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今日も朝からオシゴトかぁ。

「あ~、今日も起きるのキツいなぁ。もう45連勤目だよ。。」


昨日とほぼ同じセリフを吐きながら、目覚まし時計に手をのばす。

たたいても、叩いても止まらない。


バシバシバシ!

ドコッ!ドカッ!ポーイ!


「うーん、なんで止まらないんだ?」

ふと長針を見てみると、11と12のあいだくらい。

「まだ7時前じゃん。鳴るわけないし空耳か。。つかれているのかなぁ。」

とつぶやきながらタイマーを切って、ノソノソとテーブルに手をのばす。


いつもの元気になるためのおくすり。

ビタミン剤が3錠、カルシウム剤が2錠、胃腸薬が3錠、カフェイン入りの気合のおくすりが1錠。

合計9錠だ。


「う~、おくすりの数も増えたなぁ。このままじゃヤヴァイよ。」

カーテンのすきまから射し込んでくる朝日に目をこすりながら「おはよぅ」と消えていきそうな独り言をいう。


タンタン♪タンタン♪タンタンタン♪


スマホが楽しそうな音を奏でる。

「あっ、スタディタイムくん!おはよ~。なんか昨日より魔王ふえてるよ。もう8人くらいあった。風にのって逃げたけど、最近こわいよ〜。」


「おはよぅ、ココタン。昨日も魔王を3人倒したんだけどなぁ。う〜ん、今日もがんばるょ。。」


「うん、おねがいネ。このままじゃみんな食べられちゃうから。それじゃ、あとでネ!」

ツー、ツー、ツー。


そう、ボクの名前はスタディタイムくん。

ドリームワールドと呼ばれる妖精や精霊がたくさん住む世界でココタンたちと暮らしている。


最近さらに物騒になってきたドリームワールドを少しでもよくしようと、勝手に世直しをしている。

たいていは暴れまくっている魔王とかと闘っているだけだけど。。


「ココタンたちとまったり遊んでいたいのに、ホントに魔王ふえたよなぁ。勇者もほとんどいなくなったしなぁ。

この前ココタンからなんで魔王ふえたの?って聞かれたから説明したけど、よくわかってなさそうだったなぁ。」


「用件はワカッタ!じゃ、スタディタイムくんガンバッテ!」


いやいや、ココタン絶対わかってないだろッ!



ボクもアインシュタインを超える世界最高の頭脳をもつオッキーから教えてもらっただけだしなぁ。

オッキーはいっつも寝てるけど、頭はいいんだよなぁ。


ちょっとボクが理解した範囲でドリームワールドのことを

整理しておこう。


たしか、現実世界のニンゲンが想像したキャラクターが住むのがドリームワールド。


現実世界の並行世界らしく、見た目やつくりはほぼ一緒。

違うのはニンゲンが想像したキャラクターだけがいて、

どれだけニンゲンが覚えているかや思い入れがあるかで存在値が決まること。


この存在値はドリームワールドで暮らす上で超重要。

もし存在値がなくなったらボクタチは消滅してしまうから。


存在値がなくなる可能性があるのは、ニンゲンに忘れられてしまうか、ドリームワールドでのバトルに敗れて他のキャラクターに存在値を奪われてしまうこと。


なんで存在値を奪われたら消滅してしまうのかオッキーに聞いたら、

現実世界は物質でできているが、ドリームワールドは反物質でできているかららしい。


さらに物質と反物質は相互関係になっていて、物質がニンゲンに忘れられてなくなると、ドリームワールドの反物質もなくなってしまうらしい。


コレがニンゲンに忘れられるとボクたちが消滅してしまう原因。


もしドリームワールドで存在値が奪われると、反物質が移動して、現実世界で対応している物質も移動してしまう。

そのため魔王たちに存在値が奪われるとボクたちも消えてしまう。


ただ魔王たちも必死で、ニンゲンに忘れかけられているから、他のキャラクターから存在値を奪わないと消滅してしまう。


ほとんどは仕方なくバトルしている感じ。

まっ、中にはたのしんでバトルしている魔王もいるけどね。


魔王たちに比べて勇者たちが少ないのは、勇者パーティーの名前がニンゲンの名前とかぶりやすいから。


主人公である勇者パーティーに自分の名前や好きな人の名前をつけるニンゲンが多いけど、しばらくすると黒歴史として意図的に忘れさられてしまう。


コレが魔王たちが増えすぎた原因。

でも魔王たちもニンゲンに忘れられるのは時間の問題だから、バトルをして存在値を奪うのもしょうがないよ。。


以上がアインシュタインを超えるというオッキーが寝ぼけながらしてくれた説明。


ただしボクがわからないところは

ちょっと、、

すこし、、

いや大幅に、、、

飛ばしてあるから、正確ではない。


「う~ん、ココタンには存在値をライフポイントとかに置き換えて説明したんだけど、そりゃわからないよね。。」

うん、ボクもさっぱりわからない!


ただ大事なのは、ココタンたちが魔王たちの生存競争バトルに巻きこまれると存在値が奪われて消えてしまうこと。

それはよくない!


だから最近は世直し生活に追われている。

「でも45連勤かぁ。さすがにしんどいなぁ。」


タンタン♪タンタン♪タンタンタン♪


「もしもし、スタディタイムくん。なんかマオウ3人にかこまれているんだけど。この前いってたライフポイントが足りなくてこまってるんだって。すこしわけてあげてもいいかとおもったんだけど、ぜんぶよこせっていわれてたいへんなの。どうしたらいいかな〜?」

「あげちゃダメッ!とりあえずいくから待ってて!」


マズイ、急いでいかなくちゃ!歯を磨いて、顔を洗ってってそんな時間あるわけないッ!


ドタバタ!ドカン!ガシ!ゴト!いてッ!


今日も朝から世直し生活。スタディタイムくんの45連勤目がはじまった。



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