表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/181

第13話 街からの脱出そして再びの出会い

最近自分の作品を読んでくれる方が増えて嬉しい限りです。増えるたびにモチベーションが上がりますね。いつも読んでくれてありがとうございます。これからも頑張ります!

「え?そっち?私てっきりサイン云々を話して無い事に言ってるのかと思ったわ。」


「そんなのはどうでもいいんだよ!なんてこった、俺は未成年に手を出してしまったのか!」


「ん?私成人してるわよ。だってもう16だもの。さっきも言ったじゃない。」


「え?成人してるの?でも16なんだよね?なんで?」


「なんで?って言われても。だって普通は14で成人じゃないの。知ってて私に手を出したんじゃなかったの?」


「いや知らなかった。それにリィサに手を出したのは、俺が思ってる以上にリィサが大人に見えたっていうのと凄く艶っぽかったんだよね。だからさ、少なくとも20は超えてるだろうなって思ったんだよ。」


「それは何?私が年を取ってるとでも言うの?」



 そう言いながら妙な圧を纏い始めたので、しっかりと弁明する。



「い、いや、そうじゃなくて単純に俺が知ってる16歳にリィサみたいに色気がある子を見た事がないんだよ。だから勘違いしたんだ。」


「へ、へぇ~そうなんだ?私って、そ、その色っぽいの?」


「あぁ少なくとも俺が勘違いする程度にはね。」


「ならいいわ。気にしないでおく。」



 そう言いながら顔を真っ赤にしながら圧を霧散させたあとにテレテレしておる。ういやつじゃ。おっと話がだいぶ脱線してるな。修正せねば。



「っと。話を戻すぞ。なら街を出ていく時はあまり気にしなくても大丈夫そうだな。」


「他の街はどうなのかは知らないけど、少なくともこの街では入る時は厳重だけど、出ていく時は誰が出ていったとかは、いちいち確認しないわね。」



 それなら問題ない。俺のインチキくさいスキルで充分だ。そのスキルを使って脱出しよう。



「じゃあリィサは街を出るまでの間しばらく入ってて欲しい場所があるんだが、構わないか?そこに入っていれば安全に誰にも気付かれずに街を出ていけるんだが。」


「そうね、あなたがそこまで言うならきっと大丈夫なんでしょう。お願いできる?」


「………。」


「ん?何?どうしたの?早くその場所に案内して欲しいんだけど。」


「いやな?自分で言うのもなんだが結構怪しい誘いだと思うんだけど、すんなり聞き入れてくれるんだな?俺はてっきり抵抗されるんじゃないかと思って、色々理由を考えていたんだが…。」


「それは…昨日あんなに抱かれて、色々されながらその…耳元で好き…だよとか、可愛いよ…とか言われたらね。その大切にしてくれるのかな~って思ったから、だからあなたなら私を酷い目に合わせたりはしないだろうなって思ったのよ。だから、その、大丈夫。あなたを信じます。」


「ッ!……。」



  ―ガバッ!ギューー!



「ちょ、ちょっと!どうしたの?待って!流石に時間が早すぎるし、街を出ないと行けないんじゃなかったの?う、嬉しいけど、そ、その…今は困るわ。」


「あ、あぁ悪い。あんまりにも可愛い事を言ってくれるからさ。つい抱きしめたくなったんだ。それと時間が早くなければまたしていいんだよな?」


「それは!その、ちゃんと安全に街を出て、ゆっくりと休める場所が確保出来たらね…それなら、その…またしてくれてもいいかも?~~~~っ。」



 そこまで言うと同時顔を両手で覆い隠してしゃがみこんでしまった。うちの可愛らしいリィサさんです。恥ずかしがってる姿がたまらん。いい目の保養ですね。



「わかった。安全な場所の確保はすでに出来ている。これでスルのは間違いないな!それといい加減街を出ようか。いつまでもここにいると小隊長が押し掛けてきそうだ。」


「ん、んん!そうね、そうしましょう。それでさっきも聞いたけど、どうやって街を出るの?本当に見つからないで出ていけるかしら?」


「あぁ細かい説明はあとにさせてもらって、さっそくスキルを使うよ。発動!【マイシェルター】」



 スキルを発動させると、目の前にピンクの渦が発生した。あれ?なんでピンク?おかしいな?確か前に大森林で試した時には、緑色の渦が発生したんだが、使うタイミングで色が変わるのかな?とりあえずは確認の為にリィサと一緒に中に入ってみよう。



