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 過激派や寛容派の粛清が、ツーワルコンの勝利が、フルーリュスでの大勝が、果たして政情不安を亡くしたのでしょうか。

 わたしはNonとはっきり答えましょう。成程目標であった革命の擁護は果たせました。けれど問題は新たに増えていきました。

 非常事態を乗り切ったので、仏蘭西に恐怖政治はもう必要なしとの声がささやかれるようになりました。ロベスピエール派の公安委員独裁に憎悪を抱き、ロベスピエールの暗殺を企てる者もいました。不安定な状況を乗り切ると、人々は初心の団結力を失ってしまいます。

 そしてなかなか改善されない生活の苦しさは為政者の無能の所為と、当事者の努力や経済政策は効が現れるまでが遅いということを知ろうとせず、即断してしまうのが民衆です。ええ、政策の効果を待っていては飢え死にしてしまう。その言い分は判っています。しかし、神ならぬ身、マナを天から降らせる力はありません。

 いつまで努力と忍耐を続ければいいか、予言できればよかったのでしょう。そうできれば、良かったのに、人の知恵など高が知れているのです。

 どうすればすべての民衆が平等で幸福な生活が送れるか、どんなに苦心しているか、そして、法案を出しても理想通りに行かなかった経緯(いきさつ)、次々と起こる不穏な事件。

 なぜ、大事な事柄を言わなかったのでしょう。疑心暗鬼を生ずるままに、していてはいけなかったのです。

 いいえ、やめましょう。今となってはなんとでも言えますから。

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