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1.主人公、ゲームに誘われる


 とある日の朝、俺は友達の佐伯(さえき) 勇太(ゆうた)の家に遊びに来ていた。勇太はクラスでも有名なゲーム好きで、いつもゲームの話をしている。そんな勇太の家でゲームをしてる時にいきなりこんな話をされた。


「そういえば颯太、明日ついに初のVRMMOが配信されるぞ!もちろんVRギア買うよな?」

「え?いやいやいやちょっと待って、なんで買うこと前提で聞いてきてるんだよ…そんなの買うお金が無いに決まってるでしょ」


 ちなみに勇太が今言ったVRMMOとは明日配信の

《Master・of・Skills・Online》通称MSOと言うゲームで、公式サイトでは「数多あるスキルを極めて最強キャラを作ろう!」と書いてあったがゲーム内の詳細については記載がなかった。きっと始まってからのお楽しみということだろう。


「なん…だと…」

「なに買うって言ってただろみたいな顔してるんだよ、この話今日が初めてだろ。俺にそんなお金は無いし、親だってVRギアを買ってくれなんて迷惑だろう。紅華(くれは)はどうか知らないが…」

「紅華ちゃんは普通に親に頼むんじゃないか?……ふむ、いい事思いついた」


 勇太は怪しい笑みを浮かべながら言ったが、正直に言おう、こいつが笑いながらいい事思いついたとか言ったときはろくな事がない。だから、とりあえずこれだけは言っておこう。


「怒られる事だけはやめてマジで…」

「ん?俺怒られるような事したっけ?」

「してるよ!いつも危ない真似してみんなに俺が止めろって怒られるんだよ!お前のいい事は俺の悪いことだよ!」

「いやいや、今回()大丈夫だって」

「今回()って、つまり前までは大丈夫じゃなかったって認めてるじゃん…」


 俺は友達のいい加減さに思わずため息をついた。

 ふと、今何時なのだろうと思い時間を見たら17時50分だった。俺の家は基本的に門限が18時なのでもう帰ろうと思い勇太に「また明日」と言って逃げるように家に帰った。あのまま居たら話が長くなって親に怒られそうだったからね。



=======================================



「ただいまー」


 そう言って家に入った時に玄関に赤い靴があった。

この靴は紅華のもので、俺が勇太の家に行く前にはなかったので遊びに行っていったのかと思っていると、


「お兄ちゃん、おかえりー!」

「ごふっ」


 黒い何かがいきなり突進してきて思わず僕は玄関に尻もちをついてしまった。そして、その突進してきたなにかを見るとそこには妹の紅華がいた。で、俺の上に乗っかったまま、


「明日だよ!ついに明日だよ!」

「明日何があるかが抜けてるし、俺の上からすぐに降りて欲しいんだけど?」

「あ、ごめんなさーい」


 そう言って紅華は俺の上から降りたので、俺は立ち上がって続きを待った。


「そんなことより!明日VRギアの発売日でMSOの配信日だよ!」

「そんなことって…まぁ、MSOの配信日ってのは知ってるけど俺にVRギアを買うお金はないよ」

「ふっふっふ、お兄ちゃんの分もお父さんお母さんにお願いしてきたのだ!」

「なに?…勇太の仕業か?」


 一瞬紅華が言ったことに驚いたが、すぐに思い出したことがあったので紅華に直接聞いてみた。すると紅華が少し驚いた顔をして、


「え、お兄ちゃん凄いね。なんで分かったの?まぁいいや、これが勇太さんから送られてきたの」


 そう言って俺に勇太からのメッセージを見せてきた。


『紅華ちゃん、お父さんお母さんにVRギアをお願いするなら颯太の分も一緒にお願い出来ないかな?あいついつも変に遠慮するからさ』


 …あいつ俺に隠す気ないよな。紅華に送って俺が見た時の反応を楽しみたかったのか?


