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第118話 素材集めに奔走中

年末……忙しい季節になってきましたね

 石を切り出しマイバッグへポイッ―切り出してポイッ―ポイッ―ポイッ。



「ふぅ、やれやれようやく必要な数を集められたな。予備含めて多めに取れた事だし、ここらへんでいいだろう」



 レナリアさんに城の修繕を頼まれてから1ヶ月がたった。俺は主に王都周辺で、目的の物がない場合は王都から離れた場所を訪れては城を修繕する為の材料を確保する為に様々な場所を駆け回っていた。


 何故俺がここまでして材料集めに奔走してるのか?その理由としては城のあちこちをよくよく確認して重大な事に気がついたからだった。それは……。



「ダメだこりゃ。重要な柱やら大壁がだいぶダメージ受けてるわ。もしかしなくてもあの時の戦闘も関係してるかな?」



 城の要所の状態がかなりマズイ、修理できなくはないけど建て直したほうが安全なのでは?というレベルだ。俺が見る限り直ぐ様どうこうという事は無さそうな感じではあるのだけど、高を括って後で取り返しのつかない事になったらマズイので、それならば気づいた今の内に対処した方が良いかと判断しての事だった。



「う~ん、ゴリニテ侯爵の時みたく別で建てておいて置き換える方法を取るか。けど、そうなると材料がとんでもない量必要になるし、だとしたら早めに動き出さないといけないな」



 基礎の土台となるとかなり丈夫な物を準備しないといけないな。コンクリートなんて無いけど、この世界ならそれよりも丈夫な素材が見つかるかもしれない。などと色々とこれからの事を頭の中で計画しつつ、情報収集を開始していき―。


 今に至る、と言う訳だ。



「え~と?次は確か……海に行かないといけないんだったか」



 次の目的地は海。どうやら海の魔物に建築材料の一部として使える奴がいるらしいという情報を得ていたので向かう事にした。そいつを狩りつつ何か他に使えそうな魔物がいればついでに狩るとしよう。



 やってきましたこの世界で初の海!少し懐かしく感じる磯の匂い……思い出すのは工務店の従業員の面々との事。男同士で泳いだり、浜辺のBBQ、そして何より印象に残っているのは……。



「やっぱり葉津梛ちゃん達の水着姿だよなぁ~。アレは本当にイイものだった、うん」



 葉津梛ちゃんはパステルピンクのビキニで和津梛ちゃんは黒のビキニだった。かなり攻めた水着で俺にくっついたりしたりしてきたので、その時の俺はひたすら我慢の子を貫いたのはいい思い出だ。もし、俺が今の葉津梛ちゃん達と出会ってしまったら……俺はきっと我慢できないだろう。



「おっと!ちょっと思考が飛んでいたな。そろそろ目的の狩りを始めるとするか」



 浜辺や海上に人影、船の影なし!潜水開始だ!空中に一度上がって一気に海の中へと潜っていく。


 ザボン―!と潜り込んだ音を置き去りにしながら水中を勢い良く進んでいく。海中に太陽の光が注いでいるため、海中はとても鮮やかな光景が広がっており神秘的にすら見えた。



「(さて、目的の魔物はどこにいるかな?)」



 周囲の光景に軽く圧倒されながらも目的の魔物を探して泳ぎ回ってみる。呼吸が辛くなってきたらたまに水面に上がり、息継ぎをして探し回る。


 探し回る事しばらくして気配探知に大きな反応があった。ゆっくりとではあるが俺がいる方向に向かってきているのがわかる。



「(ゆっくり向かってきてる……攻撃してきたらすぐに倒せるようにしないとな)」



 向かってくる方向を見ていると徐々にその姿が見えてきた。始めはぼんやりとした黒い影だったが、次第にその姿がはっきりとしてきた。その正体は、なんと鯨だった。


 ゆっくりとだが向かってくる。その姿に自然と戦闘態勢に入り迎え撃つ準備をする。


 鯨との距離が更に縮まり緊張感が増してくる。来るか?と思い緊張がピークに達しようとしていたのだが……。


 なんと鯨は俺を攻撃する事なく横を通り過ぎていった。まさか背後から来る気か!?と思い、すぐに振り返ったが、鯨は何をするでもなくその大きすぎる体で泳ぎ去っていった。



「(あ、あれ?おかしいな?話に聞いた通りの魔物なんだけど……全然攻撃してくる気配がないな。もしかして俺から何か威圧でも感じたからやり過ごしたのか?でも、そんな風には見えなかった……どちらかというと大人しい生き物っぽい感じがしたんだよなぁ。う~ん、わからん鑑定してみよう)」




――――――――――――――――――――――――


ガーディアン・ホエール(海の守護者)


【LV】80


【HP】15000


【MP】1300


【種族】魔鯨


【魔法】水魔法全般


【スキル】大海遊泳・大突進・打ち上げ・潮流操作・津波防御


【状態】上機嫌・遊泳中


――――――――――――――――――――――――


【備考】ガーディアン・ホエールとは

 魔物ではあるが、他の魔物とは違い見境なく攻撃を仕掛ける事はない大人しい魔物。

 船が海上を普通に進む分には何もすることはない。但し、ガーディアン・ホエールに対して攻撃あるいは海を汚したりする行為などをすると、ガーディアンの名を冠する通りに海や自身を守る為に攻撃的になる為注意が必要。又、生きている年数によっては神獣化する者が稀にいる。


【備考2】ガーディアン・ホエールの素材価値

 非常に価値が高く、どの部位も価値が高く捨てる場所が全くない。素材を市場で売った場合一生を働かずに過ごせる程の大金を得る事ができる。

 素材の利用価値としては、建材、武器、防具、錬金素材など多岐に渡る。


――――――――――――――――――――――――


目的の魔物であることはほぼ間違いない、けどこの鑑定結果を見て仕留めろと?無理ですわぁ。こんな説明を受けて尚仕留められる奴がいたらそいつはとんでもない奴だと思うぞ。



「(仕方ない、この魔物を倒すのは諦めよう。ただ大人しいだけならまだ考慮の余地もあったろうが、いずれ神獣になる可能性がある魔物を倒せる訳がない。ましてや海の守護者とか書かれてるんだぞ?無理だって……)」


「(今回は他の代替品を探そう、必ずこの魔物の素材でなければ行けないということはない。何か良いものが無いかもう一度情報を集めてみよう。さてと、それじゃあな)」



 聞こえる訳がないがなんとなく声を掛けていた。それなのに……。



 ウォオーーーン――



 鯨が吠えた!海中だというのに音が伝わってきたのがわかる。もしかしてエコーロケーションというやつだろうか?威嚇とではなく軽い挨拶みたいに感じられた。


 とりあえず鯨の素材は後回しにしておくとして、別の使えそうな素材や魔物がいないかを探して回るとしよう。




 探し回る事数分―マグロっぽい魚を追いかけまわるサメの様な魔物を見つけた。あれ良さそうだな。狙ってみるとしよう。


 一度水面に上がって呼吸を整えた後に再度潜って一気にサメの魔物との距離を縮めていく。マグロ?を追いかけていて周囲への警戒が緩かったサメは俺の接近にギリギリまで気づけなかったようだ。



「(逃げられないように一気に片を付けてやる!くらえ【潜水特攻マリンドライブ】!)」



 潜水特攻のイメージは頭突の体勢を取った自分自身に風魔法でドリルを纏う感じで、足の裏から降圧の水流を押し出して突進するというシンプルなものにしてみた。なんとなくだが、うまくいきそうな気がする!


 キューンという高い音が耳に聞こえたのほぼ同時にサメに突っ込んだ。しかし、この技どうやらまずかったようだ。威力がありすぎたらしくサメの胴体に大穴が空いてしまった、それと同時に周囲の海水も回転の影響を受けたらしく、あたり一面魚や海藻が乱れ舞うカオスな状況になってしまった。



「(どう考えてもやり過ぎだな。加減したつもりだったけど、思っている以上の威力が出てしまったようだ。まだまだ、力の調整に努力が必要みたいだ)」


 この技は素材をかなりダメにしてしまうので封印決定。よほどの事が無い限りは使わないようにしよう。もっと手軽で素材を無駄にしない技を考えつつ海中遊泳を続けた。



いつもご覧下さりありがとうございます。

年末は駆け込みの仕事が増えるので、次回の投稿がいつになるかわかりません。できたら年内にあと一回くらいは投稿したいと思ってますが、気長にお待ち頂ければ幸いです。

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