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AIロボット冒険譚  作者: ピノキヨ990
光の国
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第一章 光の国、王城

−光の国− 祭壇


聖職者が複数人、息を切らして立っていた

直後、騎士が二人部屋に来て案内を始める

連れられた先は個室

王城に召喚されたらしく、とても豪華な内装をしていた

『謁見の準備をするので待っていて欲しい』とのこと

二、三人程なら余裕で使えそうな広さをしているが

アイ一人には少し広すぎる

アイが疑問に思いつつも、ベットに座ったとき


「すごいのぉ」


後ろでシリスが部屋を眺めていた

喋るまで少しの気配も感じることは無かった

先ほどの疑問は消えたが、また増えた


「どうして此処にいるのですか?

 それに、翼はどうしたんですか?」


何が面白かったのか、声を出して笑い出した

息を吐き、(にじ)む涙を拭う


「なんじゃ。気づいておらんかったのか」

「それはじゃな…」


コンコンコン


計ったようなタイミングでドアが鳴る

外に出て長い廊下を歩く


「さっきのじゃが、簡単なことじゃ

 お主が飛ばされるときに魔法陣が出たじゃろ?

 それにワシも入ったんじゃ。

 翼は隠しているだけじゃよ」


アイも、アテナすらも気づかない程に気配が消えていた

攻撃を封じておいて正解だったなどと考えていると

謁見の間の前まで来ていた

巨大な扉が開かれる

王座が一席、王が座っている

手前には大臣のような人達が内を向いて並んでいた


「よく来た異界の者よ」


とても美しい顔立ちをしているが

シリスとは違う圧を感じる

威圧とは違う威厳のような何か


「お初にお目に掛かります。アイと申します。」


アイは(ひざまず)き、王に挨拶する

しかし、シリスは腕を組みその場に立ち尽くしていた


「王の御前である!無礼であるぞ!」

「構わん」


大臣を制止し、話を続ける


「アイよ、丁寧な挨拶に感謝する。

 我の名はガルム・リンブルグ。

 こちらの都合で突然異界に来させられたのだ、

 不満に思うこともあるだろう。

 内の者がすまなかった」


ガルムが頭を下げる

大臣達は驚き、止める者もいた


「安心するといい。使命などは特にないのでな。

 自分の好きに生きてくれて構わない

 一つだけ、信仰している神を教えて欲しい」

「承知いたしました」


ガルムが手を鳴らすと、使用人が水晶を持ってきた


「これに手を(かざ)してくれ」


アイが手を(かざ)すと、水晶は赤黒く、禍々しく光った

アイの手には、“シリス”の名が浮かぶと

大臣達がざわつき始める

ガルムは大きな声で命令した


「此奴らを捕らえよ!!」


騎士がアイ達を押さえる

手を縛られ、そのまま地下へ運ばれた

そこは石壁に囲また薄暗い牢獄だった

周りには多くの拷問器具が置かれている

騎士は、二人を置いて外に出た


「のぉ、何故抵抗せんかった」

「抵抗する理由がありませんでした」

「「……………」」


しばらくすると、大柄の男が入ってきた


「俺は騎士団長のロズだ

 単刀直入に聞く。お前は何者だ。

 なぜシリスと契約した」

「私はAIロボットのアイです

 契約に関しては…」


これまでの経緯を簡単に説明した

ロズはまだ疑っている


「攻撃できない…か

 証拠となる物はあるか?」


トランクケースの中を確認するが、証明できそうな物は無かった

すると、横にいたシリスが胸に手を当てる

その手は心臓へと沈んでいく

腕の半分ほどが入ると、力を入れ、何かを引き抜いた

それをロズに投げ渡す


「これでどうじゃ」


ロズは驚愕し、固まっている

恐る恐る開くと、飛ぶように部屋を出ていく


「何を渡したのですか?」

「あとで分かるわい」


数分後、アイ達の釈放が決まった

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