「とりあえず、俺は父さん母さんと話してくる」


 俺はそう言って居間に向かいながら、「俺っていつも遠慮してるっけなぁ…そういえばお願いとかしたことなかったな」とか思っていた。


「ただいま、父さん母さん。父さん、聞きたいことがあるんだけど。」

「おう、おかえり。で、聞きたいことってのは?」

「VRギアのことについて、俺の分も買ってくれるって紅華が言ってたけど」

「ああ、その事か。お前がいつも遠慮ばっかしてるからな、今回ばかりは紅華ともゲームしたいだろうし勇太君だって買うんだろう?みんなで楽しめ」

「…ありがとう、父さん」


 俺はそう言って2階の自分の部屋に向かった。自分の部屋に入ってベッドに寝っ転がって小説を読んでいると、


「颯太ー、紅華ーご飯よー」


 と聞こえたので紅華と一緒に1階に降りていった。

そして、ご飯の前に改めて父さん母さんにVRギアのことについてお礼を言った。それに対して母さんが、


「颯太、お返しをしたいというのなら、それはあなたがゲームを楽しむことが1番嬉しいわ。ね、お父さん?」

「その通り、母さんの言う通りだ」

「……わかったよ」


 優しい父さん母さんに思わず泣きそうになった。

そして同時に、気持ちに応えようとゲームを全力で楽しむことに決めた。



=======================================



 次の日の朝、俺はお腹に衝撃を受けて目が覚めた。

お腹の衝撃について調べる前に時間を見たら、まだ7時だった。


「おい、紅華。人のお腹にダイブしてくるな...めっちゃ痛いんだけど。」

「むぅ、そんなことよりも!」

「そんなことで流す…」

「一緒にVRギア買いに行こ!」


 うん?…ああそうか、今日ってVRギアの発売日でMSOの配信日だったな。まぁ、今日は暇だし行くとするか。


「まぁ、いいよ」

「じゃあじゃあ30秒で支度して!」

「は?おい、ちょっと待て!」


 俺の叫びも届かず、紅華という名の嵐は部屋から出て1階に降りていった。


「30秒はひどすぎだろう…はぁ」


 なんだかんだ文句を言いながらすぐに着替えて俺も1階に降りた。時間を見たら、30秒で支度できていたらしい。1階に降りた時、紅華にも「本当に30秒で支度してきたの!?」とびっくりされてしまった。30秒と言ったのはそっちだろうと思わず反論しそうになった 。


「準備してたら30秒で出来ただけだよ。まぁ、早速行こうか」

「そうだね!レッツゴー!」


 そうして俺達は近くのゲーム屋に行った。




=======================================




 うん、まぁ、行ったんだけどさ。発売日ってこう、凄い行列が出来てるイメージがあるじゃん。なのに行列が予想より出来てないってどういう…って思ったら、ネットで注文したらお店での発売開始時間に合わせて届くか自宅まで配達されるようになっていたらしい。家から出たくない人も多いんだろうな。


 まぁ、紅華曰く「自分の手で買ったものでゲームをするのがいいんだよ!」と言っていた。わからなくもないけど。


「買ったのはいいけど配信まで暇だな」


 そう、午前9時にギアは買えるのだがMSOの配信時間は午後1時となっていて、今はVRギアにMSOをインストールしておいて午前10時となっている。


「あんま公式サイトとか見たくないしどうするかなぁ。とりあえず小説読んでるか」


 っと、そんなこんなで2時間経ったらしく母さんから

呼ばれた。


「颯太降りてきなさーい!」

「はーい!」


 昼ご飯食べ終わったら大体1時位になってるだろう、

そんな事を思いながら俺は1階に降りていった。












 あんな事が起こるなんて考えずに────





=======================================




 みんなで一緒にお昼ご飯を食べ終わったあとに紅華が質問をしてきた。


「あ、お兄ちゃん、MSOの種族とスキル選び終わった?」

「ん、いや、まだだな…俺が公式見ないことは知ってるだろ?」

「んー?あ、そうだったね!」

「てことで、ログインは少し時間かかるぞ」

「わかった!でも、名前はちゃんと考えてるよね?私はアカハにするよ」

「そうだな…じゃあ、ミカヅキにしようかな」

「じゃあ、初期地点で待ってるからね。アバターは私がそのまま赤髪赤眼になった感じにするから見つけてね!」

「りょーかい」


 俺はそう言って先に部屋に戻った。




=======================================




 12時50分、あと10分でMSO配信開始だ。


 12時58分…


 12時59分…


 13時00分…


「リンクスタート!!」


 ってうわ、眩し!






頑張ってすぐ続き書き始めます(`・ ω・´)ゞ

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