表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

人気ダンジョン配信者#玲奈⭐︎3

まるで虫を払うかのような一振り


それだけで私は吹き飛ばされてしまった。全身血まみれ体もぐちゃぐちゃ。立ち上がることなんて到底不可能


私死んじゃうのかな


:え、何が起きた?

:分からんない。気がついたら玲奈ちゃんが血まみれになってる

:ヤバいヤバいヤバい。このままじゃ死んじゃう;;;

:救助隊呼んだ

:↑無理だろ、ここ深淵だぞ

:じゃあどうすればいいんだよ?!

:知るか。自分で助けに行けば?

:せっかくカンパニーの人が注意してくれたのに…

:↑さっきからお前なんなん?カンパニーの擁護ばかりしやがって

:だから擁護じゃなくて当たり前のこと言ってるだけだって

:喧嘩やってる場合かよ

:↑じゃあお前解決策あんの?

:だからなんで喧嘩腰なん?

☑️公式:冒険者協会とカンパニーにそれぞれ救援要請をしました。それと冒険者の方々で救助に行ける方はお願いいたします

:無理だろ…仮に深淵に行けてもあの化け物がいる可能性があるんやろ?

:カンパニーは黙秘を貫いてるな

:おい!ケントが救助しに行くって声明出したぞ

:マジか!玲奈ちゃん、ケントが来るまで保ってくれ〜;;;

:いや、普通に間に合わないだろ

:↑なんで一々そんなこと言うん?黙ってろよ

:ケント早く来い!

:ケント、ナイス

:今まで嫉妬でケント叩いてたやつらが手のひら返してて笑う

:つーかカンパニーほんと使えないな。こう言う時に動くのがあいつらの仕事じゃねーの?

:玲奈ちゃんファンだけど、流石にそれは無理あるくね?一応あの黒服の人達が注意してくれた訳だし

:玲奈ちゃんの死が観れると聞いてノシ

:うわっめっちゃグロいじゃんWWWWW

:これが日本最強女子高生です、か(笑)

:このコメントはbanされました

:このコメントはbanされました

:このコメントはbanされました

:おい落ち着けって。煽りに反応すんな

:このコメントはbanされしまた


ふと、カンパニーの人達の顔を思い出した


メガネをかけた人は本当に心配してくれてたっけ。あの時は配信で興奮してたのと、子供扱いされてムキになっちゃって…酷い事言っちゃったなぁ。結局ちょっと怖いお兄さんの方が言ってた通りになっちゃった


意識が遠のいていっているのを感じる。配信を閉じたいけれど、それすらも出来ない


“死にたくない”


そう思った時、足音が聞こえた。私はいよいよダメだと思った


え?


:キターーーーー!!!!!!

:あれ、さっきのカンパニーの人じゃん!!

:まじか、本当に強かったんだ

:そんな事どうでもいいわ。いいから早く玲奈ちゃん助けてくれよ

:カンパニーの事見直したわ

:早く助けろ

:ちっ、おもんね


“助けて!”


大声で叫んだはずなのに消えそうな声しか出ない。それでも私は叫ぶしかなかった、けど…


:あの人こっちに気付いてなくね?

:ふざけんなよ!なんのために来たんだよ?!

:何か調べてるな。モンスターが行った方向を探してるとか?

:なんか突っ立って考え事してるわ笑流れ変わったな。コメント減ったけど玲奈ファン元気にしてるか?笑笑笑

:早くしないと死んじゃうよ;;;


何度も叫ぼうとしたけど、ついに声が出なくなってしまった


嫌だ!せっかく助かりそうなのに!!こんな死に方ってあんまりじゃん


何度も、何度も心の中で叫んだ。けれど向こうは一切気づいてなくて、涙がこぼれそうになった時、


「先輩!!」


メガネのお兄さんが来た


:メガネの人来た

:しかもこっちに気がついた!!

:うおーーーこれで助かる!

:メガネの人ナイス、というか黒ずくめの人盲目なんか?

:それな、この距離で気づかないとか無能だわ笑

:深淵にすら行けなくてコメントだけしてるお前は無能以下だろ

:は?

:だから喧嘩するなって(呆れ)

:おもんな、他行くわ

:↑2度とくんな

:まあでもここの民度が終わってるのだけは分かった笑笑


私、助かるんだ…色々な感情が揺れ動いてたためカンパニーの人達の話なんて入ってこなかった。けれど、一言だけはっきりと聞こえた。聞こえてしまった


『ああ、知っている。だからどうした早く行くぞ』


なんて言っているのかわからなかった。言葉は頭に入ってきたのに、意味が理解できない


:は?

:は?

:は?

:は?

:は?

:こいつ何言ってんの?

:いいから早く助けろって!

:こいつ頭イッてね?

:盲目な上に発達なのかよ

:カンパニーのこと嫌いになりました

:↑さっきから好きになったり嫌いになったり忙しいやつやな

:普通に助けるやろ

:それな


『忘れてるようだからもう一度言ってやる。今回の任務はガキの子守じゃない』

『じゃあお前は、そのガキに使った一回の回復で俺たちの戦闘に支障が出たら責任が取れるのか?』

『ダンジョン内で起こったことは自己責任。これは誰もが知っている事だ、それにこのガキの出発の時に同じ警告をしたはずだ。その警告を無視して、瀕死になったら助けて下さい?あまりに都合が良すぎるだろ』


:それは、そうだけどさぁ

:でも普通助けるだろ

:玲奈ちゃんを助けてください。お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします

☑️公式:謝礼はいくらでもします。どうか玲奈のことを助けてください!!

:公式も言ってんぞ

:無理だろ、この人達にコメント届かないんだから

:ふざけんな!人の命より大事な任務ってなんだよ!!!俺今からカンパニーにクレーム入れるわ

:それいいな俺も入れる

:カンパニー黙らせて俺たちで玲奈ちゃんを救おうぜ

:よっしゃ捨てメアド作りまくったわ

:俺鬼電する笑

:うおーーー俺たちが玲奈ちゃんを救うんだ!!

:無能カンパニーに負けるな!

☑️公式:みなさん、過度な行動は控えてください!今から私たちの方でカンパニーと連絡をとりまふ

:それな、お前らライン超えすぎ

:鬼電とか迷惑メールに対応するカンパニーの人達は全く関係ないだろ

:弱男は黙っとけよ。俺は玲奈ちゃんの事本気で想ってんだよ

:やめろって


やっぱりそうだよね…都合が良すぎる、か。これじゃあ子供扱いされても文句言えないなぁ

あーあ、もっと楽しみたかったなぁ。学校でもっと友達と無駄話して、彼氏はいないけどデートもしてみたいし…でもこのまま置いていかれるのは嫌だ。それなら、それなら


早く殺して


さっきまで声が全く出なかったのに、自分でもびっくりするくらい大きな声が出た。そしたら黒いお兄さんが初めてこっちを見た


殺してくれるんだ。よく見たらお兄さんかっこいいなあ。って今から殺される人になに思ってんだろ私笑笑


世界が白黒になっていった、けどその時


『分かった、最低限の回復の許可を出す』


世界に再び色が戻った

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