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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ランデレ彼女

針供養彼女

作者: 狂風師

針供養を自分なりに解釈した結果こうなった。

短いのでデザート感覚でお楽しみください。


残酷な描写ありとなっておりますが、念のため入れただけなので、そこまで残酷ではありません。

たぶん。

 始まっていきなりだが、俺は今、危機的状況にある。


 目の前に横たわる女の同級生。


 口にガムテープを何重にも貼られ、目隠しや手足の固定に抜かりはない。


 なぜなら、それらはルコによる犯行だから。


 俺の右手には、古ぼけて使われなくなった裁縫用の針。


 ルコは俺の背中に体をくっ付けてもたれている。


ルコ「はやくシて?」


 針を持つ手が震える。


 出来るわけがない。


 人に針を刺すだなんて。


俺「おいルコ……考え直せ……」


ルコ「……」


 俺の背中に、何か冷たくて小さなものが当たった。


 そのままそれは下の方へと移動していき、僅かな痛みをもたらした。


ルコ「じゃあルコが先にお手本を見せてあげるね」


 そう言うと、右手にまだ新品の針を持って女子生徒へと近づいていった。


 両足に一か所ずつ針を刺して、笑顔で戻ってくる。


ルコ「ね? 簡単でしょ?」


 だめだ。もはや暴走状態だ。


 ゆっくりと立ち上がって女子生徒に近づいて、全速力で家を出た。


 呼び止める声も行動もしてこなかった。


 まるで予測されていたかのように。




 俺だけが逃げても、状況は何も変わらない。


 それどころか悪くなる一方だ。


 ルコの暴走を食い止めるのが俺の役目なのに、逃げてどうするんだよ…クソ…。


 警察に行くか…?


 ルコも女子生徒も救える方法でないと意味がない…。


 頭の中では考えが渦を巻きつつも、体だけはどんどんと自宅から離れていった。


 時刻は昼前。


 食欲はないが、辿り着いた近所の喫茶店。


 入ろうかと思ったが、咄嗟に家から出てきたので財布を持って来ていない事に気が付いた。


俺「…まぁ、食べたくないしな」


 そのまま店を素通りし、さらに自宅から離れていった。


 ダメだと分かっているのに。





 どれほど散歩しただろうか。


 どれだけ散歩しても家の中での光景は離れてくれない。


ルコ「お腹空いたでしょ?」


俺「ル、ルコ!? どうしてここに!?」


ルコ「なんとなぁく」


 別によく行く場所でもない。


 有名な何かがあるような場所でもない。


 なぜルコは俺がここにいると分かったのだろうか。


 俺自身、何のアテもなく歩いていただけなのに。


俺「…」


ルコ「ちゃんと逃がしたよ? 家に帰ろ? 二人っきり」


 服もちゃんと着てるし、血痕はなさそうだ。


 争わずに、俺が出たあとすぐに解放してあげたのか?


 パッと見は危ない物も持ってなさそうだし、一応は大丈夫…か?


俺「…もうやらないでくれよ?」


ルコ「うん」


俺「…。寒いだろ?」


 手を繋いで、二人で歩いて帰った。


 帰ったら昼飯食べて、少しばかり説教をしてやらないとな。



 そのまま無言で、繋いだ手は離さないまま、家の前まで帰ってきた。


 玄関の扉の取っ手に手をやり、普通に扉を開けた。


 すると中から何か重たい物が落ちる音と、女性の鈍い呻き声が響いた。


俺「おいルコ! お前…!」


 振り向いた途端に突き飛ばされて、華麗に家の中に押し込まれた。


 素早く鍵をかけられ、不敵にルコは笑った。


ルコ「ごめんね。嘘」


 呻き声が聞こえた方に目をやると、寝転がっている女子生徒の上に段ボールの箱が乗っている。


 体からは血が溢れ、全身赤色に染まっていた。


 もう動いていない。


 近くにはロープと折れた針が落ちていた。


 力なく座り込み、ただ血の海が広がっていくのを見ているしかなかった。


俺「これって…うそだよな…」


 俺が扉を開けたから、この段ボールが落ちて…。


ルコ「下に針を付けて中には鉄板。重りはまだ開けてない米袋。扉を開けたら落ちてくる仕組みだよ」


俺「ふざけるなよ! さっき、もうやらないって約束しただろ!」


ルコ「約束したのはルコが仕掛けを作った後だよね? それにルコはとどめを刺してないよ?」


俺「…。はは…。俺が、やったって、ことなのか…。ははは…」


ルコ「かわいい」


 後ろから抱き付かれ、そのままキスをした。


 血の池を見ながら、長い時間、互いの唇を重ね続けた。

精神破壊系ヒロイン。なんという悪女。


もともと針供養の小説は1週間くらい前から考えてました。

けれど、実際の執筆時間は5時間未満。


「豆腐などの柔らかいもの」→「人に刺せばいいや」という安直な考え。

ただ、主人公にとどめを刺させるというのは予定外。


本編とは関係なしなので、前後の話はありません。

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