第140話 本当のことだから
やったぁ!45万PV達成してましたぁ!
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ガチムチの爺さんに案内されながら着いたのはかなり広めの運動場みたいな場所だった……いや、なんで!?
「あのぉ~お尋ねしたいことがあります」
「ふむ、なんであろうか」
「ここの何処にレナリアさんが?」
「レナリアさん、か……貴殿いや、貴様姫様とはどの様な関係か?」
「どの様な?そう、ですね……」
おいそれと人様には言えない様なエロスを伴う関係を築いてます!とは言えないよな~。いやだって俺のことを睨みだけで殺しそうな視線を向けてるんだぜ?そんなこと言った瞬間腰に携えた剣が俺に向けられそうだよ。っていうかもう剣の柄に手を添えてるし!
「え~と一応一緒に旅が出来たくらいには仲良くさせてもらってます」
「一緒に旅……仲良く……」
えぇ実にナカがイイ関係を築いてますぜ?へへ……ってまだ何も言ってないのに剣を抜きやがったぞ!このジジイ!
「一緒に2人仲良く旅をしてきただとっ!きさまぁ!儂も、儂ですら一緒に旅をしたことなど無いというのにぃっ!貴様のような新参者の不埒者が姫様と旅をしてきただとぉっ!」
うわっ!バッチィ!このジジイ怒鳴りながらツバ飛ばしてくる。それにしてもなんでそんなに怒ってるんだ?正直意味がわからん。ナニをしたとも言ってないのにね?
「不埒なだけで飽き足らず助平根性を曝すとは万死に値するっ!姫様に会わせるなど言語道断だ!ここで死ねぃっ!」
「ちょ、ちょちょっと待ってください!なんでこんなことをするんですかぁ!」
「黙れぃ!不埒者の言葉など聞くに及ばんわ!黙って儂に殺されるがいい!」
「嫌ですよ!うぉっと!ほっ、よっ、とっ、あらよっと!」
イカれたジジイの剣戟をヒョイヒョイと軽く躱していく。加減をしてないのか?と問い掛けたく成るほどに鋭い剣閃で打ち込んでくるイカレジジイ。このジジイってただの案内人じゃなかったの?
「あのぉっ!一体っ!何の為に!こんなこと!してるんですかっ!」
スルッスルッと剣撃を躱しながら質問をすると。
「おのれぇ~面妖な動きを見せおってからにぃ!これでもくらえぃ!」
持っていた剣を頭上に高々と掲げ振り下ろさんとした時だった。
「ライデント総隊長!あなた何をしているのですかっ!今すぐおやめなさい!」
声を荒げて呼び止めたのはレナリアさん…と誰?おヒゲが似合うナイスガイがそばに立っていた。見たことがある気がしないでもない。
「っ!……ひ、姫様、これはその、そう!ちょいとばかり若い者に喝を入れてやろうかと思いまして
……」
ジジイが理由のわからん言い訳を始めたぞ。自分に否はないと言うつもりか?なんてジジイだ!しかし、そう事は上手く行かないようで。
「ハハハッ!嘘を言うでないライデントよ。俺達はずっと見てたぞ?お前がソイツに突っかかっているのをな?それにしても……クックック」
「ちょっとお父様!笑っている場合ではありません!事と次第によってはライデント総隊長はし――」
「し?しの続きはなんだ?死罪か?それとも死刑か?」
登場時の笑い出しからのいきなりのシリアス!展開に追いつけねぇですよナイスガイさん。
「ち、違います!どちらでもありません。……そんな物よりもっと恐ろしいことです」
「ほう?そうか、そこまでか?ふむ、俺を見て敬うでもなくまして恐れる訳でもない……違う何かを恐れる、か。さしずめ――」
何かを言い掛けつつ俺に視線を合わせると同時に紡がれた言葉は。
「神、か?」
「っ!……そ、それは、その」
いやぁレナリアさ~ん。そこまで言われて言い淀んだらそれはもう答えているのを何も変わらないような気がしますよ。
「神の寵愛を受ける人間、歴史上に置いて稀に現れるという使徒というやつかな?もし、それが本当なのだとしたら――」
それまでレナリアさんのそばに立っていたナイスガイさんは俺を見つつ歩み寄ってくる。微笑みながら近寄るその姿は何を考えているのかわからない。う~ん、こっち来んな?
