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第133話 姉妹たちとの一時

 えぇ~どうも皆さん元気ですか?俺は絶賛居た堪れない空気に晒されています。思いっきり自業自得ではあるけど……それでも言わせて欲しい――誰か助けてっ!!


「優くん……聞きたい事があります」


「な、なにかな?葉津梛ちゃん」


 重苦しい空気を振りまきながら詰め寄る葉津梛ちゃん。何を聞かれるのか。


「……っちはしたの…」


「えっ?なんて?」


「だ、だからぁ!えっちはしたのかと申しておりまする!」


「そ、そう、ですねぇ……」


「包み!隠さず!ハッキリと!カモン!!」


 勢いが凄い……あと顔の迫力よ。女の子がする顔じゃないって。


「さぁ!さぁ!さぁ!サァーーー!!」


 勢いが凄すぎてサーブする人みたいになってる!!致し方なし……覚悟を決めるとしよう。


「え~……大変言い辛いのだけど……」


『ウンウン、で?』


 急に声を揃える姉妹たち。息揃いすぎじゃね?


「致し……申した」


『お、オォ~ッフ……なんて事』


 気、気不味い事この上ない、すごく悪い事をした気分だ。この皆の落ち込み方は俺にもかなりクルなぁ~。でも、してしまった事はもう覆せないんだ。すまぬ!姉妹たちよ。


「み、皆の気持ちも知らずにごめんなさい!え~と、その言い訳にしかならないとは思うけど、ここに来た当初はかなりタガが外れていてですね、かなり無茶をしたというか、してしまったというか」


「あ、いや、違うんだよ優くん!アレだよ?軽蔑したとかじゃなくて……その、なんというか、え~ともうちょい早ければ優くんのアレは私達の誰かがゲット出来たのになぁ~って……思ったりしてですね。うん、若干もっと早めに行動を起こしておけばよかったなぁ~って、もう!乙女になんて事言わせるのさ!優くんのおスケベ!」


「――ぶべらっ!って物理的ツッコミと同時に精神を攻めるのはやめてよ葉津梛ちゃん……いやまぁ言わんとすることはわかるんだけどさぁ」


 あとスケベにおをつける人初めてだよ……なんだよおスケベって。


「まぁお初を経験してしまったというのは仕方ないにしても……ぶっちゃけ優くん……どれくらいおスケベをしたんだい?おねえさんに教えてご覧?ア~ハン?」


 誰だコイツ?葉津梛ちゃんはこんな娘ではなかったはずなのだが……それとも今のも俺が知らない葉津梛ちゃんの側面なのか?どうにもやり辛いな。


「具体的な数字を教えろと言われても困るんだけど……まぁそれなりにとしか」


 俺の言葉に大袈裟に驚いた様子を見せる姉妹たち。うん、知らない姿ばかり見るなぁ。


「あらあらまぁ!優良くんはお盛んなんですね!性に関しては剛の者なのでしょうか?KINGofTOUGHNESSなんですね!」


 なぜキングオブタフネスだけネイティブばりに流暢に発音したんだ……。


「え~とまぁなんというか……嗜む程度です」


 嘘です。ガッツリおスケベで御座います。嗜む程度どころかゴリゴリのおスケベに御座います。


「え~?優くんは絶対パーフェクトおスケベだと思うんだけどなぁ?好きになった人には押せ押せだと思ったんだけど……的ハズレだったかなぁ」


 ハズレて無いんだよなぁ~。どちらかというとどストライクの意見なんだよ。見事に真芯を捉えて俺に直撃したし。というよりもだよ!俺の事よりも神楽坂姉妹たちの事を聞かなきゃ。


「それよりもだよ!皆はこれからどうするの?流石にここまで来たからには帰るなんて選択肢はないんだよね?」


『それだけは絶対に無い!』


 声を揃えての意見にかなりグッと来た。ほんの少し泣きそうになっちゃったよ。一人想いに浸りそうになった俺に和津梛ちゃんが声を掛けてくる。


「優良さん……私達は、いえ私達も優良さんと一緒に連れて行ってもらえませんか?……もう、離れ離れになるのは嫌です……あんな思いはもうしたくないんです!」


「和津梛ちゃん……ごめんね。病院では辛い思いをさせたね。……わかったよ。皆が嫌でなければ一緒に行こう!」


「ハイ!もちろんです。皆優良さんと一緒が良いです!」


 と、盛り上がっていた俺と和津梛ちゃんだったが何気なく周囲を見ると……。


「これはこれは~ほっほぉ~盛り上がっておりますなぁ和津梛?アタシ達も交ぜてくれると嬉しいんだけどねぇ」


 そこには千梛さんを筆頭にからかってやろうという表情をした姉妹達。しまった!油断した!忘れていた……そういえば千梛さんを筆頭にこの姉妹たちは基本的に人をからかうのが大好物な人達だった!


「……私達も優のこと好きだけど和津梛と……葉津梛は一段と想いが強い気がするね?やっぱり私達よりもそばにいる時間が長いから、かな?今も和津梛と優良のやり取りを葉津梛がウットリした顔でずっと見てたし、ね?」


 葉津梛ちゃんに飛び火した!突然のことに焦る葉津梛ちゃん!さぁ、どうする!?


「ちょ、ちょちょい!どうして急に私にくるかな?かな?そりゃー卑怯ってもんじゃん?」


 その様子をニタァと笑って見ている千梛さん。間違いないアレは獲物を見つけた時の顔だ!


「おやおやぁ~?どしたどしたぁ~?何をそんなに慌てているのかなぁ?は~つ~な~、それぇ~」


 素早く葉津梛ちゃんの背後に回った千梛さんが歳の割に大きな胸をした葉津梛ちゃんの胸を揉みしだく!なんてことだ!いいぞ!もっとやれ!


「ちょ、ちょっと!優くんの前で、そんな、こと…したら!ふっ…ぅ…うぅ…」


 おぉ~やべぇ見応えしかねぇよ。アリーナ席あざぁーす!


「ほぉ~ら見てる、見てるよ~。優良が見てるよぉ~」


 服越しにも関わらずハッキリとわかる胸の形が妙に卑猥に見えてしょうがない想像力を掻き立てられるからだろうか?最高だな、ずっと見ていられそうだ。しかし、その桃源郷は突然終わりを迎えた。


「はぁ~い、そろそろ終わりにしましょうか。優良さんの色々な表情が見れて楽しいですが、話が進まないのでここまでにしましょう」


 静梛さんの一言で終わりを遂げた桃源郷……。あぁ…もっと見ていたかった。そんな俺に静梛さんが耳元で……。


「(私達と恋人になれば今以上のものをお見せできるかもしれませんね?フフ)」


 などと非常に魅力的な提案を囁いてくれた。ふむ?先ほどの桃源郷は俺自身で到る事が出来そうだ。と妄想を繰り広げながら姉妹たちを見ていた。





ようやく神楽坂姉妹達をここまで連れて来れました。あとは順番に……少しづつ佳境に近づけていきたいと思っております。新作も考えておりますので、こちらのお話はしっかりと終わらせておきたいところです。まぁ、まだまだ続きますが目標をしっかりしておきたかったので……。

いつも読んでいただきありがとうございます。評価をしていただけると嬉しいです。

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