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第97話 情報収集に必要なものは?

大変遅れてしまいました、お待たせして申し訳ありません。

 なんとなく向こうのことを思い出しては見たものの今の時点で俺には帰る方法なんてないし、仮に帰る手段があったとしても今の俺に帰る気はない。今もし帰れたとしても中途半端な仕事をして帰ったとあっては工務店の皆にどやされてしまいそうだしね。



 もちろん工務店の皆に会いたい気持ちはあるけど、せめておじいちゃんに頼まれた仕事くらいはしっかりと達成したい。いつか機会があればせめて伝言くらいは出来れば良いと思ってるのでおじいちゃんに頼めればと考えている。



 まぁ今はこの世界でするべき事をして行くとしよう。まずするべき事と言えばスルトさんに頼まれている事だな。まさか一番嫌だと思っていた貴族の権力抗争に巻き込まれる事態になろうとは……。

 だからといって手を抜いたりするような真似はしない。スルトさんに万が一があればユリーナさんを悲しませてしまう、そんな思いをさせるわけにはいかないからな。



「スルトさんには呼ぶまで待ってて欲しいと言われたけど、今の内に出来ることもある。とりあえずは相手陣営の状況を探って見るとしよう。俺なら離れた場所の王都でも情報を得るくらいならいけるだろう。」



 そうなると今の自分に何が出来るのかを確認する必要がある。という訳で久しぶりにステータスの確認をしてみよう。



―――――――――――――――――――――――――



新石あらいし 優良ゆうら



   【性別】男性


   【年齢】19歳


   【種族】人族


   【職業】魔法建築職人 (更新!)


   【称号】不遇の職人 女神の被害者 創造神の孫 創造神の恩恵 ハーレムを築きし者 性を極めし者 大食漢 女神の? ??? 


   【レベル】539(5390)(LVUP!)


   【HP】?/?(表記不可)


   【MP】―(スキル【永久機関】により制限なし)


   【魔法】生活魔法 LV.-(灯火、飲水、微風、)

       創造魔法 LV.-(―)

       四大魔法 LV.-(火・水・風・土)

       属性魔法 LV.-(雷・氷・木・毒・光・闇・音・重力・時空・無)

       快復魔法 LV.-(体力快復・状態異常快復)

       ??魔法 LV.―(封印中・条件を満たす事で解除・封印者 ??)

       ??魔法 LV.―(封印中・条件を満たす事で解除・封印者 ??)

       

   【スキル】


   【建築術】【錬金術】【素材取寄】【身体強化】【マイバッグ】【職人の目利き】                                

   【解体作業・極】【気配消失】【閲覧不可】【完全隠蔽】【思考読取禁止】

   【全属性適正】【武神演舞】【魔神法力】【経験値取得率100倍】【魔法具】

   【性技の味方】【性者の祈り】【性者の施し】【境界線の支配者】【永久機関】

   【転移無法】【安らぎの癒やしをあなたに】【気配感知】【生命反応感知】

   【魔力反応感知】【全ての地図】【スキャナー】【スクロールメモリー】

   【トランスファー】【黒子】

   


   【優良専用スキル】


   【真理を見抜く者】【触れる事無かれ】【逆らう事無かれ】【楯突く者に天罰を】


   【??スキル】


   【我が子を想いて】【始まりの守護】(開放!)【???】


 ―――――――――――――――――――――――――



 ………何かおかしな表記があるな?うん……そうだな、まずは職業から見るとしよう。いつの間にか魔法建築職人になってる。まぁこれはおおよそ予想がつくな、おそらくゴリニテ侯爵の屋敷を製作する際に魔法を併用したのが原因ではないかと思っている。

 その次が可怪しいんだよなぁ……LVが539ってどういう事だ?もしかしてあの魔物の大群を討伐したからこんなにLVが上がったのか?もはや異常としか言い様がないぞ。

 そしてLVが上がった弊害……もといおかげでHPが表記不可になってる……。これだと俺はどれだけのダメージを受ければ表記されるようになるんだろうな?

 ここまで見た中でもかなりの衝撃を受けたが中でも一番気になったのが【??スキル】の2番目が開放されている事だ。これが凄く気になっていたのだ、このスキル一体どういう効果があるのかをしっかりと確認しておかないといけないよな?



【始まりの守護】


 全ての始まりと呼ばれる存在とほぼ同等の防御スキル。ありとあらゆる障害から身を守る事が出来るもので常時展開されているスキル。またスキル所持者である新石優良が望めば自身が守りたい対象にも効果を及ぼす事が可能。



 ……うん、もうアレだね?俺って身の危険を感じる機会が無いんじゃないかと思うよ。常に危険が伴うこの世界に置いてこんな便利なスキルがあればストレスを感じる事なく職人を目指していけるだろうけど……それにしてもサービス過剰なのでは?と感じるのは気の所為では無いはずだ。

 このスキルを俺に授けた存在は一体俺をどうしたいのだろうか?実際これだけのスキルがあるだけでこの世界を支配できるのはないかと思えるくらいなんだが……それは流石に言い過ぎかな?どちらにせよこのステータスは常軌を逸してるとしか思えない。……これからは自分の言動により一層の注意が必要だな。



 このステータスであれば大抵の事には対処できるそうだ。仮に敵が未知の相手だとしても簡単には遅れを取る事は無い……はず。この自信の無さは俺の課題ではあるけど、そもそもこの世界で会う人起きる現象にしても全てが俺にとっては初めてのことだ……少しくらい自信が無くなってもしょうがないよね?