「お前さんは――いや貴方様は我々が王族であろうとも決して逆らってよい存在でないのでしょう。我が配下が大変な失礼を致しました。どうか、お許しを請わせていただきたく」
「い、いや、え、えぇ……ちょっと」
うわぁ王族に頭下げさせちゃったよ~。そして、その原因を作ったジジイは固まって微動だにしていないしレナリアさんに至っては緊張で顔が引き攣ってるしで収拾がつかなくなっている。これはどうするのが正解なんだ?と、とりあえず!
「え~と王様?とりあえず頭を上げてください。なし崩しとはいえ使徒なんて者に選ばれましたが、今ある権威を脅かそうとは考えていませんから(俺は……)」
「……なるほど、こう言っては失礼かもしれませんが、見た目では今ひとつ配慮に欠けるような人物なのではという印象を受けたが……私の目は曇っていたようです。ここに謝罪をさせていただきます」
何って言うか……この人本当に謝罪する気あるのかね?俺には遠回しにディスられているようにしか感じないのだけど?ま、まぁいいか。あまり気にし過ぎると、ね?
「謝罪を受け入れます。気が急くようで申し訳無いですが、何か用があったのでは?」
そう聞いて頷く王様……なんか雰囲気が前とだいぶ違う気がするんだけど?前に会った時はもっとこう威厳のある王様っ!って感じだったのに今はちょいワルな親父っぽいんだよね。
「おぉっ!そうでしたそうでした!」
なんてわざとらしい態度なんだろう……そういう演技をしているっていうのがよくわかる。そのくせ表情はマジっぽいし……やり辛いなぁ。ちょい苦手かも?
「実はですな我が娘レナリアから貴方がこの城を直していただけると伺いましてな。よく聞けば我らの都合でどうとでもなるとか。それが本当ならば是非にお願いしたく参った次第です」
……なんか口調は丁寧なんだけどちょいちょいトゲを感じるのは気の所為だろうか?こう「俺らの都合がつくなら出来るって?なら合わせてやるからやってみろよ」って感じに聞こえてしまうのは、俺が捻くれているからなのだろうか?だが、そんな捻くれた俺でも流石にここまで言われたらやってやろうじゃねぇか!ってなるんですよ!
「もちろん出来ますよ。ただし!その場合城から一人残らず出てください。そうすれば可能です」
まさか俺が即時返答するとは思ってなかったのだろう。面食らった王様は口元を若干歪ませていたが、キッと表情を引き締め直して答えた。
「そ、そうですか。しかし、そこは……どうにかならないだろうか。何人か残っていても大した事はないのでないかな?」
そう言われて少し考える……うん、多分無理だな。感覚的に駄目だとわかる、多分それやったら中にいる人達は……熟したトマトが破裂するかのように……ブルブル、駄目だこれは絶対にヤバいことになるわ。
「え~と、中の人が破裂してもいいなら?」
返ってきた答えにギョッとした3人。あっ、いつの間にかジジイが復帰してたのに……今の答えを聞いて白目むいちゃったよ。
「え、えっと、ユーラさん?それは本当でしょうか?流石に冗談とかでは……」
「いえ、万が一自分が作業をしている最中に本気であれ冗談であれ城内に人がいた場合は……こうです」
俺はそう言いながら握っていた拳を広げて破裂するジェスチャーを見せると……3人の顔が青ざめていた。悪いなとは思うけど、でもこれ本当のことだから。
今回も読んでいただきありがとうございます。
次は50万PVを目指せるよう頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします。
……評価もしてくれると嬉しいなぁ。