第四話 本当の再会
初めての人は初回から読んでください。
読んで、気になったところとか、感想とか良かったらよろしく。
「なんか見たことあるような顔だったな~?」
杏が学校にいるのは知っていたが、
さっきの女性を杏だとはきずかなかった。
だが、何だか変な違和感を感じていた。
校舎に入ると、涼の緊張は最高潮に達していた。
杏のことなど、考えてはいられなかった。
職員室まで続く短い廊下を歩く時間が、
今の涼には、永遠の時間のように感じる程、
頭の中は真っ白で、何も考えることができなかった。
ゆっくり、ゆっくり歩いていった。
気が付くと、職員室のドアの前にまで来ていた。
その場で固まってしまい、なかなかドアに触れることができない。
「落ち着け~大丈夫、大丈夫、スーハー、スーハー」
ゆっくりと呼吸をし、自分に語りかけ、緊張をほぐし、
ゆっくりとドアに手を近ずける。
「おい!おい!聞いているのか!」
「あっ…何か…」
涼は緊張しすぎ、後ろから話しかけられていることに、
まったくきずいていなかったようだ。
「んっどうした、顔が真っ青だぞ」
話かけてきた男は背が高く、雰囲気的に、暑苦しかった。
涼はおびえた顔し、ボソボソと何か喋っている。
「何だ?言いたいことがあるなら、言ってみろ」
「…いや…別に…何も…」
こういう感じの男は、涼の一番苦手なタイプだった。
「ん?そういえば見ない顔だな…」
そりゃそうだ、今日初めてこの学校に来たのだから。
「ああっお前!転入生だな?履歴書に顔を見たぞ!」
男の声は騒がしく、いちいち周りの注目を浴びる。
「えっ皆転入生だって」
「マジでどれどれ?」
ヒソヒソと周りから声が聞こえてきた。
涼は人に見られるのが苦手で、
この状況は今にもパニックをおこしそうなくらいだった。
「速く言えよ~!俺はお前の担任になる近藤?!グハっ」
いきなり近藤と名乗る男が女子生徒に蹴り倒された。
「えっえっ?」
色々な事がおこり、涼の頭の中はぐるぐる回っていた。
「邪魔です!近藤先生」
そう言って女子生徒はこっちに近づいてきた。
「!」
涼はパニックになっていて、すぐにはきずかなかったが、
その女子生徒は、さっきぶつかった女子だった。
何故か女子生徒はこちらを見て、ニコニコ微笑んでいる。
「久しぶり!おにいちゃん!」
この言葉を聞いた瞬間に涼の頭の中が限界にきて、
その場でヘナっと倒れ込み失神してしまった。