第96話 恋人達のデート計画!
いつもより遅れてしまいまして申し訳ないです!
あの後食堂へと案内されて食事をしたが、その前のスルトさんとドスさんとのやりとりで精神的に疲弊していた俺はせっかくの食事を楽しむ事ができず、只々お腹を満たすだけの時間になってしまった。
食事を終えた俺は充てがわれた部屋に移動してようやく落ち着く事ができた。やはり人間関係は疲れるな・・・以前の・・工務店に務める前の会社に勤めていた頃よりはかなりマシではあるがソレでも疲れる事に変わりはない。慣れなければいけない事ではあるが今は何よりも癒やしが欲しい。ということで。
「誰でも良いので俺に癒やしを下さい!お願いします!」
高らかに俺の部屋へと集まった仲間の皆に頼んでみたのだが・・。
「え~っと?ねぇユーラ?具体的に癒やしって何をすれば良いのかしら?抽象的すぎて何をしてあげればいいのかよくわからないわ。」
「膝枕とか?あとは・・胸枕?は苦しいかな?何があるかなぁ?とりあえず思いつく限りで俺を癒やして下さい!お願いします!」
「・・・なら私は膝枕をしてあげようかしら?あとの事は他のメンバーに任せるわ。じゃあユーラこっちのソファーに座るからその後に横になってもらえる?」
「ハイッ!是非お願いします!」
「フフ・・ヘンなユーラね?はいどうぞ、んんっ・・・あまりもぞもぞしないで?くすぐったいわよ。」
「あっ!ごめんね?・・それにしてもこれは・・・良いねぇ~頭が安らいでいくぅ~。あぁ~たまらんなぁ~。」
柔らかい極上の枕を頭にしているこの状況がなんとも言えん!なにげに初の気がしないでもない・・アレ?前に誰かにしてもらったような気がするけど・・・忘れたな。まぁいっか!しかしそれにしても本当にたまらんなぁ・・あぁ・・何だがねむたく・・・・。
◇
「あら?ユーラ?・・寝ちゃったのね、相変わらず無理ばっかりするんだから・・本当に目が離せない人だこと。」
「そうやっていつもユーラさんをうまく落ち着かせる事ができるのは本当に反則ですね。私はリィサさんが羨ましいです。」
「あら?ならレナリアさんも膝枕してみます?たま~に寝ぼけてエッチなことしてきますけど。」
「ま、まぁそれはそれでユーラさんなら構わないのですが・・・ですが王女としてはあまり端ないところをお見せするわけにもいきませんし、悩みどころですね・・。」
「えぇ~今更そこを気にしますかレナリア様?もっとスゴイ場面を見てるので私達の間なら何も隠す事は無いと思いますけど・・。」
「それはそうなんですが・・しかしですね?モニカさん、私としましても最近は特に王女らしい振る舞いが出来てないのでこのままの状態で王城に戻るとどこかでボロが出てしまいそうで・・・なので今回は・・遠慮を!しておきますっ!・・・。」
「はは・・めっちゃ泣く泣くって感じがしますが・・まぁ別に今しか機会が無い訳じゃないので次の機会を狙ってみると良いんじゃないですか?」
「そうします・・・その間に私は王女としての振る舞いをうまく切り替えできるようにしておきませんと!よし!頑張りましょう!」
と、ユーラが寝てしまった状態で集まっている女性陣は普段してもらえない事をあーでもないこーでもないと話をしていく中である話題が出てきた。それは・・・。
「そういえばさぁ、この中で誰でもいいからユーラくんと二人きりでデートとかしたことある?もしくは散歩でも良いんだけど・・思い当たる人は挙手!」
女性陣は皆どうだっただろう?と思いを巡らせて見るもののそれらしい事をしたことはない。女性として華開かせてもらうような行為をしたことはあれどデートというような胸ドキドキのイベントなど皆無だ、どちらかといえば同じドキドキでも魔物や盗賊、陥れてやろうと画策した者たちに命を取られてしまうかもしれないドキドキの事しか思い出せないそんな人達ばかりだった。そんな彼女達なので当然手が挙がるわけもなかった。なんとなく寂しい雰囲気が漂い始めた頃唐突にモニカが声を上げた。
「なんてことなのっ!こんなに美女美少女が集まっているのにも関わらず誰もデートをしたことがないなんてっ!こんな寂しい事があって言いはずないわ!皆もそう思うでしょ!」