 あと若干気がかりなのが【叫びの洞窟】でスルトさんの解呪をした時に見た、あの黒いモヤだ。あの時はスルトさんの容態が優先だったのとすぐに何かしらの影響が出るような物ではなかったから気にしてはいなかったが、あれを見た瞬間とても嫌な雰囲気を感じた。負の念とでも言えばいいのか……黒いモヤからはそれを強烈に感じたのだ。

 あれが呪いだとしても一人の人間があんなものをどうやって仕掛けたのか?それとも呪いを仕掛けた奴は人間じゃない?ともあれ何が起きても大丈夫な様に様々な対処が出来るようにしておこう。

 幸い俺はこの新たに取得した強力な防御スキルがあるんだ、多少の無茶も力押しでいけるだろう。



 一人念入りに王都に向けての準備を済ませていたが、そろそろ王都側の情報も確認する必要があるだろう。そう思って何をどうすればいいかと思案していると背後に気配を感じたので振り返って見ると……そこにはいつの間にか【黒子】が立っていた。



 いやいやいや!何で俺が発動してないのに後ろに立ってるの?俺無意識にスキルの発動でもしたのか?……いや、どう思い出してもしていない。それなら勝手に出てきた?俺の意思を無視して?もしかして俺に反乱でも起こす気か?取り敢えずスキルに意識を集中して【黒子】を収めようとしたら。腕を☓にしている。……やめろって事か?



 どうやら合っていたらしい、必死に頷いて意思表示をしている。……だからなんでスキルのくせにこんなに人間くさい行動を取るんだ?コイツ。



「それで?自分を消すなって言う(?)からには何か理由があるんだろ?それを教えてくれないか?」



 するとまた身振り手振りをし始めたが……まっっったく!理解出来ない。流石にこれはお手上げだと思っていると、今までとは違った動きを始めた、これは……。



「その口をパクパクしてる動き……もしかして喋れる様にして欲しい、とか?」


『コクコク』


「う~ん、そう言われてもなぁ。どうしたら良いのかわからないし……どうすれば……」



 俺の答えにがっかりしたのか肩を落とす仕草を見せる【黒子】、だからなんでそんなに人間くさいんだよ。それにしてもスキルが喋れる様に出来るのか?【会話】とか?そのまま創って付与してみるか。



 さっそく普通に会話するだけのスキル【会話】を創り【黒子】に付与してみる。すると【黒子】がブルブルと震え始めた。オイオイ大丈夫なのか?もしかしてスキルにスキルを付与するなんて無茶な行為をしたから何か異変でも起きたのか?そう思い変化を観察していたら……【黒子】が徐々に光始めていき、ついには直視するのもしんどい程に光を強めていく……そして。



 一層強い光を放った後に立っていたのは……何も変わらない【黒子】の姿だった。まぁただの【会話】のスキルを付与しただけなのに、今起きた光景が可怪しいのだ。そして付与した結果は当然の如く……。



「う、うん!あ、あ~あ~。おぉ~。喋れる!喋れますよ!あるじ様~」



 やたら高い声……まるで女性のような声で近寄り俺に抱きつこうとした【黒子】だったが、元は影なので当然抱きつく事なので出来るはずもなく素通りしていった。一瞬脳裏にホラー映画の一幕でよくある幽霊が映画の主人公達を真正面からすり抜けていく光景を思い浮かべてしまった。普通に背筋がゾクッとした。

 そんなことを思い浮かべていた俺とは別に俺の体をすり抜けていった当の本人である【黒子】は躓いたかの様に倒れ込んでいた。



「せっかく喋れる様になれたので、もしかしたら触れる事もできるかもしれないと思っていたのに……酷い仕打ちです」


「そりゃそうだろうよ、流石にそこまでのスキルは付与してないし必要ないだろ?」


「そんな事ありません!拙者は主様に触れて見たかったのです。それなのに……よよよ~」



 何いってんだコイツ?意味不明すぎるだろ。自分が創り出したとはいえこんな設定をした覚えは全く無いのに。何か変な力でも干渉したのかな?こんな時こそおじいちゃんと連絡が取れたら助かるのに……試しに呼んでみるか。心の中でおじいちゃんに呼びかけてみる。



