花よ
通り過ぎる季節とか
立ち止まる自分とか、
すべてを押し流すように、
この世界はどこへゆく。
誰にもわからぬままに、
歴史という名の風になり
良いことも悪いことも、
宇宙の果てに溶けるのか。
ああ、明日への謎に、
心迷えぬように、
ああ、花よ咲いてくれ、
もうすぐの春の日に。
始まりも終わりもない、
それが真理だとしたら、
この心に湧き上がる
夢も消えたりしないはず。
いつかどこかでまたねと、
笑ったあなたはどこにいる。
おんなじ時代に生まれては
最後は一緒に行けるのか。
ああ、あなたへの謎に、
心乱れぬように、
ああ、花よ香ってくれ、
もうすぐの春の日に。
急ごうとしなくてもいい、
いいですよ、いいからね。
どこからか聞こえてくる。
この耳だけに届いてくる
ましてや欲張ることなんて、
したがるな、させたがるな。
皆で仲良く暮らしなさい。
見知らぬ縁を守ろうか。
ああ、平和への謎に、
心ふさがぬように、
ああ、花よ舞ってくれ。
もうすぐの春の日に。