あまりにの事に興奮しエキサイトしたモニカだったが、ユーラを膝枕しているリィサからの注意が入る。
「モニカ?気持ちはわかるけど少し静かにしてちょうだい?せっかくユーラが気持ちよく寝ているのに起きてしまうわ?」
「うぐッ!そうでした・・・ごめんなさい・・。で、でも今言った気持ちはわかるでしょ?」
「それはわかるわよ、私だってユーラと二人きりで街の中をデートとかしてみたいもの。」
「なら~私達でユーラさんに~デートして?ってお願いしましょう~。」
「おぉ!それは良いな!私も・・その・・ユーラ殿とデートはしてみたいぞ?」
「・・私もユーラに色々お礼も兼ねてデートをしてあげたい。ユーラのお陰でシファにも会えたし・・ね?」
「う?シファもユーラとでーとする?」
「・・フフ、そうだね?ユーラと一緒にあちこち歩いてみたいね?」
「たのしそう!しふぁね?もりのなかがいい!もりのなかでユーラといっぱいあそびたい!」
「・・そうだね、今度一緒にお願いしてみようね?」
「うん!ユーラとルティアといっぱいあそぶのたのしみ!」
「私はどうしようかしらね?本屋を巡って見るのが良いかしら?ああ見えてユーラって結構知識があるところもあるから楽しそうだわ。」
「なんだよそれ?頭がおかしくなりそうなデートを考えるんだなモモリスは?(私はそれよりもユーラ君と静かなところを散歩したあとに外でご飯を食べたりしたいなぁ~ピクニックとか?きゃあ~~!)」
「(相変わらず頭の中では乙女な想像をしてるんでしょうね?はぁ~この娘もいい加減男勝りを演じるのやめてしまえば楽になれるのに・・・。)私はそれで良いのよ、それで?そういうからにはニーナは何か良いデートの案でもあるのかしら?」
「おう!オレはなぁ~・・・アレだよ、ほらアレ!武器屋巡りとかだな!(うぅ~本当は違うのにうまく言い出せないよぉ~)」
「はぁ・・・やれやれね。そういえばカミラもセルスもそれにセラもウィリルも黙っているけどどうしたのかしら?あなた達は何か無いの?」
「私ですか?そうですねぇ・・デートはしたいですが当分は遠慮しますわ。」
「そうねアタシも今は良いかな?」
「私は・・・暇が出来たらで良いから・・う~ん一番最後でも良いよ~。」
「私も構いませんよ?それに私の場合はあまり街中をうろつくのは危険だと思うので・・。その私は魔物・・ですから。」
『それは関係無い!!』
「え?みな・・さん?どうして?」
「ねぇセルスちゃん?そんな事言ったらユーラくんきっと怒るよ?うぅん、もしかしたら自分の配慮が足りなかったって悲しむかも・・それでも良いの?」
「そうね・・だけどそれよりもユーラはそんな事全く気にしてないわよ?ユーラは固い性格の様に見えて可愛い女の子や女性が大好きだから。きっとこれからもセルスのような娘が増えると思うし、あまり気にせず一人の女性としてユーラに接して見たら?普通に恋人として接してくれるはずよ。」
「皆さんはそれで良いんですか?一人の女性として自分だけを見てほしいとか独占したいとか思わないんですか?」
『それは無い!』
「えぇ!でもほら!二人っきりで甘えたいとかあるじゃないですか!」
「うぅ~ん二人っきりで甘えるのは憧れるけど・・・その後がねぇ?セルスもわかるでしょ?甘えたりした後がどうなるのか。」
「あぅ~それは・・しょの~しょうなんでしゅけど~うぅ~~。」
「あまり気にしてもしょうがないわよ?気にせず甘えたら良いのよ、全部ユーラがどうにかしてくれるから。」
「その大丈夫でしょうか?あまりこう言ってはなんですけどユーラさんの負担にならないでしょうか?」
「以前のユーラならそうだったでしょうね、けど今のユーラなら大丈夫よ。安心して全てを任せられるわ。」
「・・・そう、なんですね・・。わかりました、すぐには納得できないかもしれませんが徐々にユーラさんに・・その私の事を聞いてみたいと思います。」
「良いんじゃないかしら、ね?ユーラ?起きてるんでしょう?答えをセルスに聞かせてあげて?」
◇
「良いんじゃないかしら、ね?ユーラ?起きてるんでしょう?答えをセルスに聞かせてあげて?」
途中から起きて寝たふりをしながら皆の話を聞いていたが、まさかこの様な起こし方をされるとは!というか何時から俺が起きてるって気づいたんだリィサは?