『おじいちゃ~ん聞こえる?優良だけど聞こえるなら返事をしてくれる?』



 ……無理かぁ~、もしかしたらって思ったけどやはり連絡を取るのはできそうにないな。仕方ない、どうにか自分で当たりをつけてみよう。



「なぁ少しいいか?何であれだけいる【黒子】の中でお前だけが意思を持っているんだ?それとも実際は全員意思を持ってるけどお前が代表して意思を示してるだけなのか?」


「え~と拙者はよくわかりません、いつの間にかそうなっていたとしか。その、もしかして迷惑……でしたでしょうか」


「いや、そうではないけどさ。どうしてこんな風に自我を持つようになったのか不思議だったからな。俺がそういう風に創ったとかならまだわかるけど、そうじゃなくて勝手に?いつの間にか?そうなっていたからなぁ。気になったんだよ」


「そうでしたか、良かったです。主様の迷惑にならないのなら私は問題ありませんので。それはそうと主様!先程何やら思い悩んでいたご様子、もしよければ拙者にお聞かせ願えませんでしょうか」


「うん?あぁ~そうだな、実は王都の今の状況を知りたいんだよ。かといって今俺がここを離れて王都に探りに行くとスルトさんと足並みが揃わなくなりそうだし……それで悩んでいたんだよ。それで?それが何か関係あるのか?」


「いえ、もしよければ拙者が探りを入れて参りましょうか?拙者であれば誰に気取られる事なく情報収集が出来ます。如何でしょうか主様」


「もしそれが本当なら頼みたいんだけど……お前王都が何処にあるのかわかるのか?俺でもスキルの【全ての地図】を使わないと何処にあるかなんてわからないんだぞ?それともこのスキルを共有できるのか?」


「しばしお待ちを……どうやら今の時点では無理な様です。いずれは可能かと思いますが」


「ならどうするんだ?さっきも言ったけど俺は同行できないぞ」


「それならば多少時間が掛かりますが、王都に関する情報を入手しながら移動する事に致しましょう。それであればスキルの共有をせずとも問題ないかと」


「それは俺が何かしなくてもお前だけでどうにか出来るという事か?」


「左様でございます。しかし出来れば主様にお願いが御座います。可能であれば私にお供の【黒子】を幾人か付けては戴けないでしょうか?さすれば時間の短縮にも繋がりますので」


「それは良いんだけど……本当に大丈夫か?途中で魔力が尽きたりしないよな?王都まで行って消えたりしたら意味ないぞ?」


「えっ?主様お気づきでは無いのですか?主様が今拙者に与えて下さった魔力だけで拙者が全力を出しても軽く10年以上は行動できますよ?」


「マジで?」


「マジで」


「へぇ……そうなんだ」


「そのご様子ですと知らなかった様ですね。まぁ今知れたのですからよろしいのでは?それで諸々の許可を戴けますでしょうか?」


「それなら頼めるか?」


「主様頼めるか?ではなく、ただ一言こう言ってくだされば……行け、と」


「ガラじゃないんだけどなぁ……はぁ、分かったよ。行ってこい」


「ハイ!では……え~と主様、その、少し言いづらいのですが……。連れの【黒子】をお願いします」


「……そうだったな」



 頼まれていた追加の【黒子】を出して、今まで話していた【黒子】に付いていく様に支持を出すと特に目立つ事をせず初期【黒子】に……なんか紛らわしいな。ん~この初期【黒子】にだけ名前を付けておくか。何が良いだろ?ん~特に思いつかないし本人に決めさせるか。



「え~と初期【黒子】お前に名前をつけたいんだけど、イマイチ思いつかないから自分で決めてくれ」


「主様……名前は嬉しいのですが、自分で決めろはあんまりです。ありふれててもいいので主様に付けて欲しいです」


「え~めんど……わかったよ、付けるよ。だから泣きそうな感じを出すなよ」



 俺が面倒だと言いかけた瞬間今にも泣きそうな感じを見せてきた。顔の表情が見えないのに泣きそうな感じを表現するとか……人間味に溢れすぎだろ。

 しかし、困ったな。どうしていいかわからないから本人に決めさせようとしたのに……。どうしようかなぁ~……真っ黒、真っ黒…くろすk…イカン!これはマズイ!危険すぎる。

 変に考えすぎるとおかしな方向にいきそうなのでシンプルに決めよう。



黒音くろねでどうだ?」


「黒音で御座いますか?主様より名付けられたお名前有り難く頂戴致します!褒美の先払い確かに!では行ってまいります!」


「え!ちょっ!おい!……行っちゃったよ。まぁいいか、俺もそろそろこの街からでるかもしれないって伝えたかったけど……どうにかなるだろ」



 黒音が王都の情報を持ってくるのなら楽できるし、仮に持ってこれなかったとしても現地についてからでも俺に与えられた能力ならどうにか出来るだろう。あまり考えすぎてプレッシャーになってもいけないので、どうにか出来ると思って王都への出発時期を待つことにした。



 今回遅れた言い訳としては単にデータの保存の際にミスして書き上げた一話分を丸々消してしまった為です。はい自業自得ですね。次回からはこんな事がないように気をつけて参ります。

 こんな作者ですが、これからも見ていただけると嬉しいです。

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