コレ(リルチェ)が世界の意志………いいのか?
少年が泣いてた理由は、少年の小さな妹の為のようです。
兄弟ほしいな……と思うリルチェです。
実際のところ、兄弟どころか、同じ年位の竜にすら会ったことがないので、無理かな……と思いますが。
………さて、結論から言えば、病は終息しました。
ご都合主義のようですが、竜が知るということはそういうことのようです。
………えーと……つまり、
「病………大変ね………」
「薬、足りないの?」
「妹ちゃんが病気なんだ………」
「この(足元にある)薬草がいるの?」
「これだけ渡しても、きっと意味ないだろうな………」
等と、ぶつくさと合いの手(?)をうっていたら、周囲の精霊達がそわそわ。
ありゃ?
……と見てたら、体から魔素がゴソッと抜ける感覚と共に、足元にあった薬草が分身の術……もとい増殖。
さらに、成長したそれらが自ら動くかのように、少年達の脇で小山となって積み上がり………
一連の出来事を見終わって、再び見つめ合う私と少年達………
「なんじゃこりゃー!」
正しい作法は、お腹に手を当てた後、その手のひらを見つめて……とか、わけのわからん知識がよぎるが、無駄知識というツッコミも同時によぎったので無視して、叫んだ少年の兄に胸を張る。
「リルチェが竜だからです」
まぁ………つまり、薬草、たくさんはえるといいなぁ……と思っちゃったのに、精霊達が反応、私の魔素を元に増殖させた……という、本来の理から外れる、超反則技。ただし竜だから問題なし……というご都合主義の権化。
………とはいえ、少年達の脇の小山程度では、全く足りてないわけで、本当に終息させたのは、〈楽園〉と呼ばれる国からの援助だったんだけど。
〈楽園〉には所謂妖精族が住んでいて、私の曖昧な考えを精霊達が妖精達に伝え、妖精が契約している〈楽園〉の人間に伝え、〈楽園〉が薬の他援助の手を差し伸べた……というわけです。
〈楽園〉が援助した理由は……文化・芸術・学問の国、世界最大の貿易国……という立ち位置から、自国で流行ったら困る……ということ、精霊達といい関係でいたい……という理由らしい。
しかも〈楽園〉にある竜使いの里(この場合の竜はドラゴンのこと)に、紅輝王と呼ばれている竜(魔素還元している、竜) が住みついていることもあり、そういった事象に素早く反応してくれるらしい。
赤十字社みたいな国だな……と思っちゃったのは秘密。
ちょっぴり世界について出してみた。