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第139話 本職のお仕事

 葉津梛ちゃん達を伴い王都へと帰還してきたのはいいのだが、肝心の葉津梛ちゃん達は有り余る才能ゆえにおじいちゃん預かりとなってしまった。


「心配だなぁ葉津梛ちゃん達。おじいちゃんを信じてない訳じゃないんだけど……それにせっかく会えたのにまた別れたからかなぁ。募る寂しさが尋常じゃないよ」


 言っても仕方ないか。自分のするべきことをしておこう。さーてと、レナリアさんは何処にいるかな?お城のそばに来ると衛兵が崩れた城門前に立っていた。あぁ~これって俺通れるのかな?通行証みたいなの持ってないんだけど?試しにそのまま通れるか通ってみよう。


 如何にも当たり前かのように城門を潜ろうとしたら――。


「止まれっ!現在ここは王族や上位貴族が許可した者以外の通行が禁止されている。通るのならば許可証またはそれに準ずる物の提示を求む」


 あっ、やっぱり?ですよねぇ。……どうしよ?何か持ってたっけ?イマイチ覚えてないなぁ……う~ん、よし!引き返すか!


「あぁすいません!出直しま~す。あとで誰かと一緒に来ることにします」


 衛兵に敬礼をして立ち去ろうとしたら……。


「ユーラさんっ!ようやく見つけましたよ、ハァハァ、一体今まで何処へ行ってたんですか?」


 ちっ……サボる良い口実を得たと思い、トンズラしようかと思ったらレナリアさんに見つかってしまった。入れてもらえなかったとか言って食べ歩きにでも行こうかと思ってたのに。


「いやぁ、レナリアさん実は城内に入れそうになくて困ってたんですよ~。許可証がないと駄目だって言われたものですから」


 俺のことをジトーとした目で見るレナリアさんからそっと目を逸らした。あれぇ?俺もしかしなくても許可証もらってたりしたっけ?やばい全く思い出せないぞ。


「ユーラさん、どうして目を逸らしてるのでしょうか?何か後ろめたいことでもありましたか?」


「いえ?特に何かあるとかは無いですよ?(多分……)」


 チラッと横目でレナリアさんの様子を見ると……めっちゃ俺のこと見てるし。もうガン見レベルだ。どうしよう、マジで何も思い出せないぞ。こういう時に記憶を引き出せないって機会がマジであるなんて思わなかった。


「私最近になってようやくユーラさんが何を考えているのか、わかるようになってきました。今ユーラさんはきっと許可証なんてもらった憶えがない、ってきっとそう考えてますよね?どうですか?」


 はいめっちゃ合ってます!ズバリです!凄いですねレナリアさん。もしかして読心術のスキルでも手に入れましたか。


「ちなみに特別なスキルを手に入れたりなんてしてませんよ?ユーラさんは顔を見ると何を考えてるかわかるようになってきただけです」


「そ、そうなんですか?俺ってそんなにわかりやすい顔してますかね?そんな事ないと思いますけど」


「いえ、ユーラさんとってもわかりやすいです。それよりも……」


 優しげな表情から一転、レナリアさんは表情を変えた。怒っているような困っている様な顔で俺を見てくる。


「お父様からユーラ殿はどうしたんだ!城を直してくれるのではなかったのか!って催促を受けてます。そんな事私に言われても困るのに……ユーラさんが何も言わずにいなくなるから私大変だったんですよ!」


 あれ?えっ?俺そんな事言ったっけ?えっと記憶喪失?まさか若いのにもう……いや!そんな事はない……はず?駄目だ、自信を持って言えねぇ!ただのド忘れかも?いや、それよりもこの事態をどうしようか。


「え~と、どうしようか。出来ると言えば出来るんだけど……そっち次第ってところかも?」


「はい?それはどういう事でしょう?出来るというのは……すぐ、という事ですか?」


「そう、なりますかね?それで……どうしましょう?」


「ちょ、ちょっと待っててください!今お父様にお伺いして参ります!……またいなくなったりしないでくださいよ?絶対ですよ!いいですね!そこの衛兵さん!私が戻るまで彼が何処にも行かないように見張っててください!逃さないでくださいよ、いいですね!」


「あぁ~ってレナリアさん……ちょっとくらいのお出かけは……」


 と言い掛けたところで衛兵さんがそれはもうニッコリと笑いながら。


「兄ちゃん悪いけど逃さねぇよ?あんた逃がすと俺達の首が飛ぶから、な?」


「そうそう大人しくしといてくれよ。ほら、代わりに俺達のおやつくれてやるから、うまいぞこれ」


「どうも……ありがとうございます。ハハハ」


 渡されたのはちょっと大きめのクッキーぽいやつ。試しに一枚食べてみるとサクッというよりはガリッに近い食感だ。噛むのにちょいアゴの力がいるな……味はまぁ……薄味だが、まぁ普通?若干の物足りなさを感じる。


「どうだ?結構美味いもんだろ?こういう仕事してたらゆっくりメシ食う時間もないからな。忙しい時なんかはこれで空腹を紛らわしてるんだよ」


 そう言って豪快にガリッと噛み砕き咀嚼していく。これってもしかしなくても保存食なのでは?いくらなんでもこれが一般の人におやつとして普及してるとは思えない。子供や女性がこのめっちゃ固いやつをガリガリ食う姿……どうなんだ?


 もらったクッキーもどきをガリガリしながら待っていると、遠くから誰かが走ってくるのが見えたけど……誰?


「失礼!こちらにユーラという御仁がおられると聞いたが、あなたがそうであるか?」


 走ってきて俺の正面に立ったのはガチムチの爺さんだ。俺より背が高くしっかりとした体格。見た目かなり強そうな爺さん俺に用って?


「姫様――あぁ~レナリア様がお呼びである。至急城へと参られたしとの事ゆえ儂に付いてきてもらいたい」


「あ、あぁレナリアさんが呼んだと。わかりました案内をお願いします」


「レナリア、さん?むぅ、いや何でもない。ではついて来てくれ」


「了解です。あっ!衛兵さんお菓子ありがとうございました!」


「お、おう!気を付けてな!あと失礼のないようにな!」


 その場を離れながらわかりました~と返事をした。さぁ久し振りの本職のお仕事だ。




「な、なぁ、さっきの御方って確か軍の総隊長殿じゃなかったか?」


「あ、あぁ間違いない。俺もここの衛兵になる時に遠目にお目にしたからな」


「なんで総隊長殿があの坊主を迎えに来たんだ?」


「なんでだろうな?ただ言えるのは」


「なんとなく言いたい事がわかってはいるけど……なんだ?」


「あの坊主が素直に姫様の元に行くのは出来ないのは確かだろうな」


「あぁ……そうだろうな。総隊長殿ってホラあれだろ?俗に言う……」


「脳筋ってやつだからな。真っ先に行くのは姫様の元じゃなくて修練場で間違いないだろうな」



 という会話が俺が立ち去った後にされていたりした。





時間が無くてお急ぎで書き上げましたのでミスが多いかもです。許してください。(;´∀`)

いつも読んでいただきありがとうございます。あと評価をしてくれると作者が喜びます。

よろしくお願いします

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