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第136話 お前いい仕事したよ

 何事もなく朝を迎えた。


 朝もまだ早すぎる時間だからか、まだ異世界に体が馴染んでいないのか姉妹達は今も夢の中だ。


 俺は昨日寝る直前にいないことに気づいたプランを捜索するべく、物音を立てないようにこっそり小屋を出た。


 周囲を見渡していると近くの草むらからプランが出てきた。……意外と近くにいたようだ。


「お~プラン忘れててごめんなぁ。よしよし」


「クルクルゥ~」


 頭を撫で毛並みを整えてあげながらプランの機嫌を伺う、どうやら放置された事は気にしてないようだ。よかったよかった。


 そうだ通じるかどうかはわからないが、プランにこの後の予定を伝えて一緒についてきてくれるかを尋ねてみよう。


 プランを抱えて目の高さに合わせて声を掛ける。


「なぁプラン?俺はこれから知り合いと一緒に王都って場所へと戻るんだけど、お前はどうしたい?一緒についてくるか?それともここに残るか?どうしたい?」


 するとプランは俺の手から胸元へと飛び込んできた。ニャアと鳴きながら頭を擦り付けてきた。


「えぇっと、一緒についてくるで良いのか?」


 ニャアの鳴き声と共に俺を見上げてくる。それと同時に腕に尻尾を絡ませてくる事から一緒にいたいという判断で良さそうだ。


「そっかそっか、ならこれからもよろしくなぁ~。ウリウリ」


 プランのアゴを指で軽く撫でて上げながら、しばし癒やしタイムを満喫する事にした。



 時間も経ち日も昇ってきたので、そろそろ姉妹達には起床していただくとしよう。プランを降ろそうとしたら、素早く俺の脚を駆け上りそのまま頭の上まできてそのまま落ち着いてしまった。


「ま、まぁいいか。さて、お嬢さん方を起こしに参るとしますか」


 小屋の扉をこっそりと開けて中の様子を見てみる。どうやらすでに起きていたようで俺を見た瞬間姉妹達は一斉に俺に向かってきた。


『何処に行ってたの?優くん!(優良君)(優良さん)(優良)(優)』


「おっとと!あぁごめんごめん。何も言わないで出掛けてごめんね?ちょっとコイツを探しに出てたんだよ」


 俺は頭の上に鎮座するプランを指差す。それまで焦りで気づかなったみたいだが、俺を見て落ち着いたのかプランを見て目を瞬せていた。


「ゆ、優くん?此奴は何者で?」


 ちょいちょい葉津梛ちゃんは口調がおかしくなるな。しかも毎回違って安定しないときたもんだ。何かのアニメとか影響なのかな?俺にマニアックな対応はできないぞ。


 「あぁコイツは一応魔物でね。ちょいと色々あって仲良くなったからそのまま連れてきたんだ。なぁプラン?」


 「ニャッ!」


 俺の問い掛けに返事をしたプランに口元のニヤニヤを我慢しながら、ジッとプランを眺める姉妹達。あれは明らかに構いたくてしょうがないんだなと思いながら姉妹達の様子を見ていたら頭の上のプランの様子がおかしい?尻尾を震わせて何かを我慢しているような……と思っているとプランが頭の上から降りて姉妹達の足元へと駆けていく。


 まさか魔物の本能で姉妹達を襲おうとしている?完全に油断していた俺は急いでプランを止めようとして……間に合わなかった。


「ちょーー!こらー!」


「キャッ!何を……」


「おわぁ!この猫スケベェだ!」


「卑猥な猫めっ!」


「イケナイ猫さんですね?(ちら)」


 なんということでしょう。うちのプランはよりにもよって姉妹達のスカートを思いっきり捲ってしまいました。(黄色、グリーン、ピンク、赤にそして黒、か。良いものを見せてもらった)


 姉妹達のスカートを捲って満足したのか再度頭の上へと帰還してきた相棒プランお前いい仕事したぞ。などと思っていると何やら冷たい視線を感じたのでその先を見てみると……。


