閑話 異世界への道中で
新年明けましておめでとうございます。
拙い文章ではありますが、少しでも楽しめていただけるよう今年も続けて行ければと思います。
今年もけだるまの作品をよろしくいただければ幸いです。
あと年始め一回目の投稿ですが、文字数少なめです。
ただただ宙を漂う。星空のような空間を流れる様に進んでいく。
意識は夢現の様で思考に霞がかったかのようだ。そんな中にありながらもゆう君に会えるという期待の気持ちが私の存在を強くする。周囲を見渡すと私の周りには和津梛や千梛姉、静姉に和泉姉もちゃんといるみたい。
よく見ると皆朧気ながらも意識はあるようで、私の様に周囲を見渡して安堵の表情をしている。きっとちゃんと皆が居るのを確認できて安心したんだろう。
「(ここをずっと進んでいけばゆう君に会える?ううん、きっと会えるに違いない!ここまで来て……お母さん達と離れ離れになってでも来たんだ!迷うなんてありえない!きっとこの先にゆう君がいるんだ!待っててね、ゆう君!今愛しの葉津梛ちゃんが来るから!)」
思いを……いや、想いを馳せる。この先にあるゆう君との未来に。お母さんとの別れは寂しかったし、大兄と連兄、お父さんやおじいちゃんとおばあちゃんには別れの挨拶もできなかったのは残念だったけど、けどそれはこれから得られるだろうゆう君と私達皆の幸せになることで解消しよう。
「(それにしても……う~ん、なにかずっと気になってることがあるんだよね。なんというかこう喉に突っかかってるというか。名状し難いものが?なんだろう?あの謎の存在さんとお話してからなんだけど……どうにもうまく思い出せない。皆とお話したら思い出せそうなんだけど、さっきから話しかけようと思うと声が出せないんだよね~。この空間はお話禁止なのかな?)」
なんとなく皆を見ると私と同じ思いらしく口をパクパクしている。やっぱり喋れないみたい。千梛姉なんかお話できないことで苛ついちゃったのだろう髪をワシワシして怒りを表現?している。相変わらず短期なお人だよ。ま、そんな千梛姉もゆう君の前じゃテレテレして可愛らしくなるのが又良いんだけど。
視線を千梛姉から静姉に向けると、静姉は皆を交互に見ており私とも視線が合った。すると、静姉は指先を何処かへと向けているのに気づいた。その方向を見ると一際強烈な光を放つ場所を指していた。
あぁ言われなくてもわかった。アレが私達の目的地だ。きっと間違いない。アレを潜れば私達はゆう君に会うための条件を一つ満たせるんだ。…………うん?一つってなんだろう?なんで今私は一つなって思ったんだろう?
考えを張り巡らせていると、私達の体は光に向かって引っ張られていく。近くなればなるほどその引っ張られる力は強くなり、抵抗など無駄だと言わんばかりに引き寄せられていく。
光は徐々に強くなりあまりの強さに目が開けていられなくなってきた。目を閉じてあとは成り行きに身を任せて、心の中で強く願うだけ……どうか無事ゆう君の元へと辿り着けますように。
光へと吸い込まれたのを感じた。そう感じることができた。そして何かを潜ったような感覚を得た。それと同時に声を聴いた。
『ようこそ……異世界トレワールへ』
今年はどれだけ投稿できるかな?出来るだけ多く投稿できるようお努め致しますよ~。