「ねぇ?この中に入るの?私何故か嫌な予感がするんだけど。」


「俺は何も感じないよ?ちゃんと俺が使ったスキルだし、中には何度も入ってるからね。大丈夫一緒に入って安全なところを証明するから。さ!入った、入った!」


「あ、ちょっと、コラ~どさくさにまぎれてお尻をさわるな~。」



 リィサのお尻を押しながら(触りながら)俺も一緒にピンクの渦に入っていく。のだが、中は俺が作ったのとは、別の空間になっていた。



「ねぇ、ちょっと聞いていいかしら?」


「…うん、何かな?答えられるかは知らないけど、とりあえず言ってみてよ。」


「何で入るなり、いきなりベッドの上なの?それにこのベッドって妙に柔らかくてすごく質がいいものに思えるんだけど特別製なのかしら?ピンク色がなんか…その…ソレを連想させるのだけど。私は街を出る前にいきなり求められてるのかしら?ねぇ、答えてもらえる?」



 やたらと疑問形が多いのが気になる所だが、それはいいとしても質問には答えねばならんだろう。と言う訳で、リィサに向き合い話すことに。



「はっきり言おう。なぜこんな空間になってるのかわからん!少なくとも俺自身はこんな空間にした覚えは無い!」


「でもここってあなたが作った場所よね?目の前でスキル発動!って言ってたし、怒らないからちゃんと説明して、私もね、求めてくれるのは嬉しいのよ。でもね、せめて街は脱出してからのほうがお互いに落ち着いて…その…できるでしょ?だから…ね、せめて、せめて街だけは出ましょう。そしたらその…さっきみたいに朝までしても怒らないから…ね。」



 ウ…うぉぉおおお!ヤバイ!女性を知ったばかりの俺の中に居る野獣が目覚めそうだ!でも、勘違いはしないでほしい。俺は本当にちゃんとおじいちゃんから教わって作った場所に案内しようとしたんだ!俺は度し難い程のエロだが、今だけは本当にちゃんとシヨウ…じゃない!案内しようと思ったんだ。信じてくれ!せめて街を出るまでは我慢しようと思っていたんだ。(街を出るまでしか我慢できないとも言う)



「き、聞いてくれ!リィサ!俺はちゃんとした場所に案内するつもりだったんだ。ちゃんと、おじいちゃんに教わりながら作った空間だったんだ。信じてくれ!」


「うん…その…お祖父様に教わったのが、何かは聞かないけどね?待つだけなら私は…そのここで待ってるわよ?街を出たらしてあげるって約束もしたし…ね。だから大丈夫よ。待ってるからお願いね?一緒に連れて行ってね?」



 駄目だ!うまく誤解が解けない!事前にヤリ過ぎた自分が悪いのもあるんだが、本意じゃない。せめて誤解を解いておきたいが、今は何を言っても意味がない。それなら、まずは街を出て安全が確保できそうな場所に付いてからもう一度説明しよう。



「わかったよ。とりあえずそのままここで待っててくれ。街を出て安全な場所に付いたら、もう一度話そう。それまではちょっと落ち着かないかもしれないがゆっくりしててくれ。この部屋にある物は何を使ってもいいからさ。」


「うん、分かった。いってらっしゃい。帰ってくるの待ってるね。」



 ベッドの上でペタンと女の子座りをして、俺を見送ってくれるリィサ。ヤバイ…可愛い。…街を出る前に一戦交えてもいいのではないだろうか?いやいや!せっかく送り出してくれてるんだ。リィサの心の安寧のためにも一肌ぬいでおこう。さて!張り切ってイクゼ!じゃない!行くぜ!



 リィサに見送られながらピンク色の渦をくぐる。よし、部屋の中に誰かが立ち入った様子はないな。

きっと小隊長達は、今だにリィサが俺の見張りを継続してると思ってるのだろう。そう思い込んでいるだろう間に、この街を離れてもっと過ごしやすい場所に行こう。そうすればリィサと二人で落ち着いてイロイロ出来るだろう。今から楽しみだ。なんかシテからずっとそればっかり考えてるな。油断して足元を払われないように一度気を引き締めるか。



 部屋の中心に立ち深呼吸をする。深く深く吸う、そしてゆっくり息を吐く。これを10回程繰り返して終える。これでだいぶ冷静になれた。せっかく異世界にきて手に入れた幸せの1つを失う訳にはいかないんだ。限りなく冷静に周囲にある状況を的確に把握して、この状況を打破しよう。

