第134話 千梛さんは戦闘狂?
さぁ!楽しく厭らしい妄想はさておき。そろそろこれからの行動を考えていこう。
これからは一緒に行動をするのは決定で間違いないけど、姉妹達にはこれからこの世界で何をしたいのかを聞いておきたい。内容によっては俺はしばらく姉妹達の面倒を見続ける必要がありそうだし。
「え~ご清聴願います!神楽坂姉妹の皆様!」
ガヤガヤと騒いでいた姉妹達は俺の呼びかけに視線を集めてくれた。
「なになに?何かな?優くん?」
「皆にはこれからの事を聞いておきたくて。まさかずっとこの小屋に住み続ける訳にはいかないでしょ?」
「そうです!そういえばその事を優良さんにお聞きしたかったんです!優良さんはここでずっと生活をしていたのでは無いんですよね?」
おぉ!一応和津梛ちゃんはこの小屋の状態を疑問には感じていたようだ。ならば話は早いというもの。
「そうだね、ここにいたのは少しの期間だけだったよ。ここである程度この世界の常識を身に着けたり?とか。あとは、この世界ってファンタジーの世界みたいに魔物が存在しているから、ソレと戦えるようにある程度?の強さをここで手に入れたんだよ」
「ホォ~ってことは何か?優はアタシよりも強くなったって事か?」
あ~もしかして千梛さんの琴線に触れたかな?この人って向こうではそれなりの力自慢もとい戦闘狂の癖があったな~。こりゃ一悶着起きそうだ。
「どうよ?優。そんなに強いならアタシと一戦ヤろうぜぇ~」
うわぁ~舌舐めずりしておる。そして、舌舐めずりした際のヨダレが垂れている。これ千梛さんの癖を知らない人が見たら只のアブナイ人だな。
「それはさすがにやめた方がいいかな?手加減されたりなんかしたら千梛さん怒るでしょ?」
「あったりまえだ!男とか女とか関係ねぇ!本気でぶつかってこそだろうが!」
すでにヒートアップしてますな……一戦やらないといけない感じだろうか?手加減ってバレなければおk?でも後々バレそうだしなぁ。そうなると後が面倒くさい。……仕方ない。
「千梛さん、俺はここへ来てかなり戦える様になりました。それこそ千梛さんが太刀打ちするのが困難なほどに……なので千梛さんが俺の動きを目で追えるようであれば一戦もうけるというのはどうですか?」
「ほぅ……言うじゃねぇか。なら優!お前が身につけたっていう動きを見せてもらおうじゃねぇか!」
わかりやすく引っかかってくれたな。千梛さんならすぐに掛かると思っていたよ。千梛さんは結構単細b……いやちょっとばかり気が短いからな、うん。
「じゃあ小屋の中じゃなんだし、ちょっとだけ外でましょうか」
「おぅ!見せてみろ見せてみろ~。あ~ただし!大した事なかったら……わかってるよな?」
「え、えぇ。それはもうもちろんです」
それはもう身に沁みてますとも……出会って間もない頃はよくシバかれたもんだよ。この人どこで身につけたのか知らんが妙に格闘技に通じてたからな。
外に出た俺達は向かい合って準備をする。いきなり始めて何度も何度もやり直しを要求される様な手間は掛けたくない。
「さぁ俺の動きを見破る準備は良いかな千梛さん?」
「おぅよ!掛かってこいコラ!」
ガラが悪すぎるわ。まぁ個性といえばそれまでだけど……さて。
「じゃあ行っきまぁーす」
「来い!優!」
速攻で後ろに廻って肩をチョンっとすればいいかな?程々の力加減で――。
フッと風切り音すらなく千梛さんの背後に廻り肩に触れた瞬間。肘打ちが顔面に向けて繰り出された!
「うわっきゃあおぅ!な、なんでもう後ろにいるんだ!」
「うぉっと!あぶねー。危うく顔面を強打されるところだった!」
パシンッ!という音と共に手の平に軽い衝撃を受ける、千梛さんの動き自体はしっかりと見えていたので受け止めた。が!よくあの一瞬で反応したな!流石と言うべきか?
「反射神経凄いですね千梛さん?まさかあんなに速く反撃がくるとは思いませんでしたよ」
「……るな」
「えっと?なんて言いました?よく聞こえなかったんですけど……」
「やるじゃないか優!お前がここまでできるようになってるなんてな!」
喜びのあまりなのだろうけど、千梛さんは胸に携えたその豊潤な実りに俺の頭を抱え込んだ。その
感触たるや。
「ふばらひい!(素晴らしい!)」
顔面を包み込むその柔らかさたるや、その本人の気性などは関係ないのだと思わせるのには十分なものだった。まぁ考えるのはあとだ、今は……誰かが止めに入るまで堪能できる分だけ堪能するのだ!!
「ちょっ!え、えぇ!!せ、千梛姉さん!優良さんに何をしてるんですか!えっちはだめです!」
「そうだよ!私達にも一人でえっちなのは駄目だよ!」
「流石ハレンチ千梛……ドサクサ紛れがちょー得意。(あとで私もやろう)」
「千梛……それはまだ早いかと」
この柔らかさを堪能しながら思う……この幸せは何ものにも代え難いものなのだと思いながら姉妹達のやり取りにこっそり聞き耳を立てていた。
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