第135話 姉妹達はどうしたい?
あの後伝えていなかった恋人が1人では無いことなどを含む諸々を説明した。まぁその際に――。
「優くんはやっぱりパーフェクトおスケベだった!」
「優良さん……えっちです」
「優はエロの王様?」
「優良……すぐには無理だぞ?」
「やはり優良君はKINGofTOUGHNESSですね?フフフ」
と言われてしまった。自業自得の上に事実ではあるので反論の余地は無いんだけど。だが!俺の恋人になるというのならいずれ俺のおスケベ力を見せてやろうぞ!
話が弾んでいるが、そろそろ行動に出ようとここから移動したいことを姉妹たちに伝えたのだが。
「優くんもうお外真っ暗だよ?こんな真っ暗な中歩いていくのはちょっと怖いよ」
「ですね……今日はここに泊まって明日出発では駄目ですか?」
「いえ?悪くはないですよ?ただ皆が良いならですけどね?」
「アタシらは構わないよ。何も無さそうな場所だけど適当に話でもしてればそのうち眠くなるだろうし」
「ん、千梛が言う通りで良いと思う。下手に出歩いて迷う方が怖いから」
「優良さん私からもお願いします。その……夜はちょっと……」
まぁ嫌がっているのを強行するのは俺としてもどうかと思うので構わないんだが……姉妹たちはわかっているだろうか?ここにおスケベ狼さんがいるということに?そんな俺の心情を読み取ったのか葉津梛ちゃんが先手を打ってきた。
「ゆ、優くん!お、おスケベはまだ駄目だよ?もっとちゃんと段階を踏んでからが……い、良いなぁって、あと出来たらもっとちゃんとしたところで?」
それはアレかい?いずれちゃんとしたところでおスケベしようやっていう予約かい?じゃあ予定をクンで……組んでおくとするよ。
俺が妄想に浸っていると、コソコソと話し声が。
「(ちょっと葉津梛姉さん!どうするんですか?今の葉津梛姉さんの発言を聞いて優良さんが凄いえっちな顔してますよ!)」
「(えっとぉ……アハハ、優くんはおスケベだからしょうがないんだよ!それに和津梛も興味はあるでしょ?)」
「(それは……そう、ですけど)」
「(ま、まぁ良いじゃん!いずれそういう機会が巡ってきたら考えれば!なっ!)」
「(私もそう思う、今はまだその時じゃないっていうか)」
「(そうですね。あまり考えすぎてドツボに嵌まってしまうよりは、多少匂わせておいて私達の覚悟が決まるまで待っていただいた方が良いかと)」
ん~小声で話しているのが、無駄に高いステータスのせいでハッキリと聞こえてるんだよねぇ~。とりあえずは姉妹達からの動きがあるまでは俺は静観してるとしよう。
まだボソボソと小声で話が続いているのでベッドでも準備しておくとしよう。まぁ準備と言っても今から作るわけではなく、すでに何かあったらと思って事前に作り置きしていた物をマイバッグから出すだけだし。
「そ~れホイホイっと。並べて~……っとこれでOK!おっと!そうだ、万が一があるといけないから小屋の周辺の結界を重ねて掛けておくかね……んー……よしっ!これで完了!あとは明るさを調整して寝るだけだな!」
就寝の為の準備を終えてなんとはなく姉妹達を見やると目を見開いて俺を見ていた。おや?どうしたのかな?
「何?どうしたの?その不思議そうな顔はなに?」
『いや……イヤイヤ!!今のオカシイから!』
何?可笑しい?可怪しい?どっちだろう?
「今の面白かったの?」
「いや違うよ優くん!面白い方の可笑しいじゃなくて怪しい方の可怪しいだからね!今のって何?どこからこのベッド出したの?あと何か変な感じしたのも何?」
「そうですよ優良さん!何ですか今の!すごく気になるんですけど!?」
「えっとこれって?手品か何かなのか優良?」
「うん、とても気になる。優……教えて欲しい」
「……もしかしてこの世界に来て手にしたという力、なのでしょうか?合っていますか?優良君」
お、おぉ……そういえばこの世界では当たり前に近い力だったから気にせず使ってしまったが、そういえば向こうの人からしてみれば超常の力なんだった。
「く、詳しいことは明日にでも、ということでどうかな?せっかく準備したから今日のところはオヤスミということで?ほ、ほら?皆も色々あって疲れたでしょ?知らないだけで体力的にも精神的にも結構キていると思うよ?」
ム~っとした表情でそれぞれが見てくるが正直言葉だけの説明がしんどい。明日実践を交えて適当に説明すればいいだろう。と思っている。
「わかりました。ここは優良君の顔を立てて置きましょう……ですが、明日にはしっかりと説明をしてくださいね?」
「は、ハイ!もちろんですっ!」
なんだ今の静梛さんの有無を言わせぬ圧力は。妙な迫力につい返事をさせられてしまった。ま、まぁ?一応は説明はするつもりではいたから問題ないけどね?うん!決して圧されて返事をしたとかではないんだよ。
意外と言えば失礼かもしれないが、姉妹達はそれ以上の問い詰めをしてくることもなく大人しく就寝してくれた。……よかった、これ以上問い詰められていたら言わなくても良いことまで言ってしまいそうだったから。
いやいや~それにしてもだよ、よくもまぁこの異世界に自ら飛び込んでこようと思ったなぁ。俺なんてあんな事になってなければ異世界があるって言われても来ることはしなかったと思うんだよねぇ。それだけでも大したモンだけど……直ぐ様この世界に順応し始めてる感じがして俺としてはもうなんともはやと言った感じだ。
姉妹達がここへ来た事は残された人達はわかっているのだろうか?皆きっと心配してると思うんだけど……何故だろう?全く問題が無い気がして仕方ない。特にあの人姉妹達の母であるあの人が何も対策やその後の対応をしないとは思えない。
さてと俺も眠るとしよう振り返れば長い一日だったような気がする。あれ?そういえばプランはどこへ行ったのだろう?姉妹達に会うまでは一緒にいたはずだけど?まぁそれも明日にしよう、元々は魔物だしそうそう簡単にはやられたりは……しないよね?うん、明日はちょっと早めに起きてプランを探すとしよう。
前話の投稿がうまくいっててよかったです。確認が取れるまではドキドキしっぱなしでした。