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第113話 王都鎮圧中(モニカ視点2)

久しぶりの投稿で御座います。

 さて、ルティアちゃんがまとめて倒せるかも?との事だが、それをする為にはあの重騎士達を一箇所にまとめてしまわないといけない。それには全員でうまく誘導しないといけないけど……中々難儀な事を任されちゃったなぁ。まっ!やるだけやってみるとしますか!


 まず向かうは私が始めに相手していた奴らだ。今も私の姿を見失っていてしきりに周囲をキョロキョロしている。今はまだいいが、下手をすれば今だ戦闘中の弟子たちに行ってしまう可能性があるので、早いうちにこちらから仕掛けよう。


 私がアイツラの傍に近づいたからか、私の存在に気づきこちらへと攻撃態勢に入っているが、それを正面から受けてやる義理はない。先程相手をしてみて攻撃範囲はある程度わかっている。その範囲には入らないようにギリギリの位置に立ちながら予定している地点に誘導を試みる。


 ヒラリヒラリと巧みに攻撃を躱しながら移動を続ける。そしておおよその地点へとたどり着いたのでそろそろ相手をその場所へと縛り付けなければいけない。



「私って結構色々できるんだけど、あまり何か一点に尖ってないから決定打に欠けるんだよねぇ……今までの私なら?だけど今の、あの魔物から開放されてから私ってば思いがけない能力?っていうより体質?に近いかな?特殊な力を身に着けちゃったんだよねぇ~。コレを使うのは私自身もだけど何より弟子たちに当時の事を思い出せさせちゃうかと思って遠慮してたんだけど……。うん、まぁ今の状況じゃそんな事も言ってられないよね?だから……」



 重騎士達を引きつけながら手に魔力を込めていく。魔法を打つ為ではない、私にだけ身についた……あの植物魔物に取り込まれてしまった私だから身につけてしまった特異な力を使う為に。



「さぁ~て覚悟はいいかな?とりあえずここでおとなしくしててもらうよ【魔植拘束デビル・バインド】」



 魔力を糧に植物の蔓を生み出し、それを使い相手を拘束する力。これは誰にも言ってなかった新たに身に着けた私だけの能力だ。まぁ今回こうやって使ったことで弟子たちにはバレちゃったけど……心配させちゃうかな?


 そうそう、この魔力により生み出された蔓は普通の植物の蔓とは違い、耐久性がかなり高い。それこそ鎖なんかの何倍も丈夫なので簡単に千切られてしまう様なことは早々無いだろう。


 シュルシュルと太い蔓がまるで大蛇が絡みつくかのように重騎士達をひとまとめにしていく。しかもただ絡むだけでなく重騎士達同士の体同士も絡みつくように、だ。



「こっちはうまくいったけどルティアちゃんの方はどう……っと、これはまた凄い魔力が渦巻いてるねぇ。コレ本当に大丈夫だよね?なんか傍目に見てると王都をそのまま破壊しちゃんじゃないかってくらいヤバい雰囲気だけど……まぁここは一つ優秀な弟子を信じておこうかな」



 凶悪なまでに膨らんでいくルティアちゃんの魔力が余波を当たり一帯に撒き散らしている。轟々と鳴る風切り音が響く中、集中を切らさず魔力を集めているルティアちゃん。


 準備が出来たのかな?集中する為に目を閉じていたルティアちゃんが目を開けて敵を見据える。ルティアちゃんが魔力を集めている間も傍で控えていたシファちゃんがルティアちゃんと目を合わせて笑っている。それと同時にルティアちゃんがその両手に集めていた魔力を取り込むシファちゃん。


 シファちゃんがルティアちゃんの魔力をその可愛らしい体に取り込んだ瞬間、――――辺りを静寂が包んだ、と思った時だった。そこへルティアちゃんとシファちゃんの言葉が重なり合って響いた。



 『【瞬間空気圧縮エアーコンプレッサー】』



 魔法名と思しき言葉が紡がれたと同時に目に見えない何かが【魔植拘束】により固められて動けなくなっている重騎士達に集まっていくの感じる。そして――――バキィィィィッ!グシャ!と重く圧し潰す様な音が聞こえてきた。音の聞こえてきた方向へと視線を向けようと思ったが、それは難しいものだった。


 その方向から唐突に突風が吹き荒れてきたのだ。あまりにも強風に木片やら石礫が勢いよく飛んでくるのが見えたので、素早く魔植を発動させて盾代わりにする。魔植のお蔭で視界を確保した私は弟子たちの様子をすぐに確認した。良かった、どうやらニーナちゃんが全員の前に立って大盾でガードして飛来する物から守って上げているようだった。


 そして当の魔法を放った本人を確認すると、どうやらこちらも無事なようでルティアちゃんを包むように球形の風が飛来物から守っているようだった。おそらくはシファちゃんがルティアちゃんが傷つかないように守ってくれたんだろう。本当にいい子だ。




 しばらくして先程の風も落ち着いた事もあり、周囲の状況を把握する為に皆が一箇所に集まる。それと同時に皆はルティアちゃんに猛烈な抗議をした。



「おい、ルティア!なんだよあの技!きったねぇぞ!自分の見せ場を作りやがってオレももっと活躍したかったのにぃ!」


「凄いなルティア!先程の魔法は!だがリーダーとしてはもう少し安全も考慮して欲しかったぞ?」


「ルティア凄かったし助かったけど……ここまでする必要はあったの?」


「そうねぇ、私も純粋にお礼を言いたいし褒めたい所だけど……これは、ちょっと、ねぇ?」


「……仲間を危機に陥れた相手にはこれくらいはやって当然。逆にこれでも手加減してあげたから相手には感謝して欲しいくらい」


「あ~……ハハハハ。これで加減したんだねぇルティアちゃん。これ大丈夫カナ?私達に弁償を求められたら……何年掛かるんだろう?」



 私の言葉に全員が周囲を見渡すと……そこには本来あった建物がキレイさっぱり無くなっていた。木造の家屋はもちろんのこと石造りの家屋や店もキレイに吹き飛んでしまい、その跡形すら残っていない。ゴミひとつないと言っても過言ではないだろう。いや、一つだけ残っていた。それは……。



「それにしてもアレはまだ生きてるのか?まるで金属の塊みたいになってるが……中の人は無事なのだろうか?」



 シェイラちゃんが言ったアレとはルティアちゃんの放った魔法を受けた重騎士達のことだが、それに関してはおそらく問題ないだろう。なぜなら……。



「大丈夫だよ。だってあの鎧の中は空っぽだったからね」


『えっ!?』



 私の言葉に驚いた表情を見せる弟子たち。フフフ、皆もまだまだ修行が足りないね。戦闘をしながらもそれくらいわかるようにならないと。



「し、師匠!それは本当ですか?だってあの相手やたら重くて中身が入ってないようには思えませんでしたよ!?攻撃した時もかなり重量を感じましたし、それこそあの体格の人が入ってたと言われても違和感はないくらいでしたよ」


「ですね。私もそう思いました師匠。私達の攻撃を的確に捌いていたのを見るに中に人がいたのは間違いないと思っていたのですが」


「そうだぜ師匠!もしかして私達が人を殺してしまった事にショックを受けるかもと思ってか?なら平気だぜ?盗賊とか犯罪者に限るけど殺した事はあるからな」


「ニーナの言い方はどうかと思うけど……。そうですね、全く何も思わないわけではないですけれど悪人に対して同情する程の事はないくらいには平気ですよ」



 うん、まぁアレだね?ちょっと一部教育的指導が必要な娘がいるけど、そっちは後回しだね。



「そうだね色々と言いたい事はあるけど、まぁそれは後で良いとして。今はアレの中身に関して説明するけどアレって何かしらの方法で動く様に設定されてるゴーレムだと思った方が良いかもね」


「ゴーレムなら核になる物がありそうですけど、そんな気配はおろか魔力反応も感知できませんでしたけど……調べればわかるでしょうか?」



 本当は少し違う様な気がするけど、私もその方面はよくわからないんだよねぇ。アレを分解して調べれば何かわかるかもしれないけど今はそんな暇はない。



「調べれば何かわかるだろうけど……今はそんな暇はないのはわかるよね?戦う前に聞こえたあの音の発生源……そこに向かわないといけない」



 私の言葉に弟子たちが表情を強張らせる、それもそうだろう。王都全域に響いたと思われるあの爆音の発生源に向かわないといけないのだ。それが味方であるならばいいが、敵がそれを成したと言われたら警戒と緊張は計り知れないものとなる。だけど、それでも。



「行きましょう、師匠!そこにも助けを待っている人がいるかもしれません」



 強く真っ直ぐな目で私を見るシェイラちゃん。やはりこの娘はリーダーに向いているね。その前向きな思いは周りの人を自然と引っ張ってくれる力がある。そう思っていたら……。



「だな、行こうぜ!敵がどんな奴だろうとどんな攻撃をしてこようとこのユーラから貰った大盾で防いで見せるぜ!」


「私も皆が傷ついたらすぐに癒せるように準備しておくわね」


「アタシは余計な戦闘をできるだけ回避できるように立ち回るわ」


「……私はシファと一緒に敵を屠る」


「ハハハ……ルティアちゃんはもう少し自重しようねぇ」



 この調子なら大丈夫だね。私は気合の入った弟子たちと一緒に王城へと向かう事にした。この先に何があるかわからないけど、弟子たちと一緒なら何でも出来そうな気分になれたから。まぁここにユーラ君が加われば敵なんて本当の意味でいなくなるだろうけどね?



なんとか久しぶりに投稿できました。何もしないよりはとちょこちょこ空き時間を見て少しでも良いからと書き溜めておりましたので投稿です。誤字脱字もあるかと思いますが、時間が出来た時にでも修正をさせていただきますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

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