「優くん……そのおスケベ猫ちゃんを仕掛けたのは優くんって事でいいのかな?かな?」


「優良さん、間接えっちならいいって訳ではないです」


「優良まだ早いって言ったろ?」


「卑猥猫の使役者も卑猥?」


「優良君……見た責任は必ず取っていただきますので」


 姉妹達から軒並みエロ判定を受ける中1人だけ確信犯的な人がいるがとりあえずそれは置いとくとして。


「プラン?なんで急にこんな事をしたんだ?ほら見てみ?お前の御主人様はたった今エロい奴のレッテルを貼られてしまったぞ?お前と一緒に?それにそういう事をするならちゃんと俺の判断を仰がなきゃ駄目じゃないか(どうせやるなら的確な指示を出してやったというのに)」


「ニャア?」


 首をかしげながら鳴くプラン、可愛いヤツだな~アゴをカキカキって違くて!そうじゃないんだよ。


「ほ~れほれほれってそうじゃなくてな?なんで急にイタズラなんか……ってあぁ!もしかしてアレか!スキルか!」


「ニャッ!」


 確かプランを鑑定した時にあったスキルに悪戯ってスキルがあったし、備考欄に時折イタズラさせてあげると良い的な事が表記されてたな?もしかしてイタズラをしたい反動に駆られる何かがあったのかも?とりあえずプランがした行動の謎も解けた事だし、姉妹達にはプランの事をしっかりと説明をしたのだけど……。


「それにしてはこう……なんというか優くんに都合が良いというか。おスケベチャンスが過ぎるというか」


「ですね……あまり優良さんを疑いたくはないですが、タイミングを狙って指示をだしたとしか」


「優良は……まぁ前からこうスケベなところがあったからな!しょっちゅう胸とかチラ見してたしな」


「うん、優はすけべ。それは間違いない」


「フフ優良君はえっちですね。良いんですよ?責任さえ取ってくれれば私は」


 あれ?俺なんかゆっくり外堀を埋められてる様な?気の所為かな?軽く身震いを覚える俺をよそにニャ~と鳴きながら我感せずを貫こうとするプランを軽く処す事にした。


「オラァ!プラン!お前が引き金を引いたんだぞ!どうしてくれるんだ!」


 魔法でプランの鼻にちょっとお茶目を利かした空気を撃ち込んでやった。のほほんとしていたプランは突然の仕置に床に落ちてのた打ち回る!


「ニャーーー!ニャーーー!(汗)」


 めちゃのたうち回っている……あれ?ちょっとした冗談で軽めのオナラ程度に済ましたはずだけどなぁ?(棒)


 あまりのプランの異常事態に姉妹達が心配し始めた。


「ちょっと優くん?動物虐待は関心しないよ?やめてあげようよ」


「あの優良さん私達も言い過ぎましたから……これ以上は可哀想です」


「そうだぞ優良!発端はそこの猫かもしれないけどお前もなんだかんだしっかり見たのは確認してたんだぞ?そこら辺で許してやれよ」


「私達の見た以上優も同罪。これ以上は許してあげるべき」


「そうですよ優良さん。ほんのちょっと責任を取ってくれるだけで良いんですから、ね?」


「いやぁほら俺達って相棒だからどうせ罰を受けるなら一蓮托生で良いかなって?」


 まだのたうち回っているプランが流石に可哀想に思えてきてしまったので、魔法を解除して宥めて上げよう。


「おぉ、スマンスマン。流石に少し?やり過ぎたな。でもお前も悪いんだぞ?イタズラするならちゃんと自己責任でだぞ?今後こんな事が無いように今ここでちゃんと約束しような?」


「にゃ、にゃあ~……」


 どうやら魔物とはいえ流石に反省する事はできるらしい。少し可哀想ではあるが、人間の中にはちょっとしたイタズラ程度でも冗談で済ませられない奴もいるからな。プラン自身のためにもここはほんの少しだけ?俺も心を鬼にせざるをえなかったのだ!!


 俺に恐怖を覚えたのかプランが若干後ずさりしてるようにも見えるが、これくらいなら飼い主としては当然の躾?と言えるだろう。うん、だいぶ怯えて見えるが大丈夫。さぁ!気を取り直して出発だ!!



話がそろそろ動き出します。かなり遅めですが進みだすと早いはず……とりあえず頑張ります。


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