プロローグ
初めましてです!未熟者ですが、よろしくお願いします!
私はノルマーン公爵のいわゆる不義の子である。
「エレン!どこなの?」
「はい。リアーヌ様。ここにおります。」
「リアーヌ様なんて言わないでちょうだい。」
外から見るといじめである。でも、リアーヌ様は、とっても優しい。だって…
「いつも呼び捨てでいいと言っているじゃない。あっお姉様でもいいわ。」
ということである。
リアーヌ様はちょっとめんどくさい言い回しをして嫌われるけれどとっても優しい。
5歳の頃にお母様が死んで、悲しんでいる時にお父様が引き取ってくれた。
正直、奥さんがいるのにお母様に手を出したお父様なんて認める気はなかったけれど、優しくしてくれて、お義母さまもその一年前に亡くなっていたのに同い年で私にそっくりのお義姉さまも優しくしてくれたから、すぐに公爵邸に馴染めた。
だから敬意を示してリアーヌ様と呼ばせてもらっている。
もう一度言おう。お義姉さまはとてつもなく優しい。
そして、私はお義姉さまが大好きである。
でも、私は今日思い出してしまった。
ここが前世の乙女ゲームの世界であることを。そしてお義姉さまが悪役令嬢だったていうことを。
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「……レン!…エレン!エレン!」
目の前でお義姉さまが叫んでいた。そして公爵邸の医務室のベットで寝ている。
どうしてこんなところにいるんだっけ?と思考を巡らせていると、思い出した。
さっきお義姉さまの前で倒れて前世の記憶を思い出したのだと。
前世のことはあまり覚えてはいないけれど、確か初めてのお酒を飲みすぎちゃって車に突っ込んで死んだ気がする。
馬鹿だ。ものすごく。
他に思い出せることと言ったら乙女ゲーム『私の王子様〜スター⭐︎ライト魔法学園で始まる新たな恋〜』だ。
なんで日常生活や名前は思い出せないのにこれだけ思い出せるのかというと、この世界に乙女ゲームの世界が酷似しているからだ。
いや、酷似レベルじゃない。まんまだ。
そして、この世界のお義姉さまはヒロインをいじめて破滅する、いわゆる『悪役令嬢』である。
何かの間違いだとは思うが、魔法が使えることも、5年後に『スター⭐︎ライト魔法学園』(今考えたら凄くダサい名前)に入学することも、悪役令嬢の公爵家に不義の子がいることも全部その世界と同じだ。
でも私はお義姉さまが悪役令嬢になるとは思えないのだけれど…
「エレン!勝手に倒れるんじゃないわよ!情けない!私、とても恥ずかしいわ!」
前言撤回だ。
多分お義姉さまが言いたいのは
「エレン、なんで気分が良くないのを言ってくれなかったの?気づけなかった私はとても情けなくてとても恥ずかしいわ!」
である。
きっとこんな言い回しが誤解されたのだろう。
そんなお義姉さまを見て私は決意した。
絶対にお義姉さまに悪役令嬢なんていう役割を与えさせない!
私が絶対にお義姉さまを守ってみせる!