ぶらっくこーひー ~Dear 私のご主人さま~
萌えは狙ってないのですが・・・・・・ぽい雰囲気に;
「ねぇねぇ、何を見てるのですか?」
「ん・・・・・・」
コーヒーカップを手に持ったまま固まっちゃったご主人様。
知らない単語が羅列した書類を、ぱらりぱらりってむずがゆいほどゆっくりめくってる。
・・・・・・私がいれたコーヒーよりも気になるなんて!
すまし顔のコピー紙にちょっとだけ嫉妬する。
「コーヒー、冷めちゃいますよー。私の愛といっしょにー」
口を尖らせると、こちらを見向きもせずに
「勝手にしろ」
って鼻で笑われた。
冷たいなぁご主人さまは・・・・・・
でも、本当は私の愛が冷めることなんてない。
懲りずにご主人さまにアタックをし続ける。
「ねぇご主人さまぁ」
「・・・・・・」
「ご主人さまってばぁ」
「・・・・・・」
「ご主人さまーっ!」
「・・・・・・」
うぬぬ・・・・・・今日はなかなか振り向いてくれない・・・・・・。
いつもなら3回でこっちを見てくれるはずなのに!
悩んでいると、昨日隣のきれいなお姉さんが言っていたことを思い出す。
『まだミウちゃんには早いけど教えてあげる。
男はね・・・・・・ぼでぃーたっちに弱いのよ!
これで振り向かない男はいないわ。うふふふふふ・・・・・・』
頭にぴかっと豆電球がついた。
これ・・・・・・使えるかも!
隣の家に向かって、しっかりと手を合わせる
お姉さまの秘技、さっそく使わせていただきます!
私はご主人さまの肩に腕をまわした。
「ご主人さまっ♥」
少し肩がぴくっと動いた。
おおっ!っとおもって息をひそめる。
でも、それっきりご主人さまから反応が返ってくることはなかった。
がっかりして溜めていた息を吐く。
あのお姉さまの秘技が効かない人がいるなんて・・・・・・さすがご主人さま・・・・・・。
かといってそのまま諦めるのもちょっと悔しい。
せめてもの抵抗に私は、不貞腐れたフリをしながらご主人さまのコーヒーカップに手を添え、口をつけた。
「にがっ・・・・・・」
毎日いれるけど、飲んだこともなかった『コーヒー』。
初めての一口は、はっきりいって衝撃的なほど苦かった。
舌をだしたくなるのを我慢して、ゆっくりと全部飲み干した。
後味もすっぱいばかりで、甘さの欠片もない。
ご主人さまはいつもこんなのを飲んでいるんだ・・・・・・。
開けそうになる口を、あえてぎゅっと結ぶ。
香りを、絶対に逃がさないように。
ミルクもお砂糖もいれない
ぶらっく・こーひー
まだ私には苦すぎるかな
でもねいつか
いっしょに飲めるように頑張るよ
いっしょに飲めるように・・・・・・
女の子目線というのをあまり書いてなかったので書いてみました。
ご主人さま目線も作ろうと思います☆
考えてる設定がかなり壮大←なので、長編も可能(?)です。
気が向くor要望があれば書いてみようと思います。