「寝たふりをしていても無駄よ?とっくにユーラが起きてる事くらいわかってるんだから、ほら!早く起きてちゃんと言葉に出して伝えて上げて?」
仕方ない起きるとしよう、ってか何を伝えたら良いんだろうか?あまり面と向かってセルスとは話をしたことが無い気がする。話しかけられたら答えたりまたは聞いたりしたことはあったのだが、セルス自身の事は昔の事もありあまり深くは聞かないようにしていたから、何を話したら良いのかわからない。どんな話題がセルスの心の傷を刺激するのかわからなかったから当たり障りのない話ばかりしていた気がする。
これもいいきっかけとも言えるだろう、ここらでもう少し深くセルスの心に切り込んでも見よう。
「セルス・・俺は今まで当たり障りの無い事ばかり話してセルス自身の事は全然聞く事をしようとしなかったね。でも勘違いはしないでほしい、別にセルスに興味がないとかじゃないんだ。ただ何がセルスの心の傷を開いてしまうかわからなかったから躊躇っただけなんだ。だけど今からは違う、もっとセルスと話をしたい。セルスのいろんな事を聞かせてほしいんだ。あと・・・あぁ~俺はセルスの事を魔物だと思って見てないよ、セルスは可愛い女の娘だと思ってるから・・えぇっと・・どうかこれからも恋人の一人としてそばに居てほしい・・ってどうしたの!?セルス!どこか痛いの?大丈夫?」
話をしてる最中に急に泣き出してしまったセルス、俺もしかして何かひどい事を言ってしまったか?しかし、そんな事を言ってしまった俺を見て他の皆は「はぁ~~っ」とため息を付いている。あれ?なんで?ちゃんと気遣って空気を呼んだつもりなのに・・・。
「ユーラはもう少し相手の女性の気持ちを理解するように心がけた方が良いわね。幾ら私達が気遣って配慮してもユーラがそんなんじゃせっかくの気遣いが無駄になってしまうわ。これからはもっと気をつけてね?」
「はい・・精進します。」
「まぁ今回はコレくらいにしときましょうか。これだけの人数がいると大変でしょうけど・・私達もユーラに甘えてばかりにならないように気をつけるから、ユーラも私達の事をもっと気にしてくれると嬉しいわ。」
「うん、これからはもっと皆の事を気づかえるような男になるように努力するよ。だからこれからもよろしくね。」
『はい!よろしくお願いします!』
おおぅ!綺麗に揃えてきたな!これだけの人数に一斉に返事をされると中々迫力があるなぁ。それに綺麗所ばかりというのがまた・・・。
「あぁそうそうユーラ?良い忘れていたのだけど、近い内に全員とデートしましょう?日取りはそうね・・今のユーラは忙しそうだし、暇が出来たらでお願いね?」
「えっ?今じゃなくていいの?」
「あら?今のユーラは伯爵様と何かしているのでしょう?だから今じゃなくていいの。ユーラが自分の身の回りが落ち着いたと思ったら私達に言ってちょうだい?私達で調整するから。」
「わ、わかったよ。その時は伝えるね?」
「フフ・・楽しみにしてるわね?」
デートかぁ~思い起こせば一度もしたこと無いかも。この世界でも向こうの世界でも。そういえば向こうの世界と言えば工務店の皆元気にしてるかなぁ?と思い起こしながらこれからの事も考えるのだった。
すいません!頭痛がひどくて薬を飲んで横になっていたらいつの間に遅い時間になってました。それといつもより文字数が少なくなりましたが、次回からはしっかりと元の文字数で行きたいと思います。