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ダンジョンカンパニー#エージェント番号S-070(2)

深淵に行こうとしてるガキに警告を入れたらギャーギャー叫び始めやがった。それにチラチラ違うとこ見てるのが気になる。おそらくだがあれがダンジョン配信ってやつか。これは機密だが、全部の配信はカンパニーがリアルタイムに監視している。便利なのは分かるが…せめて物分かりのいいやつだけに渡せよ


「ということだ。ガキは帰れ」


『まだ納得してません!あなた達が私より強いなんて』


「有り得ない?」


『っ、そうです‼︎』


またごちゃごちゃ言い始めた。あーストレスで吐きそうだ。ここは一服、、、


「先輩、子供の前でタバコは控えてください」


…まあそうだな


『さっきから子供扱いしてますけど、それやめてください!私は深層のボスだってソロで攻略しまた。これは日本で私が初めてです!今日本で私以上に強い冒険者はいません!!』


「深層ボスのソロ討伐ね。カンパニーはとっくの昔にやってたよ」


『さっきから昔の話をしてますけど、2年前ってまだ中層も突破できてないじゃないですか。嘘ならもうちょっとマシな嘘をついてください。それかなんですか?カンパニーはダンジョン内の隠し事をしてるんですか?』


「ああそうだよ」


『「っ!?」』


おいおい後輩、こんくらいで焦るなよ。その場凌ぎだよその場凌ぎ


「隠し事なんて当然するだろ。お前はこの世の中が全部本音で動いてると思ってんのか?」


カンパニーだけじゃない。世の中なにだって隠し事の1つくらいはある。ただカンパニーがダンジョンの事だって話だ。まあカンパニーの隠し事はどれもどえらい事ばかりだが…


「そんな態度でいいんですか?今配信にのってますよ?あとカンパニーって冒険者から嫌われてるんですよ?知ってましたか?」


「お前らの評価は関係ねーよ。それにこっちから言うと、最近の冒険者は指示に従わなさすぎる。特に世間を知らない若者が増えてきて厄介だってな」


「また子供扱い‼︎私だって配信で稼いでます!親にお金を貰ってるだけのお子様じゃありません」


はぁこれだからガキは。

これに関してはお金に対する知識もなしに金を稼げる世の中も世の中だ。社会に出たことのない子供に大金握らせても碌な事にはならない。大抵自分が偉いと勘違いしてやらかすか、人に騙されるかで終わる


「…分かった。早くゲートを通れ」


「先輩!?」


「俺たちの目標はターゲットの排除であって、冒険者の避難誘導じゃない。一応警告はしたし、これから先は自己責任だろ」


このガキにこれ以上言っても無駄な気がする…せめてでもこいつがターゲットと接敵しないよう祈っとくか


『やっと分かってくれたんですか。それに私から先に入るのはずいぶんあっさり許してくれましたね?』


「今回のゲートを開いたのはお前だからな。俺たちはそれを利用する立場にある。筋が通ってない要求なんて言わねーよ」


それと


「分かってると思うが、向こうで何かあっt」


『はいはいわかってまーす。それじゃ!皆んなちょーと時間はかかっちゃったけど、深淵に入っちゃうぞ〜』


「・・・」


ゲートが再び使えるのは1h後、それまでタバコでもやるか。正直ガキとのやり取りのストレスで吐きそうだ


「あの子、大丈夫でしょうか」


ちょっと吸ってはすぐ捨て、また次を吸う。これを2、3回繰り返していると後ろから声が聞こえてきた


「出会ったら最後、即死だろうな。もしくは…」


向こうからしたらハエもあのガキも変わらない。今回の標的はそれくらい強い。叩き潰されるだけで見逃してもらえる可能性が無くは無い。しかしそこから深淵のモンスターに会わないで戻ってくるのは奇跡でも起きない限り無理だろう。つまり、どのみち死ぬ


「っ!それが分かっていながらなぜ行かせたんですか!?もっと話をして止めるべきでした」


「最初はやっていたさ。ただあのガキに納得してもらうより、さっさとゲートを使ってもらった方が早く済むと考えたからだ」


あのまま話合っても…いや、話にすらなってなかったな。少なくとも1時間で収まるような感じではなかった


「さっきも言ったが、今回の目標はイレギュラー個体の迅速な排除だ。ガキの子守りじゃない。任務中だぞあのガキの事は忘れろ」


「…了解です。熱くなってしまって申し訳ありませんでした」


「おう。気にすんな、任務に集中するぞ」


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