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ダンジョンカンパニー#エージェント番号070(4)

俺は”死の絲”を引きながらダンジョン内を駆けていた


************************************************


命を呑む神冥の絲[特殊]

“死の絲”を引きながら疾走する。経路上の敵に”神呪”というマークをつける(最大10層)。スキル終了後マークした敵に冥属性の特殊ダメージを与える。移動中完全中断耐性を得る


・最大継続時間8秒

・クールタイム10秒


************************************************


2秒がこんなに長く感じたのは初めてかも知れないな


ヤツが攻撃したのはおそらく一度だけ。そこから何も感じないということは、もう戦闘は終わっているだろう。ヤツが遠くに行く前に、まずは現場につく必要がある…っと、クールタイムあがってたか


「またザコか。邪魔だ、死ね」


“命を呑む神冥の絲”


もう少しはかかりそうだ


「・・・」


現場には着いたもののすでにヤツは移動した後だった


『ぁ、う…』


・地面が水晶であるため、足跡を辿るのは不可能

・逆に大きな足跡がないため、大きな移動はせずに近くにいる可能性が高い


『タ、スケ』


「一度高いところに行ってみるか」


その前にまずはアイツが追いつくのを待つか。チームにおいて独断による単独行動は結果がどうあれ最悪の選択だ。焦るな、タバコでもやって落ち着けばいい


『オ、ガイ』


「ふぅ」


…タバコの味が分からない。何本吸っても全く落ち着かない。駄目だ、単独行動だけは絶対にダメだ。焦るな、焦るな、焦るな、焦るな


「先輩!!」


「ああ、来たか。時間が惜しいから端的に話す。ターゲットはすでに移動していたがまだ近くにいる可能性が極めて高い。よって高所からの索敵を行う」


一刻を争う。もはや1分、1秒でも惜しい。早く適所を見つけなければ


「っ!あれは?!」


…は?


どこ行ってんだあいつ。報告を聞いてたか?時間との勝負なんだよ!!


「先輩!」


「ああ、知っている。だからどうした早く行くぞ」


なんとか怒りは抑えた。普段はこのくらいでは怒らないが、これもきっと焦りによるものだろう。ダメだな、戦闘前に一度落ち着く必要がある


「待ってください!このまま置いて行くんですか?!それに知っていたって、今までずっと放置してたってことですか!!」


「当たり前だ」


「先輩!本当にこの子を置いていくんですか!!」


はぁ…なんとなくだがこいつが言いたいことが分かった気がする


「忘れてるようだからもう一度言ってやる。今回の任務はガキの子守じゃない」


「それでも、こんなに無惨な姿なのに置いていくなんて…それに自分なら回復できます」


「じゃあお前は、そのガキに使った一回の回復で俺たちの戦闘に支障が出たら責任が取れるのか?」


「っ、それは…」


「ダンジョン内で起こったことは自己責任。これは誰もが知っている事だ、それにこのガキの出発の時に同じ警告をしたはずだ。その警告を無視して、瀕死になったら助けて下さい?あまりに都合が良すぎるだろ」


「・・・」


「最後だ、任務に集中しろ」


こいつがここまで意地になるなんてな。確かに人命救助は立派な事だ、俺も反対はしないさ。ここがダンジョンでなければな


「いえ、やはり置いていくことは出来ません。自分にも娘が居ます。親目線としてどうしても見捨てられないのです」


『モウ、ダイジョウブ。』


“でもお願い、早く殺して”


※EP1


はぁ、嫌なこと思い出しちまった。それによりにもよってあの人との記憶か


「…分かった、最低限の回復の許可を出す。それと回復後はお前が背負って移動しろ。ここに手負でいても他のモンスターに殺されるだけだからな」


おいおい、そんな驚いた顔をするなよ。助けると決めたからには最後まで責任を持つさ


全く、これだからガキは嫌なんだ


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