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ダンジョンカンパニー#エージェント番号S-070

「エージェント番号S-070。深層最階下へ到着これより深淵へ突入する」


『報告了解』

『今回ノ目標ノ確認”先日目撃サレタ、イレギュラー個体ノ確実ナル排除”。復唱セヨ』


「了解。今回の目標はターゲットの確実なる排除」


『速ヤカナル任務遂行ヲ期待スル』


「失礼します。…よし、一服したら深淵へ向かう」


カンパニーとの連絡はいつも緊張する、それこそタバコでも吸わないとやってられない。おかげで今や立派なヘビースモーカーだ。俺はタバコに火を付けながら、装備の最終チェックをしている後輩の方へと向かった


「了解です先輩」


堅物メガネのいかにもな真面目マン。こいつとはかなりの回数タッグを組んできた。ヒールとタンクをこなせる防衛のエキスパートで火力スキルの多い俺と相性がいい。安定した仕事ぶりは信頼の出来る盾役の証拠だ。


「先輩と組むのは久しぶりです」


「まぁ、お互いグレードが上がって単独任務が多くなったからな」


俺の働いてるカンパニーに限らずどの組織でも昇格すればそれだけ仕事内容が難しくなり、失敗した時の責任も重くなる。こいつとのタッグも久しぶりだが、そもそもタッグ自体昇格してから無かった気がする


「上はそれだけ今回の件を重く見てるってことだろ」


そう。だからこそ今回の任務の重要性と危険性はかなり高いと言える。基本的に無理難題を課してくるカンパニーが高ランクのエージェントが2人必要だと判断したのだから…


今回のターゲットはダンジョン深淵の浅いところに現れたイレギュラー個体


************************************************


イレギュラー個体とは階層に縛られる事なく自由に移動の出来る特別なダンジョンモンスターである


ダンジョンは全部で100階層あり上の階から上層>中層>深層と大きく3つに分けられている。そして今回向かう深淵とは深層のボスをクリアする事で開くゲートの先の世界である


追記:イレギュラー個体は階層の移動は自由だが、層と層の移動は出来ない。つまり中層のイレギュラー個体は上層には行けず、また下層にも行けない


過去の例を見ると上層のイレギュラー個体はそこまでの脅威ではなかったが、中層、深層のイレギュラー個体が現れた時には甚大な被害が出た


基本的にダンジョンモンスターは深く潜れば潜るほど凶悪になっていき、その強さの上がり具合もとんでもなく広がっていく。中層の段階でさえ前の階層で楽々と倒せていた装備が、次の層では太刀打ちできなくなってしまう


その層の最階下ボスより強いイレギュラー個体が、上の階で現れたら…その層の人々はたちまち全滅である


そしてこの法則に則ると、深淵のイレギュラー個体の強さは…


************************************************


ダンジョンの利権を持っているカンパニーとしては早急に危険を排除する必要がある


「ボスのリポップまではまだ時間がある。目標個体との接敵前に戦闘はなるべく避けたい。ゲートがまだ開いてるうちに入るぞ」


「把握しました。一応ですが、前衛は任せて下さい」


こうして2人がゲートの近くまで着いとき、


『ハロハロー⭐︎今日は前回見たイレギュラー個体に挑戦しようと思いまーす‼︎』


ダンジョン地下100階とは思えない、元気な声が聞こえてきた


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