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第107話 移動時間の一時

長らくお待たせいたしました。

 あれからスルトさんの指定した村を全て回った所一部の村で似たような事になりかけたが、こちらは村事態が制圧される前に俺達が間に合ったので、裏切り者を的確に捕らえる事ができた。そちらも同様にわんダー達を配置した上で村を囲うように高さ4m厚み1mくらいの土壁を創りあげて防衛として各地の村を後にした。そして今はというと?



「ユーラ今回は本当に助かった。礼を言わせてもらうぞ、……ありがとうお前が居てくれて助かったよ。俺は頼もしい義息子を持てて嬉しいぞ」


「いえいえ、俺も義父に悲しい顔をして欲しくはないですから。それにまだ大きなやつが残ってますしね」



 馬車内で会話をしつつ自動運転で王都に向かってる最中、ふとスルトさんがお礼を言い始めた事で今の状況になっている。スルトさんは申し訳ないような微妙な表情をしていたが、あまり気にしないようにいったところでお礼の言葉へと切り替わったのだ。それに、これくらいなら今の俺…この世界に来ておじいちゃん達に力をもらった俺にしてみればそれほど大した事はしてない。せいぜい初めて作ったゴーレムであるわんダー達がうまく動いてくれるかと心配はしていたが、あとは大した問題はないと思っていたくらいだしね。



「そうだ、そういえば気になっていた事があったんだが……ユーラが連れてきたあの狼のゴーレムは一体どこで手に入れたんだ?かなりの数を村に配置していただろ?あれってもしかして王都での戦力にするつもりだったんじゃないのか?」


「あぁ、わんダー達の事ですか?あれは手に入れたというか俺が創った奴らなので。それと数に関してもまだ十分な数がいますので、問題はないですよ?十分に王都での戦力になってくれると思います!」


「ん?ちょっと待て!お前今創ったって言ったか?あのゴーレムを?」


「はい、俺が創りましたけど……それが何か?」


「あの精密な動きで兵士を圧倒していたあのゴーレムを?お前が?」


「ですね。一体どうしたんですか?ゴーレムくらい別にそれなりの知識を持っている人なら作れるんじゃないですか?」


「……ふぅ、あのな?ユーラよぉ~く聞いてくれよ?ゴーレムってのはな?専門の知識を持っている奴らが高い魔力を豊富に込められた魔石を使って作るんだよ。ここまでは良いか?」


「えぇ、なんとなくわかりますね」



 実際俺も似たような事をしたしね。多分そうなんじゃないかって気はしてたけど。あくまで予想だけど……。



「それでな?豊富な魔力が込められた魔石ってのはそうそう簡単に市場に出回らないんだよ。それだけじゃないオークションにだって中々見かける事はないんだ。その理由がそれだけの魔石ってなると使い道は多岐に渡るんだ。防衛用の魔道具に使ったり、敵国あるいは魔物のスタンピードに対応した魔動機にも使えるんだ。それだけ希少な物なんだよ。普通はな?」


「へぇぇ~そうなんですかぁ~、それで?」


「それでってお前……まだ気づかないのか?それだけ希少価値の高い魔石をどこで手に入れたって話もあるが、お前どれだけ大量に持っているんだよ!ありえないだろ!」


「いやいや!ありえないって事はありえないですよ。探せば何処かにあるはずですよ?」


「それはそうかも知らんが、それだけの物を探し出すのにどれだけの金と人員が必要だと思ってるんだ!普通はそういう事を考えて簡単にはいかないものなんだよ!お前は色々とおかしすぎる!もっと常識を知れ!」


「そんな人をまるで非常識みたいな言い方しないでくださいよ。ただスルトさん達がその方法を知らないだけじゃないですか」



 俺はなんとなくわかったから実行しただけに過ぎないと言うのに……。失礼な。




「……じゃあどうやって手に入れたんだ?そこまで言うからには教えてくれるんだよな?」


「あぁどうやってですか?それはですね?こうやって……ホラ!出来た!ね?簡単でしょ?」



 両手で魔力を包み込むようにした後に魔力を圧縮しながらそこに欲しいサイズ分の魔力をつぎ込みながら圧縮を繰り返せばあっという間に高濃度魔石の完成である。ある程度魔法を仕える人なら創れるはずだけどなぁ。発想の転換というやつが足りないんじゃなかろうか?しかし、そんな俺の方法を見ていたスルトさんはプルプルとした後に言い放った。



