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第142話 更に進む計画


 猛烈に高まったリビドーを押さえつけて為すべきことをするためにやってまいりました。王城裏手で御座います。誰かに見つかると面倒なので気配を消して隠密状態でおります。


「さ~てと到着っ!と。さぁ~どんな状態でしょうかねぇ」


 スキルを使い、王城一帯の地形と地中の状態を探ってみる。……案の定あまりよろしくない、長年の天候などの影響を受けたのだろう。地中の土がスカスカの場所もあれば泥濘ぬかるんでいる場所が見受けられる。他にも土台となる場所が崩れていたりする箇所もある。まぁ今まで大した改修がされた事もないようだし仕方ないとは思うが、それにしても……。


「見れば見るほどよく今まで傾いたり崩落したりしなかったもんだ。余程いい石工や大工がいたんだろうな」


 俺が今まで見てきた場所で感じ受けた印象と調べた限りの技術ではこの世界にはあまりいい技術者がいないと判断していたが早計だったか?


「まさかとは思うが技術が何かしらの理由で失われている?もしくは衰退した?……う~ん、まぁこれは今考える事じゃないか。それに俺が考えるよりもこういうのは歴史の専門家に聞く方がいいだろうし。機会があればって事で」


 似合わない行動はここまでにして作業に戻る。現状を確認した俺はそれを対処するべく準備していた大量の資材で下準備を行っていく。


「まずは土台部分を固めていくか。ちょい奮発しておこう」


 この世界のやり方で進める場合だが本来なら土台は土を固めていくか、もしくは石を集めて固めるのが基本のようだが、それじゃあ何かあった場合マズイので土台から頑強にしていく。もしかしたら地下から攻めてくる敵とかいたら困るし?


「ここは贅沢に魔鉄を使うとしよう。やたらアホみたいに集めてあるからどれだけ使おうが簡単には枯渇しないからな」


 この魔鉄という素材だが、元々は鉄鉱石だったものがある程度の期間魔力に晒されていると徐々に魔力が浸透し魔力を含んだ鉄【魔鉄】に変化する……って鑑定したら説明があった。


「ふ~むアレを仕込むにはどうしてもこれが良さそうだよな。葉津梛ちゃんと共にアニメで学んだ男の浪漫を実現するには妥協してはいけないのだ!」


 とある計画というか使用の為に地下は鉄以上の金属でなければならない。地下からの侵入者対策はあくまでも副産物である。主目的は別にある。内容に関しては……今は極秘である。その時があればお楽しみにといったところだろうか。


「地下と土台はこんなところか……あとは周辺の地中と地上の仕込み、もとい施工を進めるとするか」


 あくまでもお仕事の依頼でしているというお題目を掲げながら内心では悪ふざけが小躍りしまくっている。表向きは綺麗かつ王族が住むに相応しいであろう豪華な作りに仕上げてあるが、裏側は俺の遊び心がそれはもう満載であり、その仕上がり具合たるや俺的にはニッコリである。


「いい感じだな!このまま仕上げに掛かろう。ただ土を固めるだけじゃ面白くないか?やっぱり何かあった時にこんな事もあろうかと!って言ってみたい!もうちょい工夫が必要だなっ!」


 誰にも注意されることなく進む作業。止まらない遊びわるふざけ。止めない止まらない止める人がいない最早どうにもならないまま作業は終わりを迎えてしまった。


「ふぃ~終わった終わった~。ここまでやればあとは城を設置するだけだな!いやぁ~いい仕事ができたなぁ」


 王城の周りを見渡しても一見すると何も変わらないかのように見受けられるが実際は違う。魔法というファンタジーな力を行使した建築作業は常軌を逸した状態になっている。そしてその事に気づく者は誰一人いない。なぜならこの世界での優良の実力はすべてに置いて最高値、耐久力などももちろんだが隠蔽に関しても並の魔法使いでは気づくことすらできない。だからこそその事が露見した時その場に居合わせた者達はさぞ驚くであろう、自身が住んでいた場所の真下にとんでもない物があるという事に。


「下準備完了!さてあとは設置する城に搭載……じゃない、必要な物を確認しておかないと」


 少しネタバレが発生したが、優良が作り上げた王城は只事じゃない使用になっており、堅牢でありながら高い戦闘力と遊び心を尽くした様々な仕掛けが用意されている。


 そしてその様々な仕掛けは近いうちに日の目を見ることになる。他でもない優良に対して牙をたてようというのだ……愚かにも。そんな先の事など知らない優良は作業に没頭していく。


「必要な物の確認もバッチリだ!あとは何が必要だろう?う~ん、ここに葉津梛ちゃんがいれば色々相談に乗ってもらえたのになぁ。いないのは仕方ないから自分でできることだけやっておくか。よし、もうちょい周囲の地形をいじってみよう」


 地形をいじると簡単に優良は独り言を発して文字通り地形を弄り始めていく。普通ではあり得ない光景なのだが、それを見届ける者はおらず異常な光景が繰り広げられていく。


 のちの王族達は語る。『自分達はヤバい人物(異常)に仕事を依頼してしまった』と。それは後悔の念と尊敬の念から来るものなのだが、優良をよく知らない人物はその言葉を聞いて思う『そうか王族はヤバい人物(危険)に依頼してしまったんだな』と。


 今は誰も気づくことのない異常な偉業。しかし、それに気づく日はかなり近かったりする。



いつも読んでいただきありがとうございます。

しばらく一話あたり2000~2500文字前後で進めて行きたいと思っております。

暑さでパソコンがちょい心配なので。

ちなみにエアコンをつけっぱなしで執筆作業をしたいなぁと思っているけど電気代が心配でできない作者です。

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