。しかし、そのまま放置しておくと誰かに見つかって騒ぎになると困るので一旦マイバッグへと回収した。人質を奪還できたあとにでもレナリアさんに任せればいいだろう。


「これで見張りはいなくなった。次は潜入だな。【透明化】【生命疑似消失】っとこれで魔力も気配も断つことができたはずだ。人質奪還に行くとしましょうかねぇ」


 敵の拠点には【転移無法】でひょいっと侵入、相変わらずデタラメな性能の転移だ。周囲の安全を目視でも確認したら移動を開始した。目指すは人質の囚われている部屋だ。


 拠点内を移動しているとちょくちょくガラと共に頭の悪そうな奴らと出くわすが外にいた見張り同様に氷像となってもらいマイバッグへポイを繰り返して進んでいく。


 移動を続けてたどり着いたのは鉄でできた扉だった。見た目がかなり重厚感のある作りで華奢な人では開閉もままならないだろう。そんな鉄の扉をためらう事なく強引に開いた。大丈夫、安心してください中の状況はすでに確認済みと同時に見張り兼やらかし担当であろう奴は氷像になって頂いた。


 バキン!ガリガリっという破砕音を気にせず壊してもとい開いたのち適当にマイバッグへポイ。使えそうなら取り敢えず確保が俺の信条なり。


「え~と、ご機嫌よう?違うか……なんだろう?こんにちはも違うか?まぁいいや助けに来ました。え~となんだっけ?シュ……公爵様の家族で間違いないですか?」


 なんか言いづらい感じの名前の人だったけど忘れたので爵位で呼んでみたら、一緒にいた母親と娘らしき人にジト目で見られた。


「……レナリアさんに頼まれて捜索をしていた所怪しい人影が多数いたので侵入してきたら当たりだったようですけど……公爵のご家族で間違いない?」


 おや?よく見るとお二人とも着ているお洋服がビリビリに裂かれており、その隙間から素敵な肌色の御山が顔を覗かせているじゃないですか。登山の予約は受けてますか?


「んんっ!今回は助けて頂き大変感謝をしております。どうもありがとうございます。そして、できればでよろしいのですが私達に肌を隠せるような物をお貸ししていただけないでしょうか?あまり人の妻である私や未婚の娘の肌を他者の視線に晒したくはないものですので」


 おっと!つい邪な目線で御山を一望してしまっていたようだ。登山の予約は諦めたほうがいいみたい。取り敢えずは何かあったかな?マイバッグをごそごそと漁っていると良さげなシーツを発見二人分を取り出して渡すとそれを身に纏い御山は姿を雲隠れされたようだ。残念。


「では準備も整ったようなのでレナリアさんの下まで参りましょうか。自分もまだまだやらなくちゃいけない事が多いので」


「それは……今のこの場の発言としてはどうなのでしょうか?無事脱出できればそれも一考なのかもしれませんが……いえ人質になっていた私達が言える事ではないのでしょうね。貴方様にお任せ致しますのでお願いしますわ」


 おや?娘さんまったく話さないから恥ずかしさで駄目になっているのかと思ったが、お早い復帰ですね?御山連邦は視姦……もとい一望されていた事は忘れる事にでもしたのかな?いい御山でしたよ?娘さん。


「何はともあれさっさと行きましょうか。お忘れ物はありませんか?」


 二人に問いかけるとあちこちをまさぐりながら確認中……途中娘さんが何やらハッとした顔つきで俺を見てきたが、軽く首を振ると諦めたような表情になった。


「……問題ありません。参りましょう」


 母親は娘に「よろしいのですか?」と尋ねるも娘は「仕方ありません。あとで謝っておきます」と涙目で語っていた。


 俺の背中にツーっと嫌な汗が伝い落ちるが、気にしたら負けだろう。もっと言うなら知らないフリをしておこう。多分ここに来る途中で偉そうな奴が持っていたあの首飾りのことの様な気がするが言わなければわからんだろう。あとで知らんふりして残骸を拾った風に見せ掛けよう。


 なんのこっちゃわからんだろうが、それはここへ来る途中の事であった。なんか偉そうなチョビ髭が護衛らしき奴「これを売れば一稼ぎものだな!」とバカ笑いして歩いている所へと俺が躍り出て瞬間冷凍した際、チョビ髭が持っていた首飾りを驚いた拍子に手から擦り落としたのだ。


 そうしたら……後はわかるだろう?冷凍された華奢で豪猪な首飾りそれが高い位置から硬い石の地面に落ちると?……粉々のパァーンですわ……オワタ。


 ま、まぁアレだよ!ほら、俺なら?スキルでちょちょーいと直せるし?そんなに気にする事無いかなって思うんだよ。……多分。まぁ曖昧な説明の理由はね?この首飾りに付与されているスキルが原因なんですよ。それがこれです。





厄払いのネックレス


身につけているだけで小さな面倒事から身を守れる。但しあまりに大きな厄がその身に降り掛かると砕け散った後にスキル【女神の守り】が齎される。ただし装着していなければならない。

身に付けずに破壊されるとその効果を失い二度と元には戻せない。




 ほら面倒な感じがするだろう?だから形だけでも直した後にでもこっそり返そうと思っていたんだよ。……けどなんとなく嫌な予感もするんだよね。


 俺が感じた予感は後で嫌な形で決着がつく事になるが、今の俺はどううまく誤魔化そうかと必死で気づく事はなかったのだ。



ストック無しはしんどいです。もう少し小説を書く時間が欲しい。

あと横道に反れてばかりで申し訳ないです。ついつい書きたくなるんですよね~……横道にそれてしまうようなことを。

次回はもう少し話が進みますので次回もお待ちいただければと思います。

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