はじまる前のはじまり。
星龍、それは白龍、黒龍、赤龍よりも強く、美しく、また珍しいものである。
その鱗は主に白く光が当たると虹色に見え、その翼は他が二枚なのに対し四枚、瞳はブルーサファイアのように透き通っているそうだ。
〇〇〇〇〇〇
闇の魔術師は召喚された。
それも学校の帰り道に。
〇〇〇〇〇〇
出身地...異世界の日本。
性格...冷静且つ悪知恵が働く。
魔法属性...闇。
〇〇〇〇〇〇
「ふぉぉぉぉっ!!これはっ、、これはァっ...!!大成功ではないかっ!!」
え、待ってなに。
誰このテッカテカの脂ギトギトのおじ様。
「しなやかな黒髪に、アメジストのような瞳...まさにっ!!まさに闇の魔術師!!!」
いやぁ、ほんとに話が見えない。
何故私が闇の魔術師?
「その黒っぽい服装もまさに!!納得のいく服装ですなっ!!」
いやこれ学校の制服...。
あぁ、これが俗に言う異世界ナンタラか。
こういうのに詳しいあの子の話もっと聞いとけばよかったのかも。
「闇の魔術師様や、お名前はなんと言うのですか?」
脂ギッシュないかにも聖職者みたいな人がこちらの様子を伺うように聞いてくる。
名前...ねぇ。何がいいかしら。
「私はリーゲル。」
この顔に見合わず星好きでよかったかも。
ちゃっかり一等星のリゲルの名をお借りした。
「リーゲル様、なんと素敵なお名前だ...。それで、リーゲル様の処遇なのですが....」
「それなら、早く自由にしてください。私は神の所望に従うべく、早急にこの国から出発したい。」
無神論者だけど言わぬが仏。
そもそもこういう時に呼ばれるのは勇者様ってやつでしょ。それに呼ばれるのは大体が戦争とかに繋がってるってあの子も言ってたし。
一人でどうにかなる保証はないけど、こんな所で戦争言って死ぬよりマシだと思いたい。
「か、神の望まれることならば...、早急にその手配を致します。.....金貨10枚ほどお渡し致します。遊ばなければ一ヶ月半は食べ物にも困らないでしょう。」
そう言って脂ギッシュおじ様は麻袋に金貨10枚入れて渡してくれた。
「ありがとうございます。ではまた機会があれば。」
私はこんな感じで、案外すんなりと国の外に出れた。
「さて、どうしたもんかな。」
私の冒険はこれからだ。