第121話 しれっと重大な事を知らされた?
今回も少なめで申し訳ないっす
「ワフッ!」
という鳴き声と共に飛びついてきた犬?のモフモフさに軽い癒やしを覚えつつ、なぜ後をついてきていたのか?という事と懐かれている理由を知りたい。
「ねぇ、なんで俺ここまで懐かれてるのか、わかる?」
『ソレに関しては知らん』
「えぇ……マジかぁ~って、うん?ソレに関しては?」
『あぁ、其奴がお前に懐いとる理由は知らんな』
「じゃあ知ってる事って?」
そこまで俺が聞くと鷹揚な態度で竜は答えた。
『其奴は今まで我が面倒を見ていたからな!獲物や狩りの仕方を教えたのは我だ』
「えぇっと?お子さんですか?」
明らかに種族が違うのは見てわかってはいるのだが、聞かずにはいられなかった。
『別に我の子という訳では無い。ただ其奴が幼き頃より面倒を見ていたから自然とな。其奴の親が何処に居るとかは知らん。いつの間にかこの山に居ったからな』
竜がそこまで言うと犬?は竜の言葉を理解しているらしく、自分の子ではないと言われた事にショックを受けたらしく落ち込んでいる。
「な、なぁ、その犬?なんかすごく落ち込んでいるけどいいのか?」
『何?そんなわけは……おぉ!?い、いや!違うぞ?さっきのは言葉を違えたのだ。本意から来るものではないぞ!』
それを聞いた犬?は本当?と言わんばかりに竜を上目遣いで見ている。慌てた竜が一生懸命に先程の言葉を否定している。体格に見合わない低姿勢……まるで孫をあやす祖父のようだ。
『おい、ユーラ!お前も違うと言ってやってくれないか?我の言葉だけだと不安を覚えるかもしれん』
そして俺の足元へと歩み寄ってくる犬?の元にしゃがみ込んで頭を撫でながら言葉を掛けてあげた。
「大丈夫だぞ~さっきのは照れ隠しの反動で出た言葉だからな?だから気にせずいつも通りにしてご覧」
俺にそんな言葉を掛けられた犬?は2本の尻尾をフリフリしながら竜へと駆け寄り、思いっきり竜の胸元へと飛び込んだ。そして、それを綺麗に勢いを流しながら受け止めてヘラヘラしている竜。まんま祖父と孫の関係に見える。親子には……うん、親子はないな。年齢がだいぶ違う感じだし、雰囲気が親子でない。あれは祖父と孫だ。
『ユーラよ。その和んだ感じの視線を止めよ、何故か落ち着かん気分になる。あと先程から此奴を犬?とか言っておるが、此奴はこれでも神狼の類ぞ』
シンロウ?心労?掛けられてそうだもんね?まぁ違うよな。よくゲームやアニメに出てきた神狼が合ってるか。
「それでその神狼、名前とかあるの?」
『名か……ないな。我は今まで来い。とか、行くぞ!ついてこい。とか言ってたからな。名があるかどうかすらわからん』
「マジかよ。名前くらいつけてあげればいいのに」
名前をつけてあげればいいのに。そういった俺を見た後、竜は空を見上げながら思案していたが、俺を再度みやると言葉を続けてきた。
『神、と名称がつく種族にはそう簡単に名をつけることは叶わん。普通の者が名をつけようとしてもその一時は形として残るが、おそらく一日も持たずに名を失うだろうな――その時の記憶と共に』
「そ、そんなに難しい事なの?」
『嗚呼そうだ。それほどに神の名を冠する種族に名を与えるのは困難な事なのだ。それが可能なのは同じく神の名を冠する種族か神属くらいであろう』
「そうかぁ……なら俺も無理っぽいなぁ」
俺がそういうと竜は不思議な目で俺を見てきた。
『お前は何を言っているんだ?お前はどう見ても神属の類だろうに』
「えっ?」
『ん?だからお前は神属の類であろう?そうでなければ我に対面した時点で恐慌状態に陥ってまともに応対できんぞ』
「俺?神属?」
『そう言っているぞ、さっきから』
神狼も俺を見て尻尾フリフリでワフ!っと尻尾を絡ませて来ていた。
えっと?初耳ですね、何も聞いてませんけど?
ちょっとスランプ?なんて高尚な言い方をしていいのかわかりませんが、いまいちネタがでねぇです。ネタをまとめていたノートを昨年末の引っ越し時に失ったのがキツイっす。