大丈夫だ、俺はあの魔物の巣窟と呼ばれた大森林で1年も過ごしてきたのだ。それに比べればなんてことは無い。よし、行こうか。



 1階に降りて、店員に部屋の鍵を返して世話になった礼を言って宿を出た。後ろから「ありがとうございました~また来てくださいね~」と間延びした喋りの店員さんが見送ってくれた。あの店員さんも巨乳さんだったな。もし、リィサと関係を持ってなければ、あの店員さんを1人寂しく眺めるだけだっただろうな。さらば!巨乳の店員さん!いつかまた会えると良いな。



 いろんな事を考えながら街の大通りを歩いていく。人気のない場所を探してそこから一気にフライトで空を飛んで街を出て門番をやり過ごそうと考えていた。のだが、宿を出る前から俺が展開しているスキル【気配感知】で俺の後を一定間隔で付いてきてるヤツがいるのを確認できた。どうやら、連絡が無い事に疑念を抱いて別の手段を取ったかな?それでも俺が取る行動は何も変わらない。しっかりと巻いて目的を達成させてもらう。



 ここらへんがちょうどいいかな?俺を付けて来てるヤツも少し離れた建物の影から俺の様子を伺ってるようだ。今なら行けるな、だが用心をするに越した事はない。相手もどうやらタイミングを図っているようだ。



 だが黙ってそれを受け入れる訳にはいかない。ここらでそろそろ考えていた行動をとらせてもらおうかな?この先に如何にも騎士団といわんばかりの格好をした奴らが待ち構えているが(本当に騎士団かどうかは知らないが)、そこには行かないよ。スキルと魔法を行使して、徹底的に姿を消させてもらう。ではスキル【気配消失】光魔法【ステルスコート】さぁ、見つけられるなら見つけてみろ。



 ここで今使ったスキルと魔法の説明をしよう。まずスキルだがこれは字を読んで如く自身の気配を限りなく消失させるスキルだ。限りなくなのは単純にそれが限界だったからだ。次に魔法だがコレは創造魔法で創りだした光魔法で創ったあと属性魔法に分類されている。効果は文字通り透明になるのだが初めて使用した時は【ステルス】だったのだが、使ってみるとうまく透明になりきれず斑模様のようになっていた。イメージが足りないせいだとおじいちゃんに言われたのでコートをイメージした所うまくいったので【ステルスコート】となったのだ。さて、説明はここまで騎士団はどうしたか?というと。



 唐突に俺という目標を見失った騎士団と後を付けていた人物は慌てて合流し、俺を探しているようだが見つけることは不可能だろう。その理由はおじいちゃんにお墨付きをもらったからだ。なんでもおじいちゃんですら、しっかりと意識を集中しないと見つけるのは困難だそうだ。神様すらも欺くこの力があまりにも強力なので、何故ここまで効果があるのかを聞いてみたのだが、これまたすごい理由だった。



 なんと俺が使うスキルや魔法は神様に匹敵するほどであり、この世界に存在する生き物では俺の力に対して対抗手段を用いる事はできないだろう。との事だ。そんな訳で俺はまったく心配する事なくフライトの魔法で空に上がっていき、この街を後にする事が出来るというわけだ。



 上空からしばらく様子を見る。俺が居なくなったことに気がついて懸命に探してるようだがあまりにも見つからないので騎士団の隊長らしき人物が部下と思われる人物に八つ当たりをしているようだ。最悪だな。見つからないでよかったよ。あんなヤツに見つかって捕まっていたらかなり面倒になっただろうな。さて、ここまでにしてそろそろ行こうかな?早くゆっくりしたいしね。



 まずは目的地を探すために、街のかなり上空まで上がっていく。もしかしたらここから次の街が見えないかな?と期待を込めてだ。だが残念な事にまったく何も見えない道が舗装されていたりもしてないので、馬車などのわだちを探して見回すがそれすらも見かけない。ここって辺境って言われるだけあって、人の往来おうらいはおろか交易すらも少ないのかもしれない。これは地道に探して行くしか無いかもな。



 街の上空からだけではさすがに見つけるのは難しいと判断して、街を旋回するように徐々に外周へと範囲を広げていくと、昨日助けた騎士団?一行が見えた。こちらの存在は【ステルスコート】により見えないはずなので、ゆっくりと距離を縮めつつ状況を伺っていると、なんとあの一行またも襲われているじゃないか。今度は何と戦っているというのか、好奇心を刺激されたので見に行く事にした。



 気付かれたくないので念の為に【気配消失】を切らずに徹底的に知られないようにする事に。

近寄って見てみると…あれは大森林のもりのくまさんと宿で食べる事が出来たチャージラビットの集団だ。えっと熊が2匹にウサギが13匹か。大した数じゃないな。あれだけなら1分もあれば予備の食料と素材に早変わりだ。特に手助けは必要ないだろう。それにあんな失礼な態度を取ったあの女には苛立ちしか感じなかったしな。巨乳さんだったのに残念だよ。



 とりあえずこの場を離れて探索を再開しようと思った時だった。悲鳴が聞こえてきた。おそらくあの女の悲鳴だろう、見なければよかったはずだが俺はついその方向を見てしまった。どうやら騎士団たちは倒され、あの女だけが生き残ってしまったようだ。騎士団がいくらかは倒したようで残るは熊2匹にチャージラビットが1匹となっていた。なんであれだけの人数がいてチャージラビットを12匹しか倒せないんだ!曲がりなりにも辺境を移動するなら、それなりの強さがあって然るべきだろ。なのに何でチャージラビットにやられて全滅してんの!せめて熊を倒せよ。宿の夕飯に出てくるウサギぐらい全滅させて倒れろよ!



 あークソッ!本当に見なきゃよかった。放っておけばどう考えてもあの女も死ぬ…俺に罵声を浴びせたんだ。どうなっても関係無いはずなのに…それなのに、どうしてもそのままには出来ない!きっとここで見捨ててしまえば、俺が前の会社に勤めていた時に俺が上司に甚振られていても見ないふりをしてた周囲の奴らと同じだ!そんな奴にはなりたくない!偽善だろうがなんだろうがどうでもいい!後悔するぐらいなら行動した上で後悔すればいいんだ!



 俺は気配消失とステルスコートを解除して一気に距離を縮める。間に合え!今は余計な事を考えずにただ彼女を助ければいい。このままじゃ熊の一撃でやられる!あんな装備じゃあの熊の一撃に耐えられるとは思えん。



「おい!伏せろ。やられるぞ!」



 俺のその言葉に女が俺の方を向いてしまった。くっ!余計な事を言ってしまった。声を掛けられたら振り向くのは当たり前なのに!こうなったら俺が盾になって防ぐしか無い。どうせ大したダメージにはならない。今まで戦ってきてるから殴られた事も何度もある。その時の経験から判断すればいけるはずだ。



 素早く女を背後に逃し、俺自身が盾になる。その瞬間―ドゴンッ!と熊の右手と俺の交差クロスした腕がぶつかった。肉と肉がぶつかった音じゃないようなそんな音が聞こえた。だがそれでも大したダメージにはならなかった。どうやら本格的に人間をやめ初めたようだ。今の衝撃例えるなら運動に使うビニールボールを受け止めたぐらいにしか感じなかった。はっきり言ってかすり傷すら負ってない。



 ならばする事は唯一つ。殺して食材&素材にするだけだ。女はまだ後ろにいる頭を抱えて蹲っている。よかった無駄な動きをする事ははなさそうだ。今のうちにやっつけてしまおう、まずは目の前にいる熊だ。俺に振るった右手を出した状態なので、そのまま右手を掴んで手繰り寄せ姿勢を崩した状態になった所で引き寄せた反動を利用して熊の顔面にそのまま蹴り技を叩き込む!



「喰らえ!飛燕脚!」



 この技、俺はせいぜい頭蓋骨を粉砕する程度だと思っていた。しかし俺は1年近く魔物の巣窟と呼ばれた大森林でレベルアップした自身のステータスを改めて見る事を全くしなかったので自分がどれだけ強くなったのかよくわかってなかった。それもあり完全に自分の力を見誤ってしまいオーバーキルになってしまった。結果どうなったかというと…。―バンッ!という破裂音と共に熊の頭部は吹き飛んでしまった。



 倒れていく熊、技の余韻で倒れた熊の後方に控えていたもう一匹の熊に飛んでいく俺。そのまま2匹目の熊の胸の部分にそのまま蹴りが当たる。そしてそのまま―ズブッ―ググゥッ―ボンッつま先が熊の胸部を貫通し絶命させる。だけど俺は技の勢いが止まる事なく更に大きな穴を開けてそのまま体ごと突き抜けてしまった。



 突き抜けたあと俺の全身は熊の血と肉片まみれの状態で地面に着地した。あぁとてもくさい。


 

さて、また会ってしまいましたね?彼女は一体何者なのでしょうか?実はこの物語において重要な役割を持っていたりします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