「そんな非常識な事出来るのはお前くらいだぁぁぁぁーーーー!!」



 いきなり目の前で大声を張り上げたスルトさんの所為で耳が痛い。急に大声とかやめてほしい。



「ちょっとスルトさんいきなり目の前で大声はやめてくださいよ。びっくりするじゃないですか」


「俺はお前のその非常識さにびっくりだよ!なんで自分が正しいみたいになってんだお前!どう聞いても誰が聞いてもお前の方が非常識だよ!お前が正論を語るなよ!」


「……そんなに大声張り上げてると喉潰れちゃいますよ?少し落ち着いて下さいよ。いい大人なんですから」


「ぐぅあぁぁーーー!今のお前に正論言われるとめちゃくちゃ腹が立つ!間違ってはいないけどめちゃくちゃ腹が立つ!」


「あっ!リィサお茶頂戴?あとお菓子もあったらおねが~い!」


「えぇ今入れるわね?お菓子は……確か街で買ったやつと前に私達と一緒に作ったのとがあるけどどっちがいい?」


「ん~~リィサ達が作ったやつで!」


「わかったわ準備できたら持ってくるわね?ユリーナ?手伝って頂戴?」


「は~い!私達の分も一緒に準備しましょ~」


「それも良いわね。じゃあ準備しましょう」


「少し待ってて下さいね?スルトさん。今リィサ達がお茶を準備してくれるんで」


「お、俺の……」


「俺の?なんです?」


「俺の話を聞けぇーーーー!」



 うん?なんか今のスルトさんのセリフ何処かで聞いた事あるような?確か葉津梛ちゃんが見ていたアニメだったような……気の所為だったかな?はっきり覚えてないや。



「まぁまぁもう良いじゃないですか。仮に俺がコレをどうやって手にしてても。あまり怒りすぎるとストレスでハゲますよ?」


「誰の所為だ!誰の!……はぁ、全くどれだけ規格外なんだお前。もしかしてお前なら誰に気づかれる事なく王都を制圧できるんじゃないのか?」


「まぁやれといわれれば出来ますけど?」


「……今のは聞かなかった事にしてやる。よそでは絶対口にするなよ?いいな?」


「はぁ~い、わかりました~」


「本当かよ、まぁいい。どうせお前なら放っておいても自分で勝手に解決しようだしな。それよりも……」



 とそこまでスルトさんが言いかけた所でリィサ達がお茶を運んできたので、会話を一時中断し休憩する事にした。



「ズズ……はぁ何だコレ?今まで飲んだ紅茶の中で一番うまいぞ!おいユーラ!これなんて銘柄の紅茶なんだ?教えてくれ!出来たら購入した場所も教えてくれると助かる。嫁の土産にしたい!」


「えぇっとぉ、ねぇ~この紅茶の名前って何だっけ?」



 問いかけた俺の質問にはレナリアさんが誰よりも早く答えてくれたレナリアさんって紅茶にはかなりうるさいんだ。



「もう!ユーラさん?せっかくお祖父様方に頂いた大切なものですのに他ならぬユーラさんが忘れては駄目ではないですか」


「あーハハハごめんごめん!どうにもお茶は全部一緒って感じでね?名前はあまり気にしてなかったんだよ」


「駄目ですよ?しっかりと覚えてくださらないと、市場に出回っているのは覚えなくても構いませんからこれだけはしっかりと覚えて下さい!それとスルト伯これは【失楽園パラダイス・ロスト】ですわ」


「あぁ~そういえばそんな名前だっけ?今度は忘れないようにするよ」



 失楽園かぁ意味的にはその名前を聞くと若干背徳的な気分になるのは俺の心が汚れているからなのだろうか?どうにも俺はかなり葉津梛ちゃんの影響を強く受けている気がしてならない。忘れがたいドラマのワンシーンを思い出してしまった。そんな中スルトさんを見てみるとかなり衝撃を受けていた。



「ぶっ!パ、パラダイス・ロストだと!?な、なんでユーラがそんな物持ってるんだ!」


「なんでって……」


そこで俺はレナリアさんの方を見るとシィーっと口に人差し指を当てているのを見て内緒にしないといけないの?と思ったが確かにおじいちゃん達の事を誰彼かまわず話すのはまずいかもしれないと思い立ち適当に誤魔化す事にした。



「それはあれですね。俺がまだ街に出る前大森林にいる頃にたまたま手に入れた物ですよ。狩猟の最中におじいちゃんとたまたま見つけた革袋やら木箱の中に入っていたやつですよ。せっかくだからとそこから旅立つ前に持ってきた物なんです」



 そこまで説明した俺を鋭い視線で見つめてくるスルトさん。流石にこの言い訳にはムリがあったか?そう思っていたら……。



「ふむ?ユーラがあの【魔物の巣窟】と呼ばれる大森林から来たというのはマシイナ伯から聞いてはいたが、まぁ確かにあの森はたまに他国の商人が秘密の取引をする時に利用するという事を聞いた事があるから……もしかして取引に来た商人が何かしらの理由で置き去った、か?魔物かはたまた取締に来た騎士団に追いかけられたか。そんな所だろうな?」



 良かったぁ。どうやら勝手に解釈して納得してくれたようだ。レナリアさんも親指を立ててグッとしてる大丈夫なようで何よりだ。



「それで出来たらで良いんだが、少し分けてくれないか?金はしっかり払うから頼む」


「そうですね、少しなら大丈夫だと思いますけど。レナリアさんどうかな?」


「少しでしたら問題ありません。ただそれなりの料金をいただきますよ?スルト伯それでもよろしいですか?」


「えぇ、お願いします。楽しみにしております」


「では王都の問題が解決した後に、という事で」


「ですね。どうやらタイミングよくそろそろ目的地の王都みたいですし。乗り込む準備でもしましょうか」



 残った紅茶をグイッと飲み干すと準備をする為に席を立つ。さて?いよいよ待ちに待った王都だ。どうやって立ち回るか色々皆と話して置くとするかな?



前にも後書きにて説明させて頂いたと思いますが、改めてもう一度。

年内中とおそらく来年初め頃までは不定期の投稿が続くと思います。どうしても執筆に割く時間が取れないためであります。それでも構わないと言う皆様にはご迷惑をお掛けするかと思いますが、長い目で見ていただけると幸いです。いつもご覧になってくださり本当にありがとうございます。

そして!いつも評価・ブクマをしていただきありがとうございます。出来ましたら今まで一度もした事がないという方がいらしたら評価&ブクマをしていただけると作者のモチベーションが上がりますのでよろしくお願